自交労働者No.548、2000年12月1日 |
1000人500台で運輸省へ請願 | ||||||||||||||||||||||||||||||
集会、デモ、省庁交渉も実施 | ||||||||||||||||||||||||||||||
冷たい雨が降るなか朝9時から霞ヶ関の官庁街でビラをまいて宣伝、宣伝カーからはタクシー労働者の悲惨な実態を訴えました。 11時には、運輸省前に集合、山形から大分まで16地方の代表も参加し、東京の営業車も続々と結集して請願を開始しました。 宣伝カーの使用が15分に制限される警察の不当な強硬姿勢もありましたが、整然と並んで請願を行いました。 請願後、日比谷野外音楽堂で全労連・国民春闘共闘の集会に参加、国会までデモ行進をしました。 午後からは代表が運輸省、厚生省、警察庁と交渉しました。 実効ある歯止めを この日の行動は、規制緩和される道路運送法が来年秋以降に施行されるのにむけ、安全基準や労働条件を確保し、タクシー破壊に歯止めをかけるため、実効ある政省令、運用基準・通達をつくるよう政府・運輸省に求めるものです。 法成立の際には、衆参院で附帯決議がされているのをはじめ、国会審議の過程でも政府は、安全や労働条件は確保すると約束しています。この約束を守らせるため、今後も各地方で運輸局、労働局、地方自治体などに要請行動をつよめていくことにしています。 |
悪貨は駆逐しなければならない | ||
定時制よくないもの方針で示す 運輸省交渉 | ||
領家委員長、今村書記長他18人が臨んだ運輸省交渉(11月17日)では、自交局旅客課海谷補佐官他2人が応対し、次のような見解を明らかにしました。 まず、同補佐官は「改正」道路運送法の施行が、来年度後半になるとした上で、「附帯決議は全会一致のものであり尊重していく。その他の行政機関との調整も必要」とし、累進歩合制度の廃止問題については、「運輸省のやれることを含め、労働省とのすり合わせが必要と思う」と述べました。 新規参入については「悪貨は駆逐しなければならない」としつつ、審査や監査の厳格化も行い、相互通報制も活用して「きちんとした処分、問題ある事業者の公表をしていく」と述べ、事業の休廃止では「不当労働行為があれば、労働省とも連携し対応する」と説明しました。 緊急調整措置については、「法律の根幹にかかわる重大事項」であり、「判断基準については、絶対値や経年変化もみながら、客観性のあるものとして検討している」とし、運賃の下限設定問題では、「不当な競争を引き起こすようなものであってはならない」と述べました。 また、運転者の選任のやり方については、「今までどおりで基本的に変わるところはない」とした上で、「選任事項の中で、日雇い的なものは禁止されており、これも今までと同じだ。(組合から指摘のあった定時制乗務員問題については)よい定時制とよくない定時制があり、はっきりさせていくことが重要。この点での方針を示すことが必要だ」と言明しました。 |
社保ごまかしは是正指導 | ||
パートの社保加入基準示す 厚生省交渉 | ||
11月17日の厚生省交渉には菊池専従中執、鈴木常執ら22人が参加、社会保険庁医療保険課小田原主査ほか2人が対応しました。 北港梅田グループ(古知資本)など悪質事業者が行っている賃金の一部を「貸付金」名目にして一時金で精算することで毎月の社会保険料を少なくするという社会保険のごまかしについて、「(10年前に通知を出して)適正化がはかられたと思っていたが、今日指摘されたようなことがあるとすれば、事実を確認して、不当なものがあれば指導する」と答え、東京・イースタン労組が賃金明細など具体的な資料を示して追及したのに対しても、資料につよく関心を示して「事実を調べる」と回答しました。 パートなど不安定雇用労働者の社会保険加入の基準を質問したのに対しては、「労働時間が正規雇用労働者の4分の3以上であれば社会保険の適用とするよう指示を出している。それ以下でも実態をよく確かめて判断すべきものだ」としました。 組合側が、さらに4分の3というのは1日の労働時間か1月の総労働時間かとただすと、片方だけが4分の3以上でも、実態をよく確かめて、適用すべき事例となるケースがあると答えました。 また、保険料を払いたくないので社会保険を脱退してしまう例について追及すると、「当然違法で倒産・休業の届が出ても事業の継続をしていれば、社会保険は強制適用なので当然加入するよう指導している」と答えました。 |
代行取締りは厳正に対処 | ||
背後責任の資料提出してくれ 警察庁交渉 | ||
