自交労働者No.617、2004年2月1日 |
第26回中央委員会規制緩和2年で失敗明らか組織拡大で運動の前進を |
自交総連は1月28、29日、東京・全労連会館で第26回中央委員会をひらき、2004年春闘方針を決めました。中央委員会では18人が発言、各地の厳しい労働実態やタクシー台数規制廃止に伴う弊害などを告発、情勢認識を深めました。また、2004年春闘を推進するために中央闘争委員会を設置し、全国的闘争の戦術配置や地連(本)の指導にあたることや、春闘情勢に見合った闘争体制を確立するため、各地方ごとに2月中に春闘討論集会などをひらき意志固めを行うことなどが決められました。 領家委員長のあいさつ
新道路運送法が施行され、2年が経過するなか、大都市部を中心に約1万台の増車、運賃では大阪を中心に30数種類の運賃、全国的に約20種類以上の割引メニューとなっています。運賃値下げ・割引競争の失敗と教訓は、長野市、福井市などで明らかなように、労働条件の悪化にとどまらず、経営基盤そのものを損ない、また、社会的使命である「安全」も損なわれてきています。 |
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賃下げを許さない闘いを
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4・15ストで自交に注目 全労連・国分武事務局次長 春闘では(1)これ以上の賃下げを許さず賃金改善(2)年金改悪阻止、4・15ストの成功(3)イラク派兵、憲法改悪反対(4)組織拡大の飛躍をめざして闘う。4・15ストでは自交総連が注目されている。 闘えば活路が開かれる 交運共闘・坂田晋作議長 福岡の西鉄労組の解雇撤回や宮城のミナトタクシーの無許可営業摘発の闘いを聞いた。闘えば活路が開かれるということだ。日本経団連の奥田会長は「春闘は死語」と言っているが、なめられないようにがんばろう。 イラク派兵、改憲許せない 顧問弁護団・須藤正樹弁護士 イラク派兵、明文改憲は弁護士として許せない。平和憲法を守る責任が問われている。 基本に立って闘っていこう 顧問弁護団・小賀坂徹弁護士 亡くなった陶山弁護士の代わりに馬車道法律事務所から担当になったのでよろしく。要求を束ねて闘うという基本に立って闘っていきたい。 |
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組織拡大に全力を
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経営者任せでなく自ら政策提言を
(1)福島・小山(おやま)久夫さん 昨年10月、結成9年目で地連の事務所を持てた。組合員全員で守っていきたい。 東京でも神奈川でも勝英に勝利判決 (2)神奈川・笹島快夫さん 東自教の所沢中央と神自教の大船が悪質経営の勝英に裁判で勝利した。会社は執行妨害で金を隠しているが、判決後、所沢中央には和解の申し入れがあった。大船でも会社が弁護士を解任、新しい弁護士から控訴審の前に話し合いたいと言ってきている。 労働者の生きる権利を守る春闘を (3)山梨・木村好高さん 山梨のタクシー業界では危険なダンピング・バトルに入りつつある。自分だけが生き残ればいいという安直な経営感覚には断固として対峙し論戦を展開していく。労働者の生きる権利を守るために未組織の仲間に呼びかけ春闘を闘いたい。 第一交通との争議3年、勝利の決定 (4)大阪・水野裕三さん 第一交通との争議も3年を迎える。全国の支援ありがとうございます。昨年9月に勝利した55人の地位保全仮処分では、第一交通本社の責任を認めさせ毎月925万円を支払わせている。会社は異議申立をしているがこれにも勝利したい。 福山で新加盟組織勇気と確信を得る (5)広島・内谷富雄さん 少人数ではあるが新たな分会が誕生し福山支部に加盟した。以前から粘り強く呼びかけた結果で、大きな勇気と確信を得ている。 宇部で再び自交総連の旗が上がる (6)山口・戸倉伸一郎さん 山口でも二十数年前に第一交通に組合をつぶされた。こういう悪質企業に対し全労連にもよびかけて全国で不買・乗らない運動ができないだろうか。 行政に姿勢を正させる交渉・闘いを (7)茨城・中嶋好さん 規制緩和や状態悪化のなかで、行政に姿勢を正させる交渉が必要だ。役に立つから役人で役に立たない役人はいらない。彼らだって何とかしなければいけないと思っている。動けば成果があがる。茨城地連を大きくするためにがんばりたい。 高齢者福祉タクに老人会からも賛同
