いっせい地方選挙・参議院選挙闘争方針
2007年3月5日 自交総連第1回中央闘争委員会
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いっせい地方選挙前半戦 都道府県知事・議員、政令市長・議員選挙投票日 |
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いっせい地方選挙後半戦 市区町村長・議員選挙投票日 |
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参議院選挙投票日 |
2007年は、12年ぶりにいっせい地方選挙と参議院選挙が同時に行われる重大な政治決戦の年です。それぞれの選挙は、自交労働者と国民のくらしに大きな影響を与え、今後の日本の行方を左右するものです。
規制緩和や乱暴なリストラ「合理化」攻撃のもとで、自交労働者は、最低限の生活さえ確保できないほどの苦しみを強いられていますが、この苦しみの根源にあるのが労働者・国民のくらしをかえりみないこの国の政治のあり方です。そして、政治のあり方は選挙によって決まります。現状にあきらめることなく、一人ひとりの労働者・国民が行動すれば、政治は変えることができます。そのために、組合員みんなが政治に関心をもち、貴重な一票を必ず行使しましょう。
自交総連は、この選挙にあたって、以下の点を重視してたたかいます。
タクシー・観光バス労働者の労働条件を最悪なものにしているのが規制緩和であることは言うまでもありませんが、この規制緩和を強行したのが誰であったのかを忘れるわけにはいきません。
2000年の国会で、タクシー規制緩和の道路運送法改悪に賛成したのは自民、公明、民主、保守(当時、自民に吸収)、自由(当時、民主と合併)の各党でした。反対したのは日本共産党と社民党のみで、とりわけ自交総連の署名の提出や現地調査、国会質問で直接私たちの意見を取り上げ奮闘してくれたのは、日本共産党でした。
今日では、規制緩和の弊害のあまりのひどさに、規制緩和見直しをとなえる政党や議員も増えていますが、最初に規制緩和に賛成したことを十分反省しているとは思えない勢力もあります。タクシーの安全と安心を守るためには、悪法に賛成した規制緩和推進勢力にはきびしい審判を下さなければなりません。
自交労働者の仕事は、国と地方の政治のあり方と密接に関わっています。
タクシー、観光バスは国土交通行政、自動車教習所は警察行政、すべての労働者に共通する厚生労働行政のあり方によって、労働条件や労働者の権利が大きく左右されます。悪質経営者が好き勝手なことができるのも、本来は労働者・国民の立場で企業や経営者の違法行為を厳密に規制すべき行政が、その役割を放棄して、逆に規制緩和や労働基準の緩和などで経営者よりの行政を行っているからです。長年つづいてきた自民党政治のもとで、政・財・官が癒着し、こうした反労働者的な行政が行われてきました。
また、タクシー運転免許の実現のように国会で立法措置が必要な政策をはじめ、安全で利用しやすいタクシー・観光バスの実現、自動車教習所を交通安全の生涯教育に活用することなど、自交総連が掲げてきた政策が実現するかどうかも政治のあり方に関わります。
さらに、地方政治の分野でも、福祉タクシーや乗合タクシーの充実、地域の輸送秩序の維持、学校や住民への交通安全教育など、地方自治体の政策が自交労働者の要求と直接関係を持っています。
こうした国と地方の政治を、経営者や財界本位の政治から労働者・国民本位の政治に変えることができれば、自交労働者の要求も大きく前進することができるのです。
労働者全体、国民全体に関わる問題でも、重大な課題が山積しています。
安倍首相は、任期中に憲法を改悪することを公言し、昨年秋には、憲法と両輪ともいえる教育基本法の改悪を強行、改憲準備のための国民投票法を5月3日の憲法記念日までに成立させようとしています。憲法改悪は、アメリカの戦争に自衛隊が参加する条件を整え、憲法のおかげで戦後62年間守られてきた「戦争をしない国」から「戦争をする国」へと変えてしまうねらいをもっています。
広がる一方の格差と貧困の問題でも、安倍内閣は、市場原理万能主義の立場で規制緩和に象徴される構造改革をいっそうおしすすめ、大企業優遇、労働者・国民いじめの政治を続けようとしており、すでに実行された社会保険料の負担増、住民税・所得税の増税にくわえて、扶養控除の削減などサラリーマン増税、消費税増税をもくろんでいます。
労働法制の改悪でも、世論の反発の前にホワイトカラー・イグゼンプション(残業代ゼロ法案)の今国会提出こそ見送ったものの、決してあきらめたわけではありません。財界の提案に従い、雇用・賃金・労働時間などあらゆる面で労働基準を破壊し、労働組合の団結権や団体交渉権さえ奪う「労働ビッグバン」の検討を開始しています。
「守ろう憲法・平和、なくそう格差と貧困、つくろう安全・安心な社会を」のスローガンを掲げて闘う全労連春闘での要求闘争とも結んで、二つの選挙戦で平和勢力、労働者の味方の勢力を前進させることが、自らのいのちとくらしを守る道です。
自交総連は、安倍内閣・自公政権の悪政を打破し、国と地方政治を革新することをめざし、二つの選挙戦でつぎのようなとりくみを行います。
(1) タクシー規制緩和をはじめ悪政を続ける安倍内閣・自公政権の実績を暴露するとりくみを強めるとともに、自交労働者の生活と権利、平和と民主主義を守ってたたかう政党との協力・共同の関係をもちます。
地方政治の分野でも、汚職や腐敗をただし、住民本位の政治をめざし、自交総連の掲げる地域政策の実現をめざします。
(2) 地方首長選挙でのとりくみ
各地連・地本は、自らの地域政策要求を掲げ、広範な諸勢力とともに対等の立場で共同の候補者擁立に参加します。その際には、自交労働者の共通の要求にもとづいてタクシー、自教、観光バスなどの交通政策を含めた政策協定を結ぶようにします。共同で擁立した推薦候補者の勝利のために積極的に奮闘します。
具体的な選挙支援行動については、各地方ごとに決めます。
本部では、地連・地本より推薦要請のあった都道府県知事候補については、中央執行委員会で確認のうえ推薦します。
(3) 地方議員選挙、参議院選挙でのとりくみ
地方議員選挙、参議院選挙においては、特定政党、候補者の推薦は行いません。
組合員の政党支持、政治活動の自由を保障します。
(4) いっせい地方選挙・参議院選挙の意義の徹底をはかり、タクシー規制緩和に対する態度、自交総連の政策要求、国民的課題の実現との関連で、各政党の政策・実績・行動を明らかにし、組合員・自交労働者の政党選択の判断資料を積極的に提供していきます。
自交労働者の労働条件と政治が密接につながっていることを宣伝し、職場で政治論議がまき起こり、だれもが選挙に関心を持ち、投票権を行使できるように、活発なとりくみを行います。
(5) ビラまきを住居侵入や公務員法違反で弾圧するなど近年顕著になっている強権的な警察権力の姿勢に断固抗議し、資本や一部労働組合による企業ぐるみ選挙、特定政党支持の押しつけに反対して、政治活動の自由を保障する見地でたたかいます。
また、特定の勢力による選挙法にも違反した匿名での謀略宣伝は、公正な選挙を汚すものであり、労働組合の立場からきびしく批判していきます。
各自の投票権が確実に行使できるよう、投票日が乗務・出勤日に当たり投票できない場合には、勤務時間中の投票時間を保障し、その分の賃金カット等を行わないこと、もしくは不在者投票する時間を保障することを使用者に要求していきます。