自交労働者No.905、2017年4月1日

安心・安全なタクシー守れ

556人が国土交通省前に集結

3・8中央行動

 

参加人数

 自交総連は3月8日、「安心・安全なタクシーを守れ、白タク合法化を許すな!」「ニセ『働き方改革』反対、改善基準の改正・法制化!」の中央行動を実施し、556人が参加しました。

怒りのシュプレヒコール=3月8日、国土交通省前
怒りのシュプレヒコール=3月8日、国土交通省前

 国土交通省前で10時から決起集会を行い、城委員長があいさつ。政府の規制改革会議がライドシェア導入をもりこんだ答申を6月にまとめ、来年通常国会での成立を目論んでいるとの報道を紹介し、労働条件も安全も低下させるものだと訴えました。
 全労連の小田川議長、交運共闘の安藤国土交通労組委員長、公務部会の猿橋自治労連委員長、日本共産党の清水衆院議員がそれぞれ宣伝カーから連帯あいさつしました。
 庭和田副委員長が請願書を読み上げ、参加者がひとりずつ請願書を国交省の係官に提出する中、東北・関東・関西・九州の各ブロックの代表が決意と抗議の発言を行いました。
その後、厚生労働省でも請願を行いました。

プラカードを持つ参加者 国交省の係官へ請願書を渡す庭和田副委員長
プラカードを持つ参加者 請願書を渡す庭和田副委員長

組織を拡大、運動を強化

各地の中央委員会・学習会

第49回埼玉中央委員会=2月15日、ウェスタ川越
第49回埼玉中央委員会=2月15日、ウェスタ川越
第38回宮城中央委員会=2月21日、南光台市民センター
第38回宮城中央委員会=2月21日、南光台市民センター
第22回福島中央委員会=2月23日、小倉寺集会所
第22回福島中央委員会=2月23日、小倉寺集会所
静岡春闘学習会=2月28日、浜松・西塚区画整理記念館
静岡春闘学習会=2月28日、浜松・西塚区画整理記念館
九州ブロック学習会=3月20日、福岡県労連会議室
九州ブロック学習会=3月20日、福岡県労連会議室

春闘へ運動の重要性を学習

第49回埼玉中央委員会

 【埼玉】埼玉地連は2月15日、ウェスタ川越で第49回中央委員会を開催しました。春闘スローガンが確認され、石野委員長が運動方針案を提案しました。白タク合法化、AB型賃金体系の構築、組織拡大などが提案され、すべて満場一致で採択しました。本部の早川副委員長による学習会では、白タク問題ほか春闘のとりくみについて運動の重要性を学習しました。

職場討議の重要性話し合う

第38回宮城中央委員会

 【宮城】宮城地連は2月21日、南光台市民センターで第38回中央委員会を開催し、満場一致で17年春闘方針を確立しました。本間委員長があいさつし、顧問弁護団の長沼弁護士、日本共産党の中島県議が来賓あいさつしました。本部の庭和田副委員長が講演を行い、ライドシェアの危険性を説明しました。討論には各職場より9人が参加し、職場討議の重要性や倒産・身売りに備えることの必要性を話し合いました。

白タクから公共交通守る

第22回福島中央委員会

 【福島】福島地連は2月23日、小倉寺集会所で第22回中央委員会を開催しました。本部の石垣副委員長が講演を行い、討論では各単祖から乗務員不足や高齢化問題、危険なライドシェアから公共交通を守るといった発言がありました。若い人たちが希望が持てる職業にするため労働環境の改善、白タク合法化ストップへ全体でのとりくみが必要で、組織と運動を拡大・強化する決意が表されました。

ライドシェアの危険性学ぶ

静岡春闘学習会

 【静岡】静岡地連は2月28日、浜松・西塚区画整理記念館で春闘学習会を開催し、22人が参加しました。本部の菊池書記長が講演を行い、ライドシェア導入でタクシー会社が倒産し、労働者の働き方が権利なしに変わってしまう危険性について学びました。春闘方針提案後、各単組の代表が春闘方針や状況を述べ、団結がんばろうで春闘勝利を誓いました。

白タク阻止の意思統一

九州B春闘学習会

 【福岡】九州ブロックは3月20日、本部の菊池書記長を講師に春闘学習会を開催しました。組合員は、外国のライドシェア・ドライバーによる銃乱射事件や暴行事件の実態、ウーバーの自動運賃急騰システムなどが国内で広まればタクシー市場が荒らされることなどを学び、ライドシェアの合法化を絶対に阻止する構えで意思統一をしました。翌日21日は、九州運輸局要請を行いました。

