2011.11.15 自交総連情報タイトル

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タクシー運転免許など政策要求実現を
[11・10中央行動] 交運共闘1000人が霞が関に結集

国交省前での要求行動
国交省前での要求行動

参加者数

 自交総連は11月10日、交運共闘の仲間とともに11・10中央行動を実施、全体で1000人、自交総連から500人が参加しました。
 国土交通省前で10時半から決起集会(写真)を行い、交運共闘・藤好議長が主催者あいさつし、震災復興、交通運輸労働者の労働条件と安全の確保を訴えました。全労連柴田副議長が連帯あいさつ、JAL争議団の斉藤さん(客室乗務員組合)、山口原告団長(乗員組合)が不当解雇撤回の支援を訴えました。園田副委員長(大阪)が自交総連を代表して決意表明しました。個人請願の後、厚生労働省でも個人請願を行いました。
国交省への個人請願
国交省への個人請願
 12時20分から、日比谷野外音楽堂で、全労連・春闘共闘の決起集会がひらかれ3000人が結集、池田常執(東京)が交運共闘を代表して決意表明しました。
 同時に代表が国交省・厚労省交渉、国会議員要請にとりくみました。
日比谷野外音楽堂での総決起集会
日比谷野外音楽堂での総決起集会



「年齢制限、憲法違反にならないやり方を検討している」

【2010.11.10 国土交通省交渉】
出席者  組合側  飯沼委員長、石垣・鈴木・園田副委員長、今村書記長他21人(埼玉2、東京6、神奈川2、京都、大阪、福岡)
 国交省  自動車局旅客課谷口礼史地域交通政策企画調整官他4人
要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.タクシー輸送の安心・安全、運転者の労働条件の改善・向上及び事業の健全な発展をはかるため、地域実情に見合った(過剰車両の減車措置を含む)台数制限と適正な運賃水準、同一地域同一運賃を確保するための諸施策を講じること。
 当面しては、「タクシー活性化法案に対する衆議院及び参議院国土交通委員会附帯決議」にもとづく行政対応を積極的に行い、事業の適正化及び活性化への実効性を担保する方策を推進すること。とくに、賃金・労働条件改善への貢献度が重視されている特定地域の減車については、所期の目的を達成するため、タクシー活性化法の趣旨をふまえたあらゆる措置を講じること。
 タクシー活性化特措法に基づき3年目になるが、4月13日付で通達を出した。減休車をやっていない、程度が少ない事業者に対して、経営状況を細かく調査をしている。調査結果で法令が守られていない疑いがある事業者は監査に入る。
 運賃は下限割れ運賃の是正に向けたとりくみを進めている。しかし恒久認可を受けている事業者を強制的に上げさせることは法的に難しい。法令を守った上で、安くやっている事業者を無理矢理上げさせることは世の中にも理解されにくい。消費税が良いかは別として、5%あげる話が出ているが、下限割れ事業者は5%を転嫁せずに耐えられないだろう。運賃改定のタイミングを捉えて運賃を動かしていく、また期限を付すなどが可能になる。
 下限割れ運賃の算定にあたっては、従来の算定を変えて地域の標準人件費で審査をしているので、結果として下限割れ的なものを改善しやすくなっている。
 2.“2車3人制から1車2人制へ”など「車両における勤務形態」を地域的に改善し、労働時間の適正化と経営の効率化をはかること。  特定地域の地域計画の中にタクシー運転者の労働条件悪化の防止などがあり、メニューの一つとして日勤勤務から隔日勤務への転換を打ち出している計画もある。こうしたものを紹介することを通じて、従来減車中心でやってきたが、色々な提案を深掘りして事業の活性化を目指したい。
 3.違法な日雇い・アルバイトの禁止(運輸規則第36条)、名義貸しの根絶(道運法第33条)など雇用の正常化をはかること。   運輸規則第36条1項の規定で、日雇いや2か月以内の短期的雇用など不安定な労働条件の下で雇用される者を運転者として選任してはならないとなっている。もし、日雇い、アルバイトなどいるのであれば違反している可能性があり、行政処分の対象になる。どの会社の何と言う人が何年何月ごろに勤務していたなどの情報があれば、監査の端緒になる。
