自交労働者No.982、2024年4月15日


「がんばって」と相次ぐ声

ライドシェア解禁阻止統一行動を実施

『ライドシェア反対!』の音源をリピートで響かせながら宣伝カーが小田原〜湘南エリアを走る
『ライドシェア反対!』の音源をリピートで響かせながら宣伝カーが小田原〜湘南エリアを走る

 自交総連は、ライドシェア解禁阻止統一行動を全国各地で行っています。今月は神奈川地本と東北地連のとりくみを紹介します。(他にも、北海道地連・関西地連・福岡地連は継続して宣伝カーを街中で走らせています)

何としてでもRS止めたい

 東北地連は3月1日に宮城県仙台駅前で、14日に福島県福島駅前でライドシェア解禁阻止宣伝を行いました。
 それぞれタクシー労働者や利用者へビラ・ポケットティッシュを配り、「安心・安全な地域公共交通を守る請願書」への協力を呼びかけました。
 参加者からは、「署名を50人分集めた。要請したほとんどの人が快くしてくれた」、「ライドシェアを止めるためがんばってほしい、との声が相次ぎ、何としてでも止めたいという気持ちが伝わってきた」という報告が寄せられました。

小田原〜湘南でアナウンス

 神奈川地本は3月28日、本部宣伝カーを活用して車両からのライドシェア解禁阻止宣伝を実施しました。4月から県内京浜交通圏で「日本型ライドシェア」が運行開始となります。利用者へ注意喚起するためにも呼びかけを行いました。
 小田原エリアから湘南エリアを回り、「みんなのまちをはしる、安心・安全なタクシーを守る活動にご協力ください」というアナウンスを繰り返し通行人へ流しました。

認定方法に問題あり

「日本型RS」対象エリアが拡大

8エリア

 国土交通省は3月29日、「日本型ライドシェア」の新たな対象となる8エリアを公表しました(上)。
 対象エリアは、民間の配車アプリのマッチング率データによってタクシー不足状態とみなされます。算出した配車可能曜日・時間帯・不足車両数を、申請事業者へ配分するしくみとなっています。
 また、配車アプリの普及率が低い地方部では、より簡便な方法で導入を認めるようにするとしています(特定の時間帯において当該営業区域のタクシー台数の5%を暫定的な不足数とみなすなど)。
 自交総連は、3月7日の国交省交渉(2面掲載)で、対象エリアの認定について、行政が民間企業のデータを活用する点と、配車アプリのマッチング率のデータのみでタクシーの不足状態を判断する点に問題があると指摘しました。ところが今回の発表で、さらに恣意的な判断で対象エリアが拡大されていくことが判明しました。自交総連はただちに見直しを求めていきます。

政府と自治体で認識の相違

  対象エリアに仙台市が入りましたが、東北地連はすでに宮城県議会へ「ライドシェアの導入に対する慎重な検討及び地域公共交通を守る施策の推進を求める意見書」を提出しており、3月13日に採択されています。
 意見書では、「日本型ライドシェア」のみならず、安心・安全を無視した無秩序なすべての白タク導入に反対しています。
 また4月1日に、記者会見で郡和子仙台市長が、「(日本型ライドシェアを)導入したほうがいいという状況には至っていない」と語っており、地域の実情を知る自治体と政府の間で認識の相違があることがわかります。

国交省・全タク連と交渉

3・7中央行動

        →情報電子版bV

タク年収319万円、格差は197万円に

最賃底上げで格差解消を

タクシーと他産業労働者の労働条件比較

        →記事

4月からタクシー乗務員養成の地理試験が廃止

運転中のカーナビ・地図アプリ注視は法律違反

省令改定の概要

 4月より、タクシー乗務員養成のための地理試験が廃止となりました。
 自交総連は、昨年11月の国交省交渉で係官へ異を唱えており、省令改定にあたり国交省が募集したパブリックコメントにも反対意見を提出しました。
 今後も、二種免許取得緩和は安心・安全の確保に逆行するとして、政府・国交省へ規制強化を求めていきます。

