自交労働者No.841、2014年4月1日

14春闘いよいよ本番

4月末決着にむけ奮闘を

各地で宣伝、デモ、要請

3・13全国統一行動

 自交総連の2014年春闘が本番を迎えています。3月13日の全国統一行動では、要求の前進をめざし、各地でさまざまな行動がとりくまれました。

増税ストップ大幅賃上げを

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デモ行進する参加者
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労働局交渉のようす

 【北海道】北海道では、労働局、運輸局との交渉を行いました。
 労働局では、改正タクシー特定地域特措法の附帯決議にある乗務員負担や累進歩合制の廃止にむけとりくみを徹底することを要請。運輸局では、監査指導体制の強化やタクシー運転免許の法制化について話し合いました。局側は、国土交通大臣の「現場主義でやれ」という言葉の通り業務にまい進したいと述べました。
 札幌での地域総行動にも参加しました。

仙台を特定地域に指定せよ

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要請書を渡す本間委員長(右)=東北運輸局

 【宮城】宮城では、東北運輸局との交渉を行い、改正タクシー特定地域特措法に関して、仙台市を特定地域に指定することを要請したのに対し、局側は、個人的には仙台市は指定すべきだと思っていると回答。悪質事業者の処分に関しては、法違反をくりかえす事業者に対して厳正に処分すると回答しました。

結果を残し存在意義示そう

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交渉を行う埼玉の仲間=埼玉運輸支局

 【埼玉】埼玉では、運輸支局、労働局交渉を行いました。
 改正タクシー特定地域特措法に関して、附帯決議や関係通達で指摘されている賃金制度等の項目を真摯に受け止めてとりくむよう要請しました。
 同日開かれた三役執行委員会では、タクシー労働者の賃金や労働条件が注視されている今こそ、結果を残すことで労働組合の存在意義を示していこうと意思を固めました。

タクシーの部局開設求める

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ビラまきを行う東京の仲間=東京都庁前

 【東京】東京では、都庁前にて、都にタクシーの部・局の開設を求める宣伝行動を実施しました。
 城委員長は「東京には公共交通として電車やバスと同じ土俵でタクシーの問題を論ずる部・局がない。7年後のオリンピックを控え、利用者がスムーズに移動できるようタクシーを扱う部・局の開設を」と訴えました。
 また、東京春闘共闘主催の地域行動にも各ブロック、単組支部で参加し、集会やデモ行進に奮闘しました。

決起集会に900人が結集

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雨の中デモ行進する大阪の仲間=大阪市内

 【大阪】大阪労連と大阪春闘共闘が開いた総決起集会には900人が集結。集会後のデモ行進では、雨でずぶ濡れになりながら声を張りあげました。
 また同日、地連は、大阪タクシー協会との交渉にもとりくみ、タクシー労働者の労働条件改善を求める要請書を提出。タクシー事業の再生をめざし、イニシアチブを発揮することを要請しました。


九州から北海道までリレー

未組織宣伝全国縦断行動スタート

3〜5月下旬

 自交総連は、3月上旬から5月下旬にかけて、全国を縦断するリレー式の未組織宣伝行動にとりくんでいます。

景気の低迷が乗務員を直撃

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組織宣伝行動にとりくむ大阪、埼玉、福岡の仲間=3月6日、新大阪駅
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ビラを渡し対話する福岡の仲間
=3月8日、福岡・博多駅

 宣伝カーは3月6日に東京を出発、リレー宣伝の出発地点となる福岡へ向かいました。
 途中、新大阪駅に立ちより、ビラの配布と対話を行いました。宣伝カーの上からは、大阪、埼玉、福岡の代表が自交総連への結集を呼びかけました。
 (福岡)3月8日、福岡で宣伝行動がスタート。改正タクシー特定地域特措法の実効性確保にむけた運動の重要性を訴え、労働条件改善のために結集しようと呼びかけました。
 (佐賀)10日には佐賀県に移動し、鳥栖駅で宣伝行動を行いました。待機中の乗務員からは、「暇すぎる、食べていけない」と悲鳴にも似た声があり、景気の低迷が生活を脅かしている様子が明らかでした。

宣伝終了後にさっそく相談

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待機中の乗務員との対話=3月11日、長崎・佐世保駅

 (長崎)11日には長崎で宣伝が行われました。佐世保、大村、諫早、長崎でビラ配布、宣伝、対話を行いました。佐世保での行動終了後にはさっそく電話相談がありました。12日の熊本での宣伝でもビラを配布して間もなく電話があり、宣伝行動がいかに大事かということが感じられました。

空白県で結集を呼びかける

 (鹿児島)13日は鹿児島県内の駅や港で宣伝行動を行いました。乗務員からは、消費税増税で営収が減ることへの不安の声が多く聞かれました。
 (宮崎)14日は、空白県である宮崎県での宣伝を行いました。鹿児島地連・山崎委員長がマイクを握り、タクシーの現状を伝えるとともに、自交総連に結集して一緒にたたかおうと呼びかけました。
 駅前待機所などでは、法人タクシーよりも個人タクシーの数が多いのが印象的でした。廃業の話も聞かれるなど、経営が苦しいことが伝わってきました。また、個人タクシーの乗務員からは、増税・運賃値上げにともなうメーターの設定変更料が痛手だとの声もありました。
 (大分)15日には、大分県で宣伝を行いました。対話した乗務員は「乗り込みが少なく夜の繁華街も閑散としている」「仕事らしい時間は午前中の病院の送迎だけだ」と話し、地域経済の疲弊が大きく影響していることが伝わってきました。
 宣伝カーは16日に山口地連(中国ブロック)に引き継がれました。

