2020年秋季年末闘争方針

1.秋季年末闘争の位置付け

 20秋季年末闘争は、@コロナ危機から労働者を守るたたかい、A白タク合法化阻止を中心とした政策要求の前進、B憲法改悪阻止、国民的要求実現――を重点課題とし、すべての課題を組織の強化拡大を結び付けてたたかう。

2.要求と課題

(1)コロナ危機への対応としての計画休業、休業手当、最低賃金の支払いなどを点検し、休業期間の延長、手当改善にとりくむ。雇用調整助成金・臨時休車等の特例は、内容を充実させ、コロナ終息まで継続するよう求める。
 タクシー・ハイヤーでは上記に加え、@解雇・雇止めの阻止、A年次有給休暇、特別休暇の改善、B割増賃金の適正な支払い、C運転者負担の廃止など、法令違反の一掃を重視し、職場ごとに重点を決めてとりくむ。
 自動車教習所、観光バスでは、年末一時金等に加え、政策提言「権利確保と社会的地位の向上、事業の将来のために」にもとづきとりくむ。

(2)自家用有償旅客運送の無限定な拡大、国家戦略特区でのライドシェア実証実験を阻止し、タクシーを活用した公共交通の充実を自治体に求めていく。白タク行為の排除、無人自動運転の安易な実験や推進を許さない。公共交通機関の安全性・公共性の観点を重視して、世論の構築をはかる。  コロナ危機で営収減少がつづいているなかで、臨時休車の安易な回復をさせず、地域ぐるみで需給調整、減車を求めていく。

(3)コロナ危機でその危うさが露呈した新自由主義・規制緩和政策による自己責任偏重、公共政策軽視の政治を変え、国民のいのちとくらしを守る政治をめざす。改憲阻止、規制緩和政策反対、消費税減税、社会保障切り捨て反対などを掲げ、安倍内閣を継承する自公政権の悪政と対決し、全労連の提起にもとづき、国民とともに政治の民主的転換をめざす。

3.組織の強化拡大

 コロナ危機のなかで、自交労働者は多大な影響を受け、大幅な賃金低下、雇用不安の状態に置かれている。一方で、労働組合が会社と交渉して、休業補償や雇用の維持をはかり、労働者を守っていることへの信頼も高まっており、労働組合に結集して権利を守りたいという労働者の意識の変化が広がりつつある。こうした情勢を活かして、組織の強化拡大にとりくむ。
 来年の春闘時期までに、すべての組織が増勢に転ずることをめざし、コロナ問題での未組織宣伝、アンケート、職場内での働きかけをつよめる。統一行動日など具体的な計画を策定し、全組合員の意志統一をはかる。
 可能なところでは全労連の組織拡大「重点計画」にエントリーすることを検討し、地方労連ぐるみの自交労働者対象の作戦が実施できるようにする。

4.具体的な闘いの進め方

(1)本部では、国交省・厚労省・関係省庁・全タク連交渉を実施する。地方では、以下の要求に地方の重点要求を加え交渉・要請を実施する。
 運輸局・支局に対しては、コロナ対策、白タク合法化阻止、地方公共交通の整備・助成、適切な減車の推進などの施策を求める。
 労働局・労基署に対しては、コロナ対策の充実、法定労働条件確保、違反の根絶を要請し、運輸当局と連携して地域全体で是正するよう求める。
 地方自治体に対しては、コロナ対策、自家用有償旅客運送の安易な拡大の危険性を訴え、乗合タクシーや移動制約者への運賃補助の実現、地域交通政策の策定を求める。
 事業者団体に対しては、コロナ対策、減車、白タク合法化阻止、公共交通の維持についての共同を求める。

(2)コロナ問題については本部作成のビラ・アンケートを活用、地方でも独自の宣伝物を作成して、計画を立て宣伝・対話を実施する。

(3)職場ごとに重点要求を設定し、要求提出は10月30日まで、回答指定日を11月13日までとし、11月中決着をめざす。

5.統一行動の設定と主な日程

(1)自交総連の中央行動は、全労連が設定している11月5日(木)に合わせて配置する。具体的な行動内容については全労連や交運共闘と調整する。

(2)春闘準備として、未組織労働者との対話も含めて「はたらくみんなの要求アンケート」にとりくみ、昨年を上回る回収数をめざす。

(3)主な日程

2020年9〜12月  組織拡大月間
    10〜11月  地方自治体、運輸局(支局)、労働局交渉
    10月15日  第43回定期大会(書面開催)
       30日まで  要求提出
   11月13日まで  回答指定日
       5日  自交総連中央行動(全労連統一行動)
       18〜19日  国民春闘討論集会
2021年1月27日  第43回中央委員会(書面開催、春闘方針決定)



自 交 総 連