自交労働者No.624、2004年5月15日

 5月1日、東京・代々木公園で第75回中央メーデーが行われ、4万2000人が参加しました。また各地でもさまざまな行動が行われ、自交総連の仲間も多彩なとりくみを展開しました。
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元気にデモ行進を行う北海道地連の仲間
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年金改悪・自衛隊イラク派兵反対を訴えながらデモ行進を行う東京地連の仲間
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デモ行進で京都駅北口の混雑解消を訴える京都地連の仲間
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横断幕をかかげデモに出発する大阪地連の仲間

 【北海道】北海道では55地域、1万3000人の参加で開催され、各地の会場では、雇用を守れ、年金改悪阻止、許すな憲法改悪、自衛隊のイラクからの撤退を求める声・声・声が満ちあふれました。

 【宮城】宮城メーデーは会場に2100人が集まり、会場には「年金改悪反対」「イラクから撤兵を」のスローガンにまじり、「運輸局は規制緩和の失敗を認めろ」などのプラカードが目立ちました。また行進プラカード部門で大賞を受賞しました。

 【福島】福島では地連の仲間45人が元気に参加。各単組の45秒アピールでは大森労組の荒井書記長が怒りのアピールし、大きな賛同を得ました。その後プラカードなどを掲げながら市内をデモ行進しました。

 【東京】東京では青空の下、代々木公園で開催され、地連の仲間1014人が参加しました。参加した日の丸交通の女性乗務員は「年金のような国民の権利に関わることは、国民投票できめるべきだと思います」と年金改悪に対する国への不満を話していました。

 【京都】京都では9組合220人がタクシーの形をした横断幕やメーデー用に作成した黄色の腕章をつけて参加しました。また、南コースのデコレーション部門で京都地連が2位を受賞しました。

 【大阪】大阪では250人の仲間が、「タクシー運転免許の法制化を」「安心・安全なタクシーを」としたゼッケンを胸に参加し、会場では、西地協制作の大きな赤字で『怒り』と書かれたムシロ旗が、失政により危機的状況に追い込まれている私たちの気持ちが端的に描写され、ひときわ目をひきました。

 【福岡】福岡では中央メーデーに68人、地域メーデーに34人が参加し、福岡西鉄労組の権藤さんが職場復帰を果たしたことを誇らしげに報告し、謝辞を述べました。



解決基準ふまえ最終決着へ

第3回中闘 団交、個別対策など重視

 自交総連は5月12日、第3回中央闘争委員会(第5回常執)をひらき、春闘の最終決着に向けた対策を決めました。
 各地の春闘状況は、宮城、東京、神奈川、京都、大阪などで、何らかの原資を獲得したうえで解決しているところが出ています。
 しかし、大勢では依然未解決のため、今後の対策として、5月中の最終決着をめざすために、(1)各地連(本)は、ストライキを含む統一行動の独自設定と団体交渉の促進をはかる。(2)各地連(本)は、第3回中執で確認した『春闘の解決基準』をふまえ、未解決組合への援助など個別対策を重視する。(3)中核的組合へのリストラ「合理化」及び廃業・身売り対策などについて総連本部として積極的に関与しオルグ派遣などの措置を講じる――こととし、同時に、組織拡大に全力をあげることを決めました。



埼玉地連宣伝行動

多すぎる車へ不満沸騰

労働条件アンケートも実施

 【埼玉】埼玉地連は4月20〜22日、26〜29日の7日間、県内主要駅頭でタクシー乗務員に向けた『増車反対・大幅減車要求』を柱とする宣伝行動と『労働時間・売上・有給休暇』に関するアンケートを実施しました。
 営業収入が大幅に減少している中、どこの駅でも不満が沸騰。特に県北部の熊谷駅では「月に22〜23日、早朝から終電まで働いても一日の売上が2万円そこそこ」と聞かされ、改めて怒りが込み上げてきました。
 どの駅でも、アンケートには快く応じてくれましたが、ほとんどが「1か月の営収は35万円から40万円程度」「有休があっても取れない」というもので、労働実態の厳しさは想像を超えるものでした。埼玉地連では、この結果を『増車阻止・大幅減車実現』の闘いに一層生かしていく決意を固めています。



