自交労働者No.718、2008年9月1日

現実無視の非人間的論理に抗議する

規制改革会議

規制緩和見直し敵視する見解

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規制緩和反対を訴える自交総連の仲間
 自交総連は8月11日、規制改革会議(内閣総理大臣の諮問機関)が7月31日に発表した「タクシー事業を巡る諸問題に関する見解」について、タクシーの現状を深く分析することもなく、国土交通省のタクシー規制緩和見直し政策を非難するものとして、抗議を行いました。

 規制改革会議の発表した「見解」は、「規制緩和は消費者利益を拡大し、雇用の創出をした」、「賃金の減少や事故率の増加は規制緩和と必ずしもリンクしていない」などとして、国土交通省がタクシーの参入・増車を抑制しようとしていることを敵視し、一層の規制緩和推進こそが必要というものです。

 見解は、規制緩和後の賃金の減少傾向は緩やかなどとして、参考資料に「タクシー運転者と他産業の従業員の年間所得の推移」なるグラフを掲げていますが、そのグラフは、タクシー労働者(06年342万円)と給仕従事者(同328万円)、福祉施設介護員(同322万円)の3業種の年間所得を比較したものです。いずれの職業も賃金が低すぎることこそ問題なのに、低賃金労働者はお互いにガマンしろといわんばかりの非人間的な論理です。

 見解は、再規制が他分野に波及する可能性について重大な懸念を持っているとしていますが、これこそ規制改革会議を牛耳る財界の本音です。労働者・国民の闘いで、規制緩和の見直しがすすむことをおそれて、その運動を押しとどめようとするもので、実効ある規制緩和の見直し、減車の実現のためには、こうした反動勢力との闘いが欠かせません。


一部事業者の駆け込み増車に抗議し、

事業者の自主的な減車を要求する

(談話、一部略)

2008年8月13日 自交総連中央執行委員長 飯沼 博

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飯沼委員長
 国土交通省は、7月11日、特別監視地域等の指定要件の変更など増車・新規参入を抑制する措置を通達した。

 ところが、東京や大阪をはじめ、特定特別監視地域に指定された地域において、一部の事業者が、7月11日の直前、あるいは「通達以前に契約していた」等の理由で8月11日の増車事前監査の除外期限前に増車を届出る事例が相次いでいる。

 都市部でのタクシーの供給過剰は、国交省通達のはるか以前から明白になっていたことであり、この時期に増車を届出るものは事前監査の回避を狙った「駆け込み増車」と言わざるを得ない。規制緩和の弊害を除去しようとする労使、行政の努力がなされている時期に、それを無にしかねない身勝手な行為に対して厳重に抗議するものである。しかも、増車届出事業者の中には、新規参入事業者だけでなく業界のリーダーシップを担うべき東京の大手4社グループ企業も含まれており、その責任は重大である。国土交通省は、明らかな駆け込み増車については、通達後の基準を厳格に適用し、事前監査の除外をすべきではない。

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減車をアピールする自交総連の仲間
 いま各地で顕著になっている営業収入の減少による労働条件悪化の最大の要因は多すぎるタクシーにほかならない。増車は、まさに労働者に犠牲を転嫁して自企業の利益のみを追求する行為である。同時に、規制緩和の見直しが「既存事業者の保護」につながるとして今回の国交省の増車抑制策を非難する論調も現れているなかでの既存事業者の駆け込み増車は、規制緩和の見直しを押しとどめようとする勢力に勢いを与えることにもなりかねない。

 むしろ事業者は、行政やワーキンググループの結論をただ待つのではなく、自主的に減車をして、自ら経営効率化の範を示して、世論の理解を広げるべきである。

 自交総連は、規制緩和の見直しが実りあるものとなるように努力するとともに、事業者の自主的な減車を含めたあらゆる可能性を追求して、減車を実現するために引き続き全力をあげるものである。

以上


引き上げ額は全国加重平均で15円

08年度地域別最賃

目安超える改定求める運動が必要

 中央最低賃金審議会は8月6日、08年度の地域別最低賃金額改定の目安を厚生労働大臣に答申しました。

 引き上げ額は、Aランク15円、Bランク11円、Cランク10円、Dランク7円の引き上げを求める内容です。今後この目安額をもとに各地方最低賃金審議会で改定額が審議され確定されます。今年度は、最低賃金法が改正され「生活保護施策との整合性」が条文化されたことを踏まえ、生活保護との格差(12の都道府県)解消をすることが求められており、引き上げ額は全国加重平均で15円となります。