(8)石川・奥護さん 高齢者福祉タクシー制度の創設を金沢市に要請してきたが、市では反論の余地はないとは言うが、そこから前へ進まない。そこで地域老人会に訪問・郵送で賛同署名を要請、121人の老人会長の名で署名が集まって、激励されている。 1職場1要求の獲得をめざす (9)北海道・松任正博さん 景気悪化で猛吹雪の中でもタクシーに乗らずバスを待つ人が増えている。この悪政を断ち切るために、春闘ではどの単組も要求を出し切り、1職場1要求の獲得をめざす。駅頭などでの宣伝を強めてきた結果、札幌で加盟の相談がある。 経営に提案、 行政に告発の春闘を (10)宮城・青野邦彦さん 仙台のタクシー労働者の賃金は生活保護基準より年74万円も低い。昨年は運輸局に座り込み、世論の喚起、ミナトタクの無許可営業摘発につながった。 経理公開させ、 組合が経営改善提案 (11)福島・山田信一さん 本田労組では、社会保険を滞納したので国民年金・健保に切り替えるといわれて、自交総連に加盟した。社会保険に戻し、経理公開をさせて経営改善提案をしたら、会社もびっくりし、今日の信頼関係につながった。 所沢中央自教争議への支援に感謝 (12)東京・原田光幸さん 所沢中央自教が悪らつな勝英に買収され、組合員が全員解雇されて3年、皆さんの支援とご協力で昨年暮に解雇無効の高裁判決をかちとり確定した。しかし依然として勝英は賃金を払わずまだ解決していない。闘う自交総連に結集して、経営者を負かしたい。 問題点を乗り越え活路を見出す (13)神奈川・大矢行山(こうざん)さん 自交総連を3万人に戻すため神奈川でも奮闘しているが、問題点もある。昨年大きな支部が脱退したが、「取るものを取らない」という不信感があるかもしれない。闘いから活路を見出し、地本の財政も確立し組合員に返していきたい。 宣伝カーで宣伝、静岡市にも旗を (14)静岡・小粥(おがい)泰則さん 春闘では関東ブロックの力も借り、宣伝カーでの宣伝を行い、それを引き金に各単組で目標を設定し、最賃や累進歩合の学習を強化して闘っていきたい。相談のある静岡市内の2組合を拡大し、静岡市に自交総連の旗を掲げたい。 分かりやすい政策掲げて組織拡大 (15)京都・安井暁(さとし)さん 分かりやすい政策を掲げて組織拡大をはかる。(1)自動車の総量規制、「歩く街京都」の都市交通政策(2)京都駅の改善(3)タクシーの総量規制につながる社会的規制の強化・タクシーセンターの確立だ。経営者団体とも一致点で共同している。 解雇裁判勝利で組織も3倍化 (16)福岡・田中邦紀さん 西鉄タクシーで会社主導の3労組統一に反対するビラをまいて解雇された権藤さんが裁判で勝利、3年5か月ぶりに職場復帰した。当初20人程度だった組織は、闘いのなかで60人を超えるまでになった。100人をめざし奮闘する。 大阪駅で抗議の座り込み・宣伝 (17)大阪・吉田一夫さん 1600台も増車、遠距離割引が80%を占めるようになった。営収の減少、健康破壊も深刻だ。規制緩和の失敗を追及し、2月3日には大阪駅で抗議の座り込み、宣伝、運輸局交渉を行う。連合労組にも共同を申し入れている。 運賃競争阻止へ宣伝・署名活動 (18)東京・高日成さん 検診で乗務員の9割が健康に異常があったとして東京労働局が通達を出したほど健康破壊は深刻だ。東京でも東京無線が回数割引を発表した。運賃競争を阻止するため宣伝・署名にとりくみ、未組織の仲間からも協力したいと申出があった。 |
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執行部答弁 春闘の出発は要求提出から |
