自交労働者No.679、2006年11月15日

安心・安全なもうひとつのタクシーを

実効ある運転者登録制度実施せよ

10・26-27中央行動

学習、請願、交渉に1000人


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地下鉄出口でビラを配る参加者=8時30分
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請願行動のために国交省前に集まった参加者=10時
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国交省に対し請願書を読み上げる権田副委員長=10時
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請願書を読み厚労省に渡す鈴木副委員長=11時
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署名を渡す飯沼委員長と受け取る日本共産党議員団=15時
 実効ある運転者登録制度の実施 労働条件の改善をはかれ!――自交総連は、全労連の秋季年末統一行動、「もうひとつの日本をめざす公務・民間中央行動」に合わせ、タクシー運転免許への接近と労働条件の改善をめざす大運動の一環として10・26―27中央行動を実施し、10月27日には1000人の仲間が参加。朝から霞ヶ関周辺での宣伝行動、その後国土交通省、厚生労働省へ個人請願行動。また午後からは代表が省庁交渉も行い、最後に議員懇談を行いました。26日には学習決起集会を行いました。

70人でビラ5000枚配布

 朝8時30分から霞ヶ関周辺で宣伝行動を開始。宣伝カーから労働者の悲惨な実態を訴え、70人でビラ5000枚を配りました。

国交省、厚労省に請願行動

 宣伝行動後、12地方からの代表を含め、国土交通省と厚生労働省に個人請願を行い、タクシー規制緩和を事実上見直させた交政審タクシー小委員会報告で提起された、運転者登録制度の実効ある実施や最悪な状態の労働条件の改善を求める請願書を提出しました。

 また、この請願行動には全労連・小田川事務局長、交運共闘・鈴木副議長をはじめ、全運輸や全建労の仲間が激励に駆けつけました。

 参加者は「実効性ある対応を頼むよ」「賃金をなんとかしてくれ」などの一言を添えながら両省の担当者に請願書を手渡ししました。

4万5490筆の署名渡す

 午後からは代表が両省と交渉、さらに15時から国会議員会館で日本共産党議員との懇談を行い、4万5490筆のタクシー運転免許法制化署名を手渡しました。

 懇談には、穀田恵二衆院議員、小林みえこ参院議員、仁比聡平参院議員が参加し、「みなさんの必死の闘いが交政審小委員会の答申に反映され、市場の失敗を明記させたのは大きな成果だ」(小林氏)、「国交相も歩合給のあり方について疑問を示すようになった」(仁比氏)、「規制緩和への反対ではこれからも共同してとりくみたい」(穀田氏)とのあいさつを受けました。


要求実現へ学習決起

13地方155人が参加

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学習決起集会のようす=10月26日、東京・日本青年館

 中央行動前日の26日には、日本青年館で政策要求実現学習決起集会が行われ、交政審小委員報告や急浮上したタクシー運賃改定の問題について学習、13地方155人が参加しました。

 学習会では、「小委員会報告の積極面を実効あるものにする運動を強化していこう」との飯沼委員長のあいさつに続き、今村書記長が「交政審小委員会報告のポイントと今後の運動方向」、菊池書記次長が「タクシー運賃改定の歴史と課題」についてそれぞれ講演を行いました。

 その後、地方発言が行われ、宮城・鷲尾順章さん、東京・石毛浩一さん、京都・浅井大二さん、大阪・沢田茂さんの4人がそれぞれ報告を行い、各地のとりくみについての認識を深めました。



運転者登録制度の早期導入を

「内容の具体化はかりたい」

国交省


 国土交通省交渉には、飯沼委員長、権田・鈴木副委員長、今村書記長はじめ24人の代表でのぞみました。

 省側からは、岡野まさ子旅客課長補佐ほか2人が応対。大要、次のように回答しました。

 運転者登録制度の導入等=運転者登録制度の導入、拡大については、現在鋭意検討し、次期通常国会に法案を提出するということも含めて早急に提言内容の具体化をはかっていきたい。その際、小委員会での意見や、みなさまから頂いている意見をふまえながら実効性のある制度を作るように努めていきたい。

