2006春闘方針(案)

自交総連

2006年春闘の位置付けと闘いの焦点

 2006年春闘は、サラリーマン大増税と消費税率の引上げ、医療改悪、憲法「改正」、平和と民主主義の危機など労働者・国民にとって最悪の政治を推進する小泉構造改革の下で、景気低迷と倒産・失業、財界による春闘解体、さらなる賃下げ・リストラ「合理化」が押し付けられようとする中でたたかわれる。
 自交総連は、この春闘を、『怒りを行動に、変えよう ルールなき競争と格差社会 06春闘』と位置付け、全力をあげてとりくむ。

(1)くらしと雇用・いのちの危機打開にむけて

 ハイヤー・タクシー労働者の賃金は、いまから24年前(1982年)の賃金水準とほぼ同額の269万円(厚労省調べ、04年度)にまで低下し、他産業労働者との比較では243万円という過去最悪の格差が生じる事態となっている。「貧困ライン」に相当する低賃金層が広がりをみせ、地域別最低賃金や生活保護基準額を下回る異常な低賃金が大都市においてさえ常態化し、全国的に蔓延している。さらに過労死・自殺の急増と健康破壊、職場環境の面ではタクシー強盗事件が頻発するなど生命さえ危ぶまれている。
 自教労働者は、教習生の構造的減少傾向(出生率の低下)や景気低迷を背景に激化する料金値引き競争の下で、総人件費削減・権利破壊攻撃に加え、一方的な企業閉鎖・身売りによる雇用不安が広がっている。ハイヤーや観光バス労働者は、賃下げや一時金カットが年々行われ、生活苦がひどくなっているばかりか、倒産・廃業、企業閉鎖が常態化し雇用不安が深刻化している。
 自交労働者をとりまく情勢は、景気低迷と小泉構造改革を背景に、なおいっそうの賃金・雇用破壊と負担増、将来不安など一段と厳しさを増そうとしている。
 自交総連第28回定期大会は、『変えよう ルールなき競争と格差社会、団結と統一 3万人の自交総連の構築を』を中心スローガンとして確認し、「全面的な状態悪化が進行し、要求の切実さが増している下で、たたかう自交総連の本領発揮が期待されている」ことを指摘した。春闘こそは、その真価が試される最大の闘いの場≠ナある。
 原点≠ノ立ち戻った06春闘の闘いこそ重要である。この06春闘で、いっせいに要求を提出し、職場での闘いを基礎に産業別、地域別、全国的な統一闘争の力によって、賃下げではなく、すべての労働者に賃上げを≠フ社会的世論を喚起し、共同を広げて要求実現をめざすことが求められている。

