自交労働者No.587、2002年9月15


怒りのエネルギー結集を

逆風突破に闘いへむけて

2002年度方針案を確認 第4回中執

 自交総連は9月4、5日の両日、東京・ホテル機山館で第4回中央執行委員会をひらき、第25回定期大会に提案する2002年度運動方針案などを決めました。
 方針案は、大会のスローガン案「みんなの力で、くらし・雇用・いのちの危機打開、逆風を突破し、組織防衛と将来像への新たな挑戦を」に示されているように、規制緩和実施のもとで危機的な状態におちいっている自交労働者の権利を守るために、労働組合存立の原点に立って奮闘しようと提起。そのために、(1)これ以上の状態悪化を許さない闘い(2)政策闘争の前進(3)小泉内閣ノー、国民的課題という三つの基調に基づき運動をすすめることにしています。
 討論では、増車・値下げ競争の激化(とくに関西など)、自殺者が異常に多いこと、足切り以下の低賃率が横行し、最低賃金割れが続出していることなど、各地から深刻な実態が出され、苦しんでいる仲間が怒りを表明できるようなとりくみ、そのエネルギーを結集する運動にとりくもう、などの意見が出されました。
 すべての運動と結んで組織の強化拡大に全力をあげ、11月20日に統一行動を実施するなどの秋から春闘にむけての闘争方針も決めました。


 北海道ふじ労組


賃下げ提案に組合を結成

団結して解雇を撤回

ふじ交通労組の解雇撤回報告集会
=8月18日、北海道・砂川市内
 【北海道】自交総連ふじ交通労組は8月18日、井戸坂委員長の解雇撤回をよろこび、砂川市で報告集会をひらきました。
 会社は今年になって賃金の減額と給料日の変更を提案。しかし、親ぼく会の代表の井戸坂委員長がこの提案を受け入れないのでささいなミスを口実に解雇を通告しました。
 8月13日の団交で会社側は、「解雇は撤回する。ただし懲戒休職3週間とする」と表明しました。出席していた井戸坂委員長、金子書記長は、懲戒部分に反発。会社側と交渉を続けた結果、「10日間の休職処分」に減じたため、妥結しました。
 井戸坂委員長は「初めは私の問題でしたが、多くの仲間が支えてくれました。今は、組合を結成できて本当にうれしいです」と話していました。
 結成時は9名だった組合員も現在は多数の組合員でがんばっています。



 大阪地連が近運局要請

区域拡張申請は組合つぶし

局も第一交通に関心


中退共と交渉する自交総連の仲間
=9月6日、東京・中退共ビル
 【大阪】大阪地連は8月22日、第一交通の区域拡張申請と、運賃ダンピングに伴う長時間労働問題で近畿運輸局と交渉を行い、竹本委員長ら12人が参加しました。
 組合側は第一交通が佐野第一交通を会社ごとつぶす目的で、御影第一に区域拡張申請を行わせた証拠として、8月20日に大阪府地方労働委員会で行われた吉積元社長への審問での証言や運賃ダンピングでサービスの低下や利用者の安全・安心が脅かされていることなどを局に報告しました。
 局は、「組織としてできる権限の範囲で審査し適正に処理していく。告示違反(車両停止処分)があれば2年間は申請できない。第一交通には、重大な関心を持っている」と回答しました。
 組合は、局の毅然とした対応を求めました。
 なお、9月6日には虚偽の退職届で中退共から脱退したことについても中退共と交渉しました。



 長崎・外港タクシー労組

2人の解雇事件が解決

金銭和解が成立

 【長崎】会社が株式譲渡されたときに、改悪した労働条件を認めなかったとして解雇されていた長崎地連外港タクシー労組の吉田委員長と藤本書記長は8月19日、和解を成立させ争議を終結させました。
 外港タクシーは99年、全株を長与タクシーに譲渡しましたが、その際、全従業員を一旦解雇して、改悪した労働条件を認めたものだけ再雇用するという方式がとられました。改悪に反対した両氏はそのまま解雇されていました。仮処分と本訴でともに全面的に勝訴しましたが、会社が控訴していました。
 高裁での和解交渉で、復職を強硬に拒む会社の姿勢が明かになり、検討した結果、金銭和解で解決することになりました。両氏は「今後も全労連、自交総連の運動にかかわっていきたい」と決意し、支援へのお礼を述べています。



 東京・大井労組

会社が損害賠償請求取下げ

原告が解決金払う

 【東京】社長が「転倒した」ことを組合員のせいにして、15人を被告に治療費・慰謝料など665万円を支払えと訴えていた事件で、東京地連大井交通労組は今年7月、和解をかちとり、社長は訴えを取り下げました。
 同社では98年以来、労使慣行を無視した交通事故の負担金の二重取りや解雇事件が発生、99年5月、一方的な事故負担金の支払いを拒否した組合員の給料を支給しなかったため、組合員が交渉をした直後に、社長が階段から降りる途中で「転倒」し「脳震盪」を起したとして、まったく関係ない組合員ら15人を共同不法行為として訴えました。
 会社の狙いは、新たな事故負担金反対などで団結を固めてきた組合に混乱を持ち込むために、15人も被告としたものと思われます。
 結局、原告(社長)が被告に解決金50万円を支払い訴訟を取下げるという前代未聞の決着となりました。


