自交労働者No.638、2005年1月1日


題字

写真
年金改悪反対を訴えて国会前行動を行った昨年の4・15年金スト

 組織拡大3か年計画の2年目のとりくみがはじまり、各地では組織拡大にむけさまざまなとりくみが行われています。9月以降、自交総連には6地方、9組合が加盟しました。そこで、今回は自交総連の運動に共感し、3分会すべてで加入を決めた福島・福島県自動車交通労働組合と未組織からの組織化により労働条件改善の成果を勝ちとり奮闘している神奈川・八重洲タクシー支部に自交総連についてはなしていただきました。

自交総連に入って一緒にたたかいます

自交総連の考え方に共感

 福島・福島県自動車交通労働組合 執行委員長 荒川光義
 私たちは、11単組200人からなる組織でしたが、長年の不況、会社の切り崩しにより、3単組31人までに追い込まれ、組合継続の危機を感じていたところ、自交総連の交流会などに招かれ、自交総連の組合に対する考え方のすばらしさに共感し、仲間と何度も話し合い、全員一致で加盟を決めました。
 11月に行われた東北ブロック協議会では、改めて自交総連の経営者に対する姿勢、考え方など数多く勉強することができ、この考えを組合員に自覚させ、今後も闘いに生かしていきたいです。

組合結成で無事故手当獲得

 神奈川・神奈川地方労働組合八重洲タクシー支部 支部長 上江洲(うえす)廣吉
 私たちは、2004年8月、運転手S君が起こした死亡事故の経過を見て、社内には関係法令違反、給与明細書のごまかしなど、問題点がたくさんあることに気づきました。
 そこで有志8人が自らを守るために、神奈川地本の指導で八重洲タクシー支部を結成。10月には初めて秋闘要求も提出しました。
 会社からは、さまざまな嫌がらせが日常的に繰り返されますが、正しい要求をしているからこそ嫌がらせをしているのだと、自分たちの正当性に確信を深め、日々闘っています。その中で、無事故手当月3000円の獲得は成果のひとつです。
 卑劣な経営側に対し、私たちはこれからもくらしを守り、健全な職場環境を作るために断固闘う所存です。




労働組合の原点に立ち、

大運動と組織の拡大に奮闘を

自交総連中央執行委員長 領家光徳

写真
領家委員長

 新年おめでとうございます。
 度重なる台風の来襲、地震発生などの天変地異は、人間社会に警告しているようです。
 また、イラクの戦火、上から下までの数々の社会的荒廃現象は、資本論が「一方の極における富の蓄積は、同時に、その対極における、……貧困、労働苦、奴隷状態、無知、野蛮化、および道徳的堕落の蓄積である」と見事に言いあてています。
 規制緩和後、全国的な増車、運賃値下げ競争で、事業の活性化どころか疲弊化、混乱と無秩序、労働者の置かれている実態は、「人間性の尊厳」を否定する貧困化が進み、「安心・安全」も大きく損なわれてきています。
 この様はポールデンプシーが「もし、あなたが日本で規制緩和をしようと言うのなら、こう理解しておけばよい。要するに規制緩和とは、ほんの一握りの非情でしかも貪欲な人間に、とてつもなく金持ちになるすばらしい機会を与えることなのだと。一般労働者にとっては、生活の安定、仕事の安定、こういったものを全て窓の外に投げ捨ててしまうことなのだと」(規制緩和という悪夢より)指摘したように、現実のものとなり、規制緩和は失敗だったのです。
 政府・行政の責任はもちろんのこと、今重要なことは法人企業がその教訓からその存在意義と社会的責任を果たすことです。
 他方、労働組合運動がその矛盾を解決していく社会的責任も大きく問われています。「労働組合の存立の原点」を明らかにし、大局的見地に立って、今日の混乱の打開策として「タクシー運転免許」実現の大運動と組織の強化・拡大2年目の目標(3000人)達成にむけ、お互いが奮闘して参りましょう。




