自交労働者No.599、2003年4月1日 |
03春闘 要求提出の遅れ克服 一職場一重点要求の実現を |
要求提出後1か月を経過した自交春闘は、全国的に進展はみられず、4月段階へと闘いが継続されています。回答状況はタクシー、自教、観光バスなどいずれの業種も具体的な回答がなく、一部の地方では「賃金も一時金も2〜3割カット」 (大分)、「賃下げ認めなければ廃業」(広島)など脅しまがいの対応もみられます。
いっそう警戒心を強めるとともに、統一行動の配置を背景に経営者としての雇用責任や真面目な対応を迫る必要があります。 一方、要求提出率は約60%にとどまっており、調査中で未集約の地方もあるものの遅れがめだっています。今からでも遅くはありません。すべての組合が要求を提出し、“一職場一重点要求の実現”など改善めざすとりくみを推進することが求められています。 |
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タクシー労働実態アンケート 規制緩和の悪影響あきらか |
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自交総連の「タクシー労働実態アンケート」が福島では2月20日に大阪では2月27日に実施され福島では264枚、大阪では277枚の回答が寄せられました。
このアンケート(質問は6項目、大阪では地域の事情を反映して多重運賃についての質問を設けて7項目)は、新道路運送法施行1年が経過した今日、現場では規制緩和の影響がどのようにおきているのかを明らかにし必要な対策を関係各方面に対して働きかけていく目的で調査しているものです。 タクシーの台数は多すぎると思いますか? の質問に対しては福島、大阪ともに9割の人が多すぎると回答しました。また、規制緩和以降大阪で特に問題となっている多重運賃(現在25種類)についての質問では214人(77・3%)が悪いと回答しています。 |
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くじ引きで決まる運命 成田空港 競争のしわ寄せは労働者に |
成田空港では、規制緩和により首都圏の各社が導入した定額運賃がエアポートタクシー(地元の空港専用車)を直撃。乗客の囲い込みにより、東京方面への乗客が予約で東京の車に乗る例が増え、さらに航空会社・ホテルとのタイアップによる乗合や割引など県境を越えた激しい競争が追い討ちをかけました。 地元の会社は、営収が減っても累進歩合で会社の取り分は減らないことに安心して営業努力ゼロ。犠牲はすべて未組織の労働者に転嫁されています。 その結果、足切り以下が続出して、賃金は二十数万円から10万円前後にまで激減してしまいました。 客待ちの順番をめぐって前夜からの競争となるのを防ぐために登場したのがくじ引き。くじの順番が悪いと、もうあきらめて帰る労働者が大半です。待っていれば、仮に客を乗せられなくても最低賃金の保障は得られるはずと聞くと「会社が出すはずない。逆に解雇でもされたらたまらない」との答えです。 地元の業者のなかには、経費「節約」のため車両の代替もせず、60万キロ走行のディーゼル車を使用、排気ガスの臭いで乗客が気分が悪くなる例も発生しています。 自交総連と協力しているエアポートタクシー親睦会の野山会長は「規制緩和のしわ寄せは最初に弱いところに表われる。このままでは成田のタクシーは壊滅だ。それは、いずれ他の地方にも波及するのではないか」と怒っていました。 |
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3・21集会 日比谷に5000人の声 |
昨年以来、労働組合、市民団体によるイラク攻撃反対運動は、日増しに参加者が増え、かつてのベトナム戦争反対運動を大きくしのぐものとなっています。 しかし、このような世論にさからって、日本政府はいちはやくアメリカの武力行使の支持を表明しました。平和憲法がある国でありながらもこのような行動をとる日本政府に対して、参加した自交労働者は団結の力を持ってイラク攻撃中止を訴えました。 |
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いっせい地方選挙と自交労働者(2) |
逆立ち政治を変え 住民本位の自治体をめざす 新しい地方政治の流れを大きく |
90年代に、自民党政府の掛け声に乗って自治体がすすめた大型開発は各地で行き詰まり、廃墟となったリゾート施設、飛行機が飛ばない空港、釣堀と化した港湾、環境破壊でムダなダムなどを生み、巨額の借金を残しました。 ところが、自民党・公明党を中心としたオール与党勢力に支えられた自治体では、なんの反省もなく、相変わらず従来型の公共事業をすすめ、新たな借金を生もうとしています。 一方で、財政困難を口実に、自治体本来の仕事である福祉や教育、くらしを守る施策の切り捨てが行われています。 国の制度に上乗せしていた老人医療費助成、乳幼児医療費の無料化、福祉手当などが削られ、国民保険料、保育料、水道代などの値上げが相次いでいます。 逆立ち政治にきびしい審判 こうした公共事業優先、住民犠牲の逆立ち行政に対し、いま各地で住民本位の自治体を求めて住民が保革の立場を越えて結集するという新しい状況が生まれています。 ダムや可動堰建設などの公共事業に固執する勢力への痛烈な審判となった昨年秋の長野県、徳島県知事選挙での住民本位の知事の勝利以降も、兵庫県尼崎市、岩手県陸前高田市など各地で、住民の共同による新しい民主自治体が誕生しています。 これらの自治体では、財政困難なもとでも福祉や教育に重点をおいた住民本位の政策が前進しています。 やればできるまともな財政 例えば、長野県の田中県政は、前県政の残した膨大な赤字財政のもとでも、ダムの中止などで公共事業費を1500億円削減、逆に社会保障費は200億円増やす予算を組み、まともな地方自治体の予算の使い方への第一歩を踏み出しています。巨大開発はやめても、学校改修や生活道路・下水道整備など住民密着型の公共事業は継続、地域振興や地元の中小事業者の仕事にも配慮しています。 この流れをさらに大きなものにし、地方からの政治改革をすすめられるかどうかが問われるのが今度の選挙です。 議員選挙においても、悪政推進勢力に反対し、住民の利益を守る議員を議会に多数送り出すことが大切です。 |
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労働組合 キホンのキ
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(13)専門部活動で全員が主人公に
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専門部をつくり 独自の任務を 将来の幹部育成にも有効 |
一定の数の組合員を組織している労働組合の場合、執行委員会の指導のもとに専門部を設けて、それぞれ独自の任務をもって活動をすすめるようにします。
各専門部の部長は執行委員がなり、部員には一般組合員になってもらいます。 みんなが役割を持つように 労働組合は、一人ひとりの組合員が主人公で、みんなが等しく助け合う組織です。しかし、三役や執行部が決まると、えてして一般組合員は幹部まかせになり、運動に積極的に関わらなくなる場合があります。 みんなが主役となるためにも、全員が何らかの専門部に入って任務を分担するようにしている組合もあります。 専門部で活動することは、将来の幹部を育てるという点でも重要です。部員が任務をもち、創意工夫して活動するなかで経験を積み育っていきます。 組織、財政、教宣は不可欠 どのような専門部を設けるかは、組合員の数によっても違いますが、少なくとも組織、財政、教宣の3部門は不可欠です。その他の部門は実情に応じて、他と兼任とする場合もあります。 |
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自 交 総 連 |