自交労働者No.600、2003年4月15日 |
大阪・佐野第一交通 組合つぶしの暴挙 手を貸した近畿運輸局 |
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組合つぶしに手段を選ばず 第一交通は01年3月、南海電鉄からタクシー7社を買収、威圧的な攻撃で5社の組合をつぶしました。しかし、自交総連の佐野南海と白浜南海(和歌山)労組は、大阪地連はじめ全国の仲間の支援のもとに、賃金不払い、不当配転、真夏の炎暑下での2時間の虐待点呼、委員長・副委員長の解雇など、あらゆる攻撃に屈せず闘いつづけています。 このため第一交通は、組合つぶしのために偽装廃業を計画。不動産や車両の所有権をグループ企業に移転したうえ、廃業後の受け皿として、佐野第一交通のすぐ近くに、対岸の神戸にある御影第一交通が営業所を新設するとして事業区域の拡張申請を行いました。 組合員に対しては、組合をやめれば御影第一で雇ってやる、やめなければ佐野第一で会社ごと廃業・解雇だと脅す一方、区域拡張の認可が必要なため、近畿運輸局に対しては、佐野第一は廃業しない、御影第一の従業員は一般募集するなどと平然とウソをついてきたのです。 無法に目をつぶった近畿運輸局 区域拡張申請は組合つぶしの偽装廃業を目的とした不純な動機にもとづくものだから認可するな、との佐野南海労組と大阪地連の再三の要請・抗議にもかかわらず、近畿運輸局は、佐野第一交通からは廃業しないとの説明を受けているなどとして、昨年12月に認可を行いました。 新営業所開設と同時に組合員以外は同所に移籍させ、佐野第一には組合員だけが残されていました。そして、ついに廃業の通告です。道運法の改悪で、廃業についても規制緩和がされ、事後届出だけでいいことになっています。3日には社長と弁護士が近畿運輸局にも一方的に廃業の報告を行いました。 組合つぶしという目的が明白にもかかわらず、あえてそれに目をつぶって、形式的な書類が整っているからと区域拡張の認可をした近畿運輸局の責任は重大です。悪質企業の取り締まりこそ行うべきなのに、監査もせず認可をしたことは、行政が組合つぶしに手を貸したともいえます。 佐野南海労組・大阪地連は、職場の確保にむけ、仮処分申請の準備など、緊急の対応を計画、自交総連も全国から支援を強めて、無法な組合つぶしを許さない闘いに立ち上がっています。 |
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第4回中執
4月中決着へ行動ゾーン 今後の闘い方を検討 |
自交総連は4月2〜3日、都内で第4回中央執行委員会をひらき春闘の今後の闘い方について討議し、以下の決定を指令しました。
(1)労働組合の存在意義示す要求獲得にむかって全力を=4月中決着をめざす統一行動ゾーンとして、「地域宣伝行動」(4月10〜12日)「回答促進の統一行動」(4月15〜18日)「春闘決着めざす統一行動」(4月24〜30日)を配置。解決基準では、『賃下げは認めず現行の改善、プラスαの獲得』『全員の合意にもとづく解決』『将来展望を切り開くにたり得る政策の合意』の3つを重視して臨む。 (2)くらしと雇用、いのち、平和を守る国民的共同の前進を=イラク攻撃の即時中止、医療費3割負担凍結など国民的課題を春闘と結合し、共同の行動に参加。また、いっせい地方選挙闘争方針にもとづき全力をあげる。 (3)組織拡大を重視し職場・地域内での加盟促進を=4〜6月を組織拡大月間とし、職場内多数派をめざし対話と宣伝、相談・世話役活動や『自交労働者のしおり』を活用した加入促進をはかる。 |
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国交省交渉
組合つぶしの廃業許すな 終始責任回避の対応 |
大阪の佐野第一交通が組合壊滅を目的とし廃業する。管理職が交友会に話した組合つぶしの証拠テープも提出済みだ。なぜ対応できないのか。4000万円の債権があり、それを払ってから書類もってこいくらい言えないのか――と権田副委員長が激怒。対応した多門勝良課長補佐は、皆さんの気持ちは分かるが、近畿運輸局の権限なので判断は尊重したい、虚偽でない限り対応できない、などと国交省としての責任問題を回避しました。 沖縄の緊急調整措置発動でも、駆け込み増車も止められないとの追及に、同課長補佐は、経営者がまともな判断をしてない、想定外だった、など行政側の責任放棄の発言に終始しました。 タクシー強盗・殺人については、統計はとっていない、警察庁・全乗連などと調整しながら対応していきたい▽道運法80条のボランティア有償輸送の申請の扱いについては、市町村が本気にならないと許可は出ない――などと答えました。 |
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厚労省交渉
介護タクの報酬改善を要請 現状を把握し検討したい |
大阪から介護タクシーを実施している現場の代表も参加、介護報酬が2100円から1000円に下がったことで利用者負担が増え、利用が4割も減ったと実情を訴えて見直しを求めたのに対し、省側は、運賃を取ることを前提に1000円とした、と説明。 また、要介護4以上の人は2310円が認められることについて、実態は3以下の人ほど外出・通院の回数が多く、介護タクシーの必要性が高いと矛盾を指摘すると、確かにそのとおりだが、移送自体への支援は介護保険とは別の課題だ、とした上で、「運用の実態をみながら、現状を把握し、考えていきたい」と答えました。 介護タクシーや障害者支援費の運賃部分に対して地方自治体が助成することには何ら制限はなく、むしろ積極的にやってもらいたいと答えました。 |
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大阪市内
多重運賃で競争激化 事業者のモラルも崩壊 |
その結果、実車率の低下はもちろん、運賃単価も1キロあたり10円近く下がって、大阪市内の日車営収は大幅に低下、3万円前後にしかなりません。 この低営収をもたらした過当競争に反省するどころか、一部の悪質事業者は、最低賃金以下の労働者を「稼ぎが悪い」として解雇で脅しています。 実際に労組副委員長を解雇して裁判でも断罪された三和交通(大阪市)の就業規則は、営収が最賃額と会社経費額(リース料)の合算額を下回るときは解雇とし、ただし「差額を会社に対し補(ほ)填(てん)したときはこの限りではない」というひどさです。同社はリース制で、労働者の時間管理も何もしない無責任経営。規制緩和が生んだ事業者のモラル崩壊の典型です。 |
