自交労働者No.652、2005年9月1日

総選挙闘争アピール

2005・8・19 自交総連第8回常任中央執行委員会


表 1.参議院で郵政民営化法案が否決されたことを受けて、小泉首相は衆議院を解散、8月30日公示、9月11日投票で衆議院総選挙が行われることになった。
 小泉内閣は、本来総辞職すべきところを逆に居直り、郵政民営化に反対したものを「抵抗勢力」と呼び、あくまで郵政民営化や「構造改革」路線を強行しようとしている。自らを「改革派」と称し、改革を成し遂げると叫ぶ戦略は、小泉流のパフォーマンスではあるが、マスコミの無批判な報道とあいまって、国民のなかに一定の幻想を与えており、決して軽視できないものである。
 もともと郵政民営化は、国民にとっては何の利益にもならず、害悪だけをもたらすものであり、340兆円の郵便貯金・簡易保険の資金を民間の金融市場に流し出すことで、アメリカや日本の大銀行・保険会社など金融資本の大もうけに奉仕するためのものにほかならない。自民党内で郵政民営化に反対した勢力が、郵政資金を公共事業に使う過程で利権を得てきた古い体質の「土建派」とすれば、それに対する小泉首相は、奉仕する相手を土建資本から金融資本に変えただけの「金融派」にすぎないのである。
 小泉首相の「改革派」のポーズにだまされることなく、悪政の継続にきっぱり審判を下さなければならない。
 2.自交労働者にとっての総選挙の重要な争点は、「構造改革」の名のもとに強行されている規制緩和路線にストップをかけられるかどうかである。
 2002年に強行されたタクシー規制緩和は、タクシー労働者に耐えがたい苦しみをもたらした――規制緩和を推進したのは、自民党・公明党の与党であり、民主党も賛成した。最後まで反対を貫き、タクシー運転免許の必要性を主張したのは日本共産党であった。
 「構造改革」は、企業のリストラ「合理化」を後押しし、派遣やパート・アルバイトなど膨大な不安定雇用・低賃金労働者を生み出している。自教や観光バスでも、派遣や契約社員が急増、無権利・低賃金で働かされている。
 このような労働者いじめの政策に歯止めをかけなければならない。
表 3.小泉内閣はまた、空前の大増税を計画している。政府税制調査会は、大企業減税・大金持ち減税は継続する一方で、定率減税の廃止・控除の廃止による庶民増税・消費税2ケタ化の計画を打ち出している。政府の増税計画は、低所得層ほど増税率が大きくなるという徹底的な不公平増税で、タクシー労働者の多くが位置する年収300万円(4人家族)のレベルでは、所得税・住民税は現行の年約0・8万円が33・1倍にはね上がり約25・3万円にもなる。そのうえ消費税が10%になれば、年間10万円前後の増税である。民主党も、消費税増税に賛成している。
 さらに、平和と民主主義の問題でも、自民党が自衛軍の保持を明記した憲法改正案を作成したのに対し、民主党も憲法改正は必要としている。
 このように、規制緩和、増税、憲法改悪など主要な問題で自民党と民主党に大きな違いはない。それは、自民党も民主党も財界・大企業から政治献金を受け取り、財界から評価されることを競っているからにほかならない。
 こうした二大政党では、どちらが勝っても労働者の生活はよくならない。悪政路線と対決できる、財界・大企業の献金と縁のないまともな野党勢力の前進こそが求められている。
 4.自交総連は、小泉内閣の悪政を打破し、二大政党での政権たらいまわしを許さず、真の国政革新の展望を切り開くことをめざし、総選挙をたたかう。
 各地方・各職場では、総選挙の意義の徹底をはかり、タクシー規制緩和に対する態度、自交総連の政策要求との関係や増税・憲法改悪などの問題で各政党の政策・実績・行動を明らかにし、自交労働者の願いがかなう国政への転換をめざして、全力をあげるよう呼びかけるものである。

