自交労働者No.632、2004年10月1日

京 都

今後の対策に向けシンポ

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今後の都市交通のあり方やTDM導入を検討したシンポジウム=8月31日、京都・キャンパスプラザ京都
 京都では8月31日、キャンパスプラザ京都で「車を減らし、環境にやさしいまちづくりを! 京都の都市交通を考えるTDM(交通需要管理システム)シンポジウム」が開催され、京都地連も成功をめざし、近運局への理解と協力要請など、さまざまなとりくみを行いました。

 このシンポジウムは都市交通のありかたを考え「まちづくりと交通」とはどのようなものであるべきかなど、京都でのTDM導入を検討するために開催されました。

 シンポでは、立命館大学の土居教授がTDMの早期導入による都市再生を訴える基調報告を行い、その後のパネルディスカッションで坂本近畿運輸局企画課長は、神戸での公共交通のとりくみを、奥薗京都市交通政策課長は、観光都市における課題としての交通渋滞の解消対策(流入抑制、誘導施策など)を報告しました。

 また、山下弁護士は欧州各国の交通事情を視察した体験から、LRT(低床式路面電車)は住民参加型でなければ実現できないことなどを指摘。ドア・ツー・ドアの冨田代表は、京都の総量規制についてタクシー側の立場として「客待ちタクシーにおける運行阻害」などを例に報告を行いました。

 京都ハイタク共闘会議の安井暁議長が「今後も市民の多くが参加してお互いの意思が一致できるシンポジウムを開催していきたい」と閉会宣言しました。

 シンポは京都のNPO法人ドア・ツー・ドアが主催し、近畿運輸局、京都市が後援、京都旅客自動車協会、京都ハイタク共闘会議が協賛して行われ、自交総連からは90人が参加しました。



割賃、弁償金などで是正勧告

奈良・三重近鉄タク労組

勝利の意義知らせ学習会

 【奈良】三重近鉄タクシー労組は8月12日、割増賃金、最賃法違反などで会社を上野労働基準監督署に申告していた事件で、是正勧告をかちとりました。
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三重近鉄タクの是正勧告の説明などを聞く参加者=9月21日、三重・上野市交流センター

 今回の勧告では会社に対し、(1)法第37条(割増賃金)違反により「2年に遡っての精算」、(2)法第16条(賠償予定の禁止)違反による「事故弁償金」として徴収した「過怠金」の返却、(3)最低賃金法(三重=667円)違反の是正、(4)拘束時間違反・過重労働の「解消」を厳しく指摘しました。

 また、今回の勧告を受け9月3日に行われた会社との団交では、最賃違反に関して社員の30%、165人の運転者が最賃法に抵触し対象になりますと回答してきました。

 三重近鉄タクシー労組では、この勝利的意義を県下に知らせ、労働組合の影響を広げる目的で9月21日、三重・上野市交流センターで学習労働相談会をひらき、21人が参加して、今回の是正勧告の説明や、戦後の労働運動の歴史、労組法の質問や組合結成の相談などを行いました。



青 森

最賃問題で労基署交渉

三ツ矢交通労組 違反の是正指導を確認

 【青森】三ツ矢交通労組は、7月に最賃違反の是正と一昨年にさかのぼっての差額支払いを求めて弘前労働基準監督署に申告を行いました。

 三ツ矢交通では、オール歩合制により、最低保障が適用されるのは、会社が課した走行距離を達成した場合に限定され、足切りを達成しない場合は、社会保険料の事業主負担を個人負担させていました。また、月収が数万円にしかならないという最賃違反も蔓延しています。

 今回の申告では弘前タクシーひまわり労組でも同様の要請を行っており、その後、県労連、地域労連と共に7月、8月と労基署への要請を行ってきました。

 9月3日の交渉では、労基署に会社に最賃違反が実在することを認めさせ、是正については指導するとしています。

 しかし、差額支払いについては会社側の「実働していない時間が多くある」という言い分もあり、労働時間の認定が困難などとしているため、労働時間については、団交での確認を会社側に指導することを約束させ、10月4日に団体交渉を行うことにしています。




悪質企業を野放しにするな

佐野南海・水鉄タク労組

宣伝、交渉で局の怠慢を追及

附帯決議を守れ


 【大阪】佐野南海交通労組と水鉄タクシー労組は9月13日、近畿運輸局前で第一交通産業、水鉄タクシーの無法な労働者イジメの手口を市民に伝え、「悪質企業を野放しにするな」と交通行政の怠慢を追及する宣伝行動を行いました。

 午前8時20分から地連の林書記長をはじめ南地協、西地協の仲間の協力を得、両労組の組合員併せ30人の仲間が合同庁舎に出勤してくる職員や市民にビラを手渡し組合つぶしの実態を訴え、支援を求めました。

 堀川委員長は「組合つぶしを目的とした第一交通産業による佐野第一交通の廃業を局が許可し、組合員全員が職場を失った。宣伝後、局と交渉するが、衆参附帯決議の趣旨からしても組合つぶしの廃業届がなじむのか、再度、回答を求めたい」としました。

 早朝宣伝終了後の局交渉では、組合が廃業の届出制について見解を求めると、「事業を続ける、続けないは企業の意志で決めること」とこれまでと同様の回答でした。しかし、話の中で奥2課長は「第一交通の廃業問題は、裁判所の確定をもって決める」とも述べました。

