|
原水爆禁止世界大会の閉会総会 =8月6日、広島・広島市 |
核兵器のない世界を原水爆禁止2002年世界大会・広島が8月4日〜6日、広島市でひらかれ、全国から7000人余りが参加、各地の平和のとりくみを交流しました。
広島・長崎に原爆が投下されてから57年、その惨禍を繰り返してはならないとの世界の世論にもかかわらず、依然として地球上には3万発の核兵器が存在しています。
大会では、各国の代表も含めて決められた「国際会議宣言」が報告され、それに基づき運動をすすめることが確認されました。「宣言」は、昨年の核不拡散条約再検討会議ですべての核保有国が核兵器廃絶を約束したにもかかわらず、9・11同時多発テロを契機に米国が核先制使用を含む重大な新方針を打ち出したことを指摘、逆戻りを許さず核兵器廃絶の国際協定を実現するための世論と運動を強めることを呼びかけています。
自交総連からは、宮城・東京・神奈川・京都・大阪・広島から35人が参加。4日夜に交流会をひらきました。初めて原水禁大会に参加した人も多く、開会集会や原爆資料館を見ての感動を語り、これからも平和運動にとりくみたいとの意見が出されました。
宮城・宮城県観光バス労組 |
残業代360万円払わせる
|
宮城地連宮城県観光バス労組は7月23日、宮城野観光バスに対する残業代請求事件で仙台簡易裁判所での調停を成立させ、残業代を支払わせました。
宮城野観光バスは、バブル期の放漫経営で経営困難となり、一方的な賃下げや退職金の不払いなどが起きていました。賃下げを契機に自交総連労組が結成され、組合から破産申し立てをして退職金を支払わせるなどの闘いをしてきました。
時間管理もまったくでたらめで、月の前半に残業を集中させ、後半に1時間労働させて7時間を残業から差し引くというあくどい手法で、労基署も是正勧告を出していました。
本件は7人が残業代の支払いを求めて簡裁に調停を申立、ガイド1人を除くドライバー6人の2年分総額360万円の残業代を支払わせました。調停不調となったガイドの分については訴訟を提起する予定です。
第一交通から不当解雇されていた大阪・佐野南海交通労組の堀川委員長と脇田副委員長は7月22日、大阪地裁岸和田支部で解雇無効の仮処分決定をかちとりました。
第一交通は、両氏が激しい組合つぶしに対応するために組合業務で乗務できなかったことをとらえ、就労命令に反して乗務しなかったなどとして昨年12月に解雇していました。
命令は、従来からの労使協定が有効であることを認め、必要な組合活動のために離職届が提出された場合、会社は合理的な理由なく拒むことはできないとしました。
そのうえで、第一交通による賃金引下げ、中退金の「廃止」、長時間点呼、不当配転などの数々の攻撃の存在を認め、これらへの対応のために、両氏が日常の組合業務とは別に、抗議行動、団体交渉、仮処分や不当労働行為申立ての準備などのために組合活動を行わざるを得ず、乗務できなかったと認定、不就労は解雇の理由にならないとしました。1年間の賃金仮払いを会社に命じています。
第一交通の組合つぶしと闘っている大阪・佐野南海交通労組は、会社が中小企業退職金共済機構(中退金)に虚偽の退職届を出して契約の解除、退職金制度の廃止をもくろんでいた事件で7月19日、大阪地裁岸和田支部より、会社は中退金の掛金を支払えという仮処分命令をかちとりました。
佐野南海交通では97年以来、労使協定に基づき中退金制度に加入していましたが、同社を買収した第一交通は、中退金に「全員退職」という虚偽の届出を出して、以後掛金を支払っていません。
決定は、中退金に加入するとの労働協約は依然有効に存在しているとしたうえで、会社は、虚偽の退職届を提出したり、掛金を払わなければ中退金側が契約を解除するシステムを逆手にとって、組合員らの同意を得ることなく退職金契約を終了させようとしていると認定、滞納が続けば契約が解除される差し迫った危険があるとして、会社に7月までの毎月の掛金と延滞割増金を支払えと命じています。
年に1度活動振り返り総括 |
不十分な点を直し次に活かす |
労働組合の運営は、労働者の自主的な組織にふさわしく、組合員が平等に参加でき、民主的に行われなければなりません。組合運営の基本をときどき振り返ってみましょう。
(3)運営の基本 規約、大会、方針
規約の要件
労働組合の運営のおおもととなるのが規約です。
この規約には、下記のように労働組合法によって必ず規定しておかなければならない要件があります。労働委員会で不当労働行為の救済を受けるような場合には、この要件が守られているかどうかが審査されますので、組合結成時や規約を改正するときには注意が必要です。
要件は、いずれも当然のことですが組合員の平等と民主的な運営を義務づけるものです。
大会は最高機関
労働組合の方針を決める会議の中で、最高の議決機関が大会です。普通年1回ひらき、活動総括、運動方針、予算を決め、役員を選びます。最高議決機関にふさわしく、組合員の多数(単組・支部では原則全員)を結集し、よく話し合いみんなの総意で方針を決めることが大切です。
ところが、単組や支部の中には、大会がきちんとひらかれていない場合があります。きちんと方針も決めずに何年も役員改選もないのでは、組合員の総意が反映した運営ができるはずがありません。毎年、同じ時期に大会をひらくようにしましょう。
大会から大会の間に、具体的な活動計画を決めるのが執行委員会です。
春闘方針の決定時には、通常の大会と別に臨時大会や大会に次ぐ議決機関として中央委員会ををひらくのが通例です。
また、春闘時や争議時の重要な決定、意志統一などのために全員集会をひらいて団結を固めることもあります。
総括と方針
大会では、1年間の運動を総括(活動を振り返り、よかった点、悪かった点を明らかにすること)し、今後の方針を決めます。
労働組合の目的である労働者の労働条件の改善・向上、要求実現は、1年の活動で実現するものではありません。毎年の総括で不十分なところを直して次の方針に反映させ、一歩づつ前進していくものです。
労働組合の規約で規定しておかなけれ
ばならない要件(労働組合法第5条)
1 名称
2 主たる事務所の所在地
3 組合員はすべての問題に参与する権
利、均等取扱いを受ける権利を有する
4 組合員は、人種、宗教、性別、門地、
身分によりその資格を奪われない
5 役員は組合員(連合体の場合は代議
員)の直接無記名投票で選挙される
6 組合の総会は年1回以上開催する
7 会計報告の年1回以上の監査と公表
8 ストは直接無記名投票で過半数で決定
9 規約改正は組合員(連合体の場合は代
議員)の直接無記名投票で過半数で決定
【北海道】砂川市にあるふじ交通(本社は滝川市)に働く仲間は8月1日、ふじ交通労組(井戸坂優委員長、35人)を結成、自交総連に加盟しました。
同社には親睦会があり井戸坂さんが代表でしたが、会社の賃下げ提案を全体にはかって拒否したところ、会社は、ささいなミスを口実に井戸坂さんに懲戒解雇を通告、砂川労連、北海道地連の支援で労組を結成し、解雇を撤回させました。
自 交 総 連