自交総連の政策提言


安全で利用しやすいタクシーをめざす6項目政策提言

1.利用しやすさや迅速性を保障するため、タクシーのりばの増設やバス専用レーンへのタクシー乗り入れなど優先通行権の確保・拡充をはかること。

2.同一地域同一運賃の原則を基本とする運賃認可制を維持するとともに、料金については人頭割増や荷物料金、利用者ニーズに対応した長距離逓減制等の導入をはかること。

3.身障者、お年寄りなど「交通弱者」のタクシー利用については、運賃割引き制度の拡充や助成・補助等により負担の軽減措置をはかること。

4.プロドライバーとしての資質向上と労働力の確保をはかるため、タクシー運転免許の新設を行うとともに、社会的水準の労働条件を確立できるようにすること。
 また、タクシー労働者の食堂、トイレ、休憩所等福利厚生施設を完備すること。
 労働者保護と安全輸送を保障するための規制措置としては、賃金、労働時間における最低労働条件の法制化をはかること。

5.輸送秩序と公正な競争を確保するため、タクシー事業の免許制度は維持し、増車に際しては関係労働者、労働組合の事前合意と労働条件改善・脱法行為への事前チェックを前提とすること。また、減車勧告の実効性強化をはかること。
 関係法規や諸通達を順守しない事業者に対する免許取り消しを含む処分権限の強化をはかるとともに、関係行政当局間の相互通報制にもとづく対策強化と一体的に機能する方策の具体的措置を講じること。
 法人に対する事業免許は期限つき免許とし、一定期間ごとに事業者としての適格性を問い直すこと。
 中小企業経営の効率化と労働者の労働条件改善のため、事業の共同化・協業化を促進するための法的措置を行うこと。

6.利用者・住民、事業者、タクシー労働者の声が強く反映する民主的な委員会を設け、科学的な調査体制を確立したうえで、これに需給調整、運賃などの重要事項の事実上の決定権を与えるようなシステムのもとに、行政体制の民主化、透明化を促進すること。



地方都市・郡部におけるタクシーのあり方についての提言

1.福祉タクシー制度の全国的な確立、改善
 大量交通機関を利用しにくい身障者・高齢者・患者などのタクシー利用に補助を行う福祉タクシー制度を国と自治体の責任で全国的に確立するとともに、現行の制度については、補助額、対象範囲などを広げ、利用しやすい制度と改善すること。
 また、養護学校・福祉施設への通学・送迎にタクシーの活用をはかること。

2.乗合タクシーの活用など住民の交通権の確保
 地域住民の交通権を確保するため、乗合タクシーの導入・利便性拡大を含めたタクシーの活用をはかり、そのための補助を行うこと。
 また、自家用車利用の送迎など危険な輸送方法は排除し、自治体等が行う公的な運転業務全般にタクシーの活用をはかること。

3.地方都市交通効率化のためのタクシーの活用
 地方都市交通の効率化をはかるため、自家用車の無制限な増加を抑制し、公共交通機関優先の原則を確立すること。そのため、自動車の総量規制などの検討をすすめるとともに、積極的なタクシー活用策を講じること。

4.地方交通政策確立のための委員会等の設置
 地方の総合的な交通政策を協議、検討するために、労働組合を含めた自治体、運輸行政当局、事業者、住民からなる委員会・協議会等を設けること。

5.運転代行の違法行為根絶、規制強化
 運転代行については、違法行為を根絶するために、タクシー類似の表示灯の禁止、運転代行専用車両(2シーター)の義務付け、客待ちの取り締まりを強化するなど実効ある措置を講じること。
 また、安全性確保のために、運転者の選任、車両管理など旅客を運送する道路運送法と同等の規制を行うようにすること。

6.タクシーの特性を生かしたサービスの充実
 タクシーの特性を生かし、いっそう利便性を向上させるため、労働条件を悪化させないことを前提にした運行の効率化、利用者ニーズに応じた観光サービス等の充実を、事業者と行政は責任をもってすすめること。
 また、中小零細事業者の共同・協業化の促進のための支援を行うこと。

7.実効ある減車措置、最低労働条件の確保
 地方のタクシー労働者の労働条件改善のため、個別事業者への指導を含めた実効ある減車措置を講じること。
 改善基準告示の拘束時間については、日勤勤務の隔日勤務との格差を縮小し、長時間労働追認につながる特例は廃止すること。
 運輸局長による乗務距離の最高限度指定地域を、少なくとも政令指定都市にまで拡大し、最高限度は拘束時間に合わせて規制するようにすること。



自 交 総 連