11月17日の警察庁申し入れには高松副委員長、久賀書記次長、小林中執、大阪・久保、京都・益田、福岡・藤の6氏が参加。警察庁交通局交通企画課藤原警部・同高橋警部ら5人が対応しました。 輸送の安全確保をはかるため運転者に対する安全教育の充実について、「安全教育は7000件43万人が受講された。関係業者に今後も引きつづき要請していきたい」。 運転代行については、「お客さんの安全にも影響するので陸運局と連携、昨年だけで55件検挙している。運輸省とも連携し、厳正に対処したい。代行の国会法案提出については両省庁と法整備を検討中、時期が来たらパブリックコメントでお願いしたい」。 タクシー強盗など防犯対策については、「防犯ガラスが一番、スモークガード(煙の出る防犯器具)をすすめている。スピード違反に対する行政処分や、悪質企業の背後責任については具体的事実や資料を組合さんから提出していただければそれなりに対処します」。 参加した大阪の代表は、走行キロによる賃金カットの仕組みがひどくそれを正さなければ事故はさらに増える。京都の代表は、駅前バス乗り場付近にMKが勝手に乗り場をつくる。福岡の代表はせっかくタクシー乗り場を確保したのに自家用車や代行が占拠しているにもかかわらず県警は取締まらない、なんとかして欲しいと窮状をそれぞれが訴えました。 |
オール歩合の割増賃金支払え | ||
労基署が調査、支払い命令 静岡・石川タクシー支部 | ||
【静岡】自交総連富士急石川タクシー支部は、オール歩合の割増賃金が支払われていない問題で、資料を揃えて労基署に要請していましたが、労基署は11月10日、富士急石川タクシー本社に調査に入りました。その結果、労基法37条違反と判断し11月14日、会社に対し、申し出のあった組合員とそれ以外の160人余りの運転者全員に8月分からの割増賃金を支払うよう命令を出しました。 同社ではオール歩合賃金が導入されて以降、賃金明細には一応「割増賃金」の項目があり金額も入っているものの、実際にはオール歩合で先に総額を決めて、そのなかで各項目にふりわけるというやり方で、実質的には一切割増賃金を支払っていませんでした。 このため支部では、各組合員の賃金明細、労働時間などの資料を集めて、裁判闘争も念頭におきつつ、労基署に要請していました。 支払い命令を受けて、支部では、別組合の組合員にも大規模に宣伝し、会社は早急に支払い命令に応じるよう要請しています。 |
会社に損害賠償を命じる | ||
解雇は無効と判断 奈良地裁 | ||
ストライキを理由に檀委員長を不当解雇するなどの攻撃をつづけている大和交通(カイナラ)に対し、組合が不当労働行為に対する損害賠償を求めていた裁判で奈良地裁は11月15日、会社の不当労働行為を認め、組合と檀委員長に計88万円を支払うよう会社に命じる判決を出しました。 同労組は、運賃値上げ時の公約を守らない会社に対し96春闘でストを実施しましたが、会社はこれを違法ストだとして檀委員長を解雇。組合が不当労働行為による解雇や支配介入で受けた損害の賠償を求めていました。 一方、会社もストによる損害の賠償を求めるとして組合を逆提訴していました。 判決は、組合がピケで出庫を妨害したのは不当と認定して組合側に18万円の支払いを命じていますが、他方では、解雇は委員長に対する差別扱いで不当労働行為に当たり無効とし、さらに会社の不誠実団交も認めており、総体として組合側の完全勝利といえる内容です。 また会社は、ストを指導したなどとして組合顧問の佐藤弁護士をも被告として提訴していましたが、これは明確に棄却されました。 解雇の件については、別に地位確認を求める裁判が行われており、高裁が解雇を認める不当判決を出したため組合側が最高裁に上告しています。 今回解雇を無効とする判決が出たことで最高裁での逆転勝利へむけても好材料をかちとったことになります。 |
新加盟のなかま | ||
上部に加入し運動 (634)京都・高速タクシー労組 | ||
【京都】高速タクシー労組(竹中裕造委員長、92人)は10月1日、定期大会で自交総連京都地連に当面オブザーバー加盟で復帰することを決めました。 同労組は以前に分裂、一方の組合が地連に加盟していましたが、その組合が消滅した結果、地連との関係が途絶えていました。今日の情勢の中で「上部組織に加入して運動しよう」との意見が多くなり、地連復帰を決めたものです。 |
増車のツケを労働者に *埼玉・京王交通埼玉労組 | ||
【埼玉】最大手の京王交通で9月28日、新たに大宮・上尾の2営業所が総連加盟、組織は8倍の200人となりました。 同社は規制緩和に乗じて大量増車を行いましたが、あふれるタクシーにJRが構内権を制限、会社は迎車料金返上を打ち出し、犠牲はすべて労働者に。 怒った労働者が、以前から加盟していた与野営業所の仲間や地連の働きかけで、交通労連を脱退して加盟したものです。 |
自 交 総 連