自交労働者No.570、2001年12月1日

2月1日に抗議ストを提案

 2002年春闘反撃、初年の闘い  −第1回常執−

 自交総連は11月13日、自交共済事務所で第1回常任中央執行委員会をひらき、2002年春闘方針案などを論議しました。
 秋闘では、地方でも運輸局交渉がもたれるなど10・24中央行動が全国的な決起の場となったことを確認、職場要求などはまだ解決していないため、ひきつづき決着をめざしていくことにしました。
 2002年春闘方針案は、「改正」道路運送法施行など経験したことのない事態のもとで、将来展望をかけての「反撃、初年の闘い」として、自交総連結成の初心に立ち戻り、組織の総力をあげるとしています。
 とくに法施行の2月1日に、台数規制廃止に抗議、タクシー運転免許の法制化、安全・安心輸送確立を求め、全国いっせいにストライキ、中央行動を実施することを提案、行動内容を含め今後、十分論議していくこととしました。12月11、12日の中執で確認しますが2月1日実施の場合は年内から準備をしておく必要があります。

 「改正」道運法の運用基準公表
 運転者の選任、確保などは活用を

国土交通省は約束を守れ
=10・24中央行動にて

 解説  来年2月から「改正」道路運送法が施行されますが、その実際の運用細目を定めた運用基準が順次国土交通省から発表されています。
 8月に参入・増車関係、10月には緊急調整、運賃についての基準が示されました。まだ発表されていないのは違法行為等の処分基準です。
 発表された基準には、実効性のない基準と一定の歯止めになる部分とがあります。
 例えば、緊急調整措置では、前5年間の平均と比べ営収も実車率も20%超低下しないと発動(新免・増車の停止)しないというのは実効性のない最たるものです。
 一方、参入・増車基準では、とくに運転者の選任で「労働関係法の規定に抵触しない」「定時制は適切な就業規則、乗務割による」など従来は明文化されていなかった基準が明示されました。この点は活用して、現地調査も含めて基準を厳守させ、増車の歯止めとすることが大切です。
 地域協議会も積極的に活用して、意見を反映させましょう。


家族とともに英気を養う
 闘う労組激励まつりに240人  −大阪−
大阪・闘う労組激励まつりでアコーディオンに合わせ
全員が「がんばろう」を熱唱=11月4日、泉南市

 【大阪】大阪地連は11月4日、泉南市の青少年自然の森で「南海電鉄・第一交通の無法と闘う労組激励まつり」(支援共闘会議共催)をひらき、たたかう仲間・家族ら240人が参加しました。
 支援共闘の吉開議長は「この7か月、たいへんな思いをしてたたかってきた組合員のみなさん、今日はご家族といっしょにくつろいでください」とあいさつしました。
 和歌山・白浜南海労組の仲間も参加し、笠松書記長は、配車差別攻撃とたたかっている現状を報告しました。
 模擬店や抽選会、カラオケあり全員合唱ありで、子どもたちも大喜びで交流、英気を養いました。
 まつりの前後、1日には南海の株主三井住友、三和銀行前で、8日には同高島屋、南海本社前で宣伝行動を行いました。


 バイト野放し追及
 運輸局と交渉  −中国ブロック−

 【広島】中国ブロックは全国統一行動の呼びかけに応え10月25日、中国運輸局交渉を行いました。
 交渉では「改正」道路運送法の施行に伴う運用基準のレクチャーをうけ、(1)供給過剰監視・調整地域指定の現状無視(2)地域協議会への参加(3)悪質事業者の追放――などを申し入れ、(4)アルバイトの野放し実態を追及し、(5)タクシードライバー法案の趣旨を説明しました。
 参加者は、岡山1、広島3、山口4人で、局から森藤2課長らが対応し、地域協議会について「自交総連の地連・地本には参加を要請する」、アルバイト禁止について「この部分の法律は変わっていない。2月以降も現行どうりだ」などと答えました。
 また、山口24日、広島25日に陸運支局へ申し入れ、広島は同日、タクシー協会と懇談しました。(内谷富雄)


 駅構内の混雑防止
 川越市と交渉  −埼玉地連−

 【埼玉】埼玉地連は11月15日、川越市と駅構内車両の台数制限などの問題で要請交渉を行いました。
 構内問題は、新道運法施行にむけ、新免や増車をした会社の車両の入構を阻止し、これに歯止めをかけ、駅構内の混雑を防止しようというものです。
 川越市では9社のタクシー会社中7社に自交総連の組合があり、そのすべての代表が出席、市からは仲政策企画部長はじめ担当の部課長が対応し、日本共産党の山村市議も同席しました。
 構内の車両数制限については「事業者でつくっている協議会に一任しているが、組合の申入れの趣旨を生かすようにしたい」との回答。また、タクシーの優先通行権について「公安委員会に要望が伝わるよう市が仲立ちをしたい」などの答えがあり、今後も継続的に意見交換をすることも確認しました。(三箇登志雄)


家族とともに英気を養う
 無法な攻撃許さないぞ
 年末カンパに協力を

 自交総連では現在、全国で39組合の仲間が長期争議をたたかい、不当に解雇されている組合員も50人にのぼります。
 悪政不況・規制緩和・18歳人口の減少などは、ハイタク・観光バス・自教経営を直撃し、無責任な経営者は犠牲を労働者に転嫁しようとリストラ「合理化」を強行。倒産・企業譲渡、一方的賃下げ、不当解雇が例年になく続発しています。
 とくに、第一交通、北海道交運、勝英自教など全国展開する悪質企業が膨張、会社を買収しては一方的賃下げ、一時金ジャック、解雇などを強行するのが目立っています。
 自交総連では毎年、各組合ごとに年末カンパ(臨時徴収)を集め、長期争議組合に配分しています。不当な攻撃を許せば、それは地域から全国にも波及します。仲間を守る労働組合の原点に立って、暖かい協力をお願いします。

