自交労働者No.602、2003年5月15日 |
第74回メーデー |
東京の中央メーデーは今年で74回目をむかえ、亀戸中央公園には約6万人が集まり、労働法制の改悪反対や、タクシーの減車などのスローガンを掲げて都内の3か所をデモ行進しました。 主催者あいさつをした熊谷議長は、「もうけのために労働者の使い捨てを認める労働法制改悪や国民に戦争への協力を強要する有事法制の成立は断じて許すことができない。今こそ雇用と平和を守るために総決起しよう」と、反対運動の強化を呼びかけました。
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新道路運送法が施行されて1年余りが経過し、関西地域ではじまった運賃競争は東京〜成田空港間の定額運賃制を皮切りに、個人タクシーを中心に迎車料金、無線客待ち料金の廃止など、東京でも運賃競争がはじまろうとしています。 こうしたなかでハイタク労働者は、改めて国土交通省や関東運輸局と対峙していく姿勢を強めるために今回の決起集会を行いました。 今回の請願行動に参加した人からは「運賃値引きは、みんなでやればただの値下げだ」などの怒りの声もきこえました。 |
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経営者と行政は責任を果せ 宮城交運共闘 134人、64台で車両デモ |
主催者を代表し、門間議長は「規制緩和による交通・運輸のルールなき過当競争のなかで労働者の生活も最悪なものになってしまった。これでは運輸の安全・安心は守れない、経営者と行政の責任は重大です。交運労働者の抱えるさまざまな問題を行動で示そう」とあいさつしました。 また、トラック、タクシーなどの職場からの決意表明には参加者から盛んな拍手がおこりました。 集会後には、トラック、タクシーなど合わせて64台が、「規制緩和反対」などの旗や横断幕を掲げ車両デモを行い、市民にアピールしました。 |
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福島・観光自動車労組 闘争積立金は返還せよ 福島地裁 預託金としての性質を認定 |
福島地連福島観光自動車労組は、連合労組を脱退した際に個人の闘争積立金が返還されなかった問題で4月16日、福島地裁より、積立金の返還を命じる判決をかちとりました。
原告となった組合員9人は、もともと連合の全福島ハイタク労組福島観光支部の組合員でしたが、組合員に説明もなしに賃下げを受け入れるなどの運営に反発して、99年に脱退、自交総連労組を結成しました。ところが、個人の闘争積立金(最高24万円)が返還されなかったため、提訴していました。 連合労組は、団結を阻害する脱退者には返還しないと主張していましたが、これまで実際には退職者などに全額返還する運用が行われてきました。 判決は、積立金は組合員が預託した金であり、返還を前提にしていると判断、今回のケースでは制裁として積立金を没収することはできないとして、総額189万円全額の返還を命じています。 |
大阪・東豊観光労組
一方的賃金カットは無効 大阪高裁 過去の賃金差別も認める |
大阪地連東豊観光労組(バス)は、組合の同意なしに実施された賃金カット分の返還を求めていた裁判で、1審につづき大阪高裁でも3月25日、勝利判決をかちとりました。 同社は99年、経営危機だとして30%の賃金カットを提案しましたが、一方で新車を大量に購入するなど経営危機というのは口実で、実際は組合攻撃のための賃下げ提案でした。 組合が拒否しているのに、一方的に18%の賃金カットを強行してきたため、提訴していました。 1審の大阪地裁は01年10月、労働者との契約関係を相手の同意なく変更できないとして、賃金カットを無効とする判決を出していたため、会社が控訴していました。 高裁判決は、1審の判断をすべて認めたうえで、1審では時効として全部が認められなかった過去の組合員への賃金差別についても全部を認める組合側全面勝利の判決となりました。 |
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「ブッコミ」したが4割 福岡地連実態調査 労働者の不満爆発 |
【福岡】福岡地連は福岡県下の主要都市で「タクシー労働実態」アンケートを実施し、250人から回答を得ました。 タクシーの台数についての質問では、「多すぎる」96・0%、「丁度いい」2・4%、「わからない」1・6%と、9割を超える人が「多すぎる」と回答しました。 また、運賃のダンピングについては6割の人が「ある」と回答し、ブッコミ足きりのために身銭を切ったことがあるかの質問では40・1%が「ある」と答えるなど、深刻な実態にあることがうかがえます。 その他福岡地連では、いま一番解決してほしいことをタクシー労働者に質問していますが、その回答によると「なによりも減車」、「景気回復を早く」、「規制緩和を撤廃せよ」など、規制緩和への不満と、行政に対する不平・不満の声が多数寄せられました。 なお、回答者数には個人タクシーからの回答も含まれているため質問の性質上、個人タクシーに関係のない質問では250人にならない場合があります。 |
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労働組合 キホンのキ
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(16)政策活動、提案ができる組合に
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政策を応用、地方・職場で実践 労働者が職場の主人公に |
みんなで要求し実現した政策
組合の目的は端的にいえば給料(労働条件)を上げることですが、いまの社会では、会社・経営者と闘うだけでは、労働条件が良くなるとはいえません。タクシーの売上げをみても、規制緩和や景気で左右され、いまや全部を給料としても社会的水準に達しない状況です。 産業をとりまく情勢にも目をむけて、そこで働く労働者がまともに暮らせるような制度・政策を実現しないと、労働条件も改善できないのです。そのために、自交総連では、数々の政策をつくり、国や行政、事業者団体に要求し、みんなの力で少しづつ実現してきました。 職場で提案を 大切なのは、政策を自分の職場・地方に当てはめて応用、実践することです。 福祉・介護タクシーの導入を会社に提案したり、市町村に補助金を要請する、18歳人口が減るなかで教習所の仕事を広げる提案を行う、経営を分析して改善点を探る――など、要求するだけでなく、自らが創造し提案する力をつけ、とりくみができるようになったとき、文字通りの労使対等、労働者が職場の主人公になることができるのではないでしょうか。 そうなれば、自覚も高まり、自らの仕事に誇りをもつことができます。それでこそ無責任な経営者や行政への怒りも高まります。そのような質の高い組合めざし「キホンのキ」を大切にしましょう。 (連載おわり) |
自 交 総 連 |