自交労働者No.616、2004年1月1日



組織の拡大で運動の打開・前進を

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中央執行委員長 領家光徳

 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。日本はまさに歴史の岐路にたたされた年明けとなりました。

 小泉内閣の憲法違反のイラク派兵は、国民の意思を踏みにじり、侵略戦争の惨禍に日本とアジアの諸国民を引き込んでいった戦前の歴史を繰り返すものです。また、財界の要求に沿った政策を強引に推し進めることは間違いないでしょう。

 さて、新道路運送法が施行されまもなく2年、規制緩和の到達点は、検証されたといえます。増車・運賃値下げの企業間競争の激化→労働者間の競争激化→長時間労働・労働条件の悪化・健康破壊→サービスの悪化→事故多発という矛盾の展開は、社会的規制強化という方策のみでは解決されないことが浮き彫りになっています。

 運動の打開・前進には「組織の強化拡大」を第一義的課題として不退転の決意で臨むことを大会で決定しました。ことを決するのは人であり、活動を組織することのできる組織者でなければならないし、それはお互いがそうした視点を明らかにし、たたかいの展望と認識の一致が重要といえます。

 また、私たちは、組合員が主人公、組合の民主的運営の原則を堅持し、学習と実践、世話焼き活動が日常活動の中に貫かれているかどうかが運動を左右する鉄則だと思います。

 改めて「労働組合の原点・原則に立ち返り、本業に精を出し、組織の強化・拡大」で「組合員からたよりになる組合」「自交総連の本領発揮」に向けお互い奮闘して参りましょう。




 組織拡大3か年計画の初年度である今年、組織拡大に向けたとりくみと決意を北海道、東京、大阪、福岡の4人の書記長に語っていただきました。

個人加盟組合の強化と
嘱託者の組織化めざす

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大阪地連書記長 林克巳

 大阪地連では、5000人の地連にすることを目標に、次のとりくみを計画しています。

 (1)すべての職場で組織拡大目標を設定する。(2)未組織宣伝活動として機関紙「ハンドルおおさか」の街販と併せての宣伝。(3)執行委員会で確認した、政府の規制緩和の失敗を追及する毎月の1の日行動での宣伝。(4)職場内で組合統一や多数派をめざす。(5)不安定労働者の組織化。

 その方策として、ハンドルネットワークユニオン労組(個人加盟)への加入の促進と労働者供給事業を活用し、嘱託者の組織化をめざしたいと考えています。さらに、今年も春・秋にとりくむ未組織の宣伝行動では、大阪、兵庫(阪神地域)を中心的に新たな組合を迎え入れたいと思っています。

 大阪地連も全国の仲間と連帯し組織拡大で奮闘します。

道交法闘争と世話焼き活動を強化

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東京地連書記長 鈴木勇

 東京地連は、昨年3月に行われた第106回臨時大会で「1988年以降の組織の現状と今後の課題」を確認。道交法闘争の強化と世話焼き活動を中心に自交総連の運動を全労働者に見せる、知らせる運動を強化しています。

 単組、ブロック単位の学習会に加え「書記長誘拐事件」と題した寸劇と「労働組合の日常活動」の学習会を2003の春に開催。秋には、弁護士4人による「行列のできる道交法法律事務所」の道交法学習会も実施しました。また毎月、第2・第4月曜日に行っている未組織宣伝行動も4年目を迎えています。この間、新たに2職場で自交総連の旗がたちましたが、自交総連を結成した大分大会の1万4000人に回復していないのが現状です。「自交総連の組織強化拡大推進3か年計画」の元年になる2004年、労働組合の民主的運営と日常活動を通じ幹部活動家の育成と組織の強化・拡大にむけ、新たな気概をもって奮闘します。

ハイタクユニオン活用で組織拡大

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北海道地連書記長 高木忠雄

 北海道地連は、12月21日に行われた第1回執行委員会で04年春闘方針(案)第1次提案を行い、第44回定期大会で方針決定した、組織の強化拡大では第45回大会までに600人の組織拡大をめざして具体的な行動提起を行いました。

 その内容は、(1)広範な未組織労働者に向けて、毎月1日にタクシープールなどで未組織宣伝行動を行う。(2)自交総連の組合のある所では、門前宣伝を徹底的に行う。(3)自交総連組合員の多数が個タクへ転出しているのを受けて、個タク事業者へのハイタクユニオンへの加入推進の宣伝行動を行う。(4)函館・旭川・釧路においては、宣伝行動の具体的な計画を立て、定期的に宣伝行動を行う。など全ての闘いと運動を組織拡大に結びつけて奮闘する決意です。

既存組合の体力強化
すでに倍増の単組も

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福岡地連書記長 緒方満

 福岡地連は先の定期大会で「組織の拡大強化がすべて」とする運動方針を確立し、「理屈だけでは勝てない」「数こそ力」であることを確認しあいました。

 当面の方針は既存組合の体力強化であり、各単組からは目標の2割増をやりとげるために「行動計画」が提出されたところです。

 大会以降すでに、中核組合のはかた労組が14人増、日新労組も倍増の30人へ、その他の単組も微増ながら結果をだしています。

 また、各単組ともこの1、2年で役員が大幅に交替したため、定例執行委員会の時間を1時間ほど割いて「幹部学習会」を開催しているところです。

 1年を通して活動が途切れないよう、地連、単組が一体となって点検しあい、励ましあいつつ目標達成に向けて奮闘します。




要求組織し、総決起を

04春闘方針案を討議

第1回中執 組織拡大も最重要

 自交総連は12月10〜11日、東京で第1回中央執行委員会をひらき、秋闘総括、春闘方針案を討議しました。

 秋からの闘いでは、11・19行動での宣伝や交渉、各地方で年末一時金や職場ごとの重点要求を掲げた闘いがとりくまれたことが報告されました。

 春闘方針案は、04春闘を「思いを束ね、要求を組織し、世直し春闘の総決起を」と位置付け、地域ごとに平均より低い労働条件の底上げ、権利確保、タクシーの増車・運賃競争に歯止めをかけ安心・安全をとりもどす闘いなどをすすめることを提起しています。組織強化拡大3か年計画の初年として仲間を増やす闘いも最重要課題としています。

