自交労働者No.563、2001年8月1日


 国土交通省へ抗議、申し入れ
 労働者の実態を考えているのか 行政の責任を追及

 自交総連は7月17日、領家委員長、今村書記長ら4人で国土交通省に出向き「『運用基準の概要案』に対する自交総連の評価と意見」(全文はこちら)を提出、抗議と要請を行いました。自交局旅客課海谷課長補佐らが対応しました。
 組合側は、われわれはもともと緊急調整措置に幻想は持っていなかったが、それにしても概要案の内容は実効性がなさすぎる、「これで大丈夫だ」といった行政当局の責任はどうなるのか、ときびしく抗議しました。
 また、当局案によれば緊急調整措置が発動されるときは、東京で年収300万円台、大阪で200万円台となるとの自交総連の試算を示して、そのときの労働者の状態を考えているのか、と指摘しました。
 当局側は、法律の趣旨の範囲内で取り入れられる意見は取り入れたい、事業者の監査体制については特別の監査部隊もつくって整えるつもりだ、などの回答をしました。


 大幅賃下げに抗議
 総決起集会に350人結集 東京・太陽労組のたたかい
抗議集会に参加する太陽労組の仲間たち
=7月19日

 【東京】太陽労組のたたかいは、夏季一時金支給日(6月15日)を過ぎても解決のめどさえたたず、平行線状態が続いています。
 6月7日の東京と札幌の総決起集会はそれぞれ300〜350人が結集しました。参加した組合員や幹部は、現協定の夏季一時金を人質に、年間40万円以上にも及ぶ大幅賃下げを迫る経営側に対し抗議の声も怒りに震え、決意の大きさを物語っていました。
 地連、東部ブロックの連帯あいさつや応援声明も、力がこもりました。
 これからは労使の根比べになる可能性が強くなります。太陽労組としても団体署名を要請したり、関係当局や官庁への指導要請などの行動を起こしていきます。

 第一交通の法違反を申告
 大阪・近畿運輸局・労働局交渉 実態を確かめ指導
近畿運輸局と交渉する大阪地連の代表
=6月20日

 【大阪】大阪地連は6月20日、第一交通産業が南海電鉄のタクシー部門7社を買収した後、法違反や組合つぶしを行っていることについて、近畿運輸局と大阪労働局に法違反と是正指導を求める交渉を行いました。
 組合側は第一交通の法違反の実態を申告するとともに、運輸行政と労働行政が相互通報制を活かし連携して法律違反を取り締まるように申し入れました。
 運輸局は、実態を確かめて指導すると答えました。
 労働局は労働基準監督署とも連絡を取りながら是正していきたいと答えました。

この成果を全国に
 一方的賃下げは違法 大阪・佐野南海労組
 大阪地裁 会社の行為は「犯罪」

 大阪地連佐野南海労組は、第一交通が一方的に賃下げを強行してきた事件で7月2日、賃金差額の支払いを命じる仮処分決定を大阪地裁岸和田支部よりかちとりました。
 3月30日に南海系列7社を買収した第一交通は、各社でさまざまな不当労働行為を続けていますが、佐野南海(サザンエアポート)においては、5月分の賃金から労組の同意もなく、労働協約にも反して一方的に新賃金体系に基づく賃金(1人1〜6万円の賃下げ)の支払いを強行してきました。このため同労組が差額の支払いを求めて仮処分を申請していました。
 決定は、従来の労働協約が有効であることを認めたうえで、それを無視した賃下げが労働基準法24条の賃金全額払いの原則に反することは明らかとしました。そして、会社の行為は「故意に労働基準法…に抵触する行為に及んだものであり、犯罪(同法120条1号)を構成するものと評価せざるをえない」と、裁判所の決定理由としては異例ともいえる極めてきびしい表現で会社の行為を糾弾、組合員38人分、約135万円の請求額全額の支払いを会社に命じています。

 新加盟のなかま
 合理化攻撃に団結して反発 古賀自動車学校労組が組織統一

 【福岡】古賀自動車学校労組と自交総連古賀自校労組は6月30日開催の臨時大会で、組織統一に関するすべての議案を満場一致で可決するとともに、地連加盟を改めて確認しました。
 古賀自動車学校には81年結成の古賀自動車学校労組と、98年に結成した自交総連古賀自校労組の2つの組合がありました。
 会社は3年ほど前から経営をコンサルタントに委託し、業績悪化を理由に希望退職や賃金体系の変更など合理化を推し進めてきました。
 さらに一時金の大幅減額や一方的な配置転換、バス乗務員の時間カットによる賃下げなど、昨年来の新経営体制による強引な手法に両組合員の反発は極まっていました。
 両組合の執行部は「会社の合理化攻撃をはね返すには、職場の労働者の団結が大前提」との認識で一致し、6月中旬から統一の準備を進めてきました。
 松薗委員長は「会社には誠意がない。副社長は給料をいかに下げるかだけ考えている」と話しました。吉柳委員長は「労働者の人権を無視するワンマン経営者に対抗するため、両組合が団結して闘おう」と述べました。


自 交 総 連