自交労働者No.556、2001年4月15日 |
4月24〜28日を統一行動ゾーン 第4回中執 | ||||||
春闘は、東自教の9労使集団交渉が4000円で決着、タクシーの一部でも解決していますが、全体としては依然たたかいがつづいています。 大阪・南海系列の第一交通への売却など新事態も発生、警戒心をもって全員参加の態勢で早期決着を図ることが強調されました。 解決基準として(1)賃下げは認めない。現行賃金の改善とプラスαの獲得(2)額の水準にかかわらず、納得のいく中味での解決(3)将来展望を切り開くに足りうる政策合意の取り付け――を確認しました。 今後の戦術では、4月17〜19日の第2波統一行動につづき、24〜28日を解決をめざす統一行動ゾーンとして、地方ごとに設定を行うこととしました。 2日目には、「廃業、倒産、身売りに対し、いかに対処してたたかうか」「タクシー運転免許構想を踏まえ、地方からどう接近していくか」をテーマに学習会をひらき、北海道・菊地、東京・石川、大分・高野各常執の報告を受けて討論しました。 |
南海タクが第一交通に株式売却 | ||
地連あげてたたかう 大阪地連 | ||
【大阪】南海電鉄は3月30日、グループのタクシー会社7社(計584台)の株式を第一交通産業(黒土始代表、本社=福岡県北九州市)に譲渡しタクシー事業から撤退すると発表しました。 組合側に対する説明は3月30日、南海タクシー本社で、南海グループ役員と第一交通産業側役員が出席して行われました。 大阪地連は4月2日、緊急の地連3役専従・佐野南海・堺南海・白浜南海労組代表者会議をひらき、各職場から一連の経過や職場の実態報告をした後、広島・広電タクシーの例など各地での第一交通の組合つぶしの手口などを学び意志統一を行いました。 当面の対策として、(1)職場集会(2)雇用継続・職場権利確立・労働条件継続(3)対策会議を大阪地連規模で設置(4)大阪地連・単組の闘争財政の確立(5)すべての南海タクシー労働者と連帯した闘争強化(7)地域の民主団体・市民・利用者との共同、地域を中心とした支援体制の強化(8)弁護団との連携などを討議・意志統一しました。 この方針をうけ、4月3日の第2回戦術委員会でも、さらに補強も加えた方針を確認しました。また、4月6日の第3回拡大闘争委員会で、対策会議の名称を「福岡・第一交通産業対策会議」と決定、役員体制なども確認され、大阪地連をあげてたたかっていくこととしました。 4月6日には、組合員に一言の説明もしないまま、一方的に第一交通に売却した南海電鉄に対して、道義的・社会的責任を果たせと、抗議の申し入れを行いました。 |
年収格差は229万円に | |||
タクシーと男子常用 時間賃金は半分以下 | |||
労働省の統計によるタクシー運転者と男子常用労働者の労働条件の比較(99年分)がまとまりました。年収格差は229万円にまでひらき、1時間当たりの賃金ではタクシーは男子常用の45%と、いずれも過去最悪を記録しています。 タクシー運転者の年収は307万円、男子常用労働者は536万円。一方、年間労働時間は、タクシーが2513時間、男子常用が1996時間でタクシーの方が517時間も長くなっています。 1時間当たりの賃金(年収÷年間労働時間)では、全国平均でタクシーは男子常用の45%にしかなりません。地方ごとにみると、最悪の宮崎が31%と3分の1に満たないのをはじめ、大半の県が半分以下で、50%を上回ったのは15地方しかありませんでした。 データ集へのリンク |
重度障害者の外出支援策 | ||
400円でタクシーを利用 大分日田市 | ||
【大分】日田市は新年度の当初予算案で、重度障害者の外出支援事業費として、約600万円を計上し、3月議会に提案しています。 この事業は市内であれば距離と目的を問わず、本人負担400円の定額でタクシーが利用できるという新方式による支援策です。 日田市とタクシー協議会との委託契約により、市内の全てのタクシーで利用できます。 希望者は利用券の支給を受け、利用時に障害者手帳を提示し、運転手に利用券と400円を手渡します。 大分地連が当初から強く要請して、臼杵市などでは早くから開始されていましたが、日田市ではこれまで採用されませんでした。 しかし、日田自交労組のねばり強い要望・請願あるいはケアワークドライバー研修やヘルパー2級講座のとりくみ、介護タクシーの開始などで、多くの市民の共感と理解を得たことから今回の提案になったと思われます。 この方式(初乗り料金支給ではなく定額負担分との差額を支給する方式)は、遠距離の人でも気楽に利用でき、『市民負担の公平』という観点からも重要で画期的と思われます。 |
この成果を全国に | 東自教・所沢中央自教支部 | |
解雇無効、賃金支払えとの仮処分 | ||
浦和地裁勝英の全員解雇攻撃に痛打 | ||
埼玉・所沢中央自教支部(東自教)は、勝英自校に買収され組合員全員が解雇されていた事件で3月19日、浦和地裁より全員の地位保全、賃金仮払いを命じる仮処分決定をかちとりました。 所沢中央自教では、経営者の中野代表取締役が99年12月に岡山の勝英自校に経営権を譲渡する協定を結び、勝英の吉村氏が取締役および道交法の規定による教習所の設置者に就任、印鑑も譲り受けて経営の実権を握りました。ところが勝英側が約束の残金を払わないため、中野代取側が譲渡契約を破棄、経営権をめぐって争いが続いています。 実権を握った勝英側は、組合員に脱退を迫るとともに、低賃金の指導員を勝英社員として採用、最低で定額19万5000円というダンピングで営業。さらに暴力事件をでっち上げ、長谷川副支部長が不当逮捕される事件もおきています。 勝英側から経営権を取り戻すためにと中野代取から協力を求められた組合が、同氏と協力して独自の業務を行ったところ、勝英側が威力業務妨害などとして2000年11月、組合員23人全員を解雇(うち2人はセクハラ行為、暴力行為があったとして懲戒解雇)。 さらに12月、経営権の奪還がうまくいかないことから、今度は中野代取側が、不就労を理由に重ねて解雇してきました。 決定は、勝英側の行った解雇については、セクハラも暴力行為も威力業務妨害も、いずれもそれを証明する資料がないとして無効としました。 さらに、中野代取側の解雇についても、不就労は組合側に責任はないとして無効とし、全員の地位保全と賃金全額の1年間の仮払いを命じています。 |
新加盟のなかま |
賃下げ攻撃に反対 (642)北海道・東海ハイヤー労組 |
【北海道】函館市にある東海ハイヤーで働く仲間は2月25日、東海ハイヤー労組(鹿角均委員長、5人)を結成しました。 以前自交総連に加盟していた組合がありましたが、2年位前に消滅していました。 自交総連函館地区の仲間が、組合結成と加盟を呼びかけるなか、新たに組合を結成し、自交総連に加盟しました。 賃下げ、合理化攻撃が強まっていますが、皆元気に頑張っています。 |
事故弁済金を差し引く (643)福島・福島山口タクシー労組 |
【福島】伊達町にある福島山口タクシーに働く仲間は4月1日、福島山口タクシー労組(八木沼俊光委員長、12人)を結成、自交総連に加盟しました。 同社では、事故弁済金を一方的に賃金から差し引くなど、劣悪な労働条件が押しつけられていました。社内には全自交の組合がありますが、未加入の労働者が結成しました。 加盟後3人が解雇されましたが、厳重に抗議、撤回を迫っています。 |
自 交 総 連