みんなの要求みんなで実現

第2回中執 05春闘方針案を討議

写真
05春闘では需給調整をはかる規制を求めることなどを討議した第2回中執=12月14〜15日、東京・入谷区民館

 「みんなの要求 みんなで実現、共同の力で悪政打破 05春闘」と位置づける「2005年春闘方針案」の討議を中心議題とした第2回中央執行委員会が、東京に於いて12月14日から2日間の日程で開催されました。
 この会議では、05春闘に向けて新たな理論となる「企業の社会的責任(CSR)と労働組合の役割」について、全労連労働局の中島康浩氏からの特別講演を受けました。
 討議では、新道路運送法が施行から3年が経過し、際限のない増車と運賃ダンピングでタクシー労働者の賃金が「貧困ライン」にまで低下しているもとで「需給調整をはかるための規制や運賃破壊に歯止めをかけること。さらには運賃値上げを求める」意見が出されました。
 05春闘方針は、この会議で確認した中央委員(定数99人)による第27回中央委員会(1月26〜27日・東京)で決定します。
 その前日には、宮城、埼玉、鹿児島の三つの特別報告を含めた関係弁護士交流会の開催を確認しました。



この成果を全国に


中労委

和解勧告で会社との和解成立

「全国の仲間の支援に感謝」山本さん

北海道・函館金星自動車労組

 北海道地連・函館金星自動車労組は、一方的賃下げ、不誠実団交などの事件で12月6日、中央労働委員会の和解勧告に基づき和解しました。
 この事件は、02年春闘で会社から賃下げ提案があり、組合が合意していないのに同年9月から一方的に実施され、さらに二人の組合員のうち一人が定年退職(組合には継続して加入)して以降は「一人では団体性がない」として、団交も拒否されていたものです。
 04年4月、北海道地労委で「被申立人(会社)は、申立人(組合)が一人組合であるとして団体交渉の当事者性を否定し、申立人の申し入れる団体交渉を拒否してはならず、改めて申立人と平成14年賃金体系見直しに係る団体交渉を行い…見直しの必要性について、経営資料を提示し具体的に説明するなどして誠実に対応しなければならない」などとする救済命令が出され、会社側が再審査を申し立てていました。
 今回、今後は団交はじめ正常な労使関係を築くことなどで双方が合意し和解しました。
 同労組の山本委員長は「本部大会でも全国の仲間から支援をいただきありがとうございました」とお礼をのべています。




石川地連

富山・石川でキャラバン行動

6人でチラシ600枚配布

写真
キャラバン行動でタクシー乗務員と対話を行う仲間=11月10〜11日、石川・七尾市

 【石川】石川地連は11月10〜11日、富山・石川宣伝キャラバンを実施し、6人で「増車・運賃値下げ競争をやめ、タクシー再生へ共同を」呼びかけるチラシ600枚と春闘アンケートを配布し対話をしました。
 能登の七尾市ではこれまでもワンコイン(500円)タクシーが走っていましたが、7月から新たに340円タクシーが認可。これに大手の石川交通も「値下げ申請中」のステッカーを貼って対抗するという泥沼の運賃値下げ競争が起きています(12月に認可)。
 駅で客待ちをしていた仲間は、「朝から10回乗せて340円が6回。運収はがた落ちや」「石川交通が値下げしたら、100円均一にするかも」と嘆きの声を寄せていました。
 またキャラバン行動では、新潟地震の救援カンパも訴え、2日間で1万9000円が寄せられました。




未来へジャンプ

東京地連

全都役員教室に143人参加

写真
賃金体系や労働組合の必要性について学ぶ参加者=12月9〜10日、東京・大崎労政事務所

 【東京】東京地連は12月9、10日、東京・大崎労政事務所で新組合役員を中心とした「未来へジャンプ! 全都役員教室」をひらき、35単組143人が参加しました。
 学習会は、第1教科「タクシー労働者の賃金」、第2教科「労働運動と産別の意義」について、本部の今村書記長、菊池書記次長の講師で進められました。
 参加した実用労組の富澤光芳さんは、「今期はじめて役員に選出され、不安でしたが、この学習会で賃金の歴史と仕組み、労働組合の必要性がイメージされ、自交総連に結集することが、要求を実現するうえで必要不可欠なんだという認識を強く抱きました」と感想を話しています。
 この教室は全4教科構成となっており、残りの第3、第4教科は1月13、14日、東京・亀戸文化センターで開催されます。




労災認定などで前進

いのちと健康守る全国センター

方針、役員を選出

写真
いの健センター第7回総会=12月11日、東京・全労連会館

 労働組合・医療団体・学者などでつくる働くもののいのちと健康を守る全国センターは12月11日、東京で第7回総会をひらき新年度活動方針をきめました。健康をむしばむ長時間労働が広がるなか、過労死・過労自殺の調査と研究集会の開催など過労死予防や被災者の労災認定のとりくみが前進していることが報告されました。
 福地保馬理事長(北大名誉教授、再)▽今中正夫事務局長(民医連、新)ら新役員を選出しました。



自 交 総 連