自交労働者No.822、2013年5月15日

くらしを壊す増税許すな

第84回メーデー

全国の自交総連の仲間が奮闘

 すべての労働者の賃上げと社会保障拡充 震災復興、原発ゼロ、くらしと雇用、平和を守ろう――第84回メーデーが5月1日、全国各地でひらかれ、東京・代々木公園で開催された中央メーデーには、2万1000人が参加しました。

大企業は内部留保還元しろ

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2万1000人が参加した中央メーデー=5月1日、東京都内

 【東京】代々木公園での中央メーデーには東京地連から702人の仲間が参加しました。

 主催者を代表して全労連の大黒議長があいさつし、被災地本位の復興、TPP参加反対、原発ゼロ実現、オスプレイ配備撤回など共同を発展させ、憲法96条改定反対など世論と運動をひろげようと呼びかけました。

 集会後、参加者は3つのコースに分かれてデモ行進しました。自交総連の仲間は、新宿コースの約4キロを行進。「くらしを破壊する増税・社会保障改悪反対」「大企業は内部留保を還元しろ」などとシュプレヒコールをあげながら元気よく行進しました。

労働者いじめ絶対許すな

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デモ行進に出発する北海道の仲間

 【北海道】北海道メーデーは、中央会場の札幌市中島公園広場に3000人が結集。地連からは20人が参加しました。例年は桜が開花している中での開催ですが、今年はつぼみすら見えず木々は丸裸の状態。参加者は真冬並みの服装で、ススキノ繁華街を抜けるデモ行進、「地域・産別と団結を固め、労働者いじめや憲法改悪を絶対許すな」とアピールしました。

 終了後には、団結交流会を開催し、焼き肉パーティーを行いました。政治論議や、孫や子の将来について熱い会話も飛び、最後は「やっぱ組織拡大しかないべや!」で締めくくりました。

平和と民主主義守る闘いを

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シュプレヒコールを上げる大阪の仲間

 【大阪】大阪メーデーは、府内15か所で集会がひらかれ、全体で1万4000人が参加しました。大阪市北区の扇町公園には7000人が集結し、地連からも100人が参加してデモ行進に奮闘。「すべての労働者の賃金を上げろ!」と声を張り上げました。

 主催者あいさつで大阪労連の川辺議長は、「日本維新の会の憲法改悪、軍事推進路線が明確になり、ハシズムとの闘いは全国的な課題となっている。独裁政治の根拠地・大阪でのより大きな闘いが求められている。憲法を社会とくらしに生かしきる闘い、平和と民主主義を守る闘いを全国に力強く発信しよう」と呼びかけました。

組織拡大の決意に激励の声

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沿道の市民に訴える福岡の仲間

 【福岡】福岡地連は、県内各地の会場に分かれて奮闘。のべ40人が参加しました。メイン会場となった天神中央公園では、産別労働組合によるリレートークやデコ・プラコンテストなどさまざまな催し物で盛り上がりました。その後参加者は、天神地区をデモ行進し、憲法改悪反対、原発再稼働反対、消費税増税反対などの訴えを沿道の市民にアピールしました。デモ終了後は懇親会をひらき、弁当と毎年恒例の丸天・ごぼう天をおつまみに汗をかいた後のビールを堪能。九州ブロックのメンバーからは組織拡大の決意表明があり、「頑張ってこい」とカンパが集まり団結を深めました。


春闘決着めざし闘争継続

参院選に向けての闘争方針も決定

第2回中闘

 自交総連は5月8日、本部で第2回中央闘争委員会をひらき、春闘の最終決着にむけた方針などを決めました。

 各地方からの状況報告では、解決金や福利厚生費用など一定の金額を獲得したり、カード手数料、事故負担の軽減、政策課題での合意で決着したところも出ていますが、全体としては例年と比べても解決のペースが遅く、まだ闘争中の組合が多くなっています。

 このため、5月中最終決着をめざしつつ、全体の闘争態勢は6月以降も解除せずに闘争委員会を継続することを確認、納得のいく内容での決着をはかるため個別対策を強化することとしました。

