自交労働者No.804、2012年7月15日

いっそうの減車と需要拡大を

新年度運動方針案など討議

第6回常執

春闘総括・新年度方針案などを討議した第6回常執=7月4日、東京・自交共済事務所
春闘総括・新年度方針案などを討議した第6回常執=7月4日、東京・自交共済事務所
 自交総連は7月4〜5日、自交共済事務所で第6回常任中央執行委員会をひらき、春闘総括案、新年度運動 方針案などを討議しました。

 春闘総括では、現行賃金体系を維持して一定の解決金等を獲得したこと、運転者負担や有休の改善など職場要求を獲得したことを評価し、要求を出してたたかうことの重要性を再確認、減車闘争によって前年同月比で営収が回復していることも指摘されました。

 組織拡大では目標の達成には至っていないものの、各地方で今まで行ったことのない地域も含めて活発に宣伝行動を展開したことが今後につながる運動になっているとの意見が出されました。

 運動方針案は、厳しい労働条件にさらされている自交労働者の要求実現のために、資本と政党から独立し、社会変革をめざす階級的な立場を堅持してきた自交総連のたたかう労働組合としての本領を発揮して、社会的水準の労働条件をめざして、企業や行政・政治の責任を追及していくことの重要性を強調、規制を強化させた運動の到達点に立って、いっそうの減車、需要拡大(景気回復)、運転者が主人公になるタクシー運転免許構想への接近を提起するものになっています。

 討論では、運転者登録制の強化とあわせ、安心・安全、良質な運転者確保のための年齢制限が必要などの意見が出され、当面する消費増税阻止の闘いでは、仮に強行されれば経営が維持できなくなることなどを強調してとりくむことが必要だとの意志統一を行い、当面して参院での可決を阻止することに全力をあげることが確認されました。

 春闘総括案、運動方針案は、意見を入れて書き直したうえで9月の中執に提起、最終案を確定して、10月15〜16日の第35回定期大会に提案されます。


ビラのつくり方学ぶ

事実・背景をわかりやすく

大阪地連教宣学校

ビラ制作にとりくむ大阪地連の仲間=6月17日、神戸市北区
ビラ制作にとりくむ大阪地連の仲間=6月17日、神戸市北区
 【大阪】大阪地連は6月17〜18日に「2012年度教宣・機関紙学校」を神戸市北区で開催しました。

 各単組から担当者ら19人が参加。中・上級者は課題のビラ制作に、初心者はパソコンの文字入力にチャレンジしました。

 庭和田書記長は開校式であいさつし、「“ビラができれば新聞もできる”ということで今回は課題をビラ制作に特定しました。誰に呼びかけるのかを考えて事実、背景をわかりやすく書きましょう。紙面が文字ばかりでは読んでもらえませんよ」とレクチャーしました。

 今回はじめて参加した仲間からは、「文字入力で精一杯だったけど、これからもがんばりたい」(岸交新労組・白井さん)、「ここに来た当初と今とでは全然変わりました。これからもよろしく」(大商ユニオン労組・大尻さん)、「教えてもらったことを帰宅してからも復習してがんばっていきたい」(茨木労組・横田さん)、などの感想を聞くことができました。


会社が水没車の損害賠償請求

勝訴に向けアンケート実施

宮城地連キュット労組

 【宮城】宮城地連キュット労組の斉藤委員長が、会社側から台風で水没した営業車両の修理代を請求され、裁判を起こされています。

 昨年9月の大型台風の際、突然の冠水により営業車両が水没、斉藤委員長は命からがら逃げ出しました。

 当時は死者が出るほどの大豪雨で、水没をあらかじめ想定することが不可能であったにもかかわらず、会社側は斉藤委員長の責任だとして水没した営業車の修理費を裁判で請求しました。

 これは、組合を立ち上げたことによる報復であるとしかいえません。

 現在地連では、今回のような非常識な請求が他の地方でもあるかどうか、各地連(本)にアンケートへの協力を要請していますので、協力をお願いします。


この成果を全国に

大阪・市バス運輸振興労組

神奈川・飛鳥横浜支部

組合員の残業禁止

中労委で勝利的な和解

和解をかちとった飛鳥横浜支部の仲間と弁護団=6月8日、中央労働委員会前
和解をかちとった飛鳥横浜支部の仲間と弁護団=6月8日、中央労働委員会前
 【神奈川】神奈川地本飛鳥横浜支部は6月8日、県労委命令を不服として会社が再審査を求めていた残業禁止の組合員差別事件について、中央労働委員会で和解をかちとりました。