 (東京・大阪のタクシーセンターについては)登録要件、地理試験の内容等について、運転者の資質向上にふさわしい、より高度なものにする。現行の制度についても、きちんと見直しをして必要な改正作業を行った上で、地域の拡大をしたいと思っている。

 運賃改定について=運賃の審査については、小委員会報告でも厳正に行うとなっているのできちんとやっていきたい。

 増収分の分配については、労使間で十分に議論してほしい。国が、守らなければいけないといった指導はしない。理由が労働条件の改善であれば、そこに充てていくのが事業者の責務だ。

 運賃の査定原価については、原価計算対象事業者の平均原価を公表することになると思う。



最賃、累進歩合を監査しろ

厚労省

「相互通報活用し国交省と連携」


 厚生労働省との交渉には、小林・菊池書記次長ら13人が参加。労基局監督課高橋監察係長らが対応しました。

 規制緩和については「われわれも規制緩和の『負』の部分は承知している」としたうえで、交政審タク小委員会報告で指摘された点については国交省と連携してやっていきたいと答えました。

 最賃法違反については、地方からの実態をあげての追及に「違反率が上昇しているのは由々しき事態」「悪質なものは他からの情報も活用して指導する」とし、国交省との合同監査の際は無通告でやるようにしていることを明らかにしました。

 健保・年金・労災・雇用保険の支払い逸脱が増えていることについては、各局から国交省との相互通報も活用して未手続の解消に努めると回答、仮に会社が未加入で本人が退職した後でも、2年間は遡及適用させられるので本人の不利益にならないとの説明がありました。

 累進歩合については、足切り以下が超低賃金となる場合でも「どういう状態でも最賃は支払わなければならない」「そのうえで(廃止を)指導する」とし、事故の罰課金についても、「本人の同意なく賃金から引けば労基法24条違反だ」と答えました。



業界の将来を念頭に共同を

全乗連

「労働条件改善は改定の柱」


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運賃改定問題などについて要請する自交総連の代表=11月6日

 10・26‐27行動のなかで延期となっていた全乗連交渉が、11月6日に行われました。この交渉に、飯沼委員長をはじめ鈴木副委員長、今村書記長ら5人に対し、全乗連は、金子労務委員長、三浦経営委員長、藤本総務委員長ら7人が対応。

 冒頭、飯沼委員長は「小委員会報告を受けて、業界の将来を念頭に、共同できることは一緒に協力したい。運賃問題が浮上しているが、お互いの考え方を交わしたい」とあいさつしました。

 要請事項は、(1)交政審タクシー小委員会報告について、(2)タクシー運賃改定問題、(3)タクシー運転免許の新設に理解を求めることの3点です。

 金子氏は「良い世界になるとして競争原理がスタートしたが、そうはならなかった。小委員会報告の登録制度導入を地域ごとに考えていかなければならない。運賃問題については、燃料・労働条件・経営の改善を柱に総合的な考えに立って臨み世論形成をしなければならない」、また、三浦氏も「運賃改定で改善しなければならないのは、シルバー産業化している状況のもとで、良質な労働力の確保と産業のIT化だ」と述べ、全乗連として、運賃改定の姿勢を示しました。

 さらに、東京で禁煙タクシーを20%程度の導入を検討しているとしました。



組合弾圧の不当逮捕に勝利

全国の仲間の支援に感謝

3人の不起訴処分が確定

大  阪


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お礼を述べる左から不当逮捕された3人と十河三和交通労組委員長

 【大阪】10月30日、4・8奈良学園前不当逮捕弾圧事件弁護団の坂田弁護士から、「奈良地方検察庁が26日付けで3人を『不起訴』処分にした」と、大阪地連に連絡がありました。

 この事件は本年4月8日、組合つぶしを目的に三和交通組合員を不当解雇した新家社長が住む奈良市登美が丘2丁目で大阪地連の仲間が争議への支援を市民に呼びかけるビラ宣伝などを行っているとき、奈良西警察署は「奈良市屋外広告物条例違反」を理由に警告もなしに、いきなり仲間の組合員3人を不当逮捕しました。