(2)働くルールの確立、企業の社会的責任(CSR)を問う闘いを

 後を絶たない倒産、廃業・身売り(撤退)と悪質企業を中心とする市場の寡占化、企業の再編成が進行する中で、賃金・雇用破壊のリストラ「合理化」が猛威を振るっている。
 増車と運賃値下げの競争激化は、経営基盤を掘り崩す運送収入の大幅な低下と輸送秩序の崩壊をもたらしている。のみならず、運収低下による賃金減に加え賃率引下げとリース制的賃金の拡大など労働者犠牲の生き残り策が、タクシーをまったく魅力のない職業に落とし込めている。運転者のモラルの低下や違法な雇用形態も広がっている。
 そうした一方で、第一交通グループなど法を無視し、やりたい放題の手法で買収をはかる悪質企業の異常な膨張は、ルールなき競争の当然の帰結として悪貨が良貨を駆逐する役割を果たし、タクシー事業の将来を危くしている。
 自動車教習所では、競争関係が熾烈さを増してくる下で、将来の経営維持に不安を持ち廃業など撤退の道を選択したり、また親企業が抱える多額の債務返済処理との関係で、系列の自動車教習所を丸ごと売却するなどのケースが繰り返されてきた。そうした流れの中で、買収に次ぐ買収を重ね、労働組合敵視、全員解雇、一方的な賃下げなど不当な手段で利益を上げ、企業拡張を進めてきたのが勝英グループである。
 規制緩和がもたらした安心・安全の破壊や違法駐車、道路交通の阻害・渋滞や排ガス問題など環境への影響も深刻である。規制緩和失敗の弊害は、すべて地域に集中し、地域住民のくらしや安心・安全な社会との矛盾を引き起こしている。
 JR西日本の脱線事故=大惨事を通じていっそう明らかになった『企業の社会的責任』(CSR=コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティー)は、いま日本でも大きく注目されている。CSRは、法令順守や製品・サービスの安全確保といった当たり前の行動に加えて、環境対策、人権尊重、地域・文化貢献など幅広いとりくみを企業に求めるものである。言い換えれば、「利潤追求だけでなく、企業も社会の一員としてのふさわしい行動を」という考え方であり、その際、企業には労働者や取引先、消費者、投資家、株主、地域社会など幅広い利害関係者への情報公開と誠実な対話が必要とされている。
 『公共輸送機関』(=国交省)であるタクシー及び『公共的性格を有する教育機関』(=警察庁)とされる指定教習所の社会的役割は、極めて重い。こうした視点からも、労働組合としてのチエック機能の発揮、利益のためなら不法・不正行為もいとわない企業体質の改善、働く権利の確保、社会貢献、環境保護などにむけてのとりくみ強化をはかる必要がある。
 06春闘では、事態改善のために、CSR運動と政策闘争とを結合した闘いに全力をあげる。

(3)タクシー政策のあるべき方向性を問う新たな段階を迎えて

 新道路運送法施行後丸4年が経過した今日、われわれの粘り強い実態告発運動により、労働者の過酷な実情や安心・安全への影響が国民の中に浸透するにつれ、タクシーの規制緩和を疑問視する世論の確かな変化をもたらしている。
 また、連合組合が掲げる「国家資格制度の創設」は、タクシー運転免許の法制化とは同様のものであり、このことは、組織が違っても共に同一の目標達成にむかってたたかえる基礎的条件が整ったことを意味する。東京の大口割引運賃反対の闘いでは、自交総連、連合組合など組織の違いを越えた職場内の共同が広がりつつある。
 全国的に大きな注目を集めた「仙台圏におけるタクシー問題対策協議会」の検討結果は昨年9月13日、東北運輸局名で公表されたが、供給過剰など規制緩和で生じた問題は、あくまで業界の「自主的なとりくみ」で解決することに終始した行政側の徹底抗戦により、問題積み残しのまま終了する形となった。しかし、「規制緩和によって生じる『歪み』というものを是正させる役目は、所轄官庁(行政)にある」「適正な台数、適正な実車率ということが大事であり、需給調整の問題を抜きに議論できない」など各委員からの意見(規制緩和自体に対する評価)は、今後の施策に反映させるとされている。
 国交省は昨年10月4日、諮問機関・交通政策審議会に「タクシーサービスの将来ビジョン小委員会」を設置。規制緩和後のタクシーの実態などを分析し、今後の望ましいタクシーサービスのあり方及びその実現のために必要な環境整備対策を調査審議する方向に動きだした。
 いままさに正念場、タクシー規制緩和の検証と今後のタクシー政策のあるべき方向を問う新たな段階を迎えている。

