自交労働者No.625、2004年6月1日 |
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自交04春闘は、先の第3回中闘で決めた5月中の最終決着をめざす統一行動などのとりくみの結果、現在(5月25日)までに、ハイタク71組合、自教14組合、バス・トラック他3組合で妥結となっています。 |
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運収は23年ぶりの低水準
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安全運転実態調査の結果がまとまりました。規制緩和が実施されてから3回目の調査になりますが、いよいよその害悪が顕著にあらわれてきました。 労働時間を守って走るテスト車の運送収入は5地方平均で2万9233円となり81年以来23年ぶりに3万円を割り込みました。実車率も36・4%と最低を更新しています。仙台では29・2%と3割をも下回っています。 5地方の平均で規制緩和前3年間と後3年間を比べると、グラフのように規制緩和後明らかに運収・実車率が急落しているのがわかります。前後3年間の平均では、運収が3万4979円から3万1987円に9%低下、実車率が40・9%から38・4%に6%低下しています。 テスト車と通常営業の差も拡大しています。通常営業はテスト車を運収で15%(前年12%)、走行キロで11%(同10%)上回っています。それだけ休憩の圧縮・残業等のオーバー労働をしているということで、交通事故増加の要因ともなっています。 |
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無責任な『顕彰』はやめろ近運局に集中抗議を |
近畿運輸局は3月17日、タクシーの規制緩和・運賃多様化を推進した「功績」をたたえて、同局自交部旅客二課のタクシー運賃多様化実現・検証チームを顕彰していることが明らかになりました。 規制緩和・運賃値下げにより、日々苦しめられているタクシー労働者を無視した無神経・無責任な行為です。 自交総連本部では5月13日、抗議文を送りました。 各地方・単組からも抗議のFAXを集中してください。 抗 議(要旨)
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東京地連
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福祉有償輸送問題などについて要請を行う東京地連の代表=5月18日、関東運輸局 |
【東京】東京地連は5月18日、福祉輸送の大幅規制緩和強行や、運賃ダンピングが深刻な問題となっているもと、関東運輸局と交渉を行いました。
交渉では、(1)福祉有償輸送及び過疎地有償輸送に係わる問題。(2)施設使用料を名目とした割引運賃問題。(3)対人・対物補償保険の加入義務付けにともなう乗務員への社内罰や罰金などの押し付け問題。(4)事業者への監査実績の公表。(5)ハイヤーの下限運賃を下回る申請を認めないことについて要請しました。
対応した渡辺旅客二課長と前田監査課長は、(1)「構造改革特区を全国的にする目的だ。特区の福祉輸送にセダン型車両を認めた」(2)「施設を使用していないのに使用料は認められない。割戻しも禁止」(3)「事業者は金を出したくないから発生すると思う。基準法との関連で労働局と相談する」(4)「監査について法人46件、個人31件を実施した」(5)「法違反、不当競争の要因を見ていく」と回答しました。(小林隆)
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実効性のある法的規制を
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【宮城】宮城県交通運輸共闘会議(門真議長)は5月21日、運輸局に対し、規制緩和によりタクシー、トラック、ダンプなどで低賃金・長時間過密労働を生み出し、交通運輸の公共性や安全確保が維持されなくなったとして、実効性のある新たな法的規制を求める要請を行いました。 この日は座り込みも予定していましたが、台風の接近のため中止になり要請のみになりました。 具体的には、(1)タクシー運転免許の法制化への検討。(2)JRの事故・故障について指導の強化。(3)排ガス低減装置への補助金を希望者全員へ。(4)ダンプの下請けによる単価引き下げへの対策の強化を要請しました。 運輸局側は、「仙台市のタクシー台数は590台増えた」「下請代金支払遅延等防止法で規制する」など、安全輸送への措置として指導強化することに同調しました。 |
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大阪地連 5・14総行動に50人参加 |
早朝8時からナンバ駅前交差点で、宣伝カーから権田委員長が訴えるなか佐野南海労組などが、中心になってビラを配布しました。 その後全体集会と班分け集会が行われる三井住友大阪本社前では音楽家ユニオン有志の激励演奏で始まり、佐野南海労組の堀川委員長は「第一交通産業による不当労働行為に対する損害賠償訴訟で、4月7日、地裁堺支部は総額8千万円の損倍を命じる判決を下しました。皆さんの支援のおかげです。早期解決をめざし、組合員全員が勝利するまでがんばります」と力強く決意表明しました。 その後4班にわかれ、抗議・要請行動を行いました。 |
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山口労連
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【山口】山口地連は5月17日、組織拡大月間の行動として、県内主要都市で宣伝行動を行い、戸倉委員長を先頭に4人の仲間が参加しました。 宇部市内を皮切りに、宇部空港、新山口駅、徳山駅での対話や、用意した100枚のビラを配りました。 対話では、「2時間も待っているが一回も乗せられないよ」「営収が下がってもう仕事をやっていけない」などの悲痛の叫びや、ビラの裏に書いてある大阪の争議問題を見て、「うちも第一だけど、大阪のはとんでもない会社だな」などの声が寄せられました。 新山口駅では乗務員がビラを要求し、一人でも組合に入れるかなどの相談も受け、翌日には地連の事務所に組合に入りたいという電話があるなど自交総連に対する期待が寄せられていました。 |
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悪政変えてタクシーの需要増
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参議院選挙が7月11日投票で行われます。悪政に痛めつけられている自交労働者にとっては今後のくらしがかかった重大な選挙です。
◎ 命さえ奪う規制緩和 タクシー・観光バス労働者は、規制緩和のせいで大変な苦しみを受けています。激しい増車・運賃値下げ競争のツケをすべてまわされて大幅な賃金低下となり、長時間労働が日常となり、交通事故は激増、健康破壊もすすんでいます。 国民の懐を暖める政治を 10年間でタクシー・観光バスの営業収入は2〜4割も減っています(図2)。 行政の怠慢と自民党型政治 労働者を守らない労働行政や悪質事業者を野放しにする運輸行政の背景には、政・財・官の癒着体質があります。大企業は政治献金で政治を動かし、官僚も天下りなどをつうじて政・財となれあっています。 |
自 交 総 連 |