自交労働者No.547、2000年11月15日 |
雇用や賃金に不安 | ||
組合に結集して権利確立を | ||
不安定雇用といわれる嘱託・アルバイトなどの乗務員には正確には二種類あります。 アルバイトは違法 ひとつは、アルバイト乗務員で、これは法律違反の雇用形態です。安全性の面からも許されるものではなく、実態を見極めて、是正させるよう運輸当局にも申告していくことが必要です。 もうひとつは「定時制乗務員」といわれて、諸法規をクリアした条件で雇用されている労働者です。 定時制は組織化を この定時制乗務員については、安上がりの労働力として使われている実態から無制限な増加は抑制しなければなりませんが、現に雇用されている人達は、多くが無権利状態で、雇用継続や労働条件に不安をもっていることから、労働組合に組織し、雇用と労働条件を守ることが大切です。 定時制でも、有休などの権利は当然ありますし、労働時間が正規の4分の3以上であれば健保と厚生年金への加入義務が発生。一年雇用契約でも経営者の勝手な雇用打ち切りは許されません(下記)。 |
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全乗連 定時制乗務員の雇用管理に当たって留意すべき事項 | ||
○乗務予定日については、勤務日、勤務割を特定する必要がある。 ○賃金については、通常の乗務員の賃金と原則として同一水準とすることに配慮する。 ○労基法39条により年次有給休暇を付与することが必要である。 ○兼職は原則として禁止する必要がある。 ○労災保険については、全面的に適用されるので適正な申告が必要となる。 ○雇用保険、社会保険関係については、それぞれの保険制度の適用基準により、定時制乗務員であっても一定の要件を満たす場合には被保険者となるものである。 |
1年雇用の契約更新拒否を無効とした判決 (山口地裁 昭和60年(ヨ)第62号) |
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本件契約は特段の事由がない限り更新されることが原則であって、使用者が債権者らとの雇用契約を消滅させるためには、期間満了の際に更新を拒絶する旨意思表示をなすことを必要とし、しかもその際全く恣意的な更新拒絶が許されている訳ではなく、そこには自ら公序良俗、信義則、権利濫用法則等のいわゆる一般条項による制約が存する。 |
旅客自動車運送事業等運輸規則 | ||
第35条 旅客自動車運送事業者は、事業計画の遂行に十分な数の事業用自動車の運転者を常時選任しておかなければならない。 第36条 旅客自動車運送事業者は、次の各号の1に該当する者を…運転者として選任してはならない。 一 日々雇い入れられる者 二 2月以内の期間を定めて使用される者 三 試みの使用期間中の者 四 14日未満の期間ごとに賃金の支払いを受ける者 |
有休取れた | ||
嘱託者が組合結成 | ||
北海道の旭川中央ハイヤーでは、嘱託者は雇用契約の一方的打ち切りや有休もとれないなど無権利状態でした。さらに会社が賃率を引き下げると口頭で通告してきたことから不満が高まり、正社員の組合(全自交)に相談しても組合には加入できないとして相手にされず、自交総連に相談、今年3月に嘱託者の組合を結成しました。 結成後の交渉で、賃率は逆に2%アップ、嘱託者はかつて取ったことのなかった有休が取れるようになるなどの前進をかちとっています。 |
状態悪化に歯止め | ||
2001年春闘方針案底上げを重視 三役専従合同会議 | ||
自交総連は11月9日、福島市内で三役・専従合同会議をひらき、2001年春闘方針案の骨子などについて検討しました。 春闘については、位置付けを、労働組合存立の原点に立って、「許すな これ以上の状態悪化、底上げと雇用の確保」として、地域を軸にタクシーの将来像を見すえた運動を展開することを重点としてすすめるとの提起のもとに自由に論議。 要求自体が提出できない組合がある、自分の会社や組合員のことだけに目を奪われて、未組織労働者の底上げを軽視する傾向など、弱点も直視して、十分学習を重ねて春闘の準備をすすめていくことを確認しました。 また、組織拡大を最重要課題として、すべてのとりくみと結合していくことが強調され、不安定雇用労働者の組織化など具体的な対策を講じていくこととしました。 |
「累進歩合は廃止を指導」 | ||||||
労働局と陸運支局へ要請 山口地連 | ||||||
応対した伊津野監督課長は、「組合の要請については確実に本省にあげる」また「監督機関として、労基法、改善基準に関して違反業者があれば当然行政指導する」「累進歩合について、廃止を指導する」と答えました。 組合側は、労基法や改善基準告示違反は一向に減っていないことを指摘、サービス残業の根絶と陸運支局との相互通報制度の活用強化を申し入れました。 このあと、陸運支局と交渉、とくに緊急調整措置について、供給過剰状態を改善するため、発動要件については、実車率50%と運収、賃金水準に基づくことを強調しました。 |
県庁と36市町へ要請 | ||||||
網の目キャラバンに参加 鹿児島地連 | ||||||
県知事、鹿児島市長をはじめ、11月9日までに36市町に『地域住民の足を守る「安心・安全」なタクシーをめざす要請』を行い、タクシー乗り場増設、乗合タクシーや福祉・介護タクシーの拡大などを申し入れています。 県庁では、専門課から後日文書で回答とのこと、鹿児島市役所では、内田市民局長が対応し、タクシーの実情にはある程度の理解は得られました。 キャラバンは11月17日までつづきます。 |
「労働条件の悪化認識」 | ||
仙台市と労働局へ要請議 宮城地連 | ||
【宮城】宮城地連は10月26日、仙台市に対し、市と関係者によるタクシー懇談会の開催などタクシー政策を申し入れました。日本共産党の山脇市議団長が同席、「減車は市としても対応すべき課題だ」と追及しました。 10月31日には労働局と交渉、実例をあげ累進歩合や分離給導入の進行、足切り以下の制裁的カット条項の排除などを要請しました。 対応した萩原監督課長らは、「規制緩和の流れで労働条件の悪化は十分認識している。申告があれば親切・丁寧に対応するよう努めている。法違反は厳正に対処する」「組合側が事実に基づく証拠を出せば対処できる」と答えました。 |
古知氏を労基法違反で刑事告訴 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
無法ぶりは目にあまると 千葉・埼玉・イースタン労組 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【千葉】千葉地本、埼玉地連及びイースタン労組の代表者が埼玉県大宮市で10月31日、イースタンにおける協定無視、是正勧告無視に対する合同会議をひらき、古知一郎代表者を監督署に刑事告訴、民事訴訟をも視野に入れ、悪質企業をこれ以上のさばらせないためにも全国的な運動に発展させ歯止めをかける役割をと一歩踏み出すことを確認しました。 北港梅田グループがイースタンを買収して以来、これまで関東ブロック規模で系列会社を中心に共闘会議を発足させ、一定の歯止めをかけてきましたが、依然として古知資本の横暴はやまず、埼玉・千葉のイースタンでは、いずれも労使協定を会社側が一方的に有利に拡大解釈し、その無法振りは目にあまるため、やむなく各陸運支局、監督署にこれまで連続して抗議・要請をしてきました。 監督署も組合の当然の要求・要請に応え、是正のために勧告をし、更に呼び出しをと努力してくれたものの、勧告には従わず、呼び出しにも応じないため、もはや告発以外ないと合同の対策会議で確認したものです。 個別のたたかい、関東ブロック周辺のたたかいに絞ることなく全国的なたたかいへと広げることを視野に入れて奮闘する覚悟です。
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自 交 総 連