自交労働者No.626、2004年6月15日

組織拡大へ各地で宣伝

初年度目標に向け奮闘

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宣伝行動でタクシー実態のアンケートを行う東北ブロックの仲間=6月7日、北上駅

 自交総連第26回定期大会で決めた『組織拡大強化3か年計画』にもとづき、各地では初年度目標(実勢2万5000人)達成をめざしさまざまな宣伝行動が行われています。

経営者との癒着で組合脱退が増加

【宮城】東北ブロック協議会は6月1、7日、秋田と岩手で未組織宣伝行動とアンケート調査を行いました。
 秋田では33人の乗務員と対話を行い、「規制緩和の影響で一日の営収が1万円も行かない日が増えた」や盛岡では、「営収40万いくと42%、いかなければ30%以下」などの驚くべき声が聞かれました。また、秋田、岩手両県とも全自交と交通労連の経営者との癒着がわかり組合ごと脱退が増加していることもこの宣伝行動でわかりました。

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ビラを手に乗務員と対話を行う東京地連の仲間=6月8日、新宿駅

値引き競争阻止で自交総連に期待

【東京】東京地連では5月25日、6月8日、上野駅と新宿駅を中心に未組織宣伝行動を行いました。
 宣伝・対話では「値引き競争をされるとその負担は乗務員にくるから本当は阻止したいんだけど、うちには組合がないからそのぶん自交総連にはがんばってもらいたい」など期待を寄せる声が聞かれました。
 東京地連では、6月22日にも宣伝行動を行い未組織労働者との対話を行いながら、なやみや相談を聞き目標達成をめざし奮闘することにしています。

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乗務員と話し合う大阪地連の仲間=5月27日、堺東駅

組織拡大は継続してこそ実を結ぶ

【大阪】大阪地連は5月27、28日、組織拡大を目的に41人の仲間が宣伝行動にとりくみました。
 27、28日の両日とも待機中のタクシー乗務員へ自交総連への加盟を直に訴え、タクシーの現状や展望を語り対話をすると、「平均の売上が隔日勤務で、2万5000〜6000円に落ち込んでいる。どうにもならんわ。退職金もないし」と元気もありませんでした。
 宣伝を終え、堀川議長は「組織拡大につながるこうした活動を意識的に行い、成果として結びつけていくことをそれぞれの職場でも話し合い継続して実践していこう」と決意を話しました。



第6回常執

職場要求などの前進確認

参院選で政治を変えよう

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04春闘の到達点などを議論した第6回常執=6月9〜10日、自交共済会議室
 自交総連は6月9、10日、第6回常任中央執行委員会をひらき、春闘総括、次年度運動方針骨子などを討議、参議院選挙闘争方針(別項)を決めました。
 春闘については、要求提出率が昨年よりアップし、統一行動を成功させたことや、原資や職場要求を獲得して決着していることなどを評価する一方、4・15ストでは、組織内でもストに入れないところがあるとともに、全労連全体ではストが少なかったなどの問題点が出されました。
 情勢では、新たな増車・値下げ競争の激化で労働条件への影響が深刻になっていることや、経営者の中でも規制緩和の悪影響への認識が高まるなど新たな動きも起こっていることが指摘されました。
 組織拡大では、今年になってから8組合の加盟の一方で減少もあり純増となっていないことから、3か年計画初年度目標の達成にむけていっそうの奮闘が必要となっていることが強調されました。
 新年度の方針案では、社会的水準の労働条件確立の課題を改めて重視し、タクシードライバー法の世論化、地方ごとの政策確立が大切などの意見が出され、当面する参議院選挙で自交労働者の願いがかなう政治を実現するために奮闘することを確認しました。




参議院選闘争方針(要旨)

2004年6月10日
自交総連第6回常任中央執行委員会

 今後の日本の行方を左右する参議院選挙が6月24日公示、7月11日投票の日程で行われます。
 いま自交労働者のくらしと労働は、かつてない危機的な状態に陥っています。タクシーでは、2002年2月の新道路運送法施行以来、増車と運賃値下げが相次ぎ、急激に営収が落ち込んでいます。自教、観光バスでも18歳人口の減少、規制緩和などでリストラ「合理化」攻撃が強まり、廃業・企業閉鎖や譲渡もひん発しています。
 生活保護基準や最低賃金をも下回るような低賃金が横行し、労基法はじめ労働者として当然の権利さえ奪われる事態がおきています。
 現状にあきらめることなく、一人ひとりの労働者・国民が行動すれば、政治は変えることができます。そのために、貴重な一票を必ず行使しましょう。
 自交総連は、今回の参議院選挙では、
1)タクシーの安心・安全破壊を許さない政治の実現を
2)自交労働者の政策要求を実現する政治へ
3)くらし、平和、民主主義を守る政治へ――重視してたたかいます。
 つぎのとりくみを行います。
(1) タクシー規制緩和をはじめ――自交労働者の生活と権利、平和と民主主義を守ってたたかう政党との協力・共同の関係をもちます。
(2) 特定政党・特定候補の推薦はせず、組合員の政党支持、政治活動の自由を保障します。
(3) 参議院選挙の意義の徹底をはかり組合員・自交労働者の政党選択の判断資料を積極的に提供していきます。
(4) 資本からの妨害や弾圧、特定政党支持の押しつけに反対して、政治活動の自由を保障する見地でたたかいます。



