自交労働者No.851、2014年9月15日

働く職場の危機突破を

秋から春闘への方針確認

第4回中執

新年度運動方針案などを議論した第4回中執=9月3日、東京・入谷区民館根岸分館
新年度運動方針案などを議論した第4回中執=9月3日、東京・入谷区民館根岸分館

 自交総連は9月3〜4日、東京で第4回中央執行委員会をひらき、秋から春闘にかけての運動方針を決定、第37回定期大会に提案する運動方針案などを論議しました。
 秋闘では、職場要求の実現にとりくみ、11月13日に中央行動を実施、憲法署名に重点的にとりくむことにしています。
 運動方針案は、「産業別組織の総力をあげて、安心・安全、くらしと働く職場の危機突破を」をスローガンに、(1)権利の確保、社会的水準の労働条件をめざして、(2)タクシー特定地域特措法をふまえ、将来像を展望した闘いを、(3)労働者・国民とともに政治の民主的転換を、という三つの運動基調を提起、特措法の実効性が不確かな状況のなかで、タクシー運転免許構想を改めて高く掲げ、計画に基づく着実な組織拡大を実現することを提起しています。
 議論では、各地方の状況が報告され、「運転者不足」で稼働率が悪い、日勤者は全員が最低賃金以下になっている、会社譲渡が頻発しているなど、消費税増税後、営収が低迷し、厳しい状態となっていることが浮き彫りになりました。
 大阪府・市の特区構想や二種免許の規制緩和、女性・外国人運転者の活用など新たな状況への懸念も出され、闘う体制・組織づくりの必要性が強調されました。
 大会は10月15〜16日に東京・全労連会館で開催、151人の定数を確認しました。


タクシー規制緩和「特区」を提案

大阪・橋下市長

 大阪市と大阪府は8月29日、「国家戦略特区」の追加提案募集に対し、タクシーの運賃や台数についての規制緩和を共同提案しました。
 提案の内容は、「安全面・接遇面」「労働環境」などにおいて、一定の水準を上回る事業者に対し、参入、増車を認め、運賃については公定幅運賃ではなく、道路運送法に定めた認可制の下で個別審査・個別認可を求めています。
 【解説】現在、大阪市域など府下6交通圏は準特定地域に指定されており、公定幅運賃が導入されています。今後、特定地域に指定されれば強制力のある減車も期待されていました。もし「特区」が認められれば、運賃競争が再び激化し、特定地域の指定は非常に難しくなることが予想されます。
 改正タクシー特措法は日本維新の会も賛成の上で成立した法律ですが、橋下市長は「ばかげた法律で、社会主義国や共産国家のようなやり方。国会議員はタクシーの実情を知らない」と強く批判しています。

 「国家戦略特区」とは――
安倍政権が進める新しい経済特別区域構想。地域を限定した大胆な規制緩和や税制面の優遇で民間投資を引き出し、「世界で一番ビジネスがしやすい環境」を創出するものとしている。雇用や働き方に関する規制緩和については批判が根強い。


1万人めざし加入促進

制度の一部改定で様々な意見

自交共済第33回総会

 自交共済は9月4日、東京・入谷区民館根岸分館で10地方26人が参加して第33回総会をひらき、第31期の活動報告及び決算報告を承認するとともに、第32期(2014年度)の活動計画を決めました。
 自交共済の加入状況は今年5月末現在で16地方5004人となり、前期より358人減となっています。総会では、1万人を目標に、未加入地方対策、それぞれの地方での目標設定などで加入促進をはかることを決めました。
 また、全労済の共済制度の一部改定に合わせて、高齢化による掛金の増額を抑制しつつ給付内容の改善をはかることを検討しましたが、項目ごとの給付額の増減については様々な意見があり、さらに論議を深めていくことになりました。


この成果を全国に

神奈川・三共自校

一時金差別事件で一括和解

中労委の行政訴訟事件も解決

 【神奈川】三共自校労組は8月7日、中労委において一時金差別事件など争議の一括和解をかちとりました。
 争議が発生したのは2008年、会社が一方的に実施した一時金査定において、組合員の査定を非組合員よりも低評価なものにしたため、組合は県労委に不当労働行為の救済申立をしました。07、08年分の一時金については県労委で支払い命令が出たため支払われましたが、この間に09、10年分と11、12年分についても請求が発生。それぞれ県労委と中労委で係争中でした。
 また、中労委が県労委の不当労働行為救済命令を取り消したことに対する行政訴訟(東京地裁で勝利判決、高裁が控訴棄却)で、中労委が上告していましたが、今回の和解を受けて取下げました


この成果を全国に

大阪・なみはや交通

不当解雇事件で仮処分決定

大阪地裁 組合つぶしの解雇と認定

 【大阪】なみはや交通労組の組合員全員が会社から不当解雇された事件で、大阪地裁は8月20日、「本件懲戒処分は無効」として、会社側に対し金員の仮払いを命じる仮処分決定を出しました。
 同社は、乗務員を個別に呼びつけて賃率引下げなど労働条件を一方的に改悪。問題解決をめざして労働組合を結成すると組合員全員に対して懲戒解雇を通告してきました。
 会社側は、処分を行った最大の理由として「組合員らが債務者代表(社長)から経営権を奪い、みずから経営しようと企図した」などと非常識な主張をしていました。裁判所は、会社は団体交渉の中で団結権や団体交渉権を否定するような発言を繰り返していたとし、また、会社側が主張する処分の理由については「処分は、会社の経営方針に反対した組合を消滅させるために行われたことが強く推認される」として解雇が組合つぶしであることを明確に認定しました。