自交労働者No.631、2004年9月15日

各地から規制緩和の弊害報告

第4回中執 大運動方針案など討議

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タクシー運転免許実現大運動方針案などを討議した第4回中執=9月7〜8日、東京・グリーンホテル御茶ノ水

 自交総連は9月7、8の両日、東京・グリーンホテル御茶ノ水で第4回中央執行委員会をひらき、自交労働者のくらし擁護、憲法改悪反対、組織拡大などを柱とする2004年度運動方針案、タクシー運転免許実現大運動方針案を討議・確認しました。

 第27回定期大会のスローガンは、「自交総連結成の原点に立ち、守ろう 雇用・くらし・いのちと平和 いまこそ 組織の強化拡大を」とし、規制緩和で危機にひんしているタクシーはじめ自交労働者のいのちとくらしを守るとともに、憲法を守り、消費税増税など悪政に反対する闘い、仲間を増やす闘いに奮闘することを呼びかけています。

 討議では、各地方から賃金の異常な低下、無秩序な増車・運賃値下げ競争など規制緩和の弊害の実態が報告され、とくに健康問題で在職死亡が急増していること、タクシー強盗の被害も多いこと、一部のNPOのボランティア輸送が無秩序に「白タク」化していることなどの指摘がありました。

 これらの点もふまえて、労働者の権利擁護、利益実現という労働組合の原点にたってたたかう方針案を大会に提案することになりました。

 危機的状況の打開をめざし、当面の最低労働条件確立と、より根本的な解決のためのタクシー運転免許実現大運動方針案を決め、大会に提案することとしました。



鹿児島

大和交通労組が更生法申請

職場を守る道を選択

 【鹿児島】大和交通労組の町秀勝委員長と瀬戸山実義書記長は9月1日、鹿児島地裁に同社の会社更生法を申請しました。

 大和交通労組は、経営の悪化から、1991年10月に乗務員らで結成され、93年からは売上金などの自主管理を行い、自主的運営で業務を継続。会社代表の数々の妨害にも屈せず、裁判闘争を経て裁判所が任命した仮代表の川村弁護士と共に大和交通の正常化をめざし奮闘してきました。

 しかし、組合が管理を始めた当初から債権も多数あり、税金の支払もできず、負債額の多さから、仮代表である川村弁護士が破産を検討しはじめました。組合では破産となれば、職場を失い社員とその家族が路頭に迷うことになり、職場を守るために会社再建の道を選択し、更生法の申請を行いました。

 現在は放漫経営のかぎりを尽くした現代表に対抗すべく、組合が1000万円を増資(新株発行)し、新体制のもとでの会社再建を計画しています。

 今回の申請にあたり瀬戸山書記長は「何としても会社更生を成し遂げなければ今までの自主管理11年8か月が無駄になります。また、成功させるためにも仲間のみなさんに物心両面にわたるご支援をお願いいたします」と話しています。



大阪地連

下限割れ運賃認可に抗議

近運局に怒りの声明

 【大阪】大阪地連は8月25日、関西中央グループ・茨木高槻交通が申請していた自動認可下限割れ運賃の1年間の期限付き認可を行った近畿運輸局に対し、抗議の声明を発表しました。

 今回認可された運賃は中型車初乗り660円↓540円、加算273b80円↓292b70円、時間距離併用1分40秒80円↓1分50秒70円、時間制運賃30分ごと2450円↓2000円で、現行運賃に比べ18%も安くなっています。

 これまでも大阪地連では、国交省や、近運局に対し、北摂交通圏の異常な実態を申告するとともに、請願行動や宣伝行動などでも運賃競争が勃発すれば、労働者や利用者に被害が及ぶとの訴えを行ってきました。

 今回の声明では、北摂交通圏での新たな運賃戦争への突入に抗議するとともに、経営者に対し、労働者に犠牲だけを押しつける運賃戦争を止め、社会常識に基づいた経営を望むこと、さらに今後も近畿運輸局の責任を追及するとともに、北摂交通圏での運賃戦争を注視するとしています。



