自交労働者No.919、2018年7月15日

労働条件改善へとりくみ強化

重点課題を追求

18春闘の評価と今後の課題


  自交総連18年春闘は7月2日現在、154組合が要求を提出、うち86組合が回答を引き出し、54組合が妥結・了解しています。
  まだ闘争中の単組もありますが、宮城・東京・大阪の代表に今春闘の評価と今後の課題について聞きました。


低運賃改定率放置できない

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  宮城地連・石垣敦書記長
  宮城地連は、18春闘で23年ぶりとなる運賃値上げをもとに、若い労働力の参入をすすめる労働条件改善や高齢者の働きやすい条件整備をめざしました。しかし2月25日実施の運賃改定は、2・62%と異常な低水準となり、各労組とも政策的な合意はなされたものの、具体的な改善には至りませんでした。
  地連では、この低運賃改定率を放置できないと、4回の運輸局交渉を実施。また3月5日には、運賃値上げに関する書類の開示請求を行い、4月4日に公表されました。この結果、運賃値上げ通達に重大な問題があることが明らかになり、運輸局も認めるものとなりました。その後、6月18日には労使による制度政策懇談会を行い、再度の運賃値上げにむけて、とりくむことを確認しました。
  ひき続き、減車と合わせ労働条件改善にむけて、とりくみを強化します。


必要な規制の強化を

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  東京地連・川崎一則書記長
  東京地連の18年春闘は、単組要求ではそれなりの前進がありました。
  しかし、重点課題とした乗務員負担制度の撤廃と累進歩合制賃金の廃止については、若干の改善をかちとったものの、地域的一掃には至りませんでした。
  政策要求については、導入から1年が経過した初乗り距離短縮運賃の効果はみえず、実働台数の少なさがかろうじて営業収入を下支えする状況下で、白タク・ライドシェア阻止と活性化11項目などの新たな規制緩和に反対する運動に積極的にとりくみました。
  政治が私物化され、安全無視の経済活性化がすすめられる今、自交総連が掲げるタクシー運転免許の実現を含めた「必要な規制の強化」と政治を国民の手に取り戻すことの重要性をアピールし世論化していく運動が引き続き重点課題となります。


白タク阻止へ大津宣伝行動

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  大阪地連・庭和田裕之書記長
  大阪地連では、要求書を出し本部・地連の方針をすすめる単組が増える反面、とりくみが弱い単組もあり昨年よりも二極化が鮮明になっています。組合員との協議に基づく要求づくりができない単組への働きかけは、地連執行部として深く掘り下げる必要があります。厳しい状況が続く中での18春闘ですが、各単組の奮闘があり、現行労働条件維持プラス解決金5千円〜4万円、また乗務員負担の軽減や非正規労働者の労働条件を正規労働者に近づけるとりくみがすすんだ単組も出ています。
  政策闘争では、私たちが働く自交産業の根幹を揺るがす白タク・ライドシェアの合法化に対し、大阪のタクシー産業全体で対峙する体制が維持されている点は、全国的に見ても評価できるもので、府的には在阪労働団体から街頭宣伝を続けていこうとの打診があり、具体化に向け調整中です。また、滋賀県大津市の越直美市長が2月28日に特区によるライドシェアの解禁を打ち出したため、関西ブロックとして、京都地連の仲間とともに6月12日に大津市の主要ターミナルで宣伝行動を行い、7月18日〜19日、8月30日にも同様の宣伝行動を計画しています。

タクシー活用した施策を

大津市ライドシェア阻止宣伝

関西ブロック

乗務員へビラを渡す関西ブロックの仲間=6月12日、大津駅前
乗務員へビラを渡す関西ブロックの仲間=6月12日、大津駅前
白タク・ライドシェアの危険性を告発する京都地連の吉田委員長=6月12日、京都駅前
白タク・ライドシェアの危険性を告発する京都地連の吉田委員長=6月12日、京都駅前