 全労連が要求する時給1000円には遠く及ばないものの、引き上げ額が平均で10円水準となるのは昨年に引き続くものです。

 しかし、タクシー経営者・協会は昨年同様に最賃引き上げに反対する行動を展開する可能性があり、自交労働者の実態を訴え目安を超える改定を求めることが必要です。

表


特選に『ヘッドライト』

機関紙コンクール 大阪・朝日自動車労組

A部門

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応募作品を審査する審査員=7月17日、自交共済事務所
 自交総連は7月17日、自交共済事務所で、第32回機関紙コンクールの審査を行い、別掲の入賞作品を決めました。審査は吉田加奈(宮城)、梅田裕一(東京)、庭和田裕之(大阪)、菊池和彦(本部)の各氏が行いました。入賞作品は10月の第31回定期大会で、表彰、展示されます。

審査員の講評

伝えたい意気込みが感じる

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菊池さん
 菊池和彦 今年の応募は、54点で全体では昨年より2点増えたが、単組・支部機関紙が減ったのが残念。来年はぜひ応募が増えてほしい。

 A部門特選の『ヘッドライト』は内容・技術ともに見事な出来。とくに感心したのが写真と見出しのうまさで、記事の内容を的確に短い言葉で表して、写真と組み合わせて目を引くレイアウトにしていた。

 努力賞の3点は、それぞれ紙面に熱意と努力がにじんでいるのが評価された。『もにわ』は手書きの紙面、『あした』は道交法闘争の記事が詳しく役に立つ内容、『交差点』は記事がていねいに書かれていたことが印象に残った。

 惜しくも選外になった新聞も含めて、伝えたい、知らせたいという意気込みが感じられるものが多かった。技術的な問題で今は上位になれなくても、定期的に発行していれば、必ず内容がよくなっていくものと思うので、がんばってほしい。

 ビラでは、宮城地連のものが、「最賃以下では」「嘱託の契約更新」など労働者の関心が強い問題をシリーズで取り上げて作成していた。読んだ人も得をするし、大きな効果が発揮されると思う。

技術はさておきまずは発行

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吉田さん
 吉田加奈 どの機関紙を見ても、大変な状況のもとにありながら、日頃の「あきらめない」運動のようすが機関紙によく表れていました。

 こうした中、全国的に見ると発行がとまってしまっているところの方が多く、非常に残念に思いました。地域によって運動の到達には様々な特徴があり、問題と特徴を仲間と共有するには機関紙が不可欠です。技術的なことはさておき、まずは「発行」をめざし、未発行地連・単組の奮起に心から期待します。

 A部門では「ヘッドライト」(大阪・朝日自動車労組)が見事、数年ぶりの特選受賞。構成、見出し、写真、記事、印刷とも時流を見事に捉えた作品でした。

 B部門で目を引いたのが、初出品の「ATUとうほく」です。初発行にしては企画、割付、記事が良くできており、手作業の題字、見出しには努力がにじみ出ていました。東北ブロックは、実践で技術や機関紙作りの楽しさを身につけていくことを目的に、ブロックの機関紙を発行するという新しい試みを始めたばかりで今後の活躍に注目です。

 D部門の壁新聞「仲間達」(東京・グリーンキャブ労組)は、昨年に引き続き圧巻でした。この迫力の壁新聞が職場掲示板に貼られていれば、誰でも目を通すでしょう。ぜひとも可能なかぎり真似したいものです。

 審査会に参加させていただき、私自身、同じ編集を担当する立場として、とても勉強になりました。今後とも全国の皆さんを見習いながら、より良い紙面を作っていきたいと思います。

基本を学習する機会が必要

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梅田さん
 梅田裕一 今年、初めて審査に参加させて頂きました。同じ編集者の目で見て、どの作品も苦労の跡が紙面にうかがえました。審査方法としては、基本に沿った割付や禁則がされていないかなどを中心に採点をさせていただきました。

 A部門(単組・支部機関紙)は、「ヘッドライト」「やくしん」「東個労ニュース」の3作が特に評価が高く、特に写真の生かし方が非常に良かった「ヘッドライト」が特選に選ばれ、「やくしん」と「東個労ニュース」は甲乙つけがたく佳作に選ばれました。努力賞に選ばれた、「もにわ」「あした」「交叉点」は今後の活躍を期待しています。

 B部門(地連(本)・機関紙)は、「自交総連東京」「ハンドルおおさか」が甲乙つけがたく共に入選に選ばれ、「自交総連みやぎ」が紙面に工夫と努力が伺われ佳作に選ばれ、努力賞には、「自交総連福岡」「ATUとうほく」が選ばれ、共に機関紙を初めて発行したとのことですが、今後に期待ができる出来栄えでした。

