自交労働者No.604、2003年6月15日

組織拡大と第一交通糾弾

西日本キャラバン

大阪〜福岡1200キロを宣伝


「組織強化・拡大と第一交通との闘争勝利をがんばろう」と声をあげ、団結がんばろう=5月27日、大阪・淀屋橋

宣伝カーからキャラバン行動の成功を訴える京都・藤原委員長=5月27日、大阪・淀屋橋

 5月27〜6月1日、未組織宣伝・第一交通糾弾を連動させた行動を本部久賀書記次長と大阪佐野南海交通労組から堀川委員長ほか4人が参加して実施、大阪〜福岡の1200キロを走破、ビラ約1万3000枚を配布しました。

 大阪の市役所南側で自交総連本部、大阪、和歌山、京都の仲間とともに出発式を行い、自交総連高松副委員長は、本部としても第一交通との闘いは負けられない、組織拡大を視野に奮闘してほしいと激励しました。

 大阪淀屋橋で宣伝行動を行い、通行人にもビラを配布しながらハイタクの現状を訴えた後、和歌山、岡山、広島、山口、福岡などの協力を得ながら宣伝行動を行いました。

 第一交通側は、車で我々を追尾、撮影、録音など、相変わらずの対応をしてきました。北九州に入る直前、台風のため第一本社前の行動が危ぶまれましたが、福岡・山口の協力を得、抗議を含めた宣伝行動を成功させました。博多駅では新加入者を迎えるなど役割の一端を担いました。



東北B宣伝行動

悲惨な労働実態明らか

自交総連への期待大

アンケートを手にタクシー労働者から悲惨な労働実態を聞く、宣伝行動参加者=6月3日、秋田・能代駅前

 【宮城】自交総連東北ブロック協議会は6月2〜4日、秋田県内でオルグ宣伝行動を実施し、宮城・福島・山形から代表として8人が参加しました。

 秋田県内の各地をまわり、宣伝やアンケート調査を行い、能代駅での女性乗務員は、「月平均の営収は15〜20万円前後で、月の月例賃金が5〜8万円程度で、夫と合わせても生活が苦しい」、横手駅での男性乗務員は、「有休はあるが休めば給料から引かれるから休んだことがない」などの悲惨な労働実態の声がよせられました。

 また全自交についての批判も多く、全自交の役員が悪質経営者と癒着し、組合員をだましていることや、全自交は当てにならないと、自分たちで組合をつくったりしていることなども明らかとなりました。

 今回の行動で、秋田県内の労働者からは「私たちの今の苦しい内面を聞いてほしい」「秋田に1か月でもいて自交総連の組織づくりをして欲しい」などの自交総連に期待する多くの声がよせられました。(宮城・渡辺敏春)



要求を取れば信頼得られる

第6回常執 春闘を中間総括

 自交総連は6月4〜5日、自交共済事務所で第6回常任中央執行委員会をひらき、春闘の中間総括、新年度運動方針骨子などを論議しました。

 春闘では、まだ未解決のところもあるものの、主要地方で、現行維持プラスアルファーを獲得、職場要求でも前進をかちとっていることを評価する一方、要求提出の遅れや未提出組合があるなどの問題点が出されました。

 プラスアルファーの原資を出させた背景には、過去の「合理化」や営収低下から、これ以上の悪化は労働者の確保を困難にするとの経営側の危機感があるとの分析や小さなものでも労働組合が要求を取ることで、職場や地域の信頼を得ることができるなどの指摘があり、組織拡大や要求が出せるだけの組織の基礎的な力量の強化などの対策をつよめていくことが必要だと話し合われました。



安全運転実態調査

営収は依然低レベル

「安全運転では食えない」

 03年の安全運転実態調査がまとまりました。この調査は、主要都市を中心に労働時間を守って安全運行するテスト車と通常営業(営業所平均)を比較して、通常の労働がどの程度加重になっているかを調べているものです。

 今年の調査は5地方平均で、テスト車・通常営業とも運収・実車率がわずかに前年よりアップしていますが、前々年の回復にも程遠く、依然、最低レベルの実態がつづいています。地方別にみると、東京・神奈川・大阪が前年比増、仙台・福岡が減となりました。

