自交労働者No.612、2003年11月1日

佐野南海労組 戦いまだ道半ば

55人不当解雇に全面勝利

勝利報告集会 南海電鉄との和解も報告

勝利報告集会で閉会のあいさつを行う大阪地連・岡田副委員長(中央)=10月4日、大阪・ワシントンホテル
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 【大阪】佐野南海労組は10月4日、9月10日の全面勝利の仮処分決定を受けて泉佐野市の関西エアポートワシントンホテルで勝利報告集会をひらき、関係各所から154人が参加しました。

 集会では、労働者・労働組合になんの相談も行わないまま、法律を一切守らない第一交通に一方的に株式譲渡した南海電鉄が社会的・道義的責任を認め、調停で全面和解したことや、55人の不当解雇裁判で全面勝利の仮処分をかちとった報告が行われました。

 主催者を代表して権田委員長がこれまでの闘いの経過と謝辞を述べ、佐野南海の組合員に「闘いはいまだ道半ば、これからが正念場のたたかいになります。共にがんばろう」と激励しました。



平和と民主主義を守るたたかいを

総選挙

自公保政権の悪政に審判を

今後の日本の進路を大きく左右

自交総連中央執行委員長 領家光徳

領家委員長
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 21世紀の日本の進路を大きく左右する歴史的総選挙が11月9日投票で行われます。

 今回の選挙は自交労働者にとって、小泉自公保政権の悪政による不況と新「道路運送法」の施行によってもたらされている自交労働者の耐え難い苦しみに対して、審判を下す絶好のチャンスです。

 マスメディアは、「政権選択選挙」「マニフェスト(政権公約)」と位置付け、連日のように「自民か民主か」とあおっています。今、重要なことは、耳障りのよいうたい文句や一時的なパフォーマンスに惑わされることなく、過去の行動の実績と評価とともに、タクシー政策などについて、どのような政策を掲げているかを見定めることが大切です。

 日本経団連が「優先政策」10項目を発表し、消費税増税、法人税減税を求める政党に政治献金をするとの買収政治に、民主党が「基礎年金の財源に消費税をあてる」と明記。自民党も「消費税引き上げについても国民的議論を行い、結論を得る」と盛り込みました。消費税増税の本質は、導入後15年間に136兆円を収奪する反面、法人3税で131兆円の減税をしていることからも何をねらっているか明らかです。また、憲法問題も自民党は「改憲」。民主党は「論憲から創憲」といっています。

 まさに、日本の支配層が2大政党制への誘導と21世紀の大戦略として「消費税の大増税」と「憲法改悪」という2大計画を追求しているといえます。

 私たちは、かつて93年、マスメディアによって「自民か非自民か」の中で、非自民を掲げた細川連立政権の誕生の経験があります。しかし、政権交代が行われたとしても、自民党政治の枠組みでは、政治が変わらないことは明らかです。

 こうした教訓を明らかにし、それぞれの職場・地域で語り合い、すべての自交労働者に呼びかけて、悪政転換の絶好のチャンスとして、奮闘していこうではありませんか。



規制緩和、消費税、労働、憲法…

自交労働者の要求から考える

21世紀への選択 各党の政策と実績

 21世紀の日本の進路が問われる重要な政治の季節です。自交労働者の労働と生活は国の政治のあり方と深いつながりがあり、その要求実現には政治の変革が欠かせません。自交労働者の要求との関わりで、各党の政策・実績を検証してみました。

自交労働者と政治
 自交労働者の労働は政治と切り離せません。タクシー・ハイヤー、観光バス、トラックは国土交通行政、自動車教習所は警察行政の許可事業で、増車や教習内容などは行政の方針で大きく左右されます。その行政の基本を決めるのが、政府与党の政策ですから、各党の消長は、重大な影響があるのです。

規制緩和への態度
 増車と運賃ダンピング競争を招き、タクシーの安全・安心に深刻な影響を与えている新道路運送法(タクシー破壊法)は、自交総連をはじめ多くのタクシー労働者が廃案を求めたにもかかわらず、政府与党と民主党などの賛成多数で成立させられ、反対したのは日本共産党と社民党だけでした(表(1))。


消費税増税が浮上
 重要な問題として浮上してきたのが消費税の増税です。

 小泉首相は「将来を展望すれば、上げざるを得ない」と発言。民主党も、基礎年金の財源に消費税をあてると提言しています。

 増税されれば、表(2)のように国民1人あたりが新たに払う消費税は、10%になれば10万円、18%なら26万円もの負担にもなります。国民の購買力を弱め、景気をいっそう悪くするのは明らかです。


自交労働者に影響
 自交労働者にとって消費税のアップは重大な影響があります。タクシー・観光バスの利用者はますます減り、いっそうの売上げ減少は避けられません。

 さらに、タクシー労働者は賃金計算にも影響します。

 ほとんどの職場で賃金計算は、消費税を除いた営収を基本に計算されています。消費税が10%になるということは、営収から10%引かれて計算されるということです。

 現在の経済状況と規制緩和の競争下では、消費税が上がっても、運賃への転嫁ができなかったり、乗り控えが起こったりして、増収になる保障はほとんどありません。まったくの引かれ損の可能性が強く、試算(表(3))では年15万円もの減収になってしまいます。