以上



増税、改憲阻止で奮闘を

第37回評議員会 今後1年間の活動を討議


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憲法改悪阻止などの運動にとりくむことを決めた評議員会=7月27〜28日、全労連会館
 全労連第37回評議員会が7月27〜28日、東京・全労連会館でひらかれました。
 この評議員会の開催目的について、熊谷金道議長は「大会に代わる機関会議として、昨年の定期大会で決定した運動方針がどのように実践され、どのような到達点と教訓をつくりだしているかを総括し、今後1年間の運動課題と方針を決定することにある」とし、「今後の1年間は、大増税と憲法改悪を阻止することを最大の課題にする」と強調しました。
 提案された議案は「1年間の到達点と大会方針の補強」と「会計決算報告と予算」に加えて「21世紀の新しい労働組合づくりをめざして」(全労連組織拡大強化中期計画・第2次案)などで、これらを、2日間討論し、満場一致で採択しました。自交総連からは、今村書記長が幹事として、領家委員長と小林書記次長が評議員として出席しました。



各地の闘いなどで交流深める

東北ブロック 幹部学校に38人参加


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学習会で発言する大島さん=7月21〜22日、岩手・盛岡簡易保険保養センター
 【宮城】自交総連東北ブロック協議会(青森、山形、宮城、福島)は7月21〜22日、岩手・盛岡簡易保険保養センターかんぽの宿盛岡で、「自交総連東北ブロック協議会幹部学校」をひらき、38人が参加しました。
 はじめに相沢道彦議長は、国が進めたタクシー規制緩和が、いかに失敗した政策だったかを報告したうえで、「この裁判を仙台から発し、全国の自交総連とともに闘おう」とあいさつしました。
 続いて、いわて労連菅野議長による「地域経済の再生に向けて」の講演、本部・今村書記長の「仙台市においての、減車数と営収増」についての講義が行われました。
 2日目は、盛岡組織拡大宣伝行動の報告や、石垣事務局長による「タクシー規制緩和による仙台市の状況と自交総連宮城地連の闘い」の講義がされ、各ブロックごとのとりくみや闘いが報告され、交流を深めました。



核兵器廃絶を力強く発信

原水爆禁止2005年世界大会・長崎

自交総連から41人が参加


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核兵器廃絶を訴えた05年原水禁大会・長崎=8月7〜9日、長崎
 被爆60年目にあたる今年の原水禁世界大会が、広島市(8月4〜6日)と長崎市(同月7〜9日)で開催されました。大会には、海外から29か国264人が参加し文字通りの世界大会となりました。

 広島、長崎の両大会を同年に開催するのは10年ぶりです。
 広島市でひらかれた原水爆禁止2005年世界大会国際会議は「ヒロシマ・ナガサキの被爆から60年、原水爆禁止世界大会50年の今年を、核兵器のない平和で公正な世界への地球的流れを圧倒的に強める転機にしよう」と宣言し、地球から核兵器廃絶を、を力強く発信しました。
 自交総連は、7日からの長崎大会に6地方41人が参加し、核兵器廃絶の運動を誓うと同時に、全国の仲間との交流を深めました。
 長崎大会は、全国から5000人の参加。第1日目の開会集会に続き2日目は10会場に分かれて分科会、最終日には閉会集会が行われました。
 イラク戦争や北朝鮮の核保有問題などの情勢から、参加者の関心は高く、「長崎は暑いなー」と言いながら核廃絶運動の推進を確認しました。



核兵器廃絶、恒久平和を強く願う

原水禁大会参加者の感想


 自交総連は8月7日、原水禁大会・長崎で、産別交流会を行い41人が参加し、核兵器の廃絶や、恒久平和について語り合いました。以下の文章は原水禁大会参加者の感想(要旨)です。

 宮城・日本交通労組 小梛順章(おなぎよりあき)さん(35) 原爆60年、節目の年の8月9日朝、ホテルから市民会館へ移動中、お墓に花を供える人、線香を立てる人が目立ち、今日は一瞬にして7万人が殺された日なんだと実感しました。今回、宮城地連の代表として参加し、反核や平和の重要性をしっかり学びました。聞き、学んだことを職場に広げ、恒久平和や核放棄に向けたとりくみを拡大していこうと思いました。

