自交労働者No.885、2016年4月1日

プロドライバーの誇りにかけて

安全破壊の白タク合法化阻止へ

労働8団体が一点共同 3・8総決起集会

デモに出発する自交総連の仲間=3月8日、日比谷公会堂前
デモに出発する自交総連の仲間=3月8日、日比谷公会堂前

 「安全破壊の白タク合法化阻止!! 3・8ハイタク労働者総決起集会」が東京・日比谷公会堂で3月8日、開催されました。全自交労連、交通労連ハイタク部会、私鉄総連ハイタク協議会、KPU、全中労、中労協、労供労連、自交総連の8団体が組織の違いを超えて実現させた一点共同です。全国から2500人が大集結しました。

タクシー業界全体の意志を表明

会場にあふれるハイタク労働者=3月8日、日比谷公会堂
会場にあふれるハイタク労働者=3月8日、日比谷公会堂

 集会は午前9時30分から始まり、各政党の決意表明として民主党、社会民主党、公明党、日本共産党、維新の党、生活の党の代表があいさつ、自民党の渡辺議員からメッセージが寄せられました。
 基調提案で自交総連の今村書記長は、「プロドライバーの誇りにかけて白タク合法化を阻止しよう」と訴えました。地方ごとの決意表明では東北の代表として宮城地連の本間昭さんが、震災時に燃料が切れるまで住民の足を守り続けたタクシーの例をあげ、プロドライバーが責任を持つ公共交通機関の重要性について話しました。
 集会後、参加者は横断幕を手にデモ行進し、怒りのシュプレヒコールをあげました。
 東京の小田急交通労組の松本さん(60)は「8団体が集会できて良かった! 全力をあげて白タク合法化を阻止します」と拳をつきあげ、埼玉の県南交通労組の宮坂さん(35)は「労使問わず大きな問題のライドシェアに対抗するため組織の違いを超え、タクシー業界全体の意志として白タク反対を表明できた。地連から新鮮な情報を得るアンテナを高くし、社内のKPUとこの点に関しては共闘したい」と決意を語りました。
 神奈川の小嶋さん(65)は「力強い集会だった。白タク合法化には断固反対、行動あるのみ」とプラカードを持つ仲間と共に話してくれました。

表

3・8ハイタク労働者 総決起集会 基調提案(要旨)

2016年3月8日

今村書記長
今村書記長

 基調の第1は、白タク・ライドシェアの合法化を断じて許してはならないということです。多くの国で運転者による乗客への暴行事件、損害賠償責任の所在を巡る訴訟が起きており、ライドシェアは日本においても安全の破壊と輸送秩序の崩壊を起こし、法人・個人を超えたハイタク事業の存続を揺るがしかねません。
 第2は、交通機関の安全性は、交通労働者の労働と深く関わっているという原則を忘れてはならないということです。白タク合法化は、競争させられるハイタク労働者の賃金・労働条件を大幅に押し下げます。ライドシェアの運転者は労働者ではなく業務請負人であり、事業者は規制から解放され、事故時の責任の一切を運転者に負わせられる、こんな働かせ方は許してはなりません。
 第3は、新たな負担と犠牲を強いる自由化への道を許してはならないということです。タクシーの規制緩和は02年に実施され、全国のハイタク労働者の活動により世論を変えることに成功し、07年以降の規制強化の流れをかちとりましたが、政府は政策を転換しようとしています。今なすべきは白タク合法化ではなく、安全確保と労働条件の確実な改善への規制強化です。
 第4は、「地域貢献」の視点がハイタク事業の将来を展望する上で重要ということです。公共交通機関が存在しない地域で住民の移動手段を確保したいという願いにつけ込み、特区を足掛かりに既成事実を積み上げ、ライドシェアの合法化、都市部へ進出しようとする動きがあります。安全で持続的な公共交通の再構築のため、国による補助措置等の拡充も含めて地域交通再生への取組み強化が求められます。
 日本のプロドライバーの誇りにかけて世界一安全なタクシーを守り、地域共闘や関係労使の協力・共同を実現させ、白タク合法化は断固許さないという世論を広げましょう。