 そのため、3人の不起訴処分を奈良地方検察庁に求めていました。

 今回の不起訴処分の連絡を受けて、大阪地連の権田委員長は「4月8日の奈良西警察署による不当逮捕から7か月、同警察署への捜査中止、奈良地方検察庁に対する3人の不起訴を要請する団体署名など、全国の仲間の組合弾圧に対するご支援に感謝申し上げます」とお礼を述べています。

 また、支援共闘会議は11月6日、報告集会を行いました。



各地の大会


規制緩和で大変厳しい状況

青森第10回大会

 【青森】青森地連第10回定期大会が9月13日、中弘教育会館会議室で開催され、5単組15人が参加しました。

 大会では、各単組からこの1年の活動報告が行われ、規制緩和での大変厳しい状況の中、会社とも共同できるところは共同し、取るところは取るようがんばることなどが話しあわれ、その後、新役員を選出しました。

 委員長=太平正志(新)▽副委員長=佐藤安男(再)▽書記長=米谷俊次(新)

自交総連の成果に確信を

埼玉第35回大会

 【埼玉】第35回目となった埼玉地連定期大会が、10月11日に川越市福祉センターでひらかれました。冒頭、香取委員長は、交政審・小委員会報告や各単組の成果に「自交総連のこの1年の成果に確信と誇りを持とう」と力説。議案では一般活動報告、会計報告、運動方針、予算案の討論を行い、満場一致で採択しました。

 委員長=香取勝雄▽副委員長=岡崎満、小倉清充▽書記長=三箇登志雄▽書記次長=山光雄(いずれも再)

夢ある職場を取り戻そう

山梨第38回大会

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次年度方針などを確認した山梨地連第38回定期大会=10月13日、甲府市勤労者福祉センター
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政策協定の調印などを行った石川地連第20回定期大会=10月14日、荏原労組集会室
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高知地連第25回定期大会のようす=10月22日、高知市青年センター

 【山梨】山梨地連は10月13日に「組合民主主義を徹底し、組織防衛と強化拡大の闘いに全力を上げ 情熱と献身性をもち山梨地連の闘いの本領を発揮し、夢ある職場を取り戻そう」をメインスローガンに第38回定期大会をひらきました。

 大会では活動報告と運動方針、財政報告と予算等の議案を満場一致で確認し、新役員を選出しました。

 委員長=丹沢信之▽副委員長=五十嵐六男▽書記長=木村好高(いずれも再)

4項目の政策協定を調印

石川第20回大会

 【石川】10月14日、荏原労組集会室で第20回定期大会を開催し、05年度の活動を総括、「規制緩和をめぐる第2ラウンドのたたかい」と組織拡大に全力をあげる06年度運動方針を決定しました。

 また、金沢市長選挙に「市民の会」が擁立した平田俊一氏と福祉タクシー助成制度の改悪を元に戻せなど4項目の政策協定の調印が行われました。

 委員長=奥護▽副委員長=土方泰三▽書記長=井上登(いずれも再)

職場越え組合員増めざす

高知第25回大会

 【高知】高知地連は10月22日、高知市青年センターで第25回定期大会をひらきました。

 大会では、1年間の活動を総括し、次年度方針として、資格を有するものが尊重されるべきであるとの確立、また、組織強化に伴い、職場も含め、職場を越えた組合員増加をめざすことなどを決めました。

 委員長=曲直P茂行(再)▽副委員長=谷口孝(新)、大野浩祐(再)▽書記長=横田春吉(新)▽書記次長=八木重吉(新)、中山慎吾(新)

自主経営闘争の強化を確認

山形第46回大会

 【山形】山形地連は11月1日、第46回定期大会を開催。自主経営闘争について、大雪やJR事故の影響で一時的に増収となったが依然として規制緩和のもとで厳しい経営環境が続くとし、鶴岡市・庄内町とのバス運行委託の話し合い、介護タクシー、営業活動の強化などに全員でとりくむことを確認しました。

 委員長=武田幸夫(新)▽副委員長=成澤傳一(再)、木村勉(新)▽書記長=剱持恵市(再)▽書記次長=白幡善郎(再)



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