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タクシー労働実態アンケート |
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規制緩和で安全輸送は崩壊 |
タクシー規制緩和はタクシーの安全・安心を破壊する――自交総連で実施している「タクシー労働実態」アンケートが東京と広島で実施され、東京では646枚、広島では299枚の回答がありました。
タクシーの台数については、東京96・4%、広島88・0%と、大多数の人が「多すぎる」と回答し、運賃のダンピングについては東京58・2%、広島88・0%と、ともに半数以上の人が「ある」と回答しています。 また、広島では区域外営業について、77・9%の人が「ある」と回答し、規制緩和で街にはタクシーがあふれ、違法行為が続出していることが現場の声から明らかになりました。 また、事故やヒヤリとした経験では、東京63・6%、広島45・2%の人が「ある」と回答し、東京では長時間労働で眠気が押さえられない(70・2%)が多く、広島ではお客さんを乗せようと急に車線変更する(85・2%)が多くなっています。 なお、グラフは右側が東京、左側が広島。質問項目は6項目ありますが、紙面の関係上省略してあります。詳しい内容については月報に掲載します。 |
タクシーの台数について |
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広 島 | 東 京 |
運賃のダンピングについて |
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広 島 | 東 京 |
区域外営業について |
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広 島 | |
事故やヒヤリとした経験について |
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広 島 | 東 京 |
長時間労働で眠気がおさえられない |
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広 島 | 東 京 |
お客さんを乗せようと急に車線変更する |
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広 島 | 東 京 |
疲れて安全確認がおろそかになる |
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広 島 | 東 京 |
あせってついスピードを出しすぎる |
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広 島 | 東 京 |
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いっせい地方選挙と自交労働者(3) |
国政変革にもつながる選挙 |
いっせい地方選挙は地方自治体の首長・議員を選ぶ選挙ですが、全国的に行われるその規模からいっても、国政にもきわめて大きな影響を与えます。 規制緩和の悪政に審判 自交労働者にとっては、タクシー・観光バスの規制緩和という最悪の政策を強行し、さらに、経済政策の失敗で景気をどん底に導き、営収が年々低下するという結果を招いた自民・公明・保守連立政権の悪政に、断固たる回答を示すチャンスです。 営収の回復に直結する不況打開のためにも、暴走政治をストップさせ、国政の変革につながる結果を出すことが大切です。 国民負担で不況は深刻化 小泉内閣は、医師会はじめ保守層もふくめた国民の声も無視して、4月から医療費アップなどの国民負担増を強行しました。逆に年金などは給付を減らし、負担増とダブルパンチです。 これでは、多くの人が生活防衛のために、タクシーの利用をますます減らすことは確実です。生活不安からその他の支出も抑えるため不況はますます深刻化。出口が見えなくなってしまいます。 地方から悪政に審判を下せば、小泉内閣も国民の声を無視できなくなり、医療費を元に戻すことや解散・総選挙の展望が見えてきます。
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労働組合 キホンのキ
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(14)組合員を増やすほどつよくなる
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未加入者の意識に合わせ訴え 計画を立ててみんなが協力 |
職場の未加入者
労働組合は、まず職場内での多数派をめざしましょう。 最近は雇用形態が多様化していますから、もし組合規約で定時制・嘱託・パートなどの人が加入できない条項があれば、改正して入れるようにしておく必要があります。 そのうえで、未加入者の意識(会社が恐いとか組合に不信があるとか)を分析して、担当者を決めるなど計画的に加入を呼びかけるようにします。 なぜ入ってこないのか、組合の側に原因はないのかを率直に分析し、信頼される組合活動になっているかを振り返ることも必要です。 普段から、生活相談や道交法違反の対策など世話役活動が活発な組合では、信頼を得て組合員が増えています。 企業内・他産別 未組織の組織化 職場の外に出て行き拡大することも必要です。 企業内組合しかなかったり未組織の職場ほど労働条件は悪く、それを放置しておけば、やがては自分たちの職場の労働条件も引き下げられかねません。 地連・地本やブロックなどで計画を立てることになりますが、計画にそって各組合が協力して行動します。 未組織の仲間は、規制緩和や労働者保護の法律・通達などほとんど知りません。事実と情報を伝えて、組合の利点を訴えます。 定期的なビラや宣伝カーでの宣伝のほか、普段から組合員が客待ちのときなどに他社の仲間に声をかけて自交総連の宣伝をしておくと非常に効果的です。 |
自 交 総 連 |