3・8ハイタク労働者総決起集会

集会決議

2016年3月8日

 本日、われわれハイタク労働者は、ライドシェアと称する「白タク合法化」に怒り、その導入阻止の一点で結集し、集会を開いた。集会は、ここ日比谷公会堂を埋め尽くし、入りきれない仲間が日比谷公園にあふれている。
 いま、政府が国家戦略特区などを使って推し進めようとしている「ライドシェア」は、明らかに道路運送法で禁止されている「白タク」以外の何ものでもない。
 国が、交通空白地域の解消などと強弁し、「白タク」を超法規的に合法化することは、2002年のタクシー規制緩和という失政を隠蔽すると同時に、タクシー特措法やその後の法改正に対する規制緩和推進論者の巻き返しであり、その責任をハイタク産業に押しつけていることに他ならない。彼らにはそこで生活している労働者のことなど頭にない。
 「白タク」の配車サービスを行う事業者は、手数料を取るだけで、運行に責任を持つわけではない。ましてやドライバーは二種免許を持たず、請負で、配車サービス事業者には雇用責任もない。事故や犯罪が起ころうと、その責任はすべてドライバーと利用者の自己責任という、無責任極まりない事態である。
 こうした「ライドシェア」によって、事故や犯罪が頻発したことから世界中の多くの国々が禁止または規制を始めている。なぜ過去から禁止している「白タク」を日本に導入する必要があるのか、強い憤りを禁じ得ない。
 一民間事業者が、規制改革諸会議に民間委員として参加し、自らの企業が潤う政策を日本のためと謳い政府案として進める。立場を利用した正に「政商」であり、断じて許されることではない。
 われわれハイタク労働者は、プロドライバーとしての自覚とプライドを持って日々、乗客を安全・快適に目的地まで送り届けている。日本のタクシー・バスなど公共交通事業者には、道路運送法や運輸規制など、利用者の安全を守るために様々な法令・基準・制度が義務づけられている。そうした中でも過日のスキーツアーバス事故のような大参事が起こる。行き過ぎた規制緩和は人命よりも利益優先となり、大勢の尊い命が犠牲となってきた。
 事業者もわれわれ一人ひとりも、安全輸送の使命を守り、タクシー業界の適正化に取り組んで行かなければならない。そこに「白タク」など必要ない。
 本日結集したすべてのハイタク労働者は、あらためて安全破壊の「白タク」合法化阻止の意思統一をおこなった。本決起集会を契機に、さらなる反対の声をあげ続け、その導入阻止に向けて運動の輪を広げ、最後の最後まで闘い抜くことを決議する。

軽井沢事故で国交省・厚労省と交渉

バス部会

講義後のグループ討議=2月19日、東京

 自交総連バス部会は3月8日、軽井沢スキーバス事故を受けて、国土交通省と厚生労働省交渉を行いました。
 交渉には、宮城、大阪、福岡から運転者とガイドが参加。現場の声をぶつけました。

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春闘の当面する対策

すべての職場で要求提出

第3回中執

 自交総連は3月9日、東京・全労連会館で第3回中央執行委員会を開きました。
 春闘の当面する対策は、(1)すべての職場で要求書を提出し、賃上げと累進歩合制度・運転者負担の廃止、有給休暇自由取得などを重点として改善をはかる、(2)白タク合法化阻止の宣伝、共同を前進させる、(3)暴走政治ストップの闘い、戦争法反対2000万人署名を強化する、(4)3〜5月を組織拡大月間とし、すべての組織で仲間を増やす――ことにしています。
 参議院選挙闘争方針を確認。戦争法廃止・立憲主義の回復、白タク合法化阻止のために、組合員の政党支持、政治活動の自由を保障する原則を守ったうえで、1人区の野党統一候補については当選をめざして奮闘することとしました。

賃上げで景気回復を

労働条件改善めざし闘う

3・9中央行動

壇上で安心・安全を訴える自交総連の仲間=3月9日
壇上で安心・安全を訴える自交総連の仲間=3月9日

 全労連・国民春闘共闘の「労働者総決起3・9中央行動」が3月9日に行われ、自交総連の中執、東京の仲間が参加しました。
 雨の降りしきる日比谷野外音楽堂で、12時20分から集会が行われ、小田川義和春闘共闘代表幹事が主催者あいさつをしました。
 各単産による決意表明では、自交総連本部の菊池書記次長が「ライドシェアという白タク合法化阻止のため、私たちは組織を超えハイタク労働8団体による総決起集会を8日に行った。安心・安全なタクシーを確立し、労働条件改善をめざし闘う」と訴えると大きな拍手がわきました。
 集会後、参加者は国会請願デモを行い、「賃上げで景気回復をはかれ」「消費税増税は撤回せよ」とシュプレヒコールをあげました。

改善基準の改正を

規制緩和に無反省

衆議院国交委

本村衆院議員
本村衆院議員

 日本共産党の本村伸子衆院議員は3月9日、国土交通委員会で軽井沢スキーバス事故について質問、規制緩和の見直しと改善基準の法制化、改正を要求しました。
 石井国土交通大臣は、「規制緩和で利用者の利便向上とサービスの多様化などの成果がでた。改善基準告示はまず遵守が必要」と規制緩和に無反省で、消極的な答えに終始。
 本村議員は、現行の8時間の休息期間では睡眠時間が確保できないと、休息期間11時間の確保をはじめ改善基準の改正と法制化、安定雇用を義務付けるなどの対策を強く迫りました。