地理講習の効果測定を行う

 3月29日公表の「ご意見の概要及び国土交通省の考え方」より一部抜粋して、パブコメの募集結果を紹介します。


 Q1 地理講習は地図上では確認できない地域利用客の特別な動態を含めた安全確保のための講習を実施しているが、今後も効果測定も含めて行われるのか。
 A1 地理講習は効果測定も含めて実施いたします。

 Q2 試験廃止後に指定地域において新たに登録された運転者が乗車する車両への地図の備付については、常に地図が表示されているカーナビと違い、地図アプリ等については、必要に応じて各種法令を順守しつつ、地図を表示することにて、利用者利便を確保することでいいのか。
 A2 当該事業用自動車の位置情報を常時かつ即時に受信し、当該位置情報を機器の映像面に表示された電子地図に表示する機能を求めることといたします。

 Q3 道を知っていることはタクシー運転者としての重要な資質の一つであり、試験があることでその資質を得ている者も多いと考えられ、苦情が増えることが予想される。
 A3 カーナビ・地図アプリが一般に普及した現在においては、運転者に当該試験の合格を求める必要性は低くなっているため、「地理」に関する試験は廃止することといたしました。

 Q4 新人運転者のなかには、カーナビの確認に気を取られ、信号を見落とし赤信号に侵入して事故を起こす事案も起きている。道路交通法においては、カーナビなどの画面を注視することは禁じられている。
 A4 カーナビや地図アプリの利用に当たっては道路交通法を遵守いただく必要がございます。


新加盟のなかま 

(870)福岡・福自交蒲池タクシー分会
未払い賃金を獲得

 1月4日、かつての自交総連マルホタクシー労働組合の田中義孝元執行委員長が、蒲池自動車有限会社の全ドライバー6人に呼びかけて福自交蒲池タクシー分会を立ち上げました。田中委員長らは同社へ過去3年の休憩3時間分の未払い賃金請求および賃金改善の要求書を提出。同社は団体交渉に応じ、1年間2時間分の賃金と50万円の解決金の支払いと、賃率も45%から48%へ引き上げで妥結しました。


(871)関西・みなと観光バス労組
働きやすい職場に

 兵庫県神戸市のみなと観光バス株式会社で働く労働者らが1月27日、みなと観光バス労働組合(坪内誠委員長、5人)を結成しました。
 同社のバス労働者の有志たちが働きやすい職場にしたいと昨年から相談し合った結果、共通の知人を通じて自交総連関西・大阪地連へ連絡が入りました。関係者らが数回協議を重ねていき、2月6日に自交総連への加盟に至りました。

能登地震カンパを送金

  1月1日に発生した能登半島地震により石川県をはじめ近県の各自治体に甚大な被害が出ました。自交総連は、各地連・地本へ救援カンパを募り、短い期間でありながら全国の仲間から多くの募金が集まりました。
 今回、石川地連の組合員には被害が出ていないことから、いただいた救援カンパはすべて全労連へ4月2日付で振り込みました。この後、全労連と石川県労連を通じて被災自治体等へ届けられます。
 ご協力いただいた皆さん、誠にありがとうございました。

最終局面の運動に参加

建設反対運動が毎日実施される中で

長崎地連 石木ダム座り込み行動

着々と工事は進んでいく=3月14日、長崎・石木ダム工事現場
着々と工事は進んでいく=3月14日、長崎・石木ダム工事現場

 長ア地連は、3月14日、最終局面の石木ダム座り込み行動に組合員4人で参加しました。座り込みは2か所に分かれて実施しています。
 下部の座り込み現場は、自家用車の侵入ができないように、約500キロのローラーが県庁の指示で置いてありました。また、上部の座り込み現場は、水攻めで水没しかけた跡があり、建設機械でテントの側まで溝を掘削していました。
 このような現場で、世間でいう高齢者が建設反対運動を毎日実施しています。裁判では負けましたが、あまりにも理不尽な県の行動が情けないばかりと思って今回も参加しました。(長崎地連・松永利秋書記長より)