 自交共済第21回総会

1万5000人をめざす

自殺者の多さに懸念

自交共済第21回総会
=9月5日、東京・ホテル機山館
 自交共済は9月5日、東京・ホテル機山館で第21回総会をひらき、13地方39人が参加、第20期活動計画を決めました。
 自交共済は組合員の助け合いとして、昨年度は682件1400万余円を給付しています(産別分のみ)。共済組合員は18地方8835人で前期より393人増えました。方針では1万5000人をめざしていくことを確認しました。
 討論では、自殺による死亡給付が多いことなど深刻な状況の中で一層の内容の充実を求める声がありました。
 役員改選では、領家会長、高松・竹本副会長、今村事務局長を選出しました。
 総会では、全労済全国事業部の山本さんが、自交共済の役割と全労済の新たな制度について報告、11月から保障をさらに充実させた新マイカー共済が実施されることなどを説明しました。


 神奈川・京浜自教

暴力団や大銀行に完全勝利

10年の闘いが実る

 暴力団や大銀行相手に完全勝利京浜自教閉鎖反対闘争勝利報告集会が8月31日、神奈川・鶴見会館で開催されました。
 竹中支援共闘代表委員のあいさつの後、藤井支援共闘会議事務局長(神自教副委員長)が報告。10年前に暴力団に経営権を奪われ、教習所閉鎖通告を受けた京浜自教の労働者が組合をつくり神自教に結集、暴力団から経営権を取り返し、東京三菱銀行の競売をやめさせ、「指定」の継続と従業員全員雇用を約束させ、新経営者を迎え、新鶴見ドライビングスクールとして再スタートした。最初に労働組合をつくりたいとの相談がなかったら本日のこの報告集会はあり得なかったと感無量の面持ちでした。
 日本共産党の大森衆院議員は「快挙」は当然。弁護団の藤田弁護士から裁判所含めた裏の裏の話まで披露があり、東自教の竹内副委員長は、この勝利は全国の争議団に展望を与えた、大いに広げたいと決意を示しました。


新加盟のなかま
個人加盟から独立
 (663)高知県倉庫運送労組

 【高知】高知市にある高知県倉庫運送に働く仲間は5月4日、高知県倉庫運送労組(曲直瀬茂行委員長)を結成、自交総連に加盟しました。
 以前、高知県労連に相談をして自交総連に個人加盟をし、その後の会社との団交をかさねる中で一定の労働条件を確保していましたが、今回新たに労組として発足することになりました。  現在は、会社からのまき返しもあり2人でがんばっています。


 労働組合キホンのキ

提案は具体的に、組合員の生の声を
会社の施設管理権の乱用は不当

 前回、大会の重要性を述べましたが、春闘・秋闘時など運動の節目でひらかれる職場集会や明番集会とよばれる全員集会は、組合員の団結と意志統一のために大切な集会です。

(4)職場集会の重要性とひらき方

スト中の職場集会
(2002.4.12、東京・日の丸自交労組)
 職場集会、明番集会といわれる組合員の集会は、職場の大変重要な会議です。組合員の生の声が反映し、みんなが団結できる場です。
 ところが、この職場集会が開かれなくなったり、参加者が少なかったりする例があります。これを放置しておけば、やがては組合の闘争力低下、求心力低下にもつながります。

 職場集会の準備

 組合執行部は、大会や中央委員会で決めた方針を実践するための具体案をよく討議して決め、職場集会で提案します。
 提案は、できる限り具体的に、何のために、いつ、どこで、誰が、何をするかを提起します。これが抽象的では、意見を聞こうと思っても意見が出ないということになります。
 提案に基づいて、できる限り多くの意見を聞き、発言しない人も含めて全体の気分・感情もよく踏まえて、みんなで実行できるように意志統一をします。

 参加者を増やす

 いつも参加者が少なくて困っている場合は、職場集会の議題、目的が組合員の要求とかみ合っているかどうかをよく考えてみましょう。上からの方針の押しつけではなく、いま職場で問題となっていることを、全体の方針との関係でどう考えるのか、どうするのかという提起が大切です。
 自分に直接関係する問題だと思えば、組合員は積極的に参加するはずです。ペナルティーなどで強制的に参加させても長続きしません。

 妨害、施設管理権との闘い

 一部の会社では、施設管理権をタテに休憩室・仮眠室・食堂などの使用を禁止したり、今まで認めていたのを突然許可制にしたりして、職場集会を妨害する場合があります。
 しかし、(1)組合活動に不可欠な行為(2)従来から労使慣行で認められていた行為(3)会社の業務に支障を与えない行為、を合理的理由なく制限することは、組合活動に対する介入、妨害になるとした判例もあります。
 不当な施設管理権の乱用に対しては組合の団結権の侵害、不当労働行為として抗議し、使用をかちとることが必要です。
 できたばかりの組合で会社に認めさせるまでは、近くの公共施設などで行う場合もあります。



自 交 総 連