自交労働者No.578、2002年4月15日 |
第3回中執地方代表者会議 |
定昇凍結、賃下げは許さない |
自交総連は4月10、11の両日、東京・入谷区民館で第3回中央執行委員会・地方代表者会議をひらき、02春闘情勢を分析、4月23〜27日を統一行動ゾーンとして、追い上げをはかっていくことなどを決めました。
各地方からの報告では、大量増車や運賃値下げ申請など経営側の身勝手な動きもあり、「合理化」や社内罰の強化など権利侵害の攻撃への警戒が必要なことも明らかになりました。回答状況では、東自教の8労使集交が3500円で妥結しているほかは、依然未回答やゼロ回答が大勢を占めています。
東京・福岡 |
第一交通糾弾キャラバン出発 |
東コースの出発式で団結がんばろうをする(左から)島倉、徳永、久保の3氏と領家委員長=4月8日、東京・グリーンキャブ労組前 |
西コースの出発式後、さっそく宣伝する熊谷(左)、久賀(右)の両氏=4月8日、福岡市内 |
法も常識も守らない悪質企業、第一交通の横暴を許すな――自交総連の第一交通糾弾キャラバン宣伝が4月8日、東京と福岡を同時に出発しました。
東京の出発式では、領家委員長が、悪貨が良貨を駆逐するのでは困る、悪質企業を包囲しようと主催者あいさつ、行動に参加する大阪・久保、東京・徳永(グリーンキャブ労組)、島倉(日の丸自交労組)の3氏が決意を述べました。
福岡では、九州運輸局前で出発式。福岡地連緒方書記長が第一交通の実態、キャラバンの目的についてあいさつ、本部・久賀、大阪・熊谷の両氏が決意を述べました。
出発後、キャラバン隊は、(東コース)東京↓神奈川↓静岡↓愛知↓岐阜↓滋賀↓京都↓奈良▽(西コース)福岡↓山口↓広島↓岡山↓兵庫の経路で各地を宣伝し、12日に大阪に集結しました(大阪行動の様子は次号)。
宮 城 |
タクシーシンポに170人増車・値下げ競争では自滅 |
各界から170人が参加した仙台のタクシーを考えるシンポジウム=3月30日、仙台市内 |
【宮城】「増車で運賃の値下げ競争に走れば、自滅だ」(業界代表)、「近距離乗車の需要はある。安心して気持ちよく乗れる対策を」(商店街代表)、「タクシーを公共輸送機関として位置付けることが市政の課題」(市議)――
宮城地連と宮城県労連の主催による「安全・安心・利用しやすい仙台のタクシーを考えるシンポジウム」が3月30日、仙台・イベントホール松栄でひらかれ、各界から約170人が参加しました。
真壁完一県労連議長の主催者あいさつにつづき、石垣敦宮城地連書記長が「仙台市におけるタクシー政策(第2次案)」を発表。その後、台数規制廃止のもとでの問題点や今後のタクシーのあり方について6人のパネラーがそれぞれ報告し、フロアーからの意見もありました。
〈報告内容〉タクシー行政の現状=田鎖輝昭・東北運輸局旅客第2課長▽タクシー事業の現状と問題点=佐々木昌二・宮城県タクシー協会会長▽タクシードライバー法について=今村天次・自交総連書記長▽福祉タクシーに対する要望=尾口七重・ケアーマネージャー▽商店街からの要望=三原喜八郎・おおまち商店街振興組合理事長▽仙台市でタクシーの活用を推進するために=嵯峨さだ子・仙台市議(日本共産党)
東京・山王交通労組 |
企業譲渡の闘いで勝利雇用・労働条件守る |
【東京】3月24日、山王交通労組の争議勝利報告集会がひらかれました。96年、会社側から突然、営業権譲渡すると通告され、以来、企業存続・再建闘争と位置付け、生活の糧である職場は絶対渡さないと意思統一し、共闘会議を結成、職場名は変わりますが、雇用を守り、労働条件も引き継ぐという画期的な解決となりました。
地域の代表は、山王労組の執行委員会の議論を、右翼かヤクザのケンカと思ったが、この真剣な議論が勝利への道筋をつくった、と感想を述べ、宮川弁護士は、ハイタクの労働者が地域の運動に参加することは、深夜の4時過ぎに活動することになる。しかし、地域との深い連帯が勝利の原動力になった、と述べました。
大 阪 |
【大阪】大阪交運共闘は3月14日、近畿運輸局と交渉、交通機関のバリアフリー化の促進などを要望したほか、タクシー関係では、労働者犠牲の安過ぎる運賃を認めるな、などと追及しました。
運賃値下げについて局は「自動認可運賃以外は原価計算の労働条件など精査して行っている」とし、悪質企業の増車については「違反や指導の多い企業は許可取消しも含めて厳重に処分する」と答えました。
「改正」道路運送法−どこが変わった? どこがダメ? どう活用する? 〉連載 3〈〈〈 |
緊急調整措置の内容 |
「改正」道運法で、台数を抑制し、混乱を防ぐ方策として設けられたのが緊急調整措置です。しかし、この措置は見かけ倒しもいいところで、実際にはほとんど役に立たないものです。実効性のあるものに再改正させなければなりません。
発動時にはすでに手遅れ |
実際には役立たない措置 |
減車はできない
緊急調整措置といっても、もともと増えすぎたタクシーを減らす措置ではありません。たんに新規・増車を許可しないということで、どんなにタクシーが過剰でも、その現状を固定するものにすぎません。
そのうえ、この措置が発動されるためには、特別に高いハードルをクリアしなくてはならないことになっています。
特別監視区域
緊急調整措置は2段階になっていて、まず第1段階は「特別監視地域」の指定です。
前5年間の平均値を基準にして、前年の1日1車あたり営収と実車率がともに10%超減った場合に特別監視区域に指定されます。
この段階では、増車は禁止されず、増車した事業者への監査がきびしくなり、違反が見つかり処分された場合の点数が加重されます。
緊急調整地域
その後1年経過し、さらに営収・実車率がともに悪化、前5年間平均の15%超減になったときに緊急調整地域の指定がされ、増車が禁止されます。
年収200万台でようやく発動
以上の発動要件を実際の数字に当てはめて試算したのが下の表です。
大阪の場合、営収が3万3000円台、実車率40・2%になってはじめて特別監視地域に指定、同3万1000円台、38%になってようやく緊急調整地域に指定されるということです。
このときのタクシー労働者の年収を推定すると273万〜227万円。すでにまともな生活ができない状態になってから、ようやく指定されても、すでに手遅れです。
しかも実車率の要件も厳しく、現に京都・大阪などでは、特別監視地域指定に匹敵する運収の落ち込みですが、実車率の指標がクリアできずに指定が見送られています。
全国では、140地域が特別監視地域に指定されましたが、すべてが、もともと増車の可能性が少ない郡部・過疎地域ばかりです。
東京・大阪での緊急調整措置の要件試算 |
前5年 (96〜00) 平均値 |
特別監視 地域 10%減 |
緊急調整 地域 15%減 |
年収試算 (賃率60 〜50%) |
||
東京特別区 ・武三地区 |
運送収入 実車率 |
54,316円 45.8% |
48,884円 41.2% |
46,168円 38.9 |
399万〜 332万円 |
大阪市域 | 運送収入 実車率 |
37,160円 44.7% |
33,444円 40.2% |
31,586円 38.0% |
273万〜 227万円 |
自 交 総 連