自交労働者No.853、2014年10月15日

悪政阻止が労働組合の重要課題

自交労働者の生活を直撃

自由化特区、労働法制改悪、増税

 大阪の橋下市長が提案した「タクシー自由化特区」、もし認められれば最悪の規制緩和時代に逆戻りです。この採否も含め、いま悪政をストップさせなければ、自交労働者のくらしは守れません。

タクシー特区は国家戦略特区の一環

 大阪の「タクシー自由化特区」提案(図1)は、昨年成立した国家戦略特区法に基づき、今年3月に閣議決定された関西圏特区の規制緩和にタクシーを付け加えるものです。
 国家戦略特区は6地域が閣議決定されていますが、うち4つは労働法制の規制緩和をテストするのが目玉です(図2)。そのなかにタクシーを入れようとしているので、他の地域も他所ごとではありません。

図1

図2

生涯派遣・残業代 ゼロも目前の危機

 安倍首相は、今年1月の世界経済フォーラムで「既得権益の岩盤を打ち破るドリルの刃になる」と大言して雇用改革を公約し、その具体化として、労働法制の全面改悪をもくろんでいます(図3)。
 労働者派遣法改悪は生涯派遣に道を開くもの。残業代ゼロ制度もすでに厚労省が審議会に諮っています。外国人労働者の活用も、国家戦略特区を先駆けとして導入が計画されており、将来的に、タクシー・バスなどの職場にも外国人が流入し、労働条件引き下げに利用されかねません。

図3

消費税10%への判断は年末までに

 消費税が8%になってから、タクシーの営収は実質減となっています。さらに来年10%になれば月40万円の営収を確保するためには44万円の税込営収を稼がなければなりません(図4)。
 その判断は年末までにされます。秋の闘いでは、悪政ストップが労働組合の重要な課題になります。

図4


営収の落込み「なんとかして」

定例宣伝で聞かれる不安の声

宮城地連

 【宮城】宮城地連は10月1日、15人が参加して定例の宣伝行動を実施しました。
 宣伝行動は仙台市内3か所と塩釜市にて行い、地連発行の機関紙等宣伝物320枚を配布しました。どの場所の宣伝でも「いつもごくろうさま」などの激励の声をいただきました。
 仙台市では、9月に入ってから一段と営収が落ち込み、「なんとかしてほしい」という声が多く聞かれました。しかも、9月1日からは、第一交通が、通常運賃よりも2〜3割値引きして定額運賃で走り始めており、先行きに不安の声が出ています。この件について、地連では、実態をよくつかんだうえで、東北運輸局に対して廃止を求めていくことにしています。


今後は組織拡大に努力

三共自校争議の勝利報告会

神奈川地本

三共自動車学校支部と支援の仲間=9月28日、藤沢市内
三共自動車学校支部と支援の仲間=9月28日、藤沢市内

 【神奈川】神奈川地本および三共自動車学校支部は9月28日、藤沢市内にて、労働争議の勝利報告会を行いました。
 当該労組は、2007年の一時金差別事件からはじまり、約7年間、裁判闘争をつづけてきました。この間、一時金差別事件は毎年追加され、さらに、一方的賃下げや、県労委の救済命令が中労委で否定されたことによる行政訴訟で同時進行的にたたかっていましたが、今年8月に中労委において、一連の一時金差別事件の一括和解が成立しました。
 佐藤支部長は「多く方々の支援のおかげで解決できました。今後新しい労使関係を築いていくことになりますが、そのためには組織拡大が必要不可欠です。団結の輪を拡げるよう努力していきたいと思います」と感謝と決意の言葉を述べました。


各地の大会

若い人が入ってくる魅力ある産業に

特定地域への指定求め奮闘

東京第129回大会

東京地連第129回定期大会=9月26日、北とぴあ
東京地連第129回定期大会=9月26日、北とぴあ

 【東京】東京地連は9月26日、第129回定期大会を開催しました。あいさつした城委員長は、集団的自衛権行使容認など暴走する安倍政権の打倒を訴えるとともに、東京を特定地域に指定するよう改めて求め、組織拡大での奮闘を呼びかけました。
 委員長=城政利▽副委員長=池田忠司、徳永昌司(新)、早川広之、二階堂諭(新)▽書記長=川崎一則▽専従執行委員=田村清隆、入江稔(新)、平澤収