 名義貸し行為についても、判断基準を08年9月に作成しているので、その基準に引っかかるような事案があるのであれば監査の対象になる。
 4.政令指定都市等13の指定地域の運転者登録制度における措置では、良質な運転者の確保という本来の目的に適った実効性のある仕組みとして定着させること。とくに、事前チェックを第一義的に重視し、違法なアルバイト運転者などの登録防止や地理試験内容等の高度化をはかるとともに、年齢制限措置を導入するなど、より確実に安心・安全な輸送を保障できる仕組みとすること。  運転者登録制度を拡大させていく方向性は交通政策審議会でも通していただいている。指定可能な要件が出てきた場合、検討していく。
 登録の際にタクシー業務適正化特別措置法の5条3項の添付書類の条件で、雇用条件や雇用契約書の提出を義務づけている。この段階で運転者としての登録要件や雇用要件を確認している。
 指定地域については、法令、安全、接遇、地理の意識が高まり大半の地域で苦情が減っている。減っていない地域もあるが、全体的に減っている。効果が上がっているので継続していく。
 年齢制限の問題は、この間、個人タクシーの横須賀線事故があり、高齢運転者に対する対応を省内で議論している。何らかの措置を講じることになるが、憲法で職業選択の自由が保障されており、単純な年齢制限ではハードルが高い。通常は年齢を重ねれば体力や視力の衰えがあるが、まれに衰えていない人もいるので除外するなどしなければ憲法違反に発展するおそれがある。しかし客から見れば「ちょっと怖いよね」というのがあるので、バランスを取りながら、視力や判断力が低下されている人はタクシー業界からご遠慮いただくことを考えていて、やり方を検討している。
 5.「政府は、道路運送法にもとづく制度のあり方、運転者登録制度等のあり方について検討を加え、その結果にもとづいて必要な措置を講ずる」(タクシー活性化法、附則の3、4)等の趣旨をふまえ、検討の場を早急に設置するようにすること。また、国土交通省など関係機関は、タクシー運転免許法制化の提言を真摯に受け止め、その実現について検討すること。  タクシー運転者の資格をもっと厳しくするというのは、他の組合からもいただいているので、一体どういう風なやり方が良いのか、また、運転者の要件を厳しくすることで結果として減車が進むというという意見もいただいているので、ポスト特措法指定期間にむけての研究をしている。
 他方、短期的な対応としては、特措法の最終期間の仕上げをきちんとしないといけない。ポスト特措法の検討は年明けぐらいからすることになる。
 6.タクシー活性化法にもとづく特定地域の協議会については、権威ある機関としての役割発揮と地域計画の具体的な推進をはかる機能をもつシステムとして、将来的にも継続・発展させていくこと。  特措法に基づき作った協議会だが、ポスト特措法をどうするか、3年後の期限を終了した時どうするのかなどの問題がある。また別途タクシー事業法をつくろうとする動きが民主党の議連の中にあるが、仮に法律を作ったとしてもすぐに施行できず、指定期間や周知期間がいるので、法律が仮にできたとしても空白期間ができ、施行までのつなぎが必要だ。
 再指定になれば当然協議会が続くことになる。今までは減車中心のとりくみが多かったが、減車と他の活性化のとりくみも両面で進めていかなければ、営業収入が増えていかない。トータル的なとりくみが必要。計画で宣言したことをきちんと守っているのかフォローアップしていきたい。
 7.移動制約者の交通権を確保する観点から、タクシー利用に対し、国と地方自治体は十分な運賃補助を行う制度を確立すること。  基本的に障害者福祉とか高齢者福祉は厚労省が所管している。国交省は協力する立場で、実際やる場合には財源が確保できない。やろうとすれば、財源をどこか削るか、税金を増やすか、社会福祉と年金とか医療費が上がっているのでハードルが高い問題である。