まとめを行った今村書記長は、討論での積極的な発言を受け、とくに、04春闘前進の可能性について言及。次の3点を強調し、全国の仲間の奮起を呼びかけました。 04春闘では、第1に、『労働組合そのものの存在意義が問われる』ということ。今村書記長は、「その基本をなすものは、賃金・雇用・権利にかかわる職場での要求を具体的に確定し、その中身を要求書にし、経営者に提出することだ」と指摘。春闘の出発は、要求提出であることを再認識し、すべての職場組織が、3月5日までに必ず提出できるようにするため、指導・援助を一段と重視していくよう強調しました。 第2は、『原点・原則に立ち返ることが重要である』ということ。「“借り物の要求”であったり、“押し付けられた要求”であったりするならば、たたかいとろうとする本物の闘いには結び付かない」とした上で、職場での本音の討議、組合民主主義尊重の大切さを指摘しました。 第3は、『あらゆる場面で、幹部役員の指導性発揮が求められる』ということ。「情勢が情勢だけに、方針を提起する側が腰を引いていては、組合員が信頼して立ち上がろうとするわけがない」との指摘を行った今村書記長は、「組合員を信頼し、情勢と闘いの重要性を語り、本気で行動提起を行えば、みんなは応えてくれる。自交総連に結集しようとする仲間も必ず生まれ、新しい活動家も育つ」と強調。3・4中央行動、4・15年金ストを軸とする諸行動の成功にむけ準備を開始するよう呼びかけました。 |
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31人の弁護士が参加●第26回関係弁護士交流会● |
交流会では、(1)北海道・ふじ交通の業務上横領を理由とする不当逮捕・刑事弾圧と解雇処分の対処について北海道・川上弁護士、(2)埼玉・所沢中央自教の不当解雇事件・控訴審判決の評価と今後の対策について埼玉・野本弁護士、(3)大阪・佐野南海交通の背景資本たる第一交通本社に、被解雇者への賃金仮払いを命じた仮処分決定について大阪・藤木弁護土がそれぞれ特別報告を行いました。 また、各地の闘いについての報告があり、参加者からは、さまざまな発言や意見がだされました。 参加した法律事務所は次のとおりです。 北海道=北海道合同▽埼玉=福地輝久、埼玉総合▽千葉=東葛総合▽東京=東京南部、江東総合、五反田、代々木総合、まちだ・さがみ、東京合同、都民総合、東京▽神奈川=労働市民、川崎合同、馬車道▽京都=京都▽大阪=きづかわ、北大阪総合、阪南合同▽和歌山=和歌山合同▽福岡=福岡第一(各法律事務所) |
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道交法闘争を交流16地方118人が参加 |
交流会では、本部久賀書記次長が現状と今後の課題について問題提起。つづいて佐藤むつみ弁護士が「弁護士から見た道交法闘争のあり方」と題して特別報告し、罰則強化や被害者感情の重視など最近の検察・警察の特徴をふまえて、事故や違反時の対応をわかりやすく説明しました。 地方からは、(1)東京・石沢治彦道交法対策委員長が「道交法学習会のとりくみ活発に」(2)京都・安井暁委員長が「行政処分に対するとりくみと安全運転教育」(3)東自教・石川明書記長が「安全運転と交通事故の根絶にむけて」を報告しました。 事故に直面した場合の自交労働者の権利を守り、不当な取り締まりや取り調べを許さない闘いとともに、いかに法を守り安全運転に徹するか、どれだけ被害者の立場に立って考えられるかなど、さまざまな側面からの報告に、参加者は真剣に聞き入りました。 |
新加盟のなかま | (682)東京・西武自動車学校支部 |
合理化撤回に組合結成 |
【東京】小平市にある西武自動車学校で働く仲間は1月11日、東自教労組西武自動車学校支部(堀部功支部長、31人)を結成、自交総連に加盟しました。 西武自動車学校は昨年、新宿に本社があるマジオネット社に売却され、新経営者より、基本給を一律12万円に引き下げられるなどの「合理化」攻撃が行われ、撤回するには、労働組合が必要として、職場の大多数の仲間が加盟して結成されました。 |
自 交 総 連 |