(4)安心・平等・平和な社会へ、ストップ! 悪政推進

 「本格的な二大政党制の到来」といわれる情勢の下で、労働者・国民のくらしと雇用、権利の破壊、平和と民主主義の危機はいっそう厳しさを増そうとしている。
 昨年10月に発足した第3次小泉改造内閣は、小泉『構造改革』の総仕上げとして、国民のくらしと平和に全面的に衝突する路線を、主要閣僚に競わせ、さらに自民党と内閣で競い合い、民主党まで巻き込んで「改革競争」をやろうというものである。それは、庶民大増税、社会保障制度の改悪、憲法改悪など悪政を競い合い、推進する暴走政治の構図にほかならない。
 労働者の働く権利と団結権、最低労働条件などを保障した日本国憲法は、労働組合運動の前進の土台である。全労連は、憲法を守る闘いを『日本の戦後史をかけた課題』と位置付けており、06春闘では、労働運動の未来をかけてたたかおうとしている。まず職場の中に圧倒的な憲法改悪反対の合意を築き、国民過半数の運動に広げていく活動が不可欠である。
 06春闘では、不満・怒りをもっている広範な国民各層とともに手を携えあって協力し合い、世直し春闘として悪政転換の大きなうねりをつくりだすことが求められている。

(5)組織の強化拡大は重点課題、総がかりで目標達成を

 職場組織、地連(本)の力量を質量ともに強化拡大し、緊急の重点課題である「組織強化拡大3か年計画」にもとづく3年目の目標(実勢2万3000人から3万人へ)を必ず達成していくことが重要である。
 06春闘は、全労連「組織拡大推進基金」による12人の全労連オルグが配置されてから、2年目にとりくまれる春闘となる。自交総連からは、久賀孝三特別中執がその一員として出向し、04年11月から三重県での組織拡大活動に従事している。
 たたかう基盤の強化なしに、状態悪化に歯止めをかけ要求闘争を前進させることや、タクシー運転免許構想など将来像への接近をはかることはできない。06春闘で目に見える組織的前進をかちとることができるならば、組織の反転攻勢の絶好の転機にすることができる。
 すべての地連(本)、職場組織が具体的目標と計画を持ち、推進体制を確立して組織建設にとりくむことが求められている。自交総連は、組織拡大は要求実現に直結することをふまえ、全組合員参加の『組織拡大春闘』として全力をあげる。

基本的な要求・課題と闘いの力点

(1)みんなに賃上げを、底上げ闘争の強化

(1)賃上げ要求の基本的構え

 すべての業種で生活実態に根ざした賃上げ要求(=だれでも○万円あるいは賃率○%以上)を、すべての組合員の総意によって練り上げることを重視する。また、「提案型」の視点をもって企業の社会的責任や経営者モラルを問う政策要求の実現を迫るとともに、個別企業のみならず事業全体の将来展望を切り開く方向への経営政策の転換、協力・共同によるとりくみを前進させる。
 タクシーでは、減車による適正な台数と上限運賃の確保を最重点課題とし、実収入増確保への経営責任を追及する。自動車教習所・観光バスでは、経営環境の改善を重視し、仕事量の拡大など職場政策要求への合意、実施を明確にしたとりくみをはかる。

(2)底上げ闘争の強化

 自教・観光バス・ハイヤーなど固定給が中心の業種では、職場の全労働者を対象に時間額、日額、月額による企業内最低賃金の締結をはかる。
 タクシーでは下限賃率を一定地域ごとに設定し、それ以下の賃率を職場・地域から一掃する底上げ闘争を展開する。また、歩合給中心の賃金制度が採用されている職場では、最低賃金法との関連で、『所定の賃金計算にもとづき実際に支払われる賃金が、最低賃金額を下回る場合は、その差額分を上積みして支払う』との協定を締結する。

(3)一職場一重点要求の設定と獲得への徹底追求

 職場ごとに、実感のこもった切実で身近な改善要求を必ず設定し、どうしても譲れない解決条件と位置付け、獲得への徹底追求をはかる。また、とくに青年・女性や非正規労働者の待遇改善にかかわる要求を大切にし、みんなの力で改善をはかる。