 組織拡大では新加盟とともに既存組合の中での組合員増に積極的にとりくむこととしました。

 参議院選挙にむけての闘争方針も確認(3面参照)し、自交労働者の要求と政治との関わりを知らせて、職場で政治が話題になるようにしていくことが強調されました。


経営側も増税反対の声を

東タク協などに要請行動

東京地連

東京ハイヤー・タクシー協会

労働条件改善に向き合う

 【東京】東京地連は4月16日、東京ハイヤー・タクシー協会に「13春闘統一要求書」と「産業別労働協約締結に関する申し入れ」を提出しました。

 要求内容は、適正な実車率にむけた減・休車や、累進歩合制度と乗務員負担の撤廃、産業別労働協約の締結など8点です。

 対応した東タク協の武居労務委員長は、「今春闘でも特措法の趣旨である運転者の労働条件改善に向き合っていかなければならないと考えている」と述べました。

 城委員長は「消費税増税反対を唱えないとする意見が協会の大勢を占めているが、増税が実施されたら大変な事態になる。経営側も増税反対の声を出すべきだ」と強調しました。

東京都・警視庁

災害時のタクシー活用を

 4月22日、東京都・警視庁への要請行動を実施し、東京地連から12人が参加しました。

 都へは、都市交通政策としてタクシー事業の許認可業務と監督権取得への法整備、それらの業務を担当する部・局の新設や、災害時、タクシーを緊急輸送機関に―など11項目を要請しました。

 警視庁へは「取り締まりのための取り締まり」是正や、災害時の交通規制対策の明示、タクシーを災害時緊急車両に、自転車の違反に厳格な道交法適用と罰則規定を―など6項目を要請しました。

東京労働局

累進歩合の指導の徹底を

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東タク協に要請する城委員長と東京の仲間=4月16日、都内

 4月23日、東京労働局に労働条件改善等に関する要請行動を行いました。

 内容は、(1)賃金制度の見直しを含めた集団指導を実施すること(2)国交省との連携を強化し、労働関係法令違反を是正させること。累進歩合制度については指導を徹底すること(3)不当な労働者負担をなくす指導を行うこと(4)高齢者雇用安定法改正に関して、使用者が継続雇用を拒否する目的で就業規則の解雇基準を恣意的に解釈・運用できるように改定しないようにすることの4項目です。


たたかう姿を伝えよう

タクシー労働者総掛かり作戦

北海道地連

2000枚のビラを配布

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乗務員と対話する北海道の仲間=4月20日、札幌駅

 【北海道】4月20日、北海道地連と道労連主催、道交運共闘共催の「タクシー労働者総掛かり作戦」がとりくまれ、札幌市内の各所でビラの配布と対話を行いました。

 多くの産別からも応援がかけつけ、総勢28人で出陣式が行われました。道労連黒澤議長は主催者あいさつで「総掛かり作戦を成功させ、自交総連の組織拡大につながるよう皆さんの奮闘に期待します」と述べました。

 参加者は地下鉄ドニチカ切符(500円で土・日乗り放題)を手に3路線に分かれて宣伝行動を行いました。組織拡大用と翌日実施のホットラインのビラをセットにし、約2000枚を配布。道内その他主要都市でも地域労連の協力で、一斉行動を行いました。

 今回、強烈に印象に残ったのは乗務員のますますの高齢化です。日々の営収低下も追い打ちをかけているせいか、対話した乗務員からは落胆する声が多く聞かれました。行動隊は全員、「とにかく一枚でも多くのビラをまき、俺たちのたたかう姿を伝えよう」と、最後まで奮闘しました。

過疎化で仕事自体がない

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労働者からの相談に対応する北海道の仲間と弁護士=4月21日、札幌市内

 「総掛かり作戦」翌日の4月21日、「北海道タクシー労働者ホットライン」を実施し、道タクシー労働者支援弁護団から4人の弁護士と、地連・道労連の2人が対応しました。

 午前10時の開始とともにさっそく電話がありました。これまでにマスコミ関係者にも報道要請を行っており、対応するスタッフの様子を、地元新聞やNHK、HBC(北海道放送)が取材し、即日放映されました。

 相談を受ける中で、地方での過疎化によってハイタクだけではなく仕事そのものがないなど、くらしへの不安をつのらせる労働者の実態が深刻化していることが鮮明になりました。

 また、配布したビラをいざというときのために何か月も持っていて電話をしてくる労働者もおり、この日以降も相談が入っていることから、それぞれ個別に対応しています。


群馬にふたたび自交総連を

関東ブロックが未組織宣伝行動

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ビラを配布する埼玉の仲間=4月18日、埼玉・ふじみ野駅

 【埼玉】関東ブロック協議会は、4月18日、群馬県・高崎駅等で未組織宣伝行動を行いました。

 関東ブロックでは、昨年から各月の第3木曜日に「労働者の権利や企業の社会的責任」を訴えるとともに、地域で働くタクシー乗務員とコミュニュケーションをはかってきました。残念ながらまだ組織化には至っていませんが、他の地方と同様に職場では問題が山積しています。とりわけ、企業は労働者をコストとしてしか捉えておらず、使用者の立場で不合理な労働条件を労働者に押付けています。

