自交労働者No.555、2001年4月1日 |
許すな、組合つぶしの廃業――北海道・第一小型ハイヤー(吉野常男社長、158台)の全員解雇・廃業問題で、総連本部は3月22日、北海道地連と協力し1日総行動を札幌市内で繰り広げました。 |
支援を集め札幌で1日総行動 | ||||||
道運輸局では、「その必要性についてはもちろん、当事者の経営内容、労使関係その他経営の実情を調査するとともに、客観情勢についても十分把握の上、慎重に対処すること」(昭和41・12・24依命通達)とされた主旨にそって対応している。また、道労働局とも連携し、問題の起こらない方向で解決できるよう努力する、との説明をうけました。 労働局は、緊急対応として調査を行い、残業問題や嘱託者の労働条件、保障給の定めにかかわって「改善勧告」(4月13日を期日として)を行ったとした他、今回の廃業は「モラルにかけるやり方」との感想をもらし、適正な措置を期待したい、と述べました。 激励・報告集会には支援共闘会議、日本共産党の代表などを含め140人が参加。これまでの闘いで、廃業の不当性がいっそう明らかになる中、道運輸局が廃業許可の延期を行ったことなどの成果を確認しあいました。 |
第一小型の廃業で運輸局交渉 | ||
瀬古議員らが現地調査 日本共産党 | ||
【北海道】第一小型ハイヤーが廃業を申請している問題で3月7日、日本共産党の瀬古由起子衆院議員、大幡衆院議員の阿部秘書らは札幌に現地調査に入り、道運輸局・労働局・ハイヤー協会と交渉、運輸局は、地労委にかかっている団交拒否問題も考慮して判断すると答えました。 3・2中央行動での北海道地連の議員要請に対し、瀬古議員らは、重大な問題なので緊急に現地調査に入ると約束、さっそく実現したものです。 瀬古議員らの申し入れに運輸局側は、組合が道労委に申し立てている問題は、結論を出す上で、大事な要因になると答え、会社側にもそのことを伝えてあると述べました。 また道議会では12日、同党の大橋議員が質問に立ち、組合つぶしの廃業ではないかと追及、、堀知事は「雇用情勢が厳しい折、多くの失業者が生じかねないことから、労使関係者間において十分な話し合いがなされるよう努力を期待したい」と答えました。 |
夏までに運用基準を策定 | ||
地域協議機構はつくる 国土交通省交渉 | ||
自交総連は3月14日、国土交通省と「改正」道運法の運用基準策定などについて交渉しました。今村書記長ら4人が参加、自交局旅客課海谷(かいや)課長補佐ら3人が対応しました。 省側は、運用基準は夏頃までには作成したいとし、関係者から意見を聞くことを明らかにするとともに、今回の法改正は需給調整をなくしただけで、それ以外の基準をないがしろにするものではないと強調、「基準はきちんとしたものにしたい」と述べました。 個別項目の回答要旨は次のとおりです。 ◇法違反事業者の公表、処分=情報公開はきちんとやっていきたい。許可後もチェックしていきたい。 ◇緊急調整措置=複雑でない透明性のあるものとする。全国一律でなく地域実態に応じ考え方、指標を示す。 ◇運賃=過度のダンピングで無茶苦茶にならないようにする。 ◇乗務距離の最高限度=対象地域は広げる方向。改善基準告示とのリンクを検討中。 ◇運転者の選任=(アルバイト禁止などを定めた)運輸規則第35、36条を守るのは当然。運転者の選任の昭53年通達も生きている。定時制でいいものと、悪いものを区分けして考えていく。 ◇地域協議会=バスと勘違いしている局があったが、名称は違っても話し合いの場を都道府県単位でつくるよう局にいっている。 その他、北海道・第一ハイヤーの廃業問題については、労働関係とも連絡をとりながら慎重に対応するとしました。 |
運用基準は現行以上に | ||
地域協議機構をつくる 各地で運輸局・支局と交渉 | ||