(2)リストラ「合理化」反対、権利の確保

(1)働く職場の確保と対応

 『倒産・廃業、(悪質企業に)身売りをさせない闘い』を重視し、経営チエックの強化、説明責任の追及などのとりくみ強化をはかる。また、一方的な廃業・身売りを防止するために、労働組合との事前協議を前提とする同意約款の締結を求める。
 労使関係の対等・平等、正常な関係の確立をめざすとりくみ強化をはかる。とくに、経営困難などを理由とする賃下げ「合理化」提案については、安易な妥協や激突主義を戒め、説明責任を追及し、納得のいく明確な説明と根拠、場合によっては関係財務諸表の提示などをもって判断し対応する姿勢を堅持する。

(2)悪質企業対策の強化

 もっとも象徴的な悪質企業である第一交通グループ、勝英グループ(=自教)などの社会的責任を追及するとりくみを重視する。
 大阪・佐野南海交通労組及び神奈川・大船自教支部の組合つぶしを狙った組合員全員解雇を許すな≠フ闘いに、引き続き全国的な支援・協力を行うとともに、争議全面解決にむけた社会的包囲の重要な行動提起については、関係地連(本)と協議、調整する。

(3)働くルールの確立と雇用の確保

 06年4月施行の高齢者雇用安定法を活用し、実効ある定年延長・継続雇用の実現をはかる。
 解雇の金銭解決制度や労使委員会制度、試行雇用制の導入などを狙う労働契約法制の法案づくりに対しては、審議会段階での反対運動を強め、作業の中止を求める。

(3)タクシー運転免許構想との結合、政策要求の実現

(1)規制緩和失敗の責任追及と実効ある監督指導の徹底

 政府・国交省にむけた規制緩和失敗の責任追及のとりくみを全国的に推進する。加えて、政府・国交省自らが確約し弊害・混乱の防止策として発した参入・増車、運賃・料金など運用基準の厳格な適用や実効ある監督指導の徹底を求める。

(2)増車と運賃値下げ競争への歯止め闘争

 際限のない増車・運賃値下げ競争を可能にしている背景要因への歯止め闘争を関係行政、経営者に対して展開する。賃金では最低賃金法違反の一掃と累進歩合制度の廃止、雇用形態では日雇い・アルバイトの禁止と名義貸しの排除(道運法第33条)を重視し地域的闘争として発展させる。

(3)署名運動の推進とタクシーシンポの開催

 ハイヤー・タクシー関係は、全国的な重点課題として、タクシー運転免許の法制化(タクシードライバー法の制定)要求を真正面に掲げる。個人署名の春闘期間中(5月末)における目標は10万筆とする。各界の著名人、学者・文化人などを対象とする賛同署名の目標は、2月末を目途に中央段階で100人、地方分を含め1000人とする。
 法制化プロジェクト報告の取りまとめは06年3月中に行い、4月22日にタクシーシンポジウムを開催する。

(4)労働者と事業の将来にむけた提案型$ュ策闘争の推進

 タクシー関係は、地方自治体に、タクシーの公共輸送機関としての位置付けを明確にさせ、乗り場の増設やバスレーンへの乗り入れ、乗合タクシーの導入、福祉・介護タクシーの活用、タクシーの役割の明確化と「パーク・アンド・ライド」方式の具体的検討などを求める。
 また、タクシー業務適正化特別措置法の「指定地域」(東京、大阪)における違法なアルバイト雇用の防止や地理試験内容の高度化、研修制度の充実及び民主・公正な運営の確保をはかる。加えて、主要都市における「指定地域」の拡大にむけ、とりくみ強化をはかる。
 客待ちタクシーによる交通渋滞解消のための対策については、厳罰主義的な手法にもとづく排除方法のみによることなく、背景要因への抜本的改善等が講じられるよう関係行政当局に求めていく。
 自教関係では、地域の交通安全教育センターとしての機能強化に関する政策提言の実現、「職務領域や業務範囲の拡大」を重視する。
 観光バス関係では、公正な取引ルールの確立、安全性と雇用の確保のための政策要求を掲げてとりくむ。とくに運賃ダンピング・区域外営業など法違反の是正や白バス行為の一掃、過労運転の防止措置、労働条件改善にむけての環境整備などを重視する。