国交省交渉

これ以上運賃緩和するな

「労働側の意見ふまえて対応」

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国交省と交渉を行う自交総連の代表=6月3日、国交省内

 自交総連は6月3日、新たな運賃の規制緩和問題や近畿運輸局の自交部長が運賃多様化を顕彰していた問題で国土交通省と交渉しました。領家委員長、今村書記長ら6人が参加。自交局旅客課の多門課長補佐ら3人が対応しました。
 運賃の多様化は、規制改革・民間開放推進会議の圧力を受けて政府が3か年計画で、タクシー運賃の一層の規制緩和を実施するとしているもので、自動認可運賃の幅拡大などが検討されていると報道されています。
 省側は、「見直しはしているが、まだ具体的に決まっていない」として、内閣官房と相談していることを明らかにし、これ以上の緩和をするなとの要請に「こちらとしては、主張すべきことは主張していく。労働側の意見もふまえて対応する」と答えました。
 近畿運輸局の問題では、表彰状が局内に掲示されていたことは認め、「あくまで部長の私的な行為」「金一封は、裏金や『基金』のようなものではなく、部長のポケットマネーだ」「本省の関与はない」と弁解、現場の労働者が苦しんでいるのにそれを逆なでするのかとの抗議に、「本人にも確認したが、現場の人たちに対して、ことさら揶揄(やゆ)するような気持ちはない」と回答しました。



道交法改正

運転中の携帯電話使用禁止

飲酒検査拒否も罰則強化

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 道交法の一部改正案が6月3日、衆院で可決、成立しました。

解説 今回の改正では違法駐車対策、運転者対策、携帯電話の使用に対する罰則の見直し、飲酒検査拒否に対する罰則強化、高速道路における自動二輪の二人乗りなどが主な内容となっています。

 違法駐車対策――駐車違反をした運転者の特定が困難であることから、違法駐車の責任追及がされず、駐車違反の抑止を十分に図ることができない現状を反映して改正されることになりました。また、放置車両の取締りを一定の要件を満たす法人に委託することができるとしていますが、一部では警察OBの天下り先を増やすだけとの反対意見も出されています。
 運転者対策――共同センターが普通免許で4t車を運転する危険を根拠に、92年から新設を求めていたもので、2種免許に続く要求の実現になります。
 携帯電話――運転中の使用による事故件数の増加を抑止するために罰則が強化されることになりました。
 飲酒運転対策――飲酒運転の罰則引き上げに伴い呼気検査を拒否する運転者が増加したことにより、罰則が引き上げられることになりました。
 高速道路における自動二輪の二人乗り――自動二輪車の利便性向上の要請に応えるかたちで緩和され、事故の防止については、高速道路の入路などにおける集中的な取締りを実施し、条件違反行為は必ず摘発されるとの認識を形成しつとめるとしています。



自交労働者と参院選(2)

大企業減税やめ社会保障充実

平和を守りタクシーの発展を

年金改悪強行の自公両党

 小泉内閣・自公両党は6月5日、野党の審議権を奪ってまで年金改悪法案(図1)を数の力で強行採決しました。
 審議すればするほど、そのひどさが明らかになるのをおそれて、質問まで封殺したものですが、参議院選挙で自公に厳しい審判を下せば、改悪を実行させない道がひらけます。

税金の使い方を変える

 年金改悪の際にも与党は財源がないと強調しましたが、89年から導入された消費税は、結局ほとんどが大企業減税の穴埋めに使われています(図2)。
 消費税については、自公に加え民主党も税率アップはやむを得ないという姿勢です。
 日本の企業はヨーロッパの企業に比べて税や保険料負担で特別優遇されています(図3)。1兆円の利益をあげたトヨタは1円の消費税も払っていません。このような大企業の特別扱いをやめて、税金の取り方、使い方を変えれば、消費税を上げなく社会保障を充実することはできます。
 働くルールの点でも、日本とヨーロッパでは大違いです(図4)。財界が企業利益のために自公民に献金するゆがんだ政治がつづく限り労働者の権利は守られません。

平和・民主主義・憲法守れ

 自公はイラクへの自衛隊の派兵を強行し、アメリカの世界戦略への協力を続けていますが、世界中では、アメリカのイラク侵略に賛成した国は十数か国、人口12億人に過ぎません。あとの百か国・人口50億人は戦争反対でした。
 さらに普通に戦争ができる国をめざして憲法9条の改憲も論議されています。
 タクシーもバスも、平和で豊かな国民生活があってこそ発展する産業です。どの党が平和と民主主義を守るかどうかも重要な選択の基準です。




自 交 総 連