改正道路運送法(タクシー台数規制の廃止)施行に際しての抗議要請

内閣総理大臣 小泉純一郎 殿
国土交通大臣 扇  千 景 殿
2002年2月1日 自交総連中央執行委員長 領家光徳

 私たちは、本日施行された改正道路運送法にもとづくタクシー台数規制の廃止に際し、全国統一行動の決起をもって抗議の意を表明する。
 政府・国土交通省が、2000年春の国会審議の中で安心・安全を担保する万が一の手段として誇って強調した『緊急調整措置』は、その発動要件等からして有効な防止策としてはまったく期待できない。
 このままでは労働者のくらしと雇用をめぐる環境は、増車と運賃値下げ競争の激化、犠牲転嫁の際限なき賃下げと権利破壊によって破滅的に悪化し、重大事故の増加など安心・安全に関わる不測の事態が生じかねない。
 台数規制の廃止によって予測される供給過剰による弊害・混乱を防止し、安心・安全な輸送の確立と事業の発展を保障する有効な解決策は、これまで私たちが繰り返し主張してきた『タクシー運転免許の法制化』を実現させる以外にない。
 私たちは、今日この日が、公共輸送機関の一翼を担うに足り得る安心・安全な輸送を可能とする新たな制度確立、再規制への道の第一歩とならんことを願い、かつ貴職らが規制緩和一辺倒の政策方針を根本的に見直し、必要な規制の維持・強化の方向へ政策を転換するよう強く求めるものである。


1、タクシーの安心・安全な輸送を揺るがし、破滅的な労働条件悪化と悪質事業者の一人勝ちをもたらす改正道路運送法の施行に抗議する。
 
2、政府・国土交通省は、いま一度現実の実態を直視し、タクシー運転免許の法制化、公正な競争ルールの確立と悪質事業者の排除など安心・安全を担保する必要な規制強化をはかれ。



自 交 総 連