センターに登録制を 運輸局

京都地連

京都市 駅北口をバリアフリーに

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市と交渉を行う京都地連の代表=4月23日、京都市役所

【京都】京都地連は、乗務員登録制について運輸支局と4月15日、バリアフリーのための駅北口の改善について京都市と23日、交渉を行い、各単組から集めた900筆の要請署名を手渡しました。
 運輸支局交渉では、松川輸送課長、西川専門官が対応し、「要請内容には同じ問題意識を持っている。タクシー地域協議会の引継ぎも受け、登録制など、情報交換などをしながら実効性のあるものにしていきたい」との回答がありました。
 また京都市交渉では、奥園交通政策課長が対応し、京都駅北口の混雑解消に関して、「『バリアフリー基本構想策定委員会』を今年度中に立ち上げ、検討地区に京都駅北口も入っている。高齢者、身障者問題での趣旨は合致する」と答えました。
 組合側では「北口の自主規制も労働者の力で維持している。バリアフリーのためにも現場の意見を聞くべき」との提案を行いました。



態度改めぬ第一交通

大阪地連

争議解決求め宣伝行動

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ポケットに手を入れ立ちはだかる第一交通の社員=4月23日、福岡・第一交通産業前
 【大阪】大阪地連は4月22〜23日、第一交通の本社がある北九州市で争議の全面解決を求める宣伝行動を行い、ビラ3500枚を配布し市民やタクシー労働者に第一交通の無法ぶりを訴えました。
 JR小倉駅での宣伝では市民やタクシー労働者からは「第一は、工賃を安く値切るから建物の質が悪く売れ残りのマンションが多い」「裁判所には第一が関わる未解決の交通事故の訴訟が山積みされ、それが原因で株式の一部上場ができなかったようだ」「事故の被害者は、解決が遅れるので困惑しているとよく聞く」など、まともな話はどの労働者・市民からも聞くことがありませんでした。
 また、第一交通本社に申し入れ文書を持っていくと、名前も名乗らない社員らが、社屋に入れようともせず、受け取りさえも拒否するなど態度を改めようとはしませんでした。
 最後に第一交通の寮や社宅周辺でビラをまき、北九州行動を終えました。



千葉地本

小湊鉄道バスを刑事告発

行政処分後も無反省

 【千葉】非人間的な変形労働時間の強要など劣悪な労働条件を押しつけている小湊鉄道バスに対し、関東運輸局は4月14日、すり減ったタイヤで運行していたなどとして3台26日間の車両停止処分を行い、一般新聞等でも報道されました。
 労働者がタイヤがすり減って危ないと会社に言っても交換してくれないため、昨年、運輸局に車両を持ち込み告発していました。重点監査で11件の道路運送法違反が見つかり、処分されたにもかかわらず、その後もまた再びすり減ったタイヤで運行しています。
 このため、地本と小湊鉄道バス労組は、(1)すり減ったタイヤで運行する道運法、道路運送車両法違反(2)運行指示書で駐車禁止場所での休憩待機を命じている道路交通法違反(3)駐禁場所での待機では「休憩」にならない労基法違反――の3点について、千葉県警に刑事告発を行いました。
 同社の専務は「路上駐車は警察もおめこぼしをしてくれている」と述べるなど無反省なため、組合では引き続き違法行為を追及し、同時に、残業手当の廃止をねらった変形労働時間制の押しつけに反対する運動をつよめることにしています。



年収格差は243万円

02年労働条件比較

時間賃金は半分以下に

 タクシー労働者と男子常用労働者の年収格差は243万円――02年の労働条件比較でわかりました。タクシー労働者の年収は278万円、男子常用労働者は521万円。ともに前年より下がっていますが、タクシーの下げ幅が大きく、格差は過去最高となりました。
 年間収入を年間労働時間で割った時間賃金では、タクシーが1138円、男子常用が2614円で、タクシーは半分以下の44%にしかなりません。
 地方ごとにみると、時間賃金でタクシーが男子常用の半分を超えたのは千葉、滋賀、鳥取、埼玉、富山の5県のみ。格差が最大の宮崎では、タクシーは男子常用の31%と3分の1にもならないひどい実態です。
 (注)この労働条件比較は、自交総連が20年前から継続的に行っているもので、全乗連や業界紙が計算し公表しているものとは数字が異なります。詳細は『月報』5月号に掲載しています。
・タクシー労働者と男子常用労働者の労働条件比較(年収・労働時間1時間当たり賃金

 新加盟のなかま  (693)北海道・交運従組新労組

正式加盟そして統一へ

 【北海道】昨年からオブ加盟していた交運従組新労組(組合員108人)は、5月1日、北海道地連に正式加盟しました。実施は6月の定期大会で確認をすることにしています。
 交運従組新労組は、01年春闘から交運従組札幌と共闘を組んで毎年の春闘を闘ってきましたが、オブ参加であった北海道地連に正式加盟し、近い将来には、交運従組を統一する一本化に向けて現在検討の調整に入っています。



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