実態は白タク規制撤廃

観光客、過疎地域に限らず

参議院国交委

辰已参院議員
辰已参院議員

 日本共産党の辰已孝太郎参院議員は3月10日、国土交通委員会で国家戦略特区諮問会議が白タク=ライドシェアの解禁を狙っていることを取り上げ、2日に提案された追加の規制改革事項で「過疎地域等での自家用車の活用拡大」をあげていることが、白タク容認の規制撤廃になる危険性を追及しました。
 石井国土交通大臣は「自家用自動車有償運送制度の拡充であり、いわゆるライドシェアとは全く異なる」と答えましたが、具体的に聞くと根拠はきわめて怪しいものでした。
 制度の拡大対象は観光客に限らず誰でもよく、地域は過疎地域に限らず交通不便ならどこでもよく、それを実施するか決めるのは国家戦略特区の区域会議という実態が答弁で明らかになりました。
 辰已議員は「こんな規制撤廃は絶対にやるべきではない」と厳しく指摘しました。

特区で自家用有償運送

地域や旅客に限定なし

 特区での自家用有償運送を広げる「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案」が3月11日、閣議決定されました。
 法案は、「道路運送法の特例」として、特区会議が自家用車を使った有償運送のできる区域を定められることとしています。運送の主体は自治体やNPOとされていますが、地域や旅客には事実上、限定がなく、アルバイト的な運転者が輸送を行うことになり安全が確保されません。
 特区を利用して規制緩和を行い、ウーバーなどからアプリの提供を得て、ライドシェアの実績づくりに利用されるものです。

初乗り短縮、需要喚起ない

関東運輸局へ個人請願

東京地連

横断幕を持つ東京の仲間たち=3月17日
横断幕を持つ東京の仲間たち=3月17日

 【東京】東京地連は3月17日、関東運輸局前にて第4波統一行動と位置付けた初乗り距離短縮運賃の不認可を求める請願行動を実施しました。この行動には全体で書記局を含めて30組合147人が参加しました。
 13時半に関東運輸局前で請願行動を開始し、主催者あいさつで城委員長は「初乗り距離短縮運賃案を導入すると利用者からは便乗値上げに映るような内容になっており、需要喚起にはつながらない。経営者が今やるべきことは労働条件の抜本的な改善ではないのか」と訴えました。
 連帯あいさつの後、早川副委員長が請願書を読み上げ、個人請願行動を開始。ブロックの代表が決意表明を行う中で請願書4493筆を提出しました。
 参加者は「安いからといって利用者は増えない。行政はタクシーを理解していない」と強い口調で話しました。

労働条件の改善を

時間外労働の規制を要請

高知地連

四国運輸局へ要請書を渡す=3月7日
四国運輸局へ要請書を渡す=3月7日

 【高知】高知地連は3月7日、全労連四国総行動に6人が参加し、四国運輸局へ要請を行いました。
 要請内容は、(1)ライドシェアを認めないこと、(2)高知交通圏、高松交通圏が特定地域に指定されるよう各地域協議会に働きかけること、(3)タクシー運転者の労働条件を改善すること、(4)最低賃金に基づく固定給部分の制度的確立・時間外労働や休日労働を規制すること、というものです。
 また土電ハイヤー労組から3人が参加し、(1)会社は年休手当の支払い方法を健康保険報酬日額としているが、それについて労使協定を締結していない、(2)会社が年休手当を歩合給で支払っているのは違法である、と訴えました。局側は、高知支局に連絡をして、結果を土電ハイヤー労組に報告するとしました。

ライドシェア問題など認識

静岡、長崎、九州Bで春闘学習会

 各地で春闘学習会が行われました。

講師に早川副委員長

静岡学習会
静岡学習会
長崎学習会
長崎学習会
九州ブロック学習会
九州ブロック学習会

 【静岡】静岡地連は3月1日、浜松労働会館で春闘学習会を開催。早川副委員長が講師として白タク合法化や春闘課題について講義しました。

ライドシェアを解説

 【長崎】長崎地連は3月20日、長与ふれあいセンターで春闘学習会を開催。福岡地連の内田書記長が講義し、ライドシェアや外国人旅行者等の有償輸送問題の解説をしました。
長崎では観光船の入港が多く、造船所で働く外国人が多数いるので特に気になる問題と認識しました。

5地方45人が参加

 【福岡】3月21〜22日、福岡あけぼの会で九州ブロック学習会が開催され、5地方45人が参加。講師として大阪地連の庭和田書記長が講義しました。22日は運輸局へ要請行動を行いました。


新加盟のなかま  (839) 宮城・帝産労働組合

春闘前に労組として独立

 宮城県仙台市の帝産キャブ仙台に働く仲間が3月1日、帝産労働組合(櫻井紀雄委員長、6人)を結成しました。
 有休の取り扱いや会社設備への不満、企業内組合の運営に対する批判から宮城ハイタク一般労組に加入。秋闘統一要求、附帯要求を提出し、2回の団交をへて協定を結びました。その後、組合員を拡大し、2016年春闘前に労組として独立。会社に春闘要求書を提出しました。