  【大阪】自交総連関西ブロックは6月12日、京都駅烏丸口を皮切りに大津市の主要ターミナル4か所で宣伝行動にとりくみ、大阪・京都地連の仲間14人が参加しました。
  京都駅烏丸口でマイクを握った福井議長は「大津市の越直美市長が特区を活用し、白タク・ライドシェアを導入しようとしている。導入されれば京都も大変な状況に追いやられることは明らか。諸外国でも、導入された後で事件や事故で裁判になるなど様々な問題が発生し、欧州などでは禁止する国が増えている」と指摘し、「このような危険な制度を日本に入れるべきではない。いまの安心・安全なタクシーを活用した施策を進めるべきだ」と訴えました。
  大津駅で待機していた女性乗務員と今回の特区提案について会話すると、「会社(大手)は何も言わないし、まったく知りませんでした。ありがとうございます」と述べていました。同様に話しかけると総じて同じ反応で、情報が共有されていないことがわかりました。
  また、私たちの訴えを立ち止まって聴き入る市民も少なくなく、ビラの受け取りも良く、今回参加した旅客守口労組の一原委員長や関中自労組の荒木委員長も「元気の出る宣伝行動だった」と感想を寄せています。

ライドシェア新法提案に抗議

楽天本社前で宣伝行動

歩行者にライドシェアの危険性を宣伝=6月7日、世田谷区・二子玉川駅前"
歩行者にライドシェアの危険性を宣伝=6月7日、世田谷区・二子玉川駅前

  自交総連は6月7日、楽天本社がある二子玉川駅前でライドシェア反対の抗議宣伝行動を実施、東京地連の仲間を中心に全国の常任中央執行委員も参加しました。
  楽天の会長兼社長の三木谷浩史氏が代表理事を務める新経済連盟は5月8日に『「ライドシェア新法」の提案』を発表、各省庁に申し入れて、新法をつくりライドシェアを道路運送法の適用除外にして合法化することを求めています。
  宣伝は、川崎常執(東京)の司会ではじまり、城委員長が、ライドシェアの危険性を説明して、世界各国で禁止が相次ぐなかで日本でライドシェアを解禁するのは時代に逆行、自社の利益のために新法をごり押しするなと訴えました。
  続いて、石垣副委員長(宮城)、石野常執(埼玉)、早川副委員長(東京)、冨松常執(神奈川)、庭和田副委員長(大阪)、内田常執(福岡)、菊池書記長がマイクを握り、地方の実情もふまえて、タクシーの労働条件や住民の足として責任をもって安全運行に努めていることなどを訴えました。
  駅前では、東京地連の組合員らが「楽天三木谷社長は危険な白タク合法化で輸送の安全を破壊するな」の横断幕を掲げて、ティッシュ付のビラを配布、「なんの宣伝ですか」と足を止める人もいて、「楽天が危険な白タクを合法化しろと言っているのに抗議しています」との説明に、「それは危ないですね」とビラを読む人や、「がんばってね。応援します」と激励する人もいました。

今後の協力を検討

ライドシェアリーフを自治労連内で活用

自治労連と懇談

ライドシェアのリーフレット"
ライドシェアのリーフレット

  自交総連は6月22日、自治労連に白タク合法化阻止での協力の要請を行い、城委員長ら3人が訪問して自治労連中川書記長ら3人と懇談しました。
  白タク合法化をねらう勢力が地方自治体と組んでライドシェアを実施しようとしている実態を説明したのに対し、自治労連からは、危険性を知らなければライドシェアが便利だと飛びつく自治体も出てくる可能性がある、まずは実態を知らせることが重要だ、タクシーを活かした地域公共交通の充実も重要な課題だと認識している、などの意見が出されました。
  自交総連のライドシェアのリーフを自治労連内で活用して実態を知らせ、今後の協力の方向を検討していくことになりました。

3日間県内で宣伝行動

独自ビラを作成し配布

鹿児島地連

乗務員へビラを渡す鹿児島の仲間
乗務員へビラを渡す鹿児島の仲間

  【鹿児島】鹿児島地連は、5月14日・16日・18日の3日間、鹿児島県内で宣伝行動を行いました。
  九州ブロックから借り受けた宣伝カーで、市内待機場、空港・霧島市、南薩方面を回り、独自ビラを2枚作成し、待機中の運転者に手渡しました。
  運転者は、「ほとんど電話での受注で売上は変わらない」「空港では、今のところ白タク行為は見受けられない」と地方の状況を話しました。それに対し、地連の仲間は「(白タク行為を)見つけたら、写真を撮って通報、連絡して下さい」と訴えました。
  3日間で宣伝カーはのべ335km走行し、11人の組合員が参加、憲法改悪署名20筆を集めるとりくみになりました。

