自交労働者No.621、2004年4月1日 |
04春闘 出発は要求提出から |
一職場一重点要求の獲得を目指した自交04春闘は、要求提出後1か月を経過し、全国的に進展はみられず、4月段階へと継続されています。 要求提出率は未集約でまだのところをのぞいても、全体で45・2%(3月26日現在)とまだまだ低い状況となっています。 一方の回答状況では一部で妥結する組合(宮城・仙都=年度末手当(2万円+成果配分)、政策合意)や回答を引き出した組合(東京・km国際=生産協力金1人1万円、生産向上奨励金1人年間総額1万2000円)もみられます。 春闘の出発は要求提出からです。今からでも遅くはありません、必ず要求を提出して一職場一重点要求の実現を目指しましょう |
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4・15 2時間以上のスト年金改悪反対各地で多様なとりくみ計画 |
自交総連では「4・15年金ストライキ」を春闘要求実現と年金改悪反対の課題でとりくみ、ストライキの規模は2時間以上とし、交運関係組合との自動車パレードなど、多種多様な形態で行います。 現在各地連・本ではさまざまなとりくみが計画され、北海道では、4月11日に交運関係労働組合との共同による自動車パレード(タクシー、トラックなど総勢50台が参加)を予定しています。宮城では14組合がスト権を確立。そのうち10組合がスト予定。東京では2時間ストを含む統一行動と国会前での座り込み行動を予定しています。また大阪では、タクシー労働者による年金改悪反対集会とタクシーデモ(車両103台)などをとりくむことにしています。 |
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警 察 庁背景に規制緩和による営収減 |
個人タクシーの事故は5件で前年と同じでしたが、法人タクシーは61件と14件増。とくに福島0→3、大阪3→6、香川0→3、熊本0→3、沖縄0→3件などで目立って増えています。 人身事故全体でも前年より1047件増えて2万4682件となっています。 タクシーの交通事故は91年に最低の1万6054件となって以来、ほぼ一貫して増え続けています。91年は不況で乗客が減り始めた年。営業収入の低下が事故の増加に結びつく傾向は明らかです。規制緩和がそれに拍車をかけていることもはっきりしました。 |
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関東ブロック静岡県内で結集呼びかけ仲間の応援で充実した宣伝 |
東京1人、神奈川2人の先発隊は3日正午、静岡地連の仲間と新富士駅前で合流し、早速宣伝行動を開始。本部宣伝カーから自交総連への結集を訴えると、タクシーから降りてビラを受け取っていました。 富士宮駅宣伝後、富士急石川労組を訪問、激励をし、焼津駅を経て夕闇せまる静岡駅前で宣伝。ここで本部・久賀書記次長と関東ブロック・鈴木事務局長が合流し、自交総連加盟を検討している市内2単組と懇談を持ち、加盟の具体化を確認しました。 翌日から総勢8人が各地を宣伝しながら浜松へ。小雪が舞う悪天候のなか、掛川駅前では、掛川タクシー労組の仲間が応援に駆けつけ、盛り上がった行動が特筆されます。静岡地連の奮闘とあわせ、充実した宣伝行動となりました。(石毛浩一) |
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京 都規制緩和で嘆きの声多数南部、北部で宣伝行動 |
【京都】京都地連は3月18日、南部地域で25日には北部地域で宣伝行動を行い、規制緩和と長期不況の影響による嘆きの声が多数寄せられました。 18日の南部地域宣伝では、JR宇治駅のタクシー労働者から「一緒に働いていた仲間が、娘を道ずれに一家無理心中した。タクシーでは借金を作るだけや」とやるせない思いを話していました。 25日の北部地域宣伝では、西舞鶴駅のタクシー労働者は給与明細を見せ「給料はこんなものや」と話しをしてきます。規制緩和の影響があまりないと思われるこの地域でも長期不況の影響は現れていました。 また、次の東舞鶴駅では、京都タクシー舞鶴支部長の高田さんを先頭に宣伝を行いましたが、この地域では全体的に私鉄組合が多いということもあり、タクシー労働者からはにらまれる場面もありました。 |
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大 阪 春闘勝利に集会、デモ実施3・18総行動に55人が参加 |
