運賃改定時に労働条件改善をかちとろう
経営者と国は利用者・国民への公約を守れ

 全国各地でタクシー運賃改定(値上げ)の申請が出され、早いところでは5月にも改定されるのではないかといわれています。運賃改定は、タクシー運転者の賃金と密接な関わりがあります。運賃改定時に賃金が増えるように、あなたの職場でも自交総連と一緒に闘ってください。

 運賃改定は労働条件改善が理由です

 労働条件の改善は利用者への公約
(東京の経営者協会が消費者むけに運賃改定を説明する文書=要旨)


 タクシー乗務員の労働条件は、悪化の一途を辿っています。
 早急な労働条件の改善による良質かつ優秀な人材確保がタクシー事業の将来的な発展を左右すると言っても過言ではないでしょう。
 利用者の皆様方にはご負担をおかけすることはまことに心苦しいことではありますが、タクシー運賃・料金の改定につきご理解をお願いする次第であります。

 タクシー運賃は、経営者が申請して国(国土交通省)が認可して決まります。利用者に負担を求めるものですから、いい加減な理由では改定は認められません。
 今回の運賃改定はどこでも、経営者は、労働者の労働条件改善のために必要だという理由で申請しています。認可の際に、国も労働条件改善の分を見込んで原価を査定して値上げ率を決定します。
 運賃改定時には、当然、その公約どおり、労働者の賃金が増えなければなりません。

 スライド賃下げなんてとんでもない

 ところが経営者は、労働者が黙っていると、運賃改定時に足切り額を引き上げたり歩合率を引き下げたりする「スライド賃下げ」をして、運賃改定による増収が労働者に渡らないようにしてしまいます。本来、労働者に回る分を、経営者が懐に入れてしまうのでは、利用者・国民への公約違反です。
 これに対して、足切り額や歩合率を一切変更しないのが「ノースライド」で、これを実施すれば、賃金は確実に増えます(下の表参照)。
 労働条件というのは会社が勝手に切り下げることはできません。しっかりした労働組合があり、会社のスライド提案を毅然とハネつけることができれば、ノースライドをかちとれます。自交総連では、過去の運賃改定でも、ノースライドによる賃金アップを実現してきました。

 ノースライドなら賃上げ、スライドされたら賃下げです
(スライド賃下げのやり方は、足切りの引き上げ、歩率の引き下げ、売上の読み替え、リース料の引き上げ、それらの組み合わせなどさまざまで下記は一例です)
(項  目) 売 上 賃 率 賃 金 増 減
運賃値上げ前 40万円 50% 20万円
10%運賃が
上がったと
して
ノースライドなら 44万円 50% 22万円 2万円増
スライド賃下げだと 44万円 45.5% 20万円 ±0
その上、客減りがあると 42万円 45.5% 19.1万円 0.9万円減

 国も認めたノースライドの正しさ

 ノースライドを求める自交総連の長年の運動が実って、07年3月28日、国土交通省は「一般タクシー事業における今般の運賃改定申請の審査等の取扱いについて」(国自旅第325号)という通達(詳細はこちら)を出しました。
 この通達は、運賃改定のときに、ノースライドで賃金が増える分をあらかじめ見込んで運賃を査定し、改定率を決めるというもので、ノースライドの正しさを国が認めたといえるものです。
 これを事業者に守らせるため、通達では、事業者は運賃改定時に労働条件改善をすること、改定後に労働条件改善が不十分なときには地方運輸局が指導をすることを明記しています。
 ノースライドを前提に査定して運賃改定率を決めているのですから、「労働条件改善の原資がないからノースライドはできない」などという経営者の言い訳は一切通用しなくなりました。不当なスライド賃下げをねらう経営者がいたら、運輸局・支局に申告して指導を求めることが大切です。

 自交総連と一緒にノースライドを

 いまは規制緩和のせいで、タクシー台数はどこでも過剰です。運賃改定を機にさらに増車する会社もあるかもしれません。これを放置しておいたのでは、たとえ運賃が上がっても増収にならないことも考えられます。また、自分のところだけ値下げして客を集めようという自分勝手な経営者も予想されます。
 今度の運賃改定では、ノースライドとあわせ、「ムダなタクシーを減らす減車と増車の阻止」「運賃値下げ競争の阻止」を一緒に要求しています。
 自交総連では、運賃改定時の労働条件改善が確実に実施されるよう、方針を決め、経営者と国(国土交通省)に対する要求を掲げて闘っています。詳しくはこちらの方針をご覧ください。
 規制緩和で下がり続けた賃金を改善するため、自交総連と一緒にノースライドをかちとりましょう。


自 交 総 連