 2010年1月に飛鳥横浜支部が会社に残業代未払い請求をしたところ、会社は組合員のみメーター器を改造して残業を禁止。組合を脱退すれば残業を認めるという措置をとりました。これによって、当時148人だった組合員は58人まで減少しました。

 同支部はこの措置を組合の正当な行為に対する報復であり、脱退工作であるとして、神奈川県労働委員会に残業禁止の解除、禁止期間中の賃金差額の支払い等の申し立てをし、9月には実効確保の措置勧告が出されましたが、会社は従いませんでした。2011年4月には救済命令をかちとりましたが、会社はこれを不服として、中央労働委員会に再審査を求めていました。

 今回、今後の労使間の融和を考慮して、あえて中央労働委員会で和解する道を選択しました。


過労死 運輸業が突出

道路旅客の「うつ」全体の2倍

厚労省が労災認定状況発表

 長時間労働が原因の「過労死」等の労災認定状況が厚労省から発表されました。

 脳血管疾患や心筋梗塞などの「過労死」労災認定は、2011年は310件でした。そのうち、道路貨物運送業(トラック)が75件、道路旅客運送業(バス、タクシー)が14件を占め、産業別では運輸業が突出しています。認定数を雇用者1万人当たりに換算すると道路貨物が全産業の7・5倍、道路旅客が5・1倍にもなります。自動車運転者がいかに長時間労働で健康が破壊されているかを示しています。

 やはり長時間労働からくる「うつ」などの精神障害は、乗客との対応がある道路旅客が全産業の2・4倍になり、負担の大きさが表れています。

グラフ


他産業労組とも積極的交流を

青年活動家の今後を学ぶ

東京地連青年部学習会

学習会に参加する青年部の仲間=6月17日千葉県南房総市
学習会に参加する青年部の仲間=6月17日千葉県南房総市
 【東京】東京地連青年部は6月17〜18日、千葉県南房総市の「自然の宿くすの木」で、泊まり込み学習会を開催し、2組合14人が参加しました。

 参加者は、労働運動にこれから何が求められていて、青年活動家がどのような未来を切り開いていけばいいのかフリートークを交えながら学習しました。

 講師の飯沼委員長は「細かいことはあまり気にせず、のびのびと労働運動をしてもらいたいと思います。ただし、決まりきった活動をするのではなく、他産業の労働組合とも積極的に交流しながら出かけてもらいたい」と語りました。

 2時間の講義が終了後、「労働組合はなぜ職場に必要なのか、なぜ労働組合に結集しなければならないのか」というテーマでフリートークを行いました。

 はじめて参加した高橋さん(日の丸自交労組深川支部)は「自分でできる範囲のことからやることが大切だと理解しました」と話しました。


争議勝利へバーベキュー

静岡・石川タクシー富士宮労組

 【静岡】静岡地連石川タクシー富士宮労組支援共闘会議は6月25日、石川タクシー富士および富士急静岡バスへの抗議・宣伝行動を実施した後に、同組合の事務所前でバーベキュー交流会をひらきました。

 2010年2月の突然の会社解散、全員解雇以降、会社側の明け渡し請求に屈せず2年以上も泊まり込んで確保している組合事務所でひらいた交流会には、組合員の他、支援団体や弁護士など約25人が参加しました。


国民の声無視し社会保障も全面改悪

密室談合、強行採決 増税繰り返す恐れも

消費税増税

 【解説】消費増税法案の衆議院通過は、民自公3党が密室で会談して合意した内容を、国会審議もしないで多数決で強行したもので、議会制民主主義に反します。

 しかも、3党が合意した内容は、左の表のように、政府の社会保障と税の一体改革の当初案でわずかに言及されていた富裕層への増税や低年金者への加算といった対策はすべて削除か先送りされ、消費増税プラス社会保障の全面改悪という最悪の組合せです。

 社会保障に関しては、社会保障制度改革推進法という新しい法律を数日でつくって強引に可決するという拙速ぶりです。この法律は、社会保障は国民の「自立」「自助」が基本だとして国の責任を放棄し、その財源は消費税を充てるというもので、今後社会保障に財源が必要になれば自動的に消費増税が繰り返されることになってしまいます。

 民自公を合わせると国会では圧倒的多数ですが、法案が衆議院を通過した後の世論調査でも、消費増税反対が52%、賛成39%(朝日新聞6月26・27日調査)で、国民の多数は反対です。

 こうした国民の声と3党の矛盾は明らかで、参議院での徹底審議、廃案をめ ざして、世論で国会を包囲していくことが大切です。

表