全員解雇とたたかう
東自教・所沢中央自校支部 書記長 熊谷 浩行
 昨年11月20日、組合員23人全員解雇、今年1月25日には、副支部長の不当逮捕という組合攻撃と今もたたかっています。
 この事件のきっかけは、旧経営陣が岡山県の勝英自動車学校・吉村社長に、経営権譲渡契約をしたことから始まりました。吉村社長は、労働組合を極端に嫌い、経営権を取るとすぐ「組合を抜けて職制になれ」と組合つぶしを行い、その後も団体交渉拒否、残業差別、一方的に係長・主任手当のカット等さまざまな不当労働行為を繰り返し、さらに組合員を全員解雇し、暴行事件をデッチあげしたのです。
 3月19日、支部は「解無効・地位保全」の仮処分をかちとり、地労委でも闘っています。
 たくさんの署名が集まった公判も終わり、年内に判決が出ます。会社は1年間の賃金を払わず、復職も認めていませんが、この闘いに勝利し、組合を認めさせ、全員で職場復職するまで頑張りたいと思います。

長期争議組合(2001年11月現在)

北海道・交運従業員労組不当解雇
               一時金不支給
    共同タクシー労組 一時金不支給
    旭川中央ハイヤー労組 不当解雇
山 形・出羽ハイヤー支部 会社再建
    ハイヤーセンター支部 会社再建
宮 城・日交タクシー労組 会社再建
    塩釜交通労組 不当解雇
    宮城県観光バス労組 賃金不払い
    秋保温泉タクシー労組 一時金不支給
埼 玉・県南交通労組 一方的賃下げ
    京王交通労組 一方的賃下げ
    富士タクシー労組 不当解雇
    坂戸交通労組 一方的賃下げ
東 京・大井交通労組 不当解雇
    山王交通労組 会社再建
    太陽自動車労組 一時金不支給
    東自教八王子支部 一方的賃下げ
    東自教所沢中央支部 不当解雇23人
    東自教三田支部 企業閉鎖
神奈川・神自教都南支部 賃金差別
    神自教京浜支部 会社再建
    神自教大船支部 不当解雇9人
大 阪・ロイヤルタクシー労組 不当解雇
    金剛自動車労組 不当解雇3人
    東豊観光労組 一方的賃下げ
    中央交通労組 車両差別
    佐野南海労組 一方的賃下げ
    三和交通労組 不当解雇
和歌山・白浜南海タクシー労組 一方的賃下げ
山 口・下自交4支部 会社再建
愛 媛・新日本合同支部 一方的賃下げ
高 知・明神観光ハイヤー労組 一時金不支給
福 岡・西鉄タクシー労組 不当解雇
長 崎・外港タクシー労組 不当解雇2人
大 分・大自交湯平生コン分会 不当解雇5人
鹿児島・大和交通労組 会社再建
15地方   39組合・支部   解雇者50人


この成果を全国に
 会社は労使関係の改善はかれ
 中労委 差別是正命令を維持 −愛媛・新日本合同支部−

 愛媛地本新日本合同支部は、賃金差別などの不当労働行為について10月3日、中労委命令をかちとりました。
 この事件は労働委員会および裁判を通じ、極めて特異な経緯をたどっています。
 93年、タクシー運賃改定時のスライド賃下げ強行、賃金差別が発端。組合が救済を申立、94年に愛媛地労委は“ノースライドで賃金を支払え”との命令を出しました。会社は不服として行政訴訟を提起、その裁判が最高裁まで争われ、99年に“少なくとも第二組合と同額の賃金を支払え”との判決が確定しました。
 愛媛地労委は、行訴法の規定に従い同判決の趣旨に基づいて2000年に命令を出し直しましたが、会社は、その命令が不服として、中労委に再審査を申立てていました。
 命令は、「使用者の責任として…確定判決を契機とした労使関係の改善を図るべきもの」と会社をたしなめるとともに、地労委命令を一部正確に書き直して再度命令、未履行の付加金の支払いも改めて命じています。


この成果を全国に
 労組の同意なき賃下げは無効
 大阪地裁 社長個人の賠償責任認定 −大阪・東豊観光労組−

 大阪地連東豊観光労組(バス)は、一方的な賃金カットに対する賠償を求めていた裁判で10月24日、全面勝利の判決を大阪地裁でかちとりました。
 同社は99年、経営危機だとして退職金の増額による希望退職、30%賃金カットでの再雇用を提案。組合は拒否しましたが、10月から18%の賃金カットを強行してきました。
 新車を大量に購入するなど「経営危機」自体が偽りでしたが、判決は、「使用者と労働者個人との契約関係は、経営危機があるとしても、その内容を相手方の同意なしに変更することができる法理はない」として、会社の一方的な賃金カットを無効としました。
 また、過去の組合員への賃金差別について、ワンマン経営の山田社長が率先して自交総連つぶしの指揮をとってきたことを認定、会社と連帯して山田社長個人に対しても賠償を命ずる画期的な判断を示しました。
 組合は社長に賠償を請求し、拒否された場合は社長の個人財産を差し押さえることができることになります。


新加盟のなかま
 不当処分やめろ
 (651)広島・旭タクシー分会

 【広島】広島市東区にある旭タクシーに働く仲間は11月7日、広島支部旭タクシー分会(福本正明委員長、3人)を結成しました。
 不当な懲戒処分で出勤停止にさせられた福本さんが県労連の労働相談センターに相談したのがきっかけ。
 地本の役員も加わり、組合を結成して労働者の権利確立をはかることにし、仲間を集めました。事故時の保障など要求をまとめ会社に申入れています。



自 交 総 連