 当面1月30〜2月2日に規制緩和の実態を暴露する大宣伝を実施することを決めました。また、全労連の提起にこたえ、4・15年金改悪反対ストライキに決起することを積極的に議論しました。




寸劇で道交法の対応を説明

東京地連・学習会

名演技に408人が爆笑

道交法の問題点などを寸劇で説明する地連の仲間=12月9日、東京・亀戸文化センター
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 12月9日東京地連主催で亀戸文化センターに65組合408人の参加で道交法学習会が開催されました。

 昨年の6月に道交法の一部が改正され、その問題点と道交法闘争を通じて各単組の活性化をはかり、東京地連の組織拡大に連動させようと実施された。

 「行列のできる法律事務所」と題して、三部に分かれて寸劇が行われ、三人の顧問弁護士(蒲田、富澤、山内)が丁寧に問題点や対応の仕方などを説明、出演者の名演技に爆笑の連続で、舞台と参加者が一体となっていました。井上弁護士が「交通犯罪罰則強化と道交法闘争の視点」での基調講演を行い、重罰化や改正道交法による罰則強化と違反点数、交通事故の対処の観点を詳しく説明してくれました。



この成果を全国に


一方的賃下げは不当

大阪高裁 旧協定に暫定的効力

大阪・佐野南海交通労組

 【大阪】大阪地連佐野南海交通労組は11月26日、一方的賃下げによる差額賃金の支払いを求めていた事件で、大阪高裁より会社側の控訴を棄却する勝利判決をかちとりました。

 佐野南海交通労組は第一交通産業の一方的賃下げから生じた差額賃金(約1700万円)の支払いを求めて大阪地裁に提訴、03年3月25日に訴えを全面的に認める判決をかちとっていましたが、会社側はこれを不服として控訴していました。

 高裁判決は、地裁判決に加えて、労働協約が失効した場合でも新たな労働協約によって労働条件が設定されるまでの間、特段の事情がないかぎり、直近の基準を適用すべきである、との判断を示しました。さらに、会社側は、新就業規則の適用を主張するが、新賃金体系を被控訴人(組合員)らの意思に反して適用することはできず、本件協約における賃金体系が労働契約の内容となっている点からみても、本件協約に暫定的な効力を与えるのが合理的として、会社側の請求を退けました。



人身事故対処マニュアル
(12)再度の事故にも 警戒を忘れずに


事故・違反は一人で処理せず相談を

声をかけることがお互いの信頼に

 人身事故対処マニュアルは今号で最終回となります。今回の連載は人身事故での対応でしたが、事故だけでなく速度違反などで、他にもこんな対応、不当な取り調べを受けたという情報がありましたら、ぜひ自交総連本部までお寄せください。

場合によっては差し戻しになる

 地検に呼び出されて事実が違うといって、粘りに粘ってハネ返したら取り扱った警察署(官)に差し戻されることがあり、再度、現場検証が行われることもたまにあります。この形になった場合は不起訴へと一歩近付くことにつながる重要なパターンのひとつです。

失敗しても次には必ず生きます

 いろいろな手をつくしたが結果、ダメだった。罰金・免停処分になってしまった。タクシーを長くやっていると、思わぬ事故、あるいは、魔が差したがごとく、連続、同じような事故、違反などを起こすこともあります。いまの仕組みの中では、合計何点になった。だから180日の行政処分(免停)、取り消しということになります。呼び出しを受け事情聴取をされ、内容の説明をされた時など前回、こんな要請をしたのに、こう修正をしてほしいといったのにダメだと断られた。結果50万円も罰金を取られた。今度は、サインは絶対拒否する。最後まで、自分の言い分は押し通すと言い切れるようになるはずです。

最後に組合の役員にお願いです

 警察署、地検(地方検察庁)、公安委員会などに呼び出され出頭する場合などは事前に準備した資料(本人のメモ、組合側の現場検証、写真など、さらに、自交総連の手帳もネ)は必ず持参して下さい。組合の役員は点検をしてあげて下さい。組合員のために一生懸命努力し、一段落ついても、次の手は必ず打ってください。事件が一段落すると当人はホッとひと息つきます。タクシー乗務を長く続ける以上、必ず、何かが連続起こります。そうです事故・違反をまた起こす可能性があります。「俺のために役員があんなに一生懸命やってくれたのに、また事故っちゃった」「また違反しちゃったよ」と言えずに、自分(内緒)で処理してしまうことがあります。また自分がぶつけなくても「ぶつけられたのに、対応のまずさでこちらが第一当事者になってしまった」など、こんな時のためにプレッシャーにならない程度に「安全運転してる?」などと常にひと言いい続けてあげると同時に「もし、また事故っちゃった、違反しちゃったよ」という時は、すぐに俺に知らせろよ、内緒で処理なんかするなよといってやることです。同時に、朝は「余裕を持って行こう」「事故・違反には気を付けていこうぜ」などと、こちら側から声を掛け続けることが益々お互いの信頼につながります。現場に直接、行けないけど最悪になる前に久賀書記次長の携帯にいつでも連絡を。日・祝、深夜の1時、朝の5時でもOKだよ。

 090―2161―0533



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