基準は従来より下回らない 【東京】関東ブロックは2月27日、関東運輸局と交渉しました。局から佐藤課長ら5人が対応しました。 局側は、運用基準については「従来より下回らないように考えている。(義務付けは難しいが)許可申請に際しては、就業規則、ダイヤも考えたい」と回答、審査を厳格にとの要請には「現在も厳格に行っている」としました。 また、最高乗務距離については、「地方運輸局が定めるようになっているので、検討委員会を設置して検討している。(現行の)365キロ問題では労働組合の代表からヒアリングをする」と述べました。 一方、タクシーの地域協議会については、バスの協議会と混同して、設置の必要がないかのような回答だったため、改めて要請することにしています。 協議機構に自交総連入れる 【茨城】茨城地連は3月16日、茨城陸運支局に(1)迎車メーターの返上とゾーンBの下限運賃の併用認可の問題、(2)タクシー地域協議会構想の公開などで交渉しました。 運賃値下げが続く県北地区に呼応し、30余社がひしめき足切り35万円にとどかぬ県央水戸市で、B型に遅刻・早退、欠勤カットが導入され、迎車メーターを放棄する会社も出現。労働者は食事時間も取れず「パンと牛乳の車内食事」「寝る間も惜しむトランクの洗面道具」が蔓延する末期症状に、「現行法の責任はどこへいったのか」と詰め寄りました。「茨城の遅れたタクシー行政を日本一にしたい」と提案すると、侭田(ままだ)輸送課長は「8月に運用基準ができる。タクシー地域協議機構には当然自交総連さんに入っていただく」と回答しました。 法違反の監督指導を厳格に 【高知】四国ブロックは3月7日に四国運輸局交渉を行いました。 局側は、地域タクシー協議会の設置について、「労働組合も入った協議会になるのではないか」と答えました。 組合は、暴力団排除の方策を講じることと附帯決議の履行、東讃交通の法違反に監督指導を厳格に行ってもらいたいと要請。今治市ではアルバイト・パート運転手が蔓延し、正規運転手の生活を脅かしていると伝えました。 局側は、申告に基づいて調査し違反があれば対処すると回答しました。愛〓県内の監査予定に今治市を入れることを検討すると話しました。 また、3月5日に行なわれた高知市への申し入れでは、タクシー協議会設置に前向きの回答が得られました。 累進歩合廃止は重要課題 【福岡】3月2日、九州ブロックは九州運輸局交渉を行い、21人が参加しました。 代表は(1)法令違反事業者の取り締まり強化(2)介護タクシーの一層の推進(3)防犯対策(4)総量規制――など10項目に及ぶ要請文と本部の要請文についても回答を求めました。 奥野課長は「指導が十分でなかったことは否定できない」「現在の論点は大きく分けて(1)参入基準(2)運賃の取り扱い(3)緊急調整措置(4)運輸規則の4点だ」とし、「施行規則、運輸規則などの省令は年度内にも示される予定」などと回答。また「運転代行は今国会で成立し、施行日は道路運送法と同じになるのでは」と答えました。 さらに「累進歩合やノルマの強要問題は、最重要課題と考えている」と回答し、介護タクシーの法的根拠について解説しました。 |
ぐるみ選挙やめさす | ||
個人タク協会に公開質問状 東京・個タク労組 | ||
【東京】全国個人タクシー協会(全個協、本間嗣治会長)が、夏の参議院選挙で自民党から立候補予定の藤野公孝氏(元運輸省総務審議官)を協会ぐるみで支援しようとしていた問題で、東京地連個人タクシー労組と個タク問題を考える会は2月11日、公開質問状を提出、批判の高まりに全個協は、ぐるみ選挙の中止を決めました。 全個協は、藤野氏の支援署名を支部ごとに割り振ったり、同氏のパーティー券を購入するなど、協会ぐるみ選挙を展開していましたが、全京都協組互助支部など内部からも批判が相次ぎ、個タク労組は、パーティー券はどの会計項目で購入したのか、タクシー規制緩和を推進してきた運輸官僚をなぜ支援するのか、などの公開質問状を提出していました。 しんぶん赤旗でも大きく報道され、批判が高まるなか、全個協は、選挙活動と誤解されるような活動はしないとの内部通達を各支部に出しました。 個タク労組では、ひきつづきパーティー券購入の真相を追及することにしています。 |
自 交 総 連