自交労働者No.861、2015年3月1日

すべての職場で要求提出を

今こそ大幅賃上げ

要求獲得へ各地で意思固め

 勝ちとれ賃上げ、変えよう政治、くらしと職場の危機突破 2015年春闘――各地では、春闘へむけ、討論集会、中央委員会などで、改正特措法の実効性確保にむけた議論や、すべての職場で要求を提出し、要求獲得への意思固めが行われています。

新たな規制強化をめざす

東京地連15春闘討論集会=2月3日、きぬ川ホテル三日月
東京地連15春闘討論集会=2月3日、きぬ川ホテル三日月

 【東京】東京地連は2月3〜5日に春闘討論集会を開催し、42組合185人が参加しました。15春闘では、賃金・労働条件改善と、新たな規制強化をめざすことを確認し、要求の獲得にむけ意思統一しました。
 主催者あいさつで城委員長は「賃金闘争、政治闘争、制度政策闘争、この3つをしっかりとたたかいきることが必要」と訴えました。
 2日目は12の分散会に分かれ、提起された方針案をもとに産業別要求などについて討議。3日目の全体討議で各々の分散会から報告がされました。

累進歩合廃止にむけて学習

 【埼玉】埼玉地連は2月11日に中央委員会を開催しました。16組合50人が参加し、春闘方針と統一要求を確認しました。
 翌12日には学習会を開催し、本部の今村書記長が特定地域特措法などについて講演しました。埼玉の4営業区域は特定地域に指定されませんでしたが、準特定地域として労働組合が担うべき重要な役割があり、今後も継続した運動が必要であると感じました。
 その後、代表による討議が行われ、累進歩合制度の問題について議論が交わされました。参加者は、廃止実現の武器となる知識と知恵を身に付けることができました。

維新強権政治打破しよう

大阪地連第72回中央委員会=2月12日、国労大阪会館
大阪地連第72回中央委員会=2月12日、国労大阪会館

 【大阪】大阪地連は2月12日、第72回中央委員会を開き、「勝ちとれ賃上げ、まもろう平和、変えるぞ政治、くらしと職場の危機突破」をスローガンとする春闘方針を決めました。
 秋山委員長は、賃金改善を訴えるとともに、安倍暴走政治に対し、沖縄のようにオール日本でたたかい、大阪では橋下維新強権政治を地方選挙で打破しようと訴えました。
 規制強化が不十分、組織拡大で奮闘、大阪「都」構想問題など6人が発言しました。

計画を実践に移せる組織に

神奈川地本15春闘討論集会=2月16日、網代・トラック健保保養所
神奈川地本15春闘討論集会=2月16日、網代・トラック健保保養所

 【神奈川】神奈川地本は2月16〜17日に討論集会を開催しました。
 集会では、本部の今村書記長が「累進歩合制度の問題点、特定地域の指定基準について」と題して講演しました。討論では、秋闘の総括や教宣活動、組織拡大について意見を出し合い、参加者からは力強い意見や提案、要望がありました。計画をなかなか実践に移せない現状を改善し、対応力のある組織にしていくことが急務であると感じました。

タク免許法制化へ闘い強化

宮城地連第36回中央委員会=2月17日、仙台市若林体育館
宮城地連第36回中央委員会=2月17日、仙台市若林体育館

 【宮城】宮城地連は2月17日に中央委員会を開催し、春闘方針を決定しました。
 本部から城委員長が参加し、特定地域の指定基準とタクシー運転免許について講演を行いました。仙台市は、特定地域指定の候補になってはいるものの、公示された適正車両数によると、130台減車すれば指定から外れることになっており、労働条件改善という本来の目的からほど遠いものとなっています。
 分散会の討論では、特措法の問題を受け、タクシー運転免許法制化にむけた闘いの強化や、若い労働者が入ってくる労働条件をめざすこと、地域住民の足を守るための政策要求などについて議論し、全力でたたかうことを確認しました。

すべての労働者に賃上げを

北海道地連15春闘臨時大会=2月15日、白石東地区センター
北海道地連15春闘臨時大会=2月15日、白石東地区センター

 【北海道】北海道地連は2月15日に臨時大会を開催し、春闘方針を全会一致で決定しました。
 大会では、アベノミクスによる景気悪化のもと職場の危機を突破することを前面に討議しました。
 今春闘において労働条件改善はゆずれない要求であるとして、賃上げ闘争については、逆提案を許さず、すべての労働者に2万円の賃上げ要求を掲げた統一要求をいっせいに提出し交渉すること。また、春闘と平行してたたかわれる統一地方選挙での勝利こそ悪政を変えるチャンスであることなどを確認しました。

乗務員減で事業行き詰る可能性も

政策闘争の到達点と課題を探る

第1回政策委員会

政策闘争の課題などについて議論した第1回政策委員会=2月19日、東京・自交共済事務所
政策闘争の課題などについて議論した第1回政策委員会=2月19日、東京・自交共済事務所

 自交総連は2月19日、第1回政策委員会を開きました。委員会は常任中執で構成、規制緩和以降の政策闘争の到達点と今日的課題を探り、当面する重点を明らかにするために設置しました。
 第1回目は、自由な議論で問題点を出しあい、◇乗務員が減少し数年で事業が行き詰まる可能性がある◇労働条件改善の方策を打ち出さなければ労働組合への結集も得られない◇特措法の不十分さ◇タクシー運転免許の具体化、運転者登録制を充実する課題◇国だけでなく、地方が責任を持った交通政策が必要◇人口減の中、街づくりと交通のあり方―など様々な角度から意見を交わしました。
 今後、論点整理を行い、まとめていくことになります。