消費税アップは避けられないか
 与党や民主党は、高齢化社会の社会保障財源のためには避けられないという立場。野党の共産党は、消費税の増税に反対を主張しています。

 消費税を10%にアップすると新たに得られる税収は12・5兆円。これに代わる財源があるのか、双方の主張は表(4)です。

 財政関係では、各党とも「無駄を省く」「節約」を主張していますが、自分たちがもらう政党助成金=毎年300億円以上の節約はしない党がほとんどです(表(5))。



労働者を守る政策
 社会的に弱い立場の労働者を守る法律が労働基準法をはじめ各種の労働関係法ですが、この法律の中身も、政治によって変わってきました。

 今年焦点となった労基法の改悪への態度は表(6)。解雇の自由化は野党の協力で阻止しましたが、有期雇用・裁量労働の問題では野党内でも対応が分かれています。


憲法・平和の問題
 自民党は05年をめどに党改憲案のとりまとめを急ぎ、民主党も「論憲から創憲へ」と言うなど改憲を打ち出しています。世界に誇れる憲法9条の危機ともいえます。

 陸・海・空・港湾労働者とともに自交総連も憲法違反の有事立法阻止のためにたたかいました。その願いを踏みにじって有事立法の成立に賛成したのは表(7)の各党です。

 アメリカに要請されてイラクへの自衛隊派兵も強行されようとしています。




人身事故対処マニュアル
(8)聴聞での対応と相手へのお見舞


聴聞は一人で行かず組合役員と

相手へのお見舞を続けること

 聴聞には、絶対に一人ではいかず組合の役員に同行してもらい、有利になる意見を述べてもらいましょう。

聴聞には一人で行かないこと

 免許の停止期間が90日以上の処分になると、180日や取り消し対象も含め、「聴聞」ということになります。

 「聴聞」には絶対に一人ではいかない(出頭)ことです。組合の役員に同行してもらい、「聴聞」に出席をしてもらい、有利になる意見を述べてもらいます。

 「聴聞」というのは『公開』が原則ですから、組合の役員が一緒に同行でき、補佐人として意見を述べることができます。何人でもOKですが、ただし、相手側(公安委員会)が申請人数全員を認めるかどうかです。当日、聴聞を受ける全員の集まる会場で行われますので他の聴聞を受ける人に影響するので、制限がされる可能性があります。

 なお、聴聞の場で意見を述べる役員は、だれが何を喋るのか事前に調整し、事故や処分内容はじめ、処分は過大すぎるなど、処分するな、軽減しろなどと主張します。

 罰金でも、免停でも、点数でも、突っ張ったり、反論したからといって、罪が重くはなりません。

 30日の免停が、60日の免停になったり、90日の免停になったりするはずがありません。なぜならば規定に従って処分されるからです。

お見舞はこまめに行くこと

 被害者からの「嘆願書」は地方検察庁(地検)、行政処分課交渉では有力な武器になります。「嘆願書」を書いてもらうためにも下記の見舞いは重要です。

 俺の方が悪くないと感じたとしても、相手の見舞いには、いってください。検察庁に呼び出され、事情聴取を受ける際に有利に運びます。

 相手側がそんなに心配しなくてもいい、もう、来なくてもいいといっても、お客さんを乗せてその近くまできた、用事があってその付近まできたとの理由を付けていってください。情状酌量の面でも有効です。できれば、検察庁からの呼び出しがあるまで続けてください。もし、示談書ができていない時は示談に代わる威力を発揮する事もあります。この部分は、○月×日、見舞いに行った(病院へ、自宅へ)。さらに、お土産(お見舞品)も必ず持参してください。第1回目は、3000円〜5000円の品物にしてください。後は、1000円〜1500円程度で結構です。このことは必ず、メモで残してください。子供の場合は子供の好きなものを選んでネ。

 しかし、調書、見取り図など、現場検証をした場合は、特別な場合を除いて、自分が処分されると思ってください。

 特別な場合とは、両方とも、俺は信号は「赤」で交差点に入っていない。俺は信号は「青」だった。などと、お互いが突っ張り合っていると両方送る(書類を検察庁に)という事もあります(ケンカ両成敗?)。逆に、第三者による目撃証言がなかった場合など決め手がなく、双方に処分無しとなる例も結構あります。



 新加盟のなかま  (679)大阪・ハンドルネットワークユニオン

 個人加盟の組合

  【大阪】大阪地連は8月、個人加盟方式のハンドルネットワークユニオン(権田正良委員長)を結成しました。

 同労組は、組織として自交総連加盟ができないなど潜在的な悩みを持った労働者が一人でも加盟できるようにするために結成されました。

 現在は、加盟を呼びかけるビラを作成し、未組織宣伝行動や機関紙街販にあわせて宣伝を行い、加盟者も徐々に増えています。


 新加盟のなかま  (680)大阪・朝日交通川西労組

 上部組織が必要

   【大阪】兵庫県川西市にある朝日交通川西営業所で働く仲間は9月28日、朝日交通川西労組(高里正委員長、46人)を結成、大阪地連に加盟しました。

 同労組は、もともと企業内組合でしたが、有休を使っても名目だけで賃金にならないなどの劣悪な労働条件で、会社に是正させるためには上部組織が必要として加盟することになりました。

 現在は会社に是正を求めて奮闘しています。



自 交 総 連