自交総連に期待の声

年金併用でないと食えない

なら合同

ビラ配りをする仲間たち=3月12日、大和高田市駅前
ビラ配りをする仲間たち=3月12日、大和高田市駅前

 【なら合同】なら合同労組は3月12日、大和高田市、橿原市、桜井市の奈良県中和地域を中心に、17年春闘勝利&組織拡大宣伝行動を行い、執行役員5人が参加しました。
 大和高田市では、老舗のタクシー会社の運転者から「勤め先の会社で給与遅配が起こっている」という心配の話や、「タクシーの賃金は年金併用でないと食っていけない。組合がないので春闘は無理。ライドシェアってなに」などの声がありました。労働者の悩みや自交総連に期待する声が聞こえ、今後につながる行動でした。

法制化の考えない

ライドシェア反対など要請

高知地連・四国運輸局要請

 【高知】全労連四国地区協議会は3月6日、高松市で17年春闘アピール・四国総行動を実施しました。
 知地連は、四国運輸局に、@ライドシェア導入反対、Aタクシー運転者の賃金労働条件改善・違法行為一掃等について要請。
 運輸局は、@本省も(ライドシェア)法制化の考えはない、Aタクシー事業者の違法行為は、労働当局との相互通報によって監督指導を行っている。最近、高知のタクシー事業者に対し営業停止処分を行った、と回答しました。

過疎地の足はタクシーを

九州市長会へ申し入れ

鹿児島地連

 【鹿児島】全労連九州ブロックは1月27日、九州市長会に17年春闘の労働条件改善申し入れを行いました。
 鹿児島地連も参加し、「九州は過疎地域が多いところ、過疎地域の足の確保はライドシェアではなく、バスやタクシーの利用を進めて欲しい」と訴えました。市長会事務局は「地域でそれぞれコミュニティーバスが運用されている」とし、今後の交通運用については口を閉ざしました。

この成果を全国に 高知・土電ハイヤー労組

有休未払いと歩合給カットは違法

請求の36万785円全額かちとる

高知簡易裁判所

 【高知】土電ハイヤー労組は2月21日、片岡委員長と坂本書記長が年次有給休暇手当未払いとカットされていた歩合給の差額賃金を請求した事件で、高知簡易裁判所で36万785円の請求額の全額支払い判決をかちとりました。
 会社は、有休手当を支払わず、賃金未払いの労働基準違反をはじめ労働者派遣法違反、区域外営業の運輸規則違反など、相次ぐ法律違反に高知労働基準監督署や四国運輸局から行政指導を受け続けています。今回の判決で、有休の自由取得とその手当の支払いについて、当たり前に法令遵守している企業(世間)並みの条件整備ができました。
 また歩合給についても、有休を使用したら満勤していないとして50%を47%に3%減額しており、有休手当未払いに加えて、違法・不当であると裁判所は判断しました。

ハイタク年収288万、格差は205万円

16年・労働条件比較 タクシー労働者と産業計男性労働者

 16年のタクシー労働者の平均年収は288万3700円、産業計男性労働者との格差は205万2700円に縮まりました。1時間当たりの賃金はタクシーが1253円、産業計との格差は999円でした。
※データはこちら

職場権利と自交労働者 (7)累進歩合制度

労使交渉で改善しましょう

累進歩合制度は廃止の対象です

 タクシーでは、累進歩合給が広く採用されています。
 図1のグラフがその例で、売上に応じて歩合率が非連続的に階段状に変化するのが特徴です。

最賃違反もありうる

 こうした賃金は、図2の表を見るとわかるように、労働者の売上が低下した時でも会社には常に一定の金額が残るしくみです。また、「足切り」に達しなかったときに歩合率が極端に下がる例があり、その場合には最低賃金法違反になることもあります。

労使交渉で改善を

 累進歩合給は、歩率が変動する「くぎり」直前の時、上のステップに到達するため労働者に長時間労働やスピード違反等をさせる結果になり、交通事故の発生も懸念されます。
 したがって厚労省の改善基準通達(93号通達)で廃止の対象となっていますが、罰則がないためになかなか減りません。
14年のタクシー特措法改正の附帯決議を受けて、厚労省は労働局へ下記の通達を出しました。同年6月に日本共産党の小池参院議員が提出した質問主意書に対する安倍内閣総理大臣の答弁書でも「事業者に真摯な対応を促す」としていますから、徹底させ、労使交渉で改善することが必要です。
なお、売上のランクで加給する奨励加給やトップ賞なども累進歩合制度の中に含まれ、廃止すべきものです。

図1

図2


◎タクシー特措法改正の附帯決議を受け厚労省から労働局へ出された通達

累進歩合制度の廃止に係る指導等の徹底について(2014年1月24日付)

1.周知について
累進歩合制度の廃止について、引き続き、自動車運転者を使用する事業場を対象とした集団指導、監督指導等のあらる機会を通じて、使用者、労働者等に幅広く周知を図ること。

2.指導について
自動車運転者を使用する事業場に対して監督指導を実施した際には、累進歩合制度が採用されていないか必ず確認を行い、採用されていた場合には、別紙の指導文書を交付することにより指導を行うこと。