「タクシーの最賃法違反は、2年連続20%」

【2011.11.10 厚生労働省交渉】
出席者  組合側  飯沼委員長、鈴木・園田副委員長、今村書記長他10人(本部2、埼玉、東京3、神奈川、京都、大阪、福岡)
 厚労省  労基局監督課特定分野労働条件対策係三原係長他5人
要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.最低賃金法の遵守
 (1) 最近3年間のタクシー事業場、バス事業場への監督で最低賃金法違反が認められた事業場数、違反率を示されること。
     タクシー    バ  ス
    監督数 違反率 監督数 違反率
 2010年 1072 19.5%  275  0.3%
 2009年  897 21.0   311  3.2
 2008年  927 16.1   466  1.1
 (2) タクシー業界の最低賃金法違反を許さないため、地域ごとの集団指導などを工夫し地域的一掃をはかること。再違反を許さないため、オール歩合給賃金では、最低賃金を基礎とした固定給部分の制度的確立をはかること。  各地方で実情に合わせて適切な手法で指導している。賃金制度は労使が自主的に決定するもので、固定給と合わせて6割の保障給を定める指導はしている。
 (最低賃金相当分を固定給とするのが再発防止に有効で、実際にそういう指導もしているとの以前の回答との違いを指摘したのに対し、調べ直して後日、再回答)再発防止の指導は必要だ。再発しないような措置をとるように指導票に書くのは現場の監督官の裁量でできる。
 (3) 乗務日報やタコメーター等を不適正に使用して物理的な停車時間を労働時間から除外する等の脱法行為を認めない指導を徹底すること。  使用者の指揮命令下にあるものは労働時間だ。停車時間を除外するというのは、資料を精査しないと一概に判断できない。
 (4) 別紙の平成23年8月全タク連作成リーフレット「見直して下さい 時間管理の方法と勤務シフト」に関して、別記の質問に見解を示されること。 【別記】 T 休憩時間の設定方法
  リーフレットには「事業場内での休憩、自宅に帰っての休憩は何時間であっても差し支えありません」とあるが、厚労省の見解も同様か。労働者の福祉、文化的な生活、仕事と生活の調和等の観点からも適切といえると考えるか。
 事業場外では3時間を超えてはならないと規定している。休憩が明白な事業場内では規定はない。
 (3時間以上の場合は、開始・終了時刻の特定が必要ではないか?との問いに)必要となる。
 U 時間管理の徹底方法
 1) 乗務記録に、休憩の取得時間、取得場所及び内容を労働者に記入させるという手法は、労使合意がなくても、使用者が業務命令で実行することは可能か。労働者が記入しない場合に、使用者が懲戒処分をすることが可能か。
 一般に使用者には労働時間を管理する義務がある。
(今までしていなかったのを急に変えてやるという場合はどうか?との問いに)いままでしていなかったのを就業規則を変えてやるということになると、労働者にとって不利益変更かが問題になる。その判断は実情によるので一概にはいえない。
 2) 仮に乗務記録へ休憩内容の記入をさせる場合に、何分以上の休憩について記入させることが適切か。例えば、1分でも記入しなければならないという指示を使用者がした場合に、その指示は適切といえるか。   休憩が明らかだという場合なら、何分以上が適切ということは言えない。
 (1分でも?との問いに)現実に1分はありえないと思うが、何分以上とは決められない。
 3) 休憩といえるためには、車を離れて自由に時間をつかえなければならないが、事業場外では、管理設備のある駐車場に駐車する以外にそのような条件は得られない。適切に駐車したことの証明がない限り休憩したとはいえないのではないか。―休憩時間の管理関係―(事例1)の記入例で「駅南口」「駅北口」等の休憩場所が例示されているが、これは適切な休憩といえるか。  自由に使えなければ休憩にならないが、休憩が取れるということと駐車場所とは基本的には別の問題なので、休憩かどうかは総合的に判断する。
 4) 使用者の強要や圧力により、事実と異なる休憩時間が記入された場合には、その時間は労働時間として、さかのぼって賃金請求ができると考えるがいかがか。