闘いの基本方向と組織の強化拡大

(1)学習春闘を重視し、「権利要求」の構えで

 「社会的水準の労働条件は保障されるべき」という権利要求の原則的立場を貫く。その上で、それへの接近にむけた経営責任の追及と協力・共同の模索、要求実現を妨げている職場環境の改善の視点を重視する。また、要求面における多数派形成を重視し組織内学習の徹底をはかる他、対話と宣伝の推進をはかる。

(2)みんなで決め、みんなの力を合わせ、みんなで行動を

 みんなで決めた要求提出、回答指定、統一ストライキに責任を持ってとりくむことができるよう、産業別統一闘争の意義徹底を含め中央・地方での指導強化をはかる。とくに統一ストライキについては、足並みを揃え、統一的な力を集中してたたかうことの重要性を徹底する。
 タクシー運転免許の法制化など政策要求の重点課題については、組織の違いを越えた職場内、地域内、中央レベルでの共同を追求し、中央レベルでは関係単産への共同の申し入れを行う。

(3)地域を足場に、社会のあり方を  変える世直し春闘の前進を

 「くらしと雇用・いのちの危機打開、地域から世直し春闘を」の視点を重視し、もうひとつの日本≠めざす公務・民間共同の春闘推進にむけ全力をあげる。とくに、地域に共通して存在している総合的な交通体系のしくみや医療・福祉、介護政策のあり方、自治体サービス、住宅や環境保全、住みよい街づくり、地域経済の健全な発展にかかわる要求を持ち寄っての共同を重視し、その実現に努める。
 憲法闘争では、全労連が提起している(1)すべての職場に憲法を守る会の確立を、(2)すべての地域に憲法を守る地域の会や共同センターの確立を、(3)すべての職場で憲法改悪反対署名の過半数集約を、(4)中央、都道府県、産業で労働者9条の会などの結成をにもとづき具体的なとりくみ推進をはかる。

(4)仲間を増やし、組織の力をつけ、魅力ある自交総連の確立を

 「組織強化拡大推進3か年計画」にもとづく2005年度(3年目)の目標は、組織現勢2万3000人(05年8月末現在)から7000人増を果たし、「第29回定期大会までに、実勢3万人を回復させる」ことにある。06春闘では、この目標の達成にむけて本部・各地連(本)ともに集中した組織拡大運動にとりくむ。
 『組織拡大月間』は3〜5月に設定し、組織内未加盟者への対話と加入呼びかけ、地域単位による宣伝、職場訪問、空白県対策など集中したとりくみを行う。空白県の組織化では、東海地域を対象に全労連オルグの活動と連携した行動にとりくむ。
 なお、全労連オルグについては戦略地域の見直しを行った上で、5月1日を目途に配置先の変更を行う。

春闘体制、闘いの流れと統一行動

(1)全労連・国民春闘共闘委員会の構想

 全労連は、「06春闘で重視する新たな運動の位置付け」として、以下の4つを提起している。
 第1は、小泉首相が企む「小さな政府」=『ルールなき競争と格差、戦争社会』に対して、全労連は、「もうひとつの日本」=『安心、平和、平等な社会』をつくることを対置し、すべての職場・地域で共通スローガン≠掲げてたたかうということ。憲法「改正」をめぐっては、「9条・25条を守れ」の世論が圧倒的であり、憲法改悪を許さない06春闘を基本に据えている。
 第2は、「多くの青年や非正規の仲間たちが、仕事や生活、将来について不安をもち、現状の改善を願っているが、残念ながら春闘には参加していない状況」や「青年に、まともな雇用と生活できる賃金を保障することは、日本の経済や社会保障の行方を左右するとともに、労働組合運動の未来にもかかわる重要課題」であることをふまえ、青年や女性、非正規の仲間へのまともな雇用と賃金保障を重視し、春闘の活性化をはかること。
 第3は、国民の安全・安心を切り捨てる「小さな政府論」の正体を暴くこと。全労連は、「小さな政府の正体は、社会保障の切り捨て、消費税・サラリーマン大増税など、国民への大きな負担の押し付けであり、労働組合や公務員バッシングはそれを隠蔽する手段である」とし、小さな政府論の正体を暴き、国民の立場に立った公務・公共サービスの拡充を求める運動の強化を呼びかけている。

