6 パート労働者も社会保険は加入が原則です

 【問い】定時制(パート)で働いていますが、パートだから社会保険には入れないと言われています。本当でしょうか? また、有給休暇はとれないのですか?

 【答え】一定の要件のもとで社会保険の適用や有休の権利があります。

 6につづき、パート、定時制など不安定雇用労働者の権利について考えます。契約更新については前回(6)のとおりですが、今回は社会保険、有給休暇についてです。労働者として当然のことですが、パートでも一定の要件のもとで社会保険の適用や有休の権利があります。

 社会保険は適用が原則 

 【労災保険】
 労災保険は強制適用ですから雇用形態のいかんを問わず対象となり、労災の際に保険給付が行われます。

 【雇用保険】
 @1週の所定労働時間が20時間以上A31日以上雇用されることが見込まれること(更新が見込まれる場合も含む)――の場合、強制適用となります。
 ハイタクの定時制でこの要件から外れることはほとんどありえません。

 社会保険の適用について 

 ○労災保険については、労働者災害補償保険法の定めるところにより、全面的に適用されるので労災保険の適正な申告が必要となること。
 ○雇用保険、社会保険関係については、それぞれの保険制度の適用により、定時制乗務員であっても一定の要件を満たす場合には被保険者となるものであるから、このようなものに対しては必要なて手続きをとらなければならないこと。
(「定時制乗務員の雇用管理に当たって留意すべき事項」全乗連)

 【健康保険・厚生年金保険】
 健康保険と厚生年金はセットで加入することになっており、負担の公平という保険の趣旨からいっても、常用的な雇用関係にある場合は加入するのが原則です。
常用的な雇用関係かどうかは、厚生労働省でつぎの基準を決めています。
 @1日(1乗務)の労働時間または1か月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上の場合は加入する。
 Aそれ以下でも労働日数、時間、形態などを総合的に勘案して、具体的事例に即して判断する。
 自交総連との交渉(2000.11.17)で厚生省は1乗務か1か月かどちらかひとつでも4分の3以上の場合には適用となるケースがあると確認しています。

 有休は比例付与 

 有休はパートでも当然の権利で、別表のように所定労働日数に応じて権利が生まれます。
 更新拒否などをちらつかせて、有休を取らせないようにすることが許されないのは当然です。

パート労働者の有給休暇付与日数
週所定
労働日数
1年間の
所定労働日数
勤 続 年 数
6月 1年6月 2年6月 3年6月 4年6月 5年6月 6年6月
4日 169〜216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121〜168日 5日 6日 6日 7日 9日 10日 11日
2日 73〜120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48〜 72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日




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