結成時の話でなごやかに交流

結成40周年レセプションを開催

宮城地連

談笑する参加者=6月11日、仙台市・仙台ガーデンパレス
談笑する参加者=6月11日、仙台市・仙台ガーデンパレス

  【宮城】6月11日、ホテル仙台ガーデンパレスで、宮城地連結成40周年レセプションを開催し、来賓含め91人が参加しました。
  式で本間委員長は、「宮城地連が40周年を迎えることができたのは、諸先輩、そして関係団体の皆さまのご支援の賜物と感謝申し上げます」とあいさつ。
  今村前本部書記長の乾杯の音頭に続き、本部の城委員長、宮城交運共闘の庄子副議長、県タクシー協会の佐々木支部長、仙台市タクシー協会の高澤支部長、日本共産党・仙台市議長の嵯峨団長、一番町法律事務所の小野寺弁護士から激励のあいさつをいただきました。その後、参加者でなごやかな交流を行いました。今回の式には、結成時のOB4人も参加し、当時の状況などについて話をしてくれました。
  最後に、澤口副委員長が50周年にむけてがんばろうと閉会のあいさつを行いました。

運収、前年比マイナスの傾向

安全運転と通常運転の差は拡大

安全運転実態調査

表1

  自交総連が毎年行っている安全運転実態調査がまとまりました。
  今年は4月中に4地方、のべ429台の車両で実施しました。この調査は、残業をしないで所定労働時間稼働するテスト車と通常営業(同時期の営業所平均)を比較して、通常営業がどの程度過重になっているかを明らかにするものです。
  テスト車と通常営業の差は走行キロ10km、運収2255円でした。通常営業は、この差の分だけ残業や無理をして稼いでいるということになります。
  運収は、仙台のテスト車・通常営業、東京の通常営業、大阪のテスト車で前年割れとなりました。運収のマイナス傾向が現れています。


表2

労働条件改善が不可欠

乗務員に起因する事故は増加傾向

事業用自動車の交通事故発生状況 2016年

表5

  【解説】国交省がまとめる16年の事業用自動車事故統計が公表されました。
  事故件数は全体で5420件と前年より140件増えています。走行1億キロ当たりの重大事故発生件数(乗務員に起因するもの)は、バス、ハイタクで増加しました。
  運転者の健康状態に起因する事故は、全業種で増加、前年の25%増となっており、10年の3倍に達し深刻な状況です。 乗客の命も危険にさらす事故の防止のためには、交通労働者の労働条件の改善が不可欠です。


  
表4
表3

われら自交総連 (5)組合員を増やすほどつよくなる

未加入者の意識に合わせ計画的に呼びかける

図6

  労働組合は数の力と団結によって、はじめて使用者と対等になれます。組合員の数が多いほど力はつよく、要求実現にも近づきます。常に組織の強化と拡大に努力しなければなりません。

職場の未加入者

  労働組合は、まず職場内での多数派をめざしましょう。
  そのうえで、未加入者の意識(会社が恐いとか組合に不信があるとか)を分析して、担当者を決めるなど計画的に加入を呼びかけるようにします。
  なぜ入ってこないのか、組合の側に原因はないのかを率直に分析し、信頼される組合活動になっているかを振り返ることも必要です。
  普段から、生活相談や道交法違反の対策など世話役活動が活発な組合では、信頼を得て組合員が増えています。

未組織の組織化

  職場の外に出て行き拡大することも必要です。
  企業内組合しかなかったり未組織の職場ほど労働条件は悪く、それを放置しておけば、やがては自分たちの職場の労働条件も引き下げられかねません。
  地連・地本やブロックなどで計画を立てることになりますが、計画にそって各組合が協力して行動します。
  未組織の仲間は、規制緩和や労働者保護の法律・通達などほとんど知りません。事実と情報を伝えて、組合の利点を訴えます。
  定期的なビラや宣伝カーでの宣伝のほか、普段から組合員が客待ちのときなどに他社の仲間に声をかけて自交総連の宣伝をしておくと非常に効果的です。