2008.4.10 自交総連情報タイトル

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近く「名義貸し」の判断基準を明示
[国交省] 自交総連の意見書に回答

国交省前
国交省交渉(4.9)

 自交総連は4月9日、大阪で急増している「オーナズ制度」「企業内個人タクシー」などと称している新日本グループの名義貸し営業について国交省と交渉、自交総連がまとめた「急増する『名義貸し営業』の分析と違法行為根絶のための意見書」についての見解を聞きました。
 「名義貸し」は道運法違反の無責任な経営手法ですが、法解釈等の問題もあり、効果的な取り締まりが行われていないため、自交総連では、違法性を法律・実態の側面から詳しく分析した意見書を作成して、違法行為の根絶を求めてきました。


【2008.4.9 国土交通省交渉】
出席者  組合側  権田副委員長他5人(本部3、大阪2)
 国交省  自交局旅客課阿部竜矢地域交通政策企画官他5人
要 請 事 項 回 答 要 旨
 名義貸しの違法性は以前から問題を提起し近畿運輸局にも度々申し入れてきた。現地で張り付いて1台ずつの出入庫も調査し、資料も集めて、今回の意見書をまとめた。新日本グループの町野氏は公然と運転者は個人事業者だといっている。名義貸しは明白だ。
 500円という低運賃も名義貸しだからこそ可能なもので、これでは公正な競争はできない。これを放置することは、法人タクシーの一定の水準を築いてきた戦後の労使の努力をも無にすることにもなる。国交省の見解をうかがいたい。
 (具体的な調査資料・証拠等を渡して実態を詳しく説明=下の参考に一例)
 詳細に調査していただいて貴重な資料となる意見書をいただいた。さすが労働組合の調査力だと思った。行政としても役立たせてもらうし、内容について共鳴するものもある。
 大前提としていえるのは、道運法の許可は事業者に与えたもので運転者個人に与えたものではないということだ。
 名義貸しについての判断の基準を、そう遅くない時期に公表したい。この意見書に書かれている内容もふまえて研究している。通達として示す。
 次のような問題意識をもっている。
 1.名義貸しは違法である。これは明確だが、どういうものが名義貸しに当たるか、経理面や管理面など事実を積み上げて総合的に判断する。
 2.点呼がされていないとか、車両の持ち帰りがあるなどの違反については、きちんと取り締まる。
 3.車庫や営業所など施設等が不十分という問題については、いまの制度では一応合法だが、規制緩和でそのようなものを許可するようにハードルを下げたことがいいか悪いかについては、交政審で議論している。
 ――見解を出すというが、それとは区別して、現にある違反についてはすぐに摘発すべきだ。  監査で違反が確認されれば処分する。
 ――消費税を納めていない、社会保険の違法や労働法の違反などたくさんある。国税当局や厚労省との連携はどう考えているのか。  国税などは法律が別で難しい点があるが、話はしていきたい。可能な限り連携していきたい。厚労省との相互通報制度は当然活用していく。
 ――許可取消しや違反点数がたまると別名義で会社をつくって資産を移して営業を続ける処分逃れをしている。これにはどう対応するのか。  確かに今の法律では、別会社を設立できる。問題意識はもっている。

(参考)当日、国交省に示した新日本グループの某会社の運転者への通知文書の一例
「全員点呼 19年12月度 2回目12月17日
○来年1月度の点呼は1/15、1回のみになります。」
 点呼は毎日乗務前と乗務終了後に行わなければならないのに、12月は2回、1月は1回しかしていないことを示している。
「車両停止が今後発生した場合、先月より点呼の欠席の多い方より、車両停止の協力をお願いいたします。」
 違反が摘発されて車両停止処分がされたときに、車両が運転者個人の所有物であるため、誰の車を停止するのかが問題になるため、その順番を決めている。名義貸しであることを示すとともに、月1〜2回の点呼さえ欠席するものが多いことがわかる。


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