 C部門(ビラ・速報)は、各種様々なビラなどが出品されていましたが、特に入選した「労働者の権利ビラ」は毎回、構成を変えて作成しており、マンネリにならない工夫がされていました。佳作には「あけばんニュース」、努力賞には「安労協ニュース」「西鉄スライド反対ビラ」「許すなセクハラ」が選ばれました。

 D部門(かべしんぶん・パンフ等)は、「仲間達」はA3版9枚程度の大きなサイズとなっています。このサイズでの定期発行をしており、本来の「かべしんぶん」の意義を大いに発揮しているといえます。今後も継続して頂きたいと思います。

 全体に定期的に出品されてる作品は力量が上がってきています。しかし、細かな禁則やルールを犯している作品が目立ちました。今後の課題として基本を学習する機会が必要と感じました。

1字1字に編集者の思い

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庭和田さん

 庭和田裕之 単組・支部機関紙の部門で久しぶりに特選(「ヘッドライト」朝日自動車労組)がでました。同紙は、数年来高い水準を維持し、レイアウトや記事、写真の使い方など基本に忠実に、そして大胆に、写真を使うなど読み応えのある機関紙でした。私は大阪地連の代表としてコンクールの審査を努めましたが、大阪から特選が出たことを誇りに思います。

 また、東京の「やくしん」「東個労ニュース」が今回は佳作でしたが、高い水準を保っています。技術的にも他の模範となる機関紙でした。ただ、東京の数紙に気になる点がありました。なぜこれほど技術的にも優れているのに、数年来いわゆる「どぶ」に罫線を使用するやり方が続けられています、これは改める方が良いと思います。そして、現在では宮城の伝統ともいえる「手書き新聞」、今回は「もにわ」が努力賞に選ばれました。1字、1字に編集者の思いが伝わってくる新聞、ながくこの技法が続くことを心から願います。

第32回機関紙コンクール入賞作品

 A部門(単組・支部機関紙、応募27点)
特 選 『ヘッドライト』 大 阪・朝日自動車労組
入 選 該当作品なし
佳 作 『自交総連東京個人タクシー版』 東 京・個人タクシー労組
佳 作 『やくしん』 東 京・日本交通労組
努力賞 『も に わ』 宮 城・KM仙台タクシー労組
努力賞 『あ し た』 東 京・天龍交通労組
努力賞 『交 叉 点』 大 阪・高槻交通労組
 B部門(地連・地本機関紙、応募10点)
特 選 該当作品なし
入 選 『自交総連東京』 東京地連
入 選 『ハンドルおおさか』 大阪地連
佳 作 『自交総連みやぎ』 宮城地連
努力賞 『ATUとうほく』 東北ブロック協議会
努力賞 『自交総連福岡』 福岡地連
 C部門(ビラ・速報、応募15点)
特 選 該当作品なし
入 選 ビラ『労働者の権利シリーズ』 宮城地連
佳 作 速報『あけばんニュース 号外』 東 京・日本交通労組千住支部
努力賞 速報『安労協ニュース』 東 京・安全自動車労組協議会
努力賞 ビラ『許すな! セクハラ』 大 阪・中央交通労組
努力賞 ビラ『西鉄スライド反対』 福 岡・西鉄タクシー労組
 D部門(壁新聞・パンフ、応募2点)
入 選 壁新聞『仲   間   達』 東 京・グリーンキャブ労組新宿支部
佳 作 パンフ『私たちの労働組合』 東 京・日本交通労組


われら自交総連

3万人めざして(4)

明るく働きやすい職場を作るために団結を

労働組合は資本からの独立貫き通すことが大切

 職場をみてみましょう。

 不満と要求を持たない労働者など、決していないはずです。そして、その要求は必ず職場で共通のものを持っています。

 しかし、みんながバラバラで自分だけの努力で何とかしようとしても、それは非常に困難です。今の職場をやめて、他の職場に変わったとしても、同じ運命が待ち受けているだけです。

 人間らしい労働条件と健康で文化的なよりよい豊かな生活は、私たち労働者がお互いにしっかりと団結し、すなわち労働組合をつくり集団の力で闘うことによってこそ、いくらかでも勝ち取ることができるものです。

 「賃金を勝手に下げられる」「罰科金、ノルマの強要が横行」「身分が不安定で不安」など。いま職場で強まっている様々な権利侵害に対し、明るく働きやすい職場をつくるため、多くの仲間が自交総連に加盟してきています。その仲間の多くは労働組合を新たに結成したもので、労働者・労働組合の基礎的な知識を学びながら、みんなで協力し合い改善のために奮闘しています。