長崎地連が宣伝行動

特措法の骨抜きに不満の声

ビラを手渡す長崎の仲間=2月6日、長崎市内
ビラを手渡す長崎の仲間=2月6日、長崎市内

 【長崎】長崎地連は2月6日、市内オートガススタンドで宣伝行動を実施し、ビラ68枚を配布し乗務員との対話を行いました。
 開始早々、乗務員からは、タクシー協会への不満や政治への不満が聞かれました。さらに、タクシー特定地域特措法が骨抜きにされてしまい実効性が失われてしまったことへの不満の声もありました。
 そのほか、「有給休暇がアルバイト乗務員や定年後の再雇用にはない」などの労働相談がありました。一通りの説明をしたうえで、ビラを会社に見せるよう伝えました。「いつでも電話相談を受け付けますよ」と話すと、安心したようにハンドルを握り出発していきました。

不平を言う場閉ざされている

団結することの重要性を訴える

埼玉地連 宣伝行動

 【埼玉】埼玉地連は1月29日に宣伝行動を実施、西武線各駅を中心に20か所で機関紙やビラを配布しました。物価の高騰や消費税増税が利用者の乗り控えに影響し、賃金が上がらない現状や、特措法が施行されても労働条件がまったく改善されていないことなどを訴えました。
 対話した乗務員からは、不満や不安を訴える声が聞かれ、団結して労働条件改善にとりくむことの重要性を訴え、理解してもらいました。一方で、高齢の乗務員は、不合理な労働条件で働いているにもかかわらず、雇用を継続するために不平を言う場を閉ざされてしまっているようでした。

石川タク富士宮労組が国会議員要請

全員解雇事件で協力求める

不当解雇の実情を聞く辰已孝太郎参院議員(右)=2月16日、東京・参議院議員会館
不当解雇の実情を聞く辰已孝太郎参院議員(右)=2月16日、東京・参議院議員会館

 【静岡】無法な会社解散・全員解雇とたたかう静岡地連石川タクシー富士宮労組の諏訪部委員長らは2月16日、国会議員要請を行い実情を訴えました。
 同労組は、地裁・高裁で不当判決を受け最高裁に上告中。解決へむけ、親会社である富士急(本社・山梨)に交渉を求め、社会的責任を明らかにするために、静岡・山梨選出の各党議員に要請しました。同社の堀内光一郎社長の妻である堀内詔子(のりこ)衆院議員(自民)からは訪問を拒否されました。
 日本共産党の辰已孝太郎、小池晃両参院議員、本村伸子衆院議員らから、司法の反動化はひどい、こうした手法が許されたら組合つぶしに悪用される、解決にむけ協力したい、と激励を受けました。

時間を忘れ作業に集中

東京地連がパソコン編集講座ひらく

講師の指導のもと編集作業を行う仲間=12月15日、東京・日本交通労組会議室
講師の指導のもと編集作業を行う仲間=12月15日、東京・日本交通労組会議室

 【東京】東京地連教育活動委員会は12月15日、パソコン編集講座を開催、12組合27人が参加しました。
 生徒2人に講師が1人つき、編集ソフトを使ったビラや機関紙の作り方を学びました。参加者は皆、時間が経つのも忘れて作業に集中していました。
 池田教育活動委員長は閉会あいさつで「今日学習したことを職場で大いに活用して、機関紙が発行できるようがんばってください」と述べました。参加者からは「講師の説明がわかりやすく、今後も継続的に参加したい」「職場でもビラや機関紙を発行できるようにしたい」といった感想が多くよせられました。
 教育活動委員会は12月28日に開いた会議で、今後は「楽しく学ぶ組合活動」をテーマに、講義よりグループ討議に時間をかけていくこととしました。春闘時期の学習会で知識を深め、団結を固めて要求獲得をめざします。

要求実現には団体交渉が欠かせません

切実な要求であることを経営者に伝えることがポイント

 組合員の要求実現には、春闘や秋闘時に行う使用者との団体交渉が欠かせません。
 団体交渉は、法律で規定された権利ですから、使用者は正当な理由なく団交を拒むことはできません。また、やむを得ない理由があっても、会社が何度も団交を引き伸ばすことは不当労働行為にあたります。

交渉力を高める学習が必要

 最近では、会社から逆提案されて思うような団交ができないなどの声が聞かれます。会社回答で納得できないものについては、経営側に繰り返し説明を求めましょう。会社が要求に応えられないことを何度も回答するうちに、会社の回答にも矛盾が生じ、新たな突破口が見つかるものです。しかし、交渉の中で、突破口を解決の糸口として見い出すには、経験と交渉力を高める学習が必要であり、幹部が意識的にとくりむ課題でもあります。
 団交で前進した一致点がなかった場合には、次回の団交までに回答を検討するよう経営側に下駄を預けます。そして、労働者の声に真剣に耳を傾け、要求について考えることを迫ります。いかに切実な要求であるかを経営者に伝えることができるかが、大きなポイントになります。

燃料コスト減を交渉材料に

 原油価格の急落を受け、ガソリンや軽油の値下がりが続いています。価格連動性が高い液化石油ガス(LPG)の相場も大幅に値下がりしています。
 自交総連組合による自主経営会社2社に調査したところ、山形のA社では、全体で月30万円ほど燃料費が下がっていました。1台につき1日約500円のコスト減となる数字です。福岡のA社(車両のほぼすべてがガソリン車)では、全体で月約20万円のコスト減、総営収に対する燃料費率も約2%減少しています。
 昨年の春闘では、燃料費の高騰を理由に賃上げに応じない会社や、賃率引き下げなど逆提案をしてくる会社が多くありましたが、今春闘は、燃料コスト減という交渉の好材料があります。会社の経営状況を分析し、賃上げにつなげましょう。

表
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