 最低の福岡でのテスト車の運収は2万2894円。この運収で労基法どおりの週40時間労働(月10・86乗務)したとすると、月間運収は24万8700円。賃率60%としても賃金は14万9220円にしかなりません。改めて「安全運転していたのでは食えない」というきびしい実態がよくわかります。通常営業のオーバー労働ぶりを示すテスト車と通常営業との運収差は平均12%。福岡では28%もありました。

安全運転実態調査の推移(5地方平均)

2003年 安全運転実態調査結果(自交総連)



介護タクの今後を学習

学習会に53人が参加

福島地連

介護の実技を示して説明する福岡・清水さん=5月16日、福島・パルセいいざか
 【福島】5月16日、福岡地連の清水啓二さんを講師に福島地連主催の介護タクシー学習会がパルセいいざかで開催され53人が参加しました。

 学習会では、介護保険制度の変更で利用件数が制度改正前の3分の1にまで落ち込んだことや利用者の増大をはかるためには利用者に支持されるタクシーでなければならず、今後はどのようにして移動制約者の交通手段を確保するか、また介護タクシー事業についての今後のあり方などが提起されました。

 参加者からは、「営業に結びつけられれば幸いと存じますが、身の回りのことを考えればヘルパー2級やその上の資格を身につけておけば、いざという時に助かると思います。また、身につけることにより、無事故、接客サービスの向上につながることは当然と思い、自分自身一歩でも近づきたいと思います」「介護タクシーはヘルパー資格があればできるものではないということがわかりました。これからのタクシーは老人を無視することはできないので、十分な研修をし、お客さんに喜ばれる仕事をしたいと思います」などの感想が寄せられました。(沼倉喜久雄)



京都地連アンケート

タクシー台数「多い」が8割

 結果を今後に活用

 【京都】京都地連で実施した労働実態アンケートの中間報告が発表され、現在までに478枚が集約されています。

 タクシーの台数についての質問では、84%の人が「多すぎる」と回答しています。事故になりそうでヒヤリとした経験があるかの質問では84%の人があると回答しています。

 また、独自の質問項目を設けて、車の総量規制をするべきかの質問では、94%の人が「はい」と回答。違法駐車など取締りを強化すべきかの問いには75%の人が「はい」と回答しました。次に京都地連が政策提言しているセンター機能についての質問では89%の人がつくるべきだと答えています。

 これらを見ると、京都でも前号の8地方の平均と同じように、タクシー台数の多さや、過労から安全確認がおろそかになるなどタクシー労働者がきびしい労働実態に置かれていることが明らかとなっています。

 今後京都地連では、このアンケートの集約を進めるとともに、その結果をふまえ、要求・課題・政策をまとめていくことにしています。

グラフタクシーの台数についてと事故になりそうでヒヤリとした経験



交運共闘実態調査

空車で埋まる繁華街

タクシー職場の痛みを実感

 片側3車線のうち2車線を占拠して3列で客待ち、タクシーの屋根には「5・5割引」バーゲンセールの看板――5月26日、交運共闘で大阪繁華街の梅田新地と難波のタクシー乗り場の見学に参加しました。規制緩和が実施され大阪では、3500台(2割)が供給過剰にもかかわらず、さらに1200台増車されたとのことです。約半数(8000台)が、5000円を超えたら5割引、初乗り2q500円など何らかの大幅運賃割引を導入しているとのこと。出口の見えない不況のもと「空車」が繁華街を埋め尽くしていました。

 増車・割引のコスト競争が労働条件の悪化と倒産廃業の悪循環となって、まさに、タクシー職場は社会の「痛み、歪み」が凝縮されているなと実感させられました。

(検数労連・福田真)


人身事故対処マニュアル
(1)人身事故は的確な対処と相談を
 今回より人身事故の対処の仕方についての連載を開始します。事故、特に人身事故は起こさないことがなによりですが、もしも起こしてしまった時には、的確な対処が必要となります。そんな時は今回の連載を思い出してみてください。