 水鉄の不当処分問題では、「局として動けない」と頑なな姿勢でしたがねばり強く交渉した結果、「(処分理由の)日報の存在を確かめる」との回答を引き出しました。

 最後に「今後も規制緩和の弊害で苦しむタクシー労働者と利用者の『安心・安全』を守る立場から、自交総連は局前で宣伝行動を継続する」と述べ交渉を終えました。



警察庁調べ

運転者の自殺が急増

01年556人から722人へ

 自動車運転者の自殺が急増――規制緩和のなかで命を絶つまでに追い込まれている悲惨な実態が明らかになりました。

 警察庁がまとめた概要資料によると、全国の自殺者は不況やリストラが深刻化した98年以降大きく増え3万人を超えて推移しています。そのうち自動車運転者は、01年から556→623→722人と急増、30%も増加しています。全体の増加率は同時期に11%ですから自動車運転者の増加ぶりが目立ちます。また、全国個人タクシー協会のまとめによると03年度の個タク事業者の死因のうち自殺が42人で最多となっています。

 自動車運転者は、トラック、バス、タクシーが相次いで規制緩和され、大幅な収入の低下にあえいでいます。最低限の暮らしも確保できない低賃金のなかで、不幸にも自ら命を絶つ悲惨な実態がわかります。

表




定時制乗務員は4万7411人

全 乗 連

週30時間未満が68%

グラフ
グラフ
 全乗連が行った調査で、全国の定時制乗務員の数は、4万7411人、乗務員全体の13・7%で、その8割以上が定年退職者を中心とする60歳以上の高齢者で占められていることがこのほどわかりました。

 定時制乗務員のうち女性乗務員は1006人、2・1%で、全乗務員に対する女性乗務員の比率2・3%を若干下回っています。

 定時制乗務員を、週の労働時間別にみると、週の労働時間が20時間未満が6386人(13・5%)、20時間以上30時間未満が2万5865人(54・6%)、30時間以上40時間未満が1万5160人(32・0%)で、定時制乗務員のうち週労働時間30時間未満が68・0%。

 次に、定時制乗務員を年齢別にみると、60歳未満が8309人、60歳以上65歳未満が2万2816人、65歳以上が1万6286人と、60歳以上が80%を超えています。

 この調査は使用者からの回答をもとに作成されているため、定時制乗務員の数は実際はもっと多くなるものと思われます。

 社会保険の加入義務がない週の所定労働時間が30時間未満の乗務員や60歳以上が多数を占めていることから、多くの会社で、定年退職後の高齢者を社会保険の負担なしで、定時制として利用していることがわかります。


各地の大会

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次年度運動方針などを決めた福島地連第10回定期大会=9月15日、福島・サンライフ福島
団結して闘うことが必要

福島第10回大会

 【福島】福島地連は9月15日、第10回定期大会をひらき「仲間を増やそう」を最大目標とする運動方針を決めました。

 小山委員長は、規制緩和で生活が悪化しているが、一人では闘えない、団結して会社と闘うことが必要だと訴えました。討論では、40歳代以下の組合員が集まって活動改善のアイデアを出しているなどユニークなとりくみも紹介されました。

 (役員の一部交代)副委員長=山崎良博、山田信一

組織拡大で生活権利の確保

大分第43回大会

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産別組織の強化・拡大をめざすことなどを決めた大分地連第10回定期大会=9月15日、大分・グリーンカルチャーセンター
 【大分】大分地連は9月15日、大分・グリーンカルチャーセンターで緒方常執を講師に招き、第43回定期大会をひらき、14職場24人が参加しました。

 大会では次年度方針として、(1)産別組織の強化・拡大で、働くものの生活と権利の確保。(2)行政責任を追及し、安全・安心のタクシー実現。(3)タクシードライバー法の成立促進などを決めました。

 委員長=衛藤和範(再)▽副委員長=園田忠孝(再)▽書記長=山野茂利(新)

団交で10月から有休が改善

福井第2回大会

 【福井】敦賀京阪タクシー労組は9月21日、第2回大会をひらきました。

 今年3月に自交総連に加盟した同労組は、一時組合員が減りましたが、8月に2人が加入、団交で要求していた有休改善について、従来まったく保障がなかったのが、10月から保障がつくことになりました。大会では、有休の改善などを宣伝して、仲間を誘おうと意志統一しました。

 委員長=佐々木二三男(再)▽副委員長=佐飛(さび)清貴(新)▽書記長=佐賀井(さかい)典恵(新)

2割以上の組織拡大めざす

山口第41回大会

 【山口】山口地連は9月21日、下関市勤労福祉会館で第41回定期大会をひらき、“各支部での2割以上の組織拡大、団結の力で事業の将来展望を”を重点課題とする2004年度運動方針を全会一致で確立しました。

 討論では、自主経営3社の経営健全化や組合管理1社の再建闘争成功の課題、闘争前進のための地連財政の確立が指摘されました。

 委員長=戸倉伸一郎(再)、副委員長=下川清(新)、書記長=福田傳司(再)

 新加盟のなかま  (699)神奈川・八重洲タクシー支部

労働条件改善求め結成

 【神奈川】神奈川県川崎市にある八重洲タクシーで働く仲間は9月23日、神奈川地本八重洲タクシー支部(上江洲(うえす)廣吉委員長、30人)を結成、自交総連に加盟しました。

 会社での乗務員の死亡事故に起因して労働条件改善を求め労働組合の必要性を確認。川崎労連に相談後自交総連を紹介され、加盟することになりました。

 9月24日には、会社に組合結成通知書を提出しました。



自 交 総 連