自交総連は、総選挙が確実視された08年秋に以下の総選挙闘争方針を決めましたが、麻生内閣が解散を先延ばししたため、選挙は09年8月実施となりました。この選挙に際しての方針は基本的に変りはありません。

総選挙闘争方針
自公政権の悪政ストップ、規制緩和・構造改革路線を転換して、
自交労働者のいのちとくらし、平和と民主主義を守る政治の実現を
自 交 総 連

2008年9月25日

1.自交労働者と選挙の争点

 福田首相の突然の政権投げ出しにより、衆議院議員総選挙が早ければ10月中にも行われることが確実になりました。この選挙は、自交労働者と国民のくらしに大きな影響を与え、今後の日本の行方を左右するものです。
 歴代の自公政権が進めた規制緩和・構造改革路線により、自交労働者は、たいへんな苦しみを押し付けられています。この苦しみの根源にある政治のあり方を決めるのが選挙です。一人ひとりの労働者・国民が確かな選択をすれば、政治を変えて、生活も良くすることができます。そのために、すべての自交労働者が政治に関心をもち、貴重な投票権を必ず行使しましょう。
 自交総連は、この選挙にあたって、以下の点を重視してたたかいます。

(1) 規制緩和・構造改革路線と完全に決別する政治の実現を

 タクシー・観光バス労働者の労働条件を最悪にしたのは規制緩和です。今日では、あまりの弊害のひどさに、与党でさえ規制緩和見直しをとなえるようになりましたが、そもそも、規制緩和を強行したのは誰だったでしょうか。
 2000年の国会で、タクシー規制緩和の道路運送法改悪に賛成したのは自民、公明、民主の各党でした。反対したのは日本共産党と社民党のみで、とりわけ自交総連の署名の提出や現地調査、国会質問で直接私たちの意見を取り上げ奮闘してくれたのは、日本共産党でした。
 最初に規制緩和に賛成したことを十分反省することもなく、風向きが変わったからと規制緩和見直しを言っていたり、規制緩和の根源である構造改革路線とは対決しない勢力もあります。そこをよく見極めた審判が必要です。

(2) 労働条件改善、政策実現を応援する政治への転換を

 自交労働者の仕事は、政治のあり方と密接に関わっています。
 タクシー、観光バスは国土交通行政、自動車教習所は警察行政、すべての労働者に共通する厚生労働行政のあり方によって、労働条件や労働者の権利が大きく左右されます。悪質経営者が好き勝手なことができるのも、本来は労働者・国民の立場で企業や経営者の違法行為を規制すべき行政が、逆に規制緩和や労働基準の緩和などで経営者・財界の言いなりになっているからです。
 また、タクシー運転免許の実現のように国会で立法措置が必要な政策をはじめ、安全で利用しやすいタクシー・観光バスの実現、自動車教習所を交通安全の生涯教育に活用することなど、自交総連が掲げてきた政策が実現するかどうかも政治のあり方に関わります。
 経営者・財界本位の政治から労働者・国民本位の政治に変えることができれば、自交労働者の要求も大きく前進することができるのです。

(3) 格差と貧困をなくし、憲法・平和を守る政治へ

 構造改革路線は市場原理万能主義の立場に立って大企業優遇、労働者・国民いじめの政治を極限まで推し進め、そのため格差と貧困がかつてないほど広がっています。高齢者医療の改悪が実施され、投機マネーの横行で物価が高騰、くらしを直撃しています。
 自公政権は、憲法改悪をあきらめたわけではなく、米艦船へ給油継続などアメリカいいなりの戦争支援を続けようとしています。
 昨年の参議院選挙で与党が過半数を失ったために、いままでのように数の力で悪政を押し切ることはできなくなりました。今度は衆議院でも、労働者の味方の勢力を前進させ、悪政にさらに強い歯止めをかけることが必要です。

2.自交総連の総選挙へのとりくみ

 総選挙にあたり、自交総連は次のようにとりくみます。

 (1) タクシー規制緩和をはじめ悪政を続ける自公政権の実績を暴露し、自交労働者の生活と権利、平和と民主主義を守ってたたかう政党との協力・共同の関係をもちます。

 (2) 労働組合として特定政党、候補者の推薦は行わず、組合員の政党支持、政治活動の自由を保障します。

 (3) 総選挙の意義の徹底をはかり、規制緩和に対する態度、自交総連の政策要求、国民的課題の実現との関連で、各政党の政策・実績・行動を明らかにし、組合員・自交労働者の政党選択の判断資料を提供していきます。労働者のくらしと政治が密接につながっていることを宣伝し、職場で政治論議がまき起こり、だれもが選挙に関心を持ち、投票権を行使できるようにとりくみます。

 (4) ビラまきを住居侵入や公務員法違反で逮捕するなど警察権力の政治弾圧に断固抗議し、資本や一部労働組合による企業ぐるみ選挙、特定政党支持の押しつけに反対して、国民の政治活動の自由を保障する見地でたたかいます。
 また、特定の勢力による公職選挙法にも違反した匿名での謀略宣伝は、公正な選挙を汚すものであり、労働組合の立場からきびしく批判していきます。

 (5) 各自の投票権が確実に行使できるよう、投票日が勤務日に当たり投票できない場合には、勤務時間中の投票時間を保障し、その分の賃金カット等を行わないこと、もしくは期日前投票する時間を保障することを使用者に要求していきます。

以  上


自 交 総 連