【大阪】大阪地連は3月18日、04春闘勝利をめざし、府内各所で集会やデモなど、大阪労連が主催する3・18大阪総行動にとりくみ55人の仲間が参加しました。 早朝の淀屋橋宣伝行動を皮切りに、ランチタイムパレードや仲立証券争議支援、そして中之島公園剣先広場では1000人の仲間が集まり集会が行われ、大阪労連の岩佐議長は、「04春闘はベースアップゼロが主流になっている。これらはすべて、トヨタ自動車にある。1兆数千億もの経常利益を上げているのに連合の労働組合が今年も賃上げを要求しない、これは犯罪的だと言える。大阪の経済をこれ以上地盤沈下させないように賃上げをかちとる」と主催者あいさつしました。 その後全損保労組の海老原さんの閉会あいさつとシュプレヒコールの後、デモ行進が行われ、1日総行動として抗議の声をあげました。 |
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この成果を全国に
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埼玉地連初雁交通労組は、有給休暇の不利益扱いで賃金が減ったとして訴えていた裁判で04年1月26日、さいたま地裁川越支部より差額の支払いを命じる勝利判決をかちとりました。 同社の賃金体系は、月間40万円の足切りに達しないとオール歩合になるA型で、足切り以上の場合には固定給16万7600円が支払われます。 有休を取った場合、有休手当として〈過去3か月分の賃金÷90×2〉で計算した金額を支給することになっていますが、その月の営収が足切り以上で固定給が払われる場合には、固定給から1乗務1万3966円が控除されていました。 このため、実質的な有休手当は3500円(1日1750円)位にしかならないため、差額分の支払いを求めて提訴していました。 判決は、基本給から控除される1乗務1万3966円という金額は、従業員にとっては経済的不利益が大きく、年休権行使を抑制し、労基法の年休保障の趣旨を実質的に失わせるものとして、公序良俗違反で無効としました。また、有休取得月に営収が足切りを超えた場合、固定給が全額支払われるのは当然としています。 |
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福 岡労働3団体共同で統一行動130人全員がタク協会要請 |
要請に先立ち、同協会近くで集会が行われ130人が参加し、岩野委員長は、「規制緩和による増車と運賃競争の弊害は、すべてタクシー労働者に転嫁されています。これ以上の状態悪化を阻止するためにも“”増車をするな”“運賃競争を止めろ”の一致点で、今後さらに共闘関係を強めていこうではありませんか」とあいさつしました。その後130人全員が一人ひとり要請書を手渡しました。 また、岩野委員長他3労組の代表5人が次の3点(1)不要・不急の増車を慎むよう徹底すること、(2)差別的な運賃について指導すること、(3)(1)について協会と労組で「覚書」を締結すること(要旨)――について協会と交渉を行いました。 協会からは野上会長他3人が対応し、「増車については今後も協会員に見直すよう働きかけることを約束する。違法駐停車については4月1日から今までのような違反に対して画一的な制裁ということではなく、会社の台数に応じた制裁という新たな制度で行うようにする。また街頭指導については警察からもそれなりの評価をいただいていると思っているので今後とも引き続きご協力をお願いしたい」などの回答を得ました。 |
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過労による脳出血で障害会社妨害はねのけ労災認定山 梨 |
【山梨】山梨第一交通でタクシー運転手をしていた鈴木朝生さんが「脳出血により障害が残ったのは加重労働が原因」との労災申請に対し、甲府労基署は3月18日までに業務上の過労による労災と認定しました。 鈴木さんは00年8月に入社。深夜1時まで勤務という加重労働の中、02年10月、帰宅後、入浴中に倒れ「脳出血による左半身まひ」となりました。また、倒れる1か月前の残業は月110時間にも及んでいました。 そこで「山梨過労死と労災問題を考える会」が支援をして労災請求。しかし会社側は運転日報を見せないなどの妨害行為を行ってきました。そこで鈴木さんの記録していた運賃収入メモなどから長時間労働の実態を明らかにし、早期の労災認定を求めてきました。 また、同社での賃金が県の最賃を下回っていたとして最賃法違反で同労基署に申告。既に差額も支払われています。(遠藤敏美) |
自 交 総 連 |