 第4は、「組織拡大こそ最大の要求闘争」と位置付け、全組合での実増をめざすことである。
 全国統一行動の主な計画については、次の統一行動を配置している。
 ○1月6日 新春いっせい宣伝行動
 ○  19日 丸の内昼デモ、日本経団連包囲行動
 ○2月11日 トヨタ包囲愛知総行動
 ○  中旬〜下旬 地域総行動
 ○3月10日 青年、女性、パート中央行動
 ○  16日 春闘要求実現をめざす全国統一行動
 ○4月○日 国民的統一行動(憲法、増税、医療問題)

(2)中央・地連(本)闘争委員会の設置

 06春闘を推進するために、第28回中央委員会において中央闘争委員会(常任中執メンバーで構成)を設置する。この中央闘争委員会は全国的闘争指導に責任を持ち、中央で実施される産業別統一闘争の先頭に立つ。また、全国的闘争の戦術配置や地連(本)の指導にあたる。
 各地連(本)は、本部の春闘体制に対応するため、必ず闘争委員会を設置し、地方での具体的闘争を計画・指導する。

(3)中央・地連(本)での春闘準備、宣伝行動の実施

 第28回中央委員会は1月25〜26日、東京・池之端文化センターでひらき2006年春闘方針を決定する。すべての地連(本)は、春闘情勢に見合った闘争体制を確立するため、2月中に春闘討論集会や学習会をひらき基本的な意思固めを行う。
 組合員を激励するため短冊・のぼりなどを作成する。短冊の標語については第28回中央委員会で募集し、例年どおり入選作品を決める。また、組織内はもとより未組織労働者や未加盟組合への宣伝、ビラ配布を重視し、春闘への参加を呼びかける。

(4)闘争計画の具体化と統一行動の配置

(1)春闘スタート、規制緩和失敗の責任を問う2・1宣伝行動

 新道路運送法施行5年目を迎える2月1日に、春闘総決起の呼びかけと規制緩和の弊害を告発し、政府・行政の責任を問うタクシー労働者及び利用者、地域住民への宣伝行動を行う。

(2)行政当局・経営者団体へのいっせい申し入れ行動

 2月中旬〜下旬のゾーンで、労働条件悪化への防止策と改善、増車・運賃値下げ競争をやめろ≠ネど事態改善の緊急要求に関するいっせい申し入れ行動を各地方(地域)ごとに実施する。これを受けて、中央では国交省・厚労省・警察庁及び全乗連への申し入れを3月3日に計画する。自教・観光バスなどの業種については、独自の政策要求を持ち寄っての自治体交渉、未加盟組合訪問などの諸行動を展開する。

(3)未組織の組織化キャラバン宣伝行動の実施

 06春闘では、100人未満の組織実勢である地連(本)対策を重視し、中国・四国と静岡を対象にした本部宣伝カーを活用しての宣伝キャラバン行動(2月19日スタート、10日程度を予定)を計画する。

(4)要求提出とストライキ権の確立

 要求提出は3月○日までとし、集中回答日を3月15日に設定する。ストライキ権については、それぞれの単組(支部)ごとに要求決定の段階で確立する。

(5)自交総連中央行動の計画

 自交総連中央行動は、規制緩和失敗の責任追及と必要な規制強化を重点課題とし3月3日に配置する。自教中央行動については、自教共同センターの具体的提起を受けてその成功に全力をあげる。

(6)タクシーシンポジウムの開催

 規制緩和後の実態告発とタクシーの将来像について考えるシンポジウムを4月22日に開催する。




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