自交労働者No.568、2001年11月1日

リストラ、規制緩和ノー

 くらしと雇用の危機打開
 自交総連から1000人参加

日比谷野音に全国から6000人の参加者が集まり
決起集会=12時30分
国土交通省の担当者に請願書を手渡しする仲間
=10時30分

 自交総連は10月24日、くらしと雇用の危機打開、安心・安全なタクシーの確立、10・24全国いっせい行動にとりくみました。東京では、関東ブロックの仲間約1000人が早朝からビラ宣伝、交運共闘・全労連とともに国土交通・金融・厚生労働省個人請願、交渉、総決起集会、デモをくりひろげました。(関係記事下段、地方の行動は次号)
 早朝8時半から東京のTV局各社前と霞が関の官庁街で宣伝行動を開始。ビラ1万枚をまきました。霞が関では、神奈川や千葉からも地域の実情を訴えました。
 10時10分、国土交通省前には交運共闘の仲間も含め2000人が集まり、個人請願を開始しました。宣伝カーからは、交運共闘・坂田議長、自交総連・領家委員長らがあいさつ、激励を行いました。
 参加者は、官庁街をぬって金融庁に移動、小泉構造改革で健全な中小企業までつぶす不良債権処理をやめろ、などを要請しました。
 さらに厚生労働省に移動し、リストラ規制、雇用確保などを請願、同省前では、福祉・医療の仲間も独自の集会をひらいており、労働者の怒りが庁舎を包みました。
 12時15分から6000人が参加して日比谷野外音楽堂で全労連の決起集会。東京・太陽労組の中村さんが決意表明に立ちました。
 午後は、代表が国土交通省、厚生労働省と交渉するとともに、タクシードライバー法案大綱を持参して、11の政党・会派をまわり、タクシーの実情を訴え、法制化への協力を要請しました。


 悪質事業者を指導せよ
 国土交通省交渉  「違反にはきびしく対応」
国土交通省と交渉する自交総連の代表=10月24日

 国土交通省交渉(10月24日)には高松副委員長、今村書記長ら11人が参加、自交局旅客課の海谷課長補佐ら4人が対応しました。
 要請項目は、(1)悪質事業者への指導(2)運用基準策定(3)アルバイト禁止(4)ドライバー法案の検討の4項目。時間の都合で悪質事業者対策に集中して交渉し、法律を守らず労働者の権利を認めない悪質事業者に厳格な処分を求めました。
 海谷課長補佐は「道運法の改正があっても、法違反事業者には今まで以上に事前、事後のチェックをきびしくやる」との基本姿勢を示しつつ、具体的な問題になると「道運法違反に直接かかわるものは少ない。労基法違反だけだと通報にとどまってしまう」としました。組合側は、労基法違反は安全ともかかわると指摘、全国的な大企業には各省が連携して対処せよ、今後道運法にかかわる資料も集めて提出すると述べると「具体的に違反があれば対応する」と約束しました。


 全国規模の事業者重視を
 厚生労働省交渉  「悪いと思われるところ監督」

 厚生労働省交渉(10月24日)には領家委員長、今村書記長ら8人が参加、労基局監督課久富係長ら7人が対応しました。
 冒頭、道運法改正国会での附帯決議についての前回の交渉結果が前任者から申し送りされていないことがわかったため、きびしく指摘し附帯決議の内容を再確認させました。
 法違反が横行している事態について省側は「対処してはいるが監督官の数が限られている」などとしたため、組合では各地の具体例、実際に適用されている賃金体系などを示してきびしく追及、全国規模の悪質大企業を重視するよう指摘するとともに、省として累進歩合や最賃法違反などの重点問題について通達を出すなり全国的な指導をつよめることを求めました。  省側は「タクシーで違反が多いのは事実。相互通報制度で通報があれば臨検監督している。悪いと思われるところは狙って監督する」と答えました。
 また、一方的な労働条件改悪については「労働条件の変更は恣意的にはできないというのは判例法上明らか」と確認しました。


 タクシードライバー法実現を
 各政党へ要請  きびしい現状に理解

 10・24行動では、自交総連が発表した「タクシードライバー法案大綱」を持って、11の政党・会派に要請を行い、タクシー運転免許の法制化への協力を求めました。
 日本共産党には領家委員長らが要請、タクシーの実情を説明しました。応対した寺沢政策委員会事務局長らは、自交総連が利用者の利便、安全と労働条件確保を統一的にとりくんでいることを激励「総合的に検討したい」と述べました。
 社会民主党には東京・日交労組の佐藤委員長らが訪れ、対応した組織労働委員会の兼古氏からは、規制緩和の危険性、悪質事業者の横行について理解が示されました。
 その他に要請した政党等は次のとおり。
 自由民主党▽自由党▽公明党▽民主党▽無所属の会▽自由連合▽保守党▽中村敦夫参院議員(旧さきがけ)▽島袋宗康参院議員(旧二院クラブ)


 仙台市と労使で懇談
 宮城地連  率直に意見交換

 【宮城】宮城地連は10月15日、仙台市当局、タクシー経営者との3者による懇談を仙台市役所内で行いました。市から総務局長、市民局長、都市整備局長、経営側から仙台タクシー佐々木社長(タクシー協会長)はじめ仙南、日交、仙都の代表、地連から三役5人が出席しました。
 タクシーの規制緩和に対する考え方、タクシーの公共性や位置付け、仙台市としてどうタクシー問題を扱うかなど率直な意見の交換が行われました。
 石垣書記長は「はじめての懇談は、まず第1歩という感じ。持続的な話し合いが必要だ。市側へも問題提起をしたので、今後つめていきたい」と感想を語っていました。


 全自交と共同で陸運交渉
 山梨地連  事故・労災の防止など要請

 【山梨】山梨地連は10月5日、全自交山梨地連と共同で陸運支局交渉を実施、両組織に未加盟の仲間も参加しました。全自交との共同は分裂以来25年ぶりのことになります。
 参加者は「年収も200万円台に落ち込んだ」「労災の増加、生活破壊の賃金ダウンがまかり通っている」と告発、「駅前や百貨店前にタクシーの長蛇の列ができている。需要に比べ台数が多すぎる」と訴え、事故・労災の防止、生活水準の確保、タクシーの需給バランスを考えた指導、タクシー事業者間の値下げ競争を労働者にしわ寄せさせないことなどを求めました。
 佐藤支局長は、事故・労災防止について、「労働局とタイアップして対応する」と答えました。


 要望・苦情に応える
 福岡  利用者懇談会に参加

 【福岡】福岡県タクシー協会主催のタクシー利用者懇談会が9月18日にひらかれ、利用者団体、マスコミ、来賓、労働組合など40人が参加しました。
 利用者から「禁煙車を増やして」「頼まなくても領収書をもらえるように」などの要望と「『近距離は並んでいるタクシーに乗るな』といわれてからタクシー恐怖症になった」「初乗りタクシー券を受けつけなかったり、身障者割引をするところとしないところがある」「待機中に本や新聞を読んでいるから、合図しても気がつかない」「コースが違うといったら逆ギレされた」などの苦情が出されました。
 労働組合の代表として地連の広瀬書記次長は「お客さんをタクシー恐怖症にさせるようなことは、あってはならない。悪質経営者や質の悪い乗務員を淘汰させるためには、利用者の声が重要」と訴えました。



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