 ところで労働組合というのはどういうものでしょうか。

 労働組合とは、労働者だけでつくる組織であり、思想、心情、宗教、資格や身分、国籍、男女の区別なく、要求の実現のために団結を認めるなら、誰でも加入できる組織です。

 こうであってこそ、私たち労働者は、一対一では到底、太刀打ちできない会社の力に対抗できる多数の力を持つことができるわけです。

 同時に労働組合は、その要求を実現するためには会社と闘わなければならない戦闘部隊ですから、労働組合が会社とベッタリくっついて癒着したりしていたのでは労働者の利益を守ることはできません。資本からの独立を貫きとおすことがどうしても大切です。

私たちの権利の一例
日本国憲法第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
同第28条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
労働基準法第1条 (2)この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、…この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。
同第2条 労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。


核兵器のない平和な世界を

原水爆禁止2008年世界大会―広島

改めて平和の大切さを実感

自交総連から5地方32人が参加

 核兵器のない平和で公正な世界を――原水爆禁止2008年世界大会が広島・長崎でひらかれ、今年のメイン集会となった広島大会には7800人が集まり、国連の代表をはじめ34カ国99人の海外代表も参加し、各地の反核・平和運動を交流、自交総連からは5地方32人が参加しました。
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原水禁大会閉会総会のようす=8月6日、広島・グリーンアリーナ

 広島大会は4日に開会総会。夜には自交総連の産別交流会がひらかれ東京・神奈川・京都・大阪・福岡の5地方から32人が参加して、平和運動や組合活動について交流し、広島に来て改めて平和の大切さを感じたなど、感想を語り合いました。

 5日には分科会・分散会では、被爆者の実体験談や基地の調査行動などが行われ、参加者は、核兵器の悲惨さや米軍基地からの戦闘機の離発着の音に悩まされている実態などを学びました。

 6日の閉会総会では、被爆地・広島から日本全国、そして世界の人びとに核兵器廃絶を呼びかける「広島からのよびかけ」と特別決議「原爆症認定問題のすみやかな解決を要求します」を採択しました。また、原水禁大会の参加者からは次のような感想が寄せられています。

核廃絶を地球規模の運動に

 6日の記念式典で被爆者の御霊に1分間の黙祷を捧げた時、この1分間に10数万人の命が奪われたことを思うと、記念碑に刻まれた「安らかに眠って下さい過ちは繰返しませぬから」という言葉が、深く自分の魂に響きました。

 唯一の被爆国である日本国政府は、被爆の実相を世界に広め、核兵器廃絶のため誠実に努力する義務を負っています。私たちは核兵器廃絶の運動を地球規模の運動にするよう努力しましょう。
(東京・高城正利)

市民の怒りを肌身に感じた

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分科会で基地の調査行動を行う自交総連の参加者=8月5日
 5日の「動く分科会岩国・呉基地調査行動」に参加。江田島・呉・岩国が一体となり日米の軍事基地、関連施設、軍事産業が予想以上に集中していることに気付かされ危機感を強く抱きました。

 海外遠征、なぐりこみ部隊の岩国米軍基地。滑走路拡張のための埋め立て地横から基地全体を見ます。ちょうど、FA―18・ホーネット戦闘攻撃機が地を裂くような爆音を響かせ飛び立ち、初めて間近で戦闘機を見ました。すさまじい爆音を聞き、この強烈な金属音に悩まされている岩国市民の怒りを肌身に感じました。
(大阪・権田正良)


自交総連の意義訴えよう

山口地連

幹部学習会を開催

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組織拡大について講演する小林書記次長=8月1日、下関勤労福祉会館
 【山口】山口地連は、8月1日13時から下関勤労福祉会館で幹部学習会を開催、各単組から10人が参加、本部小林書記次長を交えて組織の拡大に向けての討論を行いました。

 参加者をあきさせない小林書記次長の講演は予定時間を上回り、自交総連の国会・国交省等への日常の運動の積み重ねが、結果として政治までが動いてきている、これらを組織拡大に繋げることが、いかに大事であるかを説かれました。

 また、国交省の交通政策審議会(WG)においても自交総連に対する期待が大きく、今までは行政がタクシー労働者の賃金にまで踏み込むことはなかった、しかし自民党内においても規制緩和に対する意見が分裂するほど目に見える運動の成果が得られたことを報告。

 山口地連の運動としての討論では、久賀オルグの運動を引き継ぎ、賃上げなどの成果としてはないものの、これら運動の成果を大いに利用し、街頭宣伝ビラを充実したものにし組織のないところにも自交総連の存在意義を訴えることで一致しました