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組合の担い手減っている

共通の課題が明らかに

東北ブロック幹事会

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情勢分析と今後の活動計画を確認した東北ブロック幹事会=3月11日、岩手県

 【宮城】東北ブロックは3月11日、岩手県で幹事会を開催し、4地連の代表と岩手県労連の金野議長が参加しました。
 幹事会では、本部の闘争指令にもとづいて情勢分析を行った後、各地のとりくみについて報告がありました。この中で、高齢化にともなって組合活動の担い手が少なくなっていることや、消費税増税による賃下げ「合理化」が予測されることなど、共通の課題があることが明らかになりました。
 今後の活動計画では、ブロック共同での宣伝行動や、東北運輸局交渉、幹部学校、自主経営交流会などを行うことを確認しました。


静岡地連 14春闘学習会

職場の重点要求を確認

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資料に目を通す参加者
=3月11日、浜松・西塚区画整理記念館

 【静岡】静岡地連は3月10日、浜松市内で2014年春闘学習会をひらきました。本部の菊池書記次長が改正タクシー特措法の内容などについて講演した後、質疑と各単組が状況報告を行いました。
 質疑では、障害者割引や免許返納高齢者割引の運賃計算が運転者負担になっていたり、累進歩合制となっていたりする会社が多いなどの質問が出され、改善の必要性が確認されました。
 状況報告では、通勤手当の改善や70歳以上の雇用、賞与の歩率を上げる、定年延長65歳、最低時給の改善など、組合ごとの重点が報告され、石川タクシー富士宮労組からは、解散・解雇裁判勝利へ支援の訴えがありました。


労働条件守るために結集を

新入社員の拡大を

山梨地連中央委員会

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資料に目を通す参加者
=3月11日、浜松・西塚区画整理記念館

 【山梨】山梨地連は3月18日、甲府市内で第45回中央委員会をひらきました。
 窪田委員長は、「4月から消費税が上がるとタクシーは暇になる。大企業はベアと言っているがタクシーは収入が減ってしまう」と指摘、労働条件を守るためには自交総連に結集することが大事だと訴えました。
 大原書記長が春闘方針案を提案、「賃金引上げ、社会保障の充実、進めよう対話と共同・組織拡大」をスローガンとする春闘方針を確認しました。
 討論では、武田第一で乗務員の出勤名札を組合員だけ色を付けて区別しているなどの状況が出され、差別を許さないためにも積極的に新入社員の拡大をしていかなければならないと決意しました。


県ハイヤー協会と交渉

地域協議で労働条件重視を

高知地連

 【高知】高知地連は2月27日、高知県労連とともに、県ハイヤー協会および高知市ハイヤー協同組合との交渉を行いました。
 交渉では、改正タクシー特定地域特措法に関して、2月10日に結成された準特定地域協議会について、会議資料のどこにも運転者の賃金・労働条件に関する項目が見当たらないことを指摘し、今後の協議会の中で真剣に検討するよう要請しました。また、消費税増税分の賃上げや、賃金体系の見直しなども要請しましたが、業界側は否定的な態度を示しました。


バス・タクシー・トラック
健康状態に起因する事故

「病気が原因」の自動車事故
10年間で3倍以上も増加

 バス運転者の病気が原因で起きた重大事故が12年に58件に上り、10年間で3倍以上に増加したことが国土交通省の調べで分かりました。

全体でも3倍増加

 バス、ハイタク、トラックを合計したものは、02年には全体で47件だったものが、年々件数が増え、07年には100件を突破、現在では143件にまで達しました。02年からの10年で3倍になるという激増ぶりです。

労働条件が影響

 事故等の原因となった病名は、グラフのとおり、脳疾患(脳出血、脳梗塞等)、心臓疾患(心筋梗塞、心不全等)が多く、過重な労働環境が影響しているとみられます。
 3月3日に北陸自動車道サービスエリアで起きた高速バスの事故でも、運転者が何らかの理由で意識を失っていた可能性が指摘されています。
 事故が急増しはじめた02年はタクシー・乗合バスが規制緩和された年。その前に貸切バス・トラックも規制緩和されています。過当競争激化で、労働時間も延長されました。
 深夜を含む労働時間を短くし、その労働時間でも生活できる賃金が保障されるようにすることが必要です。

グラフ

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新加盟のなかま  (827) 大阪・なみはや交通労組

会社と対等の立場で協議を

 【大阪】門真市にあるなみはや交通に働くなかまは、なみはや交通労働組合(松岡共吉委員長、7人)を結成、2月15日に自交総連に加盟しました。
 同社は燃料費高騰を理由に乗務員を個々に呼びつけ賃率引き下げを強要してきました。「このままでは労働条件がなし崩し的に改悪されてしまう」との危機感を持った労働者が、会社と対等の立場で協議したいとの思いで組合を結成しました。