若者入ってくる労働条件に

福島第20回大会

福島地連第20回定期大会=9月28日、福島市・サンライフ福島
福島地連第20回定期大会=9月28日、福島市・サンライフ福島

 【福島】福島地連は9月28日、第20回定期大会を開催しました。
 新年度方針では、若者が入ってくる産業にするための賃金・労働条件の改善、労働者と利用者を守る規制の強化、地域交通の政策提言、消費税増税反対、地連結成20周年にむけた組合活動の強化・組織の拡大などを決定。地連の総力を結集してとりくむことを確認しました。
 委員長=山崎良博▽副委員長=荒川光義、松本武▽書記長=沼倉喜久雄

組合員と誠実に向き合う

大分第53回大会

大分地連第53回定期大会=9月29日、大分市・大分東部公民館
大分地連第53回定期大会=9月29日、大分市・大分東部公民館

 【大分】大分地連は9月29日、第53回定期大会を開きました。
 大会では、本部の秋山副委員長が講演。労働者すべての相談に応じる事が基本であり、中途半端なことはせず日頃から勉強することを強調しました。わからないことは調べて答えるなど、組合員と誠実に向き合うことの大切さを実感しました。
 地連の組織実数は年々厳しくなっています。組織拡大を今年も方針に掲げ、この1年間奮闘することを確認しました。

次代を担う若い幹部に期待

神奈川第60回大会

神奈川地本第60回定期大会=10月1日、神奈川県社会福祉会館
神奈川地本第60回定期大会=10月1日、神奈川県社会福祉会館

 【神奈川】神奈川地本は10月1日、第60回定期大会を開きました。
 木下委員長代行はあいさつの中で、グローバルスタンダード料金へのとりくみや、組合の諸活動について、組織の充実が必須であると訴えました。本部の今村書記長は次世代を担う若い代議員をみて、神奈川のこれからの色々な活動に期待しますと述べました。
 委員長=木下哲 (新)▽副委員長=冨松達也、荻野誠(新)▽書記長=佐藤弘朗

増税で売上減 悪政の阻止を

宮城第38回大会

宮城地連第38回定期大会=10月4日、宮城県印刷会館
宮城地連第38回定期大会=10月4日、宮城県印刷会館

 【宮城】宮城地連は10月4日、第38回定期大会を開きました。本間委員長は、東日本大震災から3年半たったが、まだ復興は遅れていると指摘、消費税引き上げでタクシーの売上げも減っているとして、悪政の阻止を呼びかけました。仙台を特定地域に指定させること、割引の定額運賃の阻止などの要求と方針を決めました。
 委員長=本間昭▽副委員長=相沢道彦、澤口敏夫、鴇(とき)勉▽書記長=石垣敦▽書記次長=冨中有

若者受入れて力強い組合に

山梨第46回大会

山梨地連第46回定期大会=10月5日、甲府市勤労者福祉センター
山梨地連第46回定期大会=10月5日、甲府市勤労者福祉センター

 【山梨】山梨地連は10月5日、第46回定期大会を開き、「賃金を増やし若者が入ってくる産業に」などの方針を決めました。
 窪田委員長はあいさつで、消費税が8%になって暇になった、この低賃金で若い人が入ってくるはずがないと指摘し、若い人を入れて力強い組合にしようと呼びかけました。秋闘では有給休暇の取得制限を改善するなどの重点を決めました。
 委員長=窪田靜雄▽副委員長=向山雅夫▽書記長=大原俊樹


集会に全国から7500人

ストップ川内原発再稼働

集会には全国から7500人が結集=9月28日、鹿児島市・天文館公園
集会には全国から7500人が結集=9月28日、鹿児島市・天文館公園
組合旗を持って行動に参加する鹿児島の仲間
組合旗を持って行動に参加する鹿児島の仲間

 【鹿児島】9月28日、「ストップ川内原発再稼働!全国集会」が鹿児島市の天文館公園で開かれました。
 この行動は、県内93の市民団体などでつくる実行委員会の呼びかけによって行われたものです。当日は全国各地から7500人が参加し、川内原発の再稼働反対の声を上げました。行動には鹿児島地連の仲間も参加しました。
 実行委員会の向原祥隆事務局長は基調提案で、10月からの地元説明会等に行くことをよびかけるとともに、再稼動を止めさせるために一歩も退かないという決意を述べました。
 集会後、参加者は「川内原発再稼働止めよう」「全ての原発、今すぐなくそう」と声を上げながら、市の繁華街約2キロをデモ行進しました。