特別監視地域は102に減少

国交省

実態無視の新基準

政令都市仙台が指定に


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 国土交通省は9月1日、沖縄本島地域をひきつづき緊急調整地域に指定するとともに、全国102地域を特別監視地域に指定しました。昨年度の254地域から一気に半分以上減っています。

 これは、特別監視地域が多すぎるとの規制緩和論者の圧力を受けて今年3月の規制改革3か年計画で、特別監視地域の指定要件が変更されたためです。実車率の低下要件が、非流し地域において前5年間比で2%以上から4%以上へと変更されるなど、実態を無視した規定とされたため、多くの地域が指定からはずれました。

 緊急調整地域では新規参入・増車がストップ、特別監視地域では新規参入・増車した事業者への監査が厳しくなり、違反点数が割増されますが、いずれも減車されるわけではありません。

 特別監視地域が減るなかでも、異常な増車により仙台市が政令指定都市を含む地域としては初めて特別監視地域となりました。その他の地域でも新たな指定があり、要件を厳しくしても該当してしまうという実態のひどさを物語っています。



道交法

運転中の携帯罰則

タク無線は問題なし

11月施行

 今年6月の道交法の一部改正案の成立により、公布後6か月以内に施行することとされていた項目が11月1日より施行されることになりました。

解説今回の施行により、今後は運転中に携帯電話を手で持って、通話したり、メールの送受信などのために画面を注視した場合は罰則として、反則金大型7000円、普通及び二輪6000円、原付5000円が科されることになり、基礎点数として1点も科されます。また反則金を支払わないと5万円以下の罰金となります。これからは、運転中は電話に出ない、仕事上必要なときはハンズフリー装置を使う、などの注意が必要です。ただし、警察庁の説明では、タクシー無線機の場合は運転中にマイクで通話しても問題ないとしています。

 飲酒検知拒否については、検知拒否に対する罰則が、現行の5万円以下の罰金から30万円以下の罰金に引き上げられることになりました。アルコールは約8時間は体から抜けないといわれていますので、今後は出番の前夜は飲酒の量は控えるなどの注意が必要です。

 その他として、レッカー移動した車両の売却までの期間の短縮(3か月→1か月)、暴走族対策(集団暴走行為、騒音運転等及び消音器不備に対する罰則の見直し)も実施されることになりました。




加入者は前年度より105人増

自交共済第23回総会

新年度活動計画決める


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1万5000人加入目標などを話しあった自交共済第23回総会=9月8日、東京・グリーンホテル御茶ノ水
 自交共済は9月8日、東京・グリーンホテル御茶ノ水で第23回総会をひらき、12地方36人が参加、新年度活動計画をきめました。

 自交共済は、2003年度には死亡36人をはじめ全体で734件の産別給付を行い、組合員の助け合いの役割を果たしてきました。きびしい労働条件を反映して死亡者数はここ数年、高い水準が続いています。

 加入者は前年度より105人増えて8750人となりました。

 総会では、具体的な活動計画として、1万5000人を目標に、未加入地方への対策強化、各地方ごとの自主目標の設定などの対策をとり、リーフレットやかべしんぶん・ポスターなどの宣伝啓蒙活動も強化することを決めました。

 新加盟のなかま  (697)宮城・仙台北交通労組(バス)

全社員の一致で加盟

 【宮城】宮城県黒川郡にある仙台北交通(バス)で働く仲間は8月20日、仙台北交通労働組合(佐々木勝義委員長、5人)を結成、自交総連に加盟しました。

 仙台北交通は、古川交通の廃業にともない、そこで働いていた人たちのために作られた会社で、自主経営的会社であるのに組合がないのはおかしいとして、社員全員で結成準備を行い、全社員の一致をもって組合加盟を決めました。

 新加盟のなかま  (698)宮城・中央タクシー分会

不当行為に組合結成

 【宮城】宮城県仙台市にある仙台中央タクシーで働く仲間は8月25日、ハイタク一般労組中央タクシー分会(2人)を結成、自交総連に加盟しました。

 新たに採用された、高橋さんが、介護タクシーの乗務員でAT車の担当であったのに急に担当車を変えられるなどの不当労働行為が行われ、同僚に相談したところ、それなら組合を結成しようという話になり今回加盟することになりました。



自 交 総 連