 5) ―休憩時間の管理関係―(事例2)で、運行管理者が、日報の空白やタコメーターが停止している時間帯について乗務員に確認し休憩を申告させる事例が紹介されている。管理者が、解雇や短時間勤務への変更等の不利益扱いを示唆して、事実と異なる申告を強要させる事例が予想されるが、強要が明らかな場合は、労働時間として扱われるか。
 労働時間であることが明らかであれば、労働時間として扱うのは当然だ。
 2.時間外、休日及び深夜の割増賃金の適正かつ確実な支払いを徹底させること。とくに、割増賃金を歩合給等の総支給額の中に含め、あるいは割増賃金と同額を歩合給から差し引いて総額が変らないようにするなど、労基法の割増賃金支払いの趣旨に反する脱法行為を認めず、適切に指導、改善させること。   労基法違反は処分する。支払われた割増賃金が法定額を下回っている場合は厳正に対処する。
 (割増賃金を支払ったようにして、同額を歩合給等から差し引く例が多い、こういうものは違法か?との問いに)給与から勝手に控除されていれば労基法の全額払い(24条)に反する。労働時間が増えれば賃金も増えるのが労基法の趣旨であると考えられるので、増えていないのであれば違法であると考えられる。
 3.自動車運転者の労働時間等の改善基準の遵守を徹底すること。とくに、36協定の届出の際には勤務ダイヤの添付を義務付け、改善基準に違反するものは受理せずに改善を指導すること。また、累進歩合制度の廃止を徹底すること。   勤務ダイヤの義務付けはできないが、改善基準に違反するものは窓口で改善を指導している。累進歩合の廃止も指導している。
 (勤務ダイヤがなくてもいいかのような回答は、以前の回答と違う、との指摘に、調べ直して後日、再回答)拘束時間が改善基準に違反していないかどうかを勤務ダイヤを見て確認することは従来からしており、今後も同様に行う。
 4.高年齢者雇用安定法の趣旨に鑑み、65歳未満の定年後の継続雇用に際して、使用者の恣意的な基準で継続雇用が拒否されないように、不適切な継続雇用対象者の基準を認めないこと。同基準について労使協定が締結されていない場合は、希望者全員が継続雇用される制度が設けられているものとして取り扱うこと。  不適切な基準は職安で指導しているが、どれが恣意的かは、まだ判例の積み重ねもなく、なかなか判断が難しい。  労使協定がないのは(現時点で)違法になるが、民事上の問題となるので私法上の指導(希望者全員とみなす)はできない。
 (就業規則で継続雇用の基準を決めていて、まだ労使協定がない事業場で、就業規則の基準で継続雇用を拒否した場合はどうなるか?との問いに)それは違法となる。厚労省としては、希望者全員が継続雇用される制度となるように指導している。
 5.平成23.3.23さいたま地裁第1民事部平成22年(ワ)第1116号、平成23.7.28東京高裁第7民事部平成23年(ネ)第3147号判決の趣旨に基づき、使用者に不当解雇された後に確定判決等で復職した労働者の有給休暇請求権が制約されないように、労働省昭和27.12.2基収5873号、同昭和33.2.13基発90号通達の内容を改定すること。   まだ係争中であるので、行政としては回答いたしかねる。
 (最高裁で確定した後に改めて判断してもらいたいが、高裁までの判決と問題の通達が矛盾しているのは理解しているか?との問いに)通達の内容と異なる点があるのは了解している。

交通権、労働条件確保など交通基本法の充実を

【2011.11.10 国会議員要請】
出席者  組合側  自交総連7、国交労組2、建交労4人、計13人
 議 員  国土交通委員会の理事など21人(民主8、自民3、公明2、共産2、社民2、みんな2、国民、たちあがれ日本)
 ◎提出されている交通基本法案について、国民の交通権と交通労働者の労働条件の確保を取り入れて成立を図るように要請。

 ◎今国会で審議に入れるかは微妙、成立はめざしていく(自民小泉昭男参院議員秘書)、以前から推進する立場で運動している(民主・辻本清美衆院議員秘書)、要請の趣旨は承知している。法案の内容では不十分である(共産・穀田恵二衆院議員秘書)、問題点もあるがとりあえず成立させることが必要(社民・吉田忠智参院議員秘書)などの反応がありました。


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