自交労働者No.561、2001年7月1日

第一交通の本拠地で宣伝

 北九州市の集会に150人 大阪地連
北九州市でひらいた報告集会=6月14日
第一交通福岡支社前での宣伝行動=6月15日
 会社を買収した第一交通の一方的賃下げ、組合つぶしと闘っている大阪地連南海3社の労組は6月14、15日、第一交通の本社がある北九州市と福岡市で宣伝行動を行いました。
 南海電鉄のタクシー会社7社を買収した第一交通は、自交総連のない会社ではすでに組合をつぶし、自交総連傘下の組合があるところでも、本人の同意もなく勝手に一旦退社・再入社扱いにして、一方的に賃金を月6万円も賃下げ、退職金制度の廃止、有休付与ゼロなどを強行してきています。組合が直ちに申立てた賃金支払の仮処分で第一交通の弁護士は「争わない」と述べているように、不当を承知のうえ力づくで強行する無法ぶりです。
 前夜から宣伝カー4台に分乗してフェリーで北九州入りした20人の宣伝隊は14日、第一交通本社や小倉駅などで宣伝、北九州市長に要請しました。
 夜は同市戸畑区民会館で集会をひらき、自交総連九州ブロックや福岡県労連の仲間150人が参加、佐野南海労組の堀川委員長は、第一交通を組合を認めるまともな会社にするまでたたかうと決意を述べました。
 15日は福岡市内で宣伝するとともに、九乗協、県タクシー協会、福岡証券取引所(第一交通が上場)、福岡シティ銀行(メインバンク)、九州運輸局に申し入れ、第一交通の実態を告発しました。

 運転代行適正化法が成立 二種免義務化
 自交総連の政策要求の成果
 6月13日、自動車運転代行業の適正化に関する法律案が参議院本会議で全会一致で政府の原案通りに可決・成立しました。
 空港送迎や冠婚葬祭などの昼間の代行業の形態を除外し、夜間の酔客相手の「代行」に限定した認定制導入、3年の猶予期限付きで二種免許が義務付けられ、損害賠償保険の契約、安全運転管理者の選任、料金の透明化や交通安全、利用者保護をはかることが中心となり、施行5年後に見直すことも含めています。最高速度違反や飲酒、駐停車違反の下命容認も義務違反として厳しい罰則が設けられています。
 法案の成立を受け警察庁と国土交通省は6月20日に公布後、来年4月の施行をめざし、政省令の策定作業を本格化させるという手順で進められます。
 現在、代行業者は全国で2715事業者、従業員が約4万人のうち7割弱がアルバイトといわれ、そのために事故が多発していると指摘されていました。
 自交総連は、規制緩和反対闘争と連動し、タクシー類似行為や法違反は取り締まれとの運動を全国各地で積極的に展開してきました。今回の法律は一定の成果といえます。

 低賃金なのに怒りが伝わらず
 宣伝の重要性痛感 東北ブロック・宣伝行動
 【宮城】東北ブロック協議会は6月4日〜6日、未組織オルグ宣伝行動を行いました。
 宮城・福島・山形から8人が参加。12か所でチラシ700枚を配布し、64人の労働者と対話しました。
 岩手県一関の男性(30歳)は「生活が厳しいがあきらめている」、青森県八戸の男性(41歳)は「タクシー利用者が減った」と話すなど、明るい話はありません。対話をして感じたことは、低賃金で働いているのに怒りが伝わってきません。組合加入の必要性には冷めた感じ、規制緩和は知らないなど情報不足です。今後の宣伝行動の重要性を強く感じました。

 自交労働者と選挙2 政策要求を実現する政治へ
 政・財・官のゆ着の打破を
 政治・行政と密接な関係がある自交労働者の労働
 事業のあり方についてタクシー・観光バス労働者は国土交通省、自教労働者は警察庁、労働条件について厚生労働省など自交労働者の労働は行政のあり方と密接な関係があります。
 その行政の姿勢を決めるのが政治であり、自交総連が掲げる政策の実現も選挙にかかっています。

 法違反を取り締まる行政か、放任の行政か
 左のグラフを見てください。厚生労働省がハイタクの事業場に対して行った監督の結果です。労基法違反が79%というのも異常ですが、より問題なのは監督そのものが激減していることです。
 自公保政府は公共事業のムダづかいはつづける一方で「行革」といって必要な分野の公務員は減らしてきました。労働基準監督官も足りず、監督さえすれば違反が摘発できるにもかかわらず、できないのが実情です。国土交通省の監査も同様で、悪質企業の法違反が野放しにされています。
 労働者を守る分野、福祉や教育など必要な仕事がきちんとできる行政にするのが政治の仕事ですが、自民党政治をつづけていたのでは改善はのぞめません。

 タクシー運転免許法を制定できる国会へ
 自交総連は、タクシー労働者の社会的地位の向上をめざすタクシー運転免許構想をはじめ、さまざまな政策を掲げてきました。
 逆に経営者は規制緩和での増車競争をにらんで、安上がりで大量の運転者の確保をねらい、二種免許の緩和や取得年齢の引下げなどを主張しています。
 自動車教習所のダンピング防止や営業時間の統一などの要求も、経営者のつよい抵抗があります。
 こうした政策の実現には、法律の制定が必要です。経営者の意向を反映する自民党政治をつくりかえることが、政策実現の一番の近道です。

 労働者の味方か、経営者の味方か
 自公保政権のもとで、政治・行政が労働者・国民より経営者・大企業よりのものになっているのは、企業献金の威力です。
 長年にわたり企業献金を財源にして活動してきた自民党政治のもとで、互いに利益をわけあう政治家・大企業・特権官僚の密接なつながりが育てられてきました。
 選挙では、こうしたゆ着を断ち切り、労働者・国民本位の行政にする選択が必要です。政治献金でつながった資本家・大企業の代表ではなく、腐敗をただせる労働者・国民の代表を見極める目が求められます。



自 交 総 連