自交労働者No.630、2004年9月1日



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第21回全労連大会で発言をする久賀書記次長=7月28〜30日、東京・ホテルイースト21

 まもろう雇用・くらし・いのち、ひろげよう憲法改悪阻止の共同、かちとろう全労連運動と組織の飛躍――全労連は7月28〜30日の3日間、東京・ホテルイースト21で第21回定期大会をひらき、今後2年間の運動方針と新役員を決めました。

 あいさつした熊谷議長は、憲法改悪の流れが強まっていると指摘、憲法改悪阻止を最重点課題として全労連が共同を広げる先頭に立つことを呼びかけました。

 運動方針を提起した坂内事務局長は、非正規雇用労働者の底上げ、組織化など組織の拡大強化を強調、討論でも組織拡大の経験や決意が相次ぎました。

 自交総連から久賀書記次長が発言、4・15年金ストのとりくみを報告するとともに、全労連としてストに決起した組合が少なかった点も指摘、また、規制緩和の弊害、最賃以下のタクシー労働者の現状を訴え、組織拡大への決意を述べました。

 熊谷議長、坂内事務局長を再選、幹事に自交総連から今村書記長、中山専従中執(全労連専従)が選ばれました。



埼玉地連

働きやすい職場をめざし

女性部準備総会ひらく

 【埼玉】埼玉地連は昨年12月から女性部をつくる準備をすすめ、「いまさら女性部でもないだろう」と言われながらも、8月22日に「女性部準備総会」をひらくまでにこぎつけ、女性部設立の第一歩を踏み出しました。

 これまで幾度かの懇談会をもち、5月に女性乗務員を対象にアンケートにとりくみ、その結果、抱えている悩みは、深刻で想像を絶するものでした。

 女性用のトイレがない、男性乗務員、乗客からのセクハラ、なかには「首を絞められ殺されるかと思った」という人もいました。

 女性乗務員の抱えている悩みは皆同じだと思いますが、こうした状況を少しでも打開するためにも、《女性にとって働きやすい職場を作ろう》をスローガンに女性部設立をめざすこととしました。

 「女性部ができてよかった」といわれるようがんばります。

 走りだしたばかりで前途は不安だらけですが、皆様のご理解とご協力よろしくお願いいたします。

 準備会総会で次の役員が選出されました。

 会長=谷口敦美(飛鳥大宮)▽副会長=松本文子(ダイヤモンド)



この成果を全国に


一方的な一時金不支給は不当

集交の合意は書面化なくても有効

宮城・秋保温泉タクシー労組

 宮城地連秋保温泉タクシー労組は、一時金不支給事件について7月29日、仙台高裁で1審につづく勝利判決をかちとりました。

 この事件は、賃金の一方的引下げに合意しない組合に対し、集団交渉で合意済みの99年冬期一時金を支払わなかったものです。

 会社は、8年にわたって集団交渉で口頭確認で合意し支払ってきた一時金について、書面に記載がないことをタテに「労働協約としての効力がない」などと主張していました。

 1審の仙台地裁は03年6月、集団交渉での合意を認め、書面化されていなくても、組合員各個人と会社との間の労働契約は成立しており、それを払わないの不当だとして会社に2000万円余の支払いを命じていました。

 今回の高裁判決は、「書面化の要件を欠くために労働協約としての効力が認められない合意は労働契約としての効力も否定されるべきである」との会社主張を退け、会社の控訴を棄却しています。

 この判決は、規制緩和の下で、一方的な賃下げなど経営者のモラルが問われる事態が相次ぐなか、「労使の合意はきちんと守れ」という当たり前の原則を改めて示したものです。



今後1年を記憶と行動の年に

原水爆禁止2004年世界大会・広島

自交総連から42人の代表が参加

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来年を核兵器廃絶の国際行動の年とすることなどを呼びかけた04年原水禁大会・広島=8月4日〜6日、広島グリーンアリーナ
 いま、核兵器の廃絶を。ヒロシマ・ナガサキをくりかえすな――原水爆禁止2004年世界大会・広島が8月4日から3日間の日程で行われ、7800人が参加。自交総連からも7地方42人が参加し、4日に産別交流会を行いました。(関連記事4面)

 初日の開会総会では、広島市の秋葉忠利市長が、来年8月9日までの1年間を「記憶と行動の1年」とすることを提起。被爆75周年にあたる2020年の核兵器廃絶をめざし、中間目標として2010年までに核保有国を含むすべての国が核兵器禁止条約を締結するための行動にとりくむことを述べ、協力を呼びかけました。

 2日目は広島市内各所でフォーラムや13の分科会、関連行事などが行われ、青年の広場では、被爆者の体験談を聞き、参加学生が、声を詰まらせる場面も見られました。

 3日目の閉会総会では、来年の核不拡散条約再検討会議を核兵器廃絶を求める署名で埋め尽くそうとの決意を確認。その後、青年・学生のプログラムでは、平和大行進の通し行進者の兼頭さんがほうきを手にした「戦争ほうきランナー」の姿で入場し「原爆の悲劇を繰り返さないように運動を続ける」と語りました。

 最後に参加者は決議「広島からのよびかけ」と、特別決議「被爆者、世界の核被害者との連帯を強めよう」を採択しました。



核廃絶の必要性を強く実感

原水禁大会参加者の感想

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原水禁大会に参加する自交総連の仲間
 いま、核兵器廃絶を――自交総連は8月4日、原水禁大会・広島で、産別交流会を行い42人が参加し、核兵器の廃絶や、恒久平和について語り合いました。以下の文章は原水禁大会に参加した方々の感想(要旨)です。