 ひきつづき、「労働者が団結し、憲法や法令で守られたわれわれの権利を行使する重要性」を訴え、組織拡大を推進し、群馬県にふたたび自交総連の組合を組織するため、全力をあげてとりくんでいきます。


乗務員負担適切に指導

九州運輸局へ要請行動

九州ブロック

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要請書を手渡す九州ブロックの仲間=4月24日、九州運輸局
 【福岡】九州ブロックは4月24日、九州運輸局へ要請行動を行いました。

 要請内容は、(1)地域協議会の開催(2)適正台数の見直し(3)悪質事業者に対する監査と処分(4)日雇い乗務員の一掃(5)運転者負担に対する改善などの5項目です。

 九州運輸局の西正旅客二課長は、「これから3年間は、さらなる適正化・活性化対策を地域協議会の委員に説明し、労働条件改善を念頭に置いた協議会運営をするよう追求したい」とし、「ひきつづき現在の適正車両数の達成にむけた対策を進めていく」と述べました。また乗務員負担については、「運賃制度にも違反している可能性があり、適切な指導を行いたい」と回答しました。


バス問題で活発に議論

宮城・バスシンポジウム

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バスの問題点などを議論したシンポジウム=4月21日、仙台市内
 【宮城】4月21日、宮城県青年会館で「安心・安全なバス輸送を考えるシンポジウム」が開催され、60人が参加しました。

 主催は、宮城地連も加入している市民の安心・安全のバスを考える会で、県バスユニオンと宮城交運共闘が共催しています。

 シンポジウムでは、基調報告として(1)仙台市の路線バスの問題点(2)みちのく観光バス裁判からみる貸切バス問題(3)バスの規制緩和と運輸行政が報告されました。つづいて、職場からの報告があり、参加者は活発な意見を出し合いました。

 当日は、自交総連のバス政策についての資料を配布し、紹介されました。


この成果を全国に

三重・四日市名タクユニオン

所定休憩時間中の労働に時間外割増賃金認定

津地裁 タクシーの客待ちは労働

 【三重】四日市名タクユニオンは、会社に未払いの残業代を請求していた裁判で4月17日、津地裁四日市支部で勝利判決をかちとりました。

 名鉄四日市タクシーは、所定の休憩時間が3時間ですが、実際はノルマが高くて休憩時間中でも働いているのが実態でした。組合を結成後、残業代を実労働時間どおり支払うよう要求書を提出しましたが、団交拒否がつづいたため、10年12月に小西委員長ら5人が提訴しました。

 判決は、原告一人当たり29万円から42万円の残業代と付加金(罰金)を支払うよう会社側に命じました。

 判決は、空車の時間帯は「『休憩』及び『労働』の両方の側面があり、その度合いは時間の経過とともに移りかわる」「休憩時間と労働時間とに振り分ける事実認定は、きわめて困難」との前提のうえで、(1)配車待ちや駅待機は、1時間未満の場合は労働時間として扱い、1時間以上の場合は30分を労働時間として扱う、(2)休憩所のある東芝工場での待機は休憩時間として扱う、などの基準を示して、日報等から5人の原告各々の実休憩時間を認定。実休憩が1時間30分〜2時間15分であると認定した4人について所定休憩時間との差を時間外労働と認めました。


96条改定許してはならない

5・3憲法集会・銀座パレード

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会場が満席のため屋外特設モニターに集まる参加者=5月3日、日比谷公会堂

 【東京】生かそう憲法 輝け9条 あらゆる憲法改悪を許さず、今こそ平和といのちを尊重する社会へ――憲法記念日の5月3日、全国各地で憲法を守り生かそうと集会がひらかれ、東京・日比谷公会堂で開催された集会には3500人が集まりました。

 集会で共産党の志位和夫委員長は「安倍首相が9条改定の突破口として押し出している96条の改定を絶対に許してはならない」と呼びかけました。また、社民党の福島瑞穂党首は「政権が都合よく憲法改正を発議できれば、多数決の横暴だ」と訴えました。

 集会後、参加者は銀座を通って東京駅までデモ行進をしました。東京地連からは16組合36人が参加。横断幕などを掲げて「96条改正反対」や「9条を守ろう」などと訴えました。


核兵器のない世界を

5・6国民平和大行進出発

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組合旗を持ってデモ行進する東京の仲間
=5月6日、東京都内
 【東京】2013年国民平和大行進が5月6日、東京・夢の島の第5福竜丸展示館前から出発しました。東京地連の仲間も旗を持って行進しました。

 約1200人の参加者は、核兵器の全面禁止、大震災の被災者支援、自然エネルギーへの転換を訴えながら芝公園まで行進しました。平和行進は、7日に神奈川へ引継ぎ、8月の広島到着まで歩きつづけます。