抗議声明
|
台数規制の廃止政策は、必ず失敗し破綻する。
安心・安全なタクシーを破壊する悪法成立に賛
成・加担した者の責任は、決して免れ得ない。
|
2000年5月18日
全国自動車交通労働組合総連合会
中央執行委員長 佐伯 幸一 |
タクシーの台数規制を廃止する道路運送法「改正」案は本日、参議院交通・情報通信委員会で日本共産党と社民党を除く各党の賛成で可決された。自交総連は、衆議院につづく今回の暴挙、すなわち政府・与党三党の「初めに結論(台数規制の廃止)ありき」的姿勢と無責任さ、日本共産党などの道理ある指摘・主張にいっさい耳を傾けず、形だけの『審議』をもって強行した採決・可決に対し、満身の怒りをもって強く抗議する。
規制撤廃の失敗・再規制への移行という苦い経験を経て、「台数規制はタクシーの安心・安全、事業の健全的発展にとって必要・不可欠である」との流れは、アメリカ・ヨーロッパ諸国を初め『世界の常識』となっているにもかかわらず、そのもつ意義・教訓は、こと日本においては「規制緩和万能論」のもと、国会審議の場においてさえ軽視され、政府・「規制緩和推進政党」をして一顧だにされることはなかった。
自交総連が提言していた「タクシー運転免許の新設」についても、真剣に検討されることはなく、生かされなかった。
政府が国会審議のなかで強調した安心・安全を担保する万が一の手段である『緊急調整措置』(参入・増車の停止)の方策も、それはいわば「抜かずの宝刀」となる可能性が強く、発動したとしても「後の祭り」となる危険性がきわめて高いことも、国会審議の過程を通じて明らかとなっている。
このような欠陥法を「とおした者の責任」は免れ得ない。自交総連は来る総選挙に際し、かかる政党・議員のとった行為を断じて許さない。
自交総連は、タクシー破壊法成立という新事態に際し、新たな決意で、タクシー運転者優位のしくみの確立と台数規制の必要性を広く国民に訴えるとともに、ひきつづき地域社会に密着した安心・安全なタクシーの実現にむけ全力をあげて奮闘するものである。
自 交 総 連