 東京・七福交通労組 大久保静さん 日本全国からたくさんの人びとの多彩な運動の報告を聞き、核兵器廃絶運動は、みんなで広げていかねばとつくづく思いました。


 東京・高砂自動車労組 丹羽法貴さん 人類最初の核実験の国になった広島で、平和的手段による国際紛争の解決がより求められているいま、もう二度と戦争をしない国にして、若い人が平和にくらせる世界を作りましょう。


 東京・豊和労組 近藤久一さん 今回初めて参加して、ヒロシマ・ナガサキをくりかえすなの通り、核兵器も戦争もない世界をもっと国民全体にアピールしなければと実感した3日間でした。


 東京・東都労組 長岡伸司さん 広島市長の2005年8月6日は希望の日にするために、今年はそれを確実にする年にしようという発言を聞いて、来年も参加してみたいと思いました。


 東京・大東京労組 菊地要吉さん 記念碑の前に立ち、涙ぐむ老婦人を見ていましたが、二度とこの悲しみを造りだすことのないように今できることをやらなければいけないと思いました。


 東京・日の丸自交労組 瀧澤修さん 今回初めて参加して、みなさんの核廃絶運動に対するとりくみやさまざまな実態の報告などを聞き、いい勉強をさせていただきました。今後も核廃絶運動にできるだけ参加し恒久平和をめざしていこうと思います。


 大阪・大淀交通労組 松本信行さん 原爆投下から59年、今もまだ多くの遺骨が発見されています。名前も分からず土の中で眠っていた人たちが被爆の悲惨を物語るために姿を見せたのではないでしょうか? 被爆者の心は、我が心#爆地・ヒロシマで聴いた重みのある言葉です。


 大阪・関中親和労組 蝦名勝吉さん 一日も早く政府が、被爆国にふさわしい世界の核兵器全面廃棄の声をあげるまで平和運動に関わっていきたいと思いました。

 ◎

 大阪・テイサン労組 野首健さん 私は、今回で2回目になる原水爆禁止世界大会に参加して、核兵器による被害者の方がたの平和を願う気持ちや行動を後世に伝えていくことの大切さを実感しました。


 大阪・関中自労組 石原光雄さん、金光秀則さん 今回、私たちは初めて参加し、平和の尊さ、核兵器の恐ろしさを実感し、気持ちを新たに核廃絶運動の必要性を強く感じました。

 私たちは、原爆犠牲者の冥福を祈り、地球から核兵器を無くす運動をこれからも世界の人々や日本の若者そして、子供たちに伝えていかなければならないと強く感じました。


 大阪・新進交通労組 川東秀則さん 被爆者の人びとの苦労や原爆訴訟での闘いの話を聞き、まだまだ戦争の傷跡は消えていないと思いました。


 大阪・佐野南海労組 田中祐介さん 存命されている被爆者の方々を教訓に、全世界から兵器の根絶、戦争の放棄を切に願い、より住みやすい世界を後世に残すことが私たちの責務だろうと、思いました。


 大阪・茨木交通労組 中林明さん 唯一の被爆国・日本政府の行動に大きな疑問が生まれました。アメリカに追随する小泉政権は、直ちに方向修正すべきです。そして、イラクから一刻も早く自衛隊を撤退させ、世界中の平和を求めるなかまと手を結ぶべきです。


 大阪・国際タクシー労組 運天武史さん 私たちは、歴史から学ばなければなりません。そして、今の政治の流れを変えなければならないと強く再確認できた世界大会でした。


 大阪・朝日自動車労組 富田秀昭さん アリーナでの世界大会、あくまでも市民レベルの集いでありながら世界各国からの参加に少数の声≠ェ集まってもこれだけの人数になると、大きな力だ≠ニ感じました。


 大阪・関中旅客守口労組 渡辺一夫さん 今回、原水禁に参加して、地球を守りたい。そして、自分自身の命も人生も大事にしたい。生きたくても生きられなかった被爆者の冥福を祈ります。


 大阪・朝日自動車労組 松原伸一さん 今回強く感じたことは、「平和」というキーワードが最も重要であり、それをなくしては、我われタクシー業界にとって、安心して労働することができないと実感しました。


 大阪・大阪東洋労組 笹山高志さん 59年前の8月6日、原爆が落とされたことが不思議に思っていましたが、平和式典に参列して、本当のことなんだと、改めて実感しました。今も、核を保有する国がありますが、何のために核を保有するのでしょうか? 私には理解できません。

 新加盟のなかま  (695)埼玉・鶴瀬交通労組

再結集で条件改善

 【埼玉】埼玉県富士見市にある鶴瀬交通で働く仲間は8月1日、鶴瀬交通労組(松原利征委員長、37人)を結成、自交総連に加盟しました。

 鶴瀬交通労組は15年程前に地連に加盟していましたが、その後活動を停止。しかし最近になって有休がないなどの労働条件悪化が目立つようになり、新しい指導部のもと再結集することになりました。

 9月10日には第1回の団交を予定しています。

 新加盟のなかま  (696)埼玉・八千代交通労組

地連に加盟で有休改善

 【埼玉】埼玉県鳩ヶ谷市にある八千代交通労組(奥山静夫委員長、75人)は8月1日、自交総連に加盟しました。

 一昨年会社が一方的に有休手当を仮想営収から平均賃金に変更。改善をめざし組合を結成しましたが、進展しないため、東京地連の組合に相談したのがきっかけで埼玉地連と共闘。その結果有休手当を仮想に戻し、嘱託・定時制にも法定通り付与されることになりました。



自 交 総 連