人身事故は救護優先

現場を離れる時は相手に了解を

 あっ、ギギギギギー、ドーン。しまった。子供をハネてしまった。子供が立ち上がらないよ。ヤバイ、重傷か? 罰金いくらくる? 免停は何日だ? 1年以内にオレ違反はあったかな? 点数は?など、あらゆることが頭を駆け巡り、パニックになるでしょう。もし罰金が50万円もきたら2か月分の給料がパーだよ。免停が180日きたらお手上げだよ。

事故のときは組合へ相談を

 いくら子供が急に飛び出してきたからって、自分の不注意で起こした事故だから…。相手が子供で大ケガをしてしまったから…。しょうがねえか。やむを得ないか。さあ、こんな時、君ならどうする? あきらめるか?

 いや、そうです。あきらめずに、今すぐに組合事務所に連絡をすることです。

 子供の救護を優先し、救急車を呼び、警察に連絡し、同時に、組合の役員に連絡・相談することに気が付くことです。

 もし、自分の職場に組合がなかったらどうする? 心配ないよ、組合がなくても、親睦会くらいはあるだろう。その親睦会の役員に頼んで、自交総連に連絡・相談してくれればいいんです。自交総連とは、そんな時に必要な組織なんです。自交総連は組合がない職場でも、そんな時には即、相談にのりますから安心して下さい。

まず安全確認救急車を呼ぶ

 さて、事故直後、子供の安全(二重災害防止)を確認し、救急車を呼ぶために携帯電話ではなく、近くの公衆電話からかける時には特に注意をしてください。

 なぜなのか? すぐ側に公衆電話がなかった場合、被害者に了解のうえで行かないと、近所の人または通行人が、その間に110番通報してくれる場合があります。そんな時に必ず「運転手はどうした? どこへ行った」などの騒ぎになります。「何、運転手がいない? 逃げたのか?」などとなり、警察官が同時到着している場合などは『ひき逃げ扱い』になることもありますから要注意です。『ひき逃げ扱い』になると、その後の流れが乗務員にとって非常に不利になります。結果的に『逃げたのではなかった』と分かった場合でも、最悪な事態を招くことが、ごくまれにあります。

 空車走行の事故ではなく、お客さんが乗車していた場合は、丁寧にお断りし、他のタクシーを探して目的地に行ってもらって下さい。重要な目撃証人となりますので、この場合、必ずお客さんの氏名・連絡方法を聞いてメモしておくことです。無線配車の大事なお客さんであっても子供の救護が最優先だという手順を忘れずに。

 自交総連は、『道交法闘争』のプロ集団です。場合によっては弁護士さんも紹介しますから安心して下さい。


 新加盟のなかま  (671)奈良・京都ハイウェイ支部

 奈良支部とともに奮闘

 【奈良】奈良地本の奈良ハイウェイ支部(道路整備)と同じ会社の京都事業所で働く仲間は11月6日、京都ハイウェイ支部(加藤清支部長)を結成、自交総連奈良地本に加盟しました。
 奈良支部が賃下げ反対裁判開始を全国66事業所に発信したファックスに影響を受けて加盟することになりました。
 現在は奈良ハイウェイ支部の仲間とともに要求実現に向けてがんばっています。

 新加盟のなかま  (672)奈良・生駒市衛生社支部

 組合結成で労働条件改善

 【奈良】生駒市の生駒市衛生社で働く仲間は12月、生駒市衛生社支部(古田洋支部長、12人)を結成、自交総連に加盟しました。

 同社には組合が存在せず労働条件を改善するためには組合が必要として、今回組合を結成することになりました。

 結成直後は三役が不当解雇されるなどの攻撃もありましたが、現在は市との受託契約に成功するなど、仲間との団結でがんばっています。

 新加盟のなかま  (673)東京・内山観光労組

 労働条件改善に向け

 【東京】足立区にある内山観光バスのタクシー部で働く仲間は5月9日、内山観光労組(高杉唯一委員長、7人)を結成、自交総連に加盟しました。

 同社は、今年2月に新規参入した会社ですが、労働条件が入社時の契約とあまりにもかけ離れ、個別の交渉ではらちがあかず、東京地連に相談して結成となりました。

 現在は、労働条件改善に向け、会社との団交を続けています。





自 交 総 連