 東京・安全自動車労組 小野功さん(63) 東京を発つ前には、新聞、書物などで、長崎の惨状は多少見知っていましたが、初めて平和公園近くの爆心地に立ち、上空500mでの炸裂と、あの日と同じギラつく太陽を前に、想いを馳せ、身の引き締まる想いがしました。分科会では、「核廃絶への草の根運動」に参加し、各国の核問題での運動の紹介とともに、日本の核廃絶運動、憲法9条問題についての意見や提言で、私自身、非常に学習させられました。核廃絶へ、今後も自分のできる活動をがんばりたいと思います。

 東京・日本交通労組 柳町信夫さん(35) 今回初めて参加し、老若男女を問わずこんなにも多くの人たちが一つになり、核兵器廃絶運動に参加していることに大変驚かされ、真剣にとりくむ姿を見て、私自身もっと勉強をして理解を深め、過ちを繰り返さないためにも、被爆者の声にもっと耳を傾け、戦争とはいかに愚かなことなのか、どんなに悲しいことなのか、一人でも多くの人たちに伝えたいと思いました。
 このような機会を与えて下さったかたがた、募金活動を一生懸命やって下さった組合員のかたがた、さらに直接募金してくださったかたがたに感謝の意を表したいと思います。

 東京・グリーンキャブ労組世田谷支部 高城政利さん(43) 私は今回、初参加でしたが、会議の中、海外代表の平和を求める意見は、とても力強く感じられ、平和を求めることに国境はないと確信しました。
 戦争を放棄し、国際戦争の平和的な解決を原則とした日本国憲法を日本と世界の非核・平和のために生かすことを、世界が期待しています。核兵器を使用するということは、その都市・国の文化及び環境を破壊し、もっとも尊い命を軽視し抹殺する行為です。最悪な環境破壊です。核兵器を廃絶することは、人類・地球を救うことなのだと私は思います。
 今回、原爆の惨状を目のあたりにし、涙し、あらためて平和であることが、どれほど大切なことかということを思い知らされました。

 京都・地連書記局 浅井大二さん(48) 今回、京都地連傘下の各労組からの「派遣カンパで代表を送ろう」ということで、地連代表1人、労組代表1人、あわせて2人が参加しました。私は32年前、高校生のときに、はじめて原水禁長崎大会に参加したことがあります。原爆投下は三菱の軍需工場があったあたりでした。軍需工場がなければ原爆投下もなかったのだろうと思うと、逆に文化財があることで、原爆予定地からはずれたといわれる京都とは違う。複雑な思いを感じました。

 京都・京聯労組 井後義也さん(43) 長崎は大変きれいな町で、戦争の傷あとが見た目にはあまりなく、人々はあかるく南国の町であるが、原爆資料館などに一歩足をふみ入れるとそこは60年前の長崎、町は焼け野原、人は…。被爆者のかたの一言ひとことは大変重みのある言葉で、考えさせられました。戦争の兵器はその人が死ねばそれで終わりなはずなのに原水爆は子供、孫にまで被爆が続く兵器です。これは、早くなくさなければいけないと思う。

 福岡・ワーカーズコープ福岡労組 牧文夫さん(59) 広島、長崎の原爆被爆から60年の年にカンパで送り出してくれた組合員のみなさんに感謝して、多くを学びたいと思い参加しました。
 被爆者の被爆時の体験と、その後の被爆生活などに心をうたれ被爆者がこんなにがんばっているのに、私たちが何もしないわけにはいかない。二度と核兵器を使わせない。核兵器の全面廃絶の運動と戦争をさせない憲法9条を改悪させないとりくみを強めていかなければならないと痛感しました。

 福岡・ワーカーズコープ福岡労組 櫻木正人さん(29) 私は初めて、原水禁世界大会に参加させていただきました。世界からいろんな人たちが参加されているからすごいと思います。平和についていろんなことが勉強になります。この大会